No.521380 超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス燐さん 2012-12-22 09:44:57 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1051 閲覧ユーザー数:968 |
俺達はプラネテューヌ教会の会議用の大きな部屋に集まっていた。
思わずのことに感情のままに涙を流したが、冷静に考えれば、なんでネプテューヌ達が何食わぬ顔でいることに今でも何が起こったかは分からず頭が大混乱中なのだ。
ネプギアは離れまいとネプテューヌに涙目でしがみ付いたままだ。
ベールたちは先ほど、プラネテューヌに到着したらしく、先ほどイストワールがほかの大陸に連絡して直ぐに教祖と女神候補生達がここに集まるらしい。
「紅夜…聞きたいことがありますがよろしいですね?」
みんなが集まると事情やこれからの対策会議が始まるらしく、その間長きにわたり捉われていた女神達はいましばらくの休憩の時間を過ごすかと思ったが、その考えは余ったみたいだ。
「…紅夜に口はありますわよね~?」
「あだだだだだっ!?!?!?」
かる~く、現実逃避していた思考を強制的に戻すために頬をベールに思いっきり引っ張られた。
ただ今の俺は、正座され、その前には背後に修羅が見せるほどの威圧を離しながら冷笑する四大陸の女神が座っていた。
「なっ……なんでしょうか…?」
出来るだけ相手を刺激させまいとする声音で丁寧に言葉を返す。
ベールたちは、冷笑の表情を解除して左見右見の目つきで俺の包帯で隠してある左腕と左顔を見る。
その視線に悪寒を感じて、俺は思わず身震いする。
「さて、今度はどんな無理をして自分を傷つけたのかしら?」
うっ、と息が詰まった。
女神候補生……ネプギア達には初目で見抜かれていたように、女神もまたこの左腕と左顔の禍禍しさを直ぐに気づくことが出来るようだ。
ネプギア達は気づいても、俺の体調を気にして気遣われたいたが、どうやらベールたちにとっては、逆鱗に触れることみたいだ。
「確か最低でもあと一年は、冥獄界で修行しないといけなかったよね」
思い出す様に呟いたノワールことに対して俺は頷く。
「空は、絶対にその期間の間は会うことができないと言っていた……。空は、正しいことか、狂っていることしか言わない。この場合は前者だと予測だけど、どんな無茶をしたの……?」
ブランは、少しだけ怒りを孕んだ声でここにいない道化師を忌々しく思いながら呟いた。
「えっと……答えないといけませんか?」
『当然』
コンマ0.1で女神ズは、シンクロ率100%で答えてきた。
とりあえず、自分がここまで来た経緯を並べてみる。
始まりはネプギアの叫びからゲイムギョウ界に危機が迫ってくることを知り、ゲイムギョウ界を全ての負をほとんど制御できない状態で出陣した結果は、自己破滅しながら見事に惨敗。
同じくゲイムギョウ界の危機を察知した空が出陣して、虫の息だった俺を回収して治療措置をしてそのままゲイムギョウ界で他大陸の女神候補生達と協力して、シェアの確保や敵の掃討等を行ってきたらしい。
ルウィーで俺も合流して、敵の組織……マジュコンヌの副幹部であり四女神を
「…………」
とりあえず、今までのことを思い出して冷や汗が流れた。---絶対に怒られる!!。
ネプテューヌからは何時もの明るい表情を消して、悲しい貌でいろいろを言われる!。
ノワールは、まずビンタが飛んできて、そのあとは当分は辛辣な言葉の応酬がくる!。
ブランは、まずハンマー裁判で小言をずっと言われる!。
ベールは、徹夜で俺は正座でお説教される。
どうするんだよ。昔なら口で勝てていたけど、冥獄界へ修行する前にはネプテューヌですら口で負ける始末だったよ俺……レイスと対峙した並にこの状況をどう抜け出そうと頭をフル回転させていると。
「……こぅちゃん、必死で言い訳を考えようとする心境が丸わかりだよ」
「なっ!?」
ネプテューヌが糸目で突っ込んできた。
こいつが突っ込みに回ることにも驚いたが、こいつは俺の心が読めるのか!?
『…………』
膨れ上がった女神の威圧、それは無言の脅迫とでも言うのか……俺は結局、何もかも吐き出されることになった……。
「はぁ、紅夜の命捨てるような行動はいまに始まったことじゃ、ありませんけど……」
「死んだらもともこうもない」
「そうだよー、こうちゃんはもう少し、自分を大切にしたようがいいよ!ねぇ、ノワール」
「私に振らないでよ。まぁ……正しいけど」
俺は頭を抑える。
理由?全てを吐かされたあと、代表してブランの一撃をノーガートで喰らったんだよ。
多分だけど、体の十分の一の身長が縮んで、ほかはタンコブになったと思う。滅茶苦茶痛いです。
「そういえば、あの鬼強い人はレイスって言って、えっとこぅちゃんのお兄さん?みたいな存在なの?」
「うーん、要約すれば、そうなるんだけど……ってかお前は真剣に話を聞いたことに俺は驚きなのだが」
いつも自分勝手に国もかき回すネプテューヌ、事務仕事や国政も全て
「むぅー!、幾ら私でもゲイムギョウ界の危機となれば少しぐらいは真剣になるよ!!」
……どうやらネプテューヌは、読心術を会得しているみたいだ。
「普段のちゃらんぴらんとは、別人ですわね」
「酷いよベール!」
確かにいつもの態度から比べれば、そう思われるのは仕方がないことだろうな。
「それにしても、私達四人がかりで、全く歯が立たないレイスを良く倒せたわね…」
「………まぁな」
空から出された究極の二つの選択肢、モンスターとなって全てを殺戮するか、神となって全てを破滅するか。
どっち選んでもその先の結末は、大して
しかし、後者にはまだ理性という壁を造ることができた。どうしようもなく膨らんでいく世界の負と共に世界を壊す魔獣となっていれば俺は女神達を殺してゲイムギョウ界を死の世界にしてしまう……それだけは絶対にダメだ!。
だから、俺はひたすら耐える。
女神と目を合わせるだけで、無尽蔵な殺戮衝動が襲ってこようが舌を噛んで理性を抑え。
世界の負にどれだけ体を貪り喰われても、怨嗟の欲望のままに世界を壊せと体が動けば剣で刺して、銃で撃つ。
悲鳴が欲しい、怨嗟と鮮血を被りたいと冥獄神としての本能が叫んで、今の俺を支配しようとすれば、俺は俺であることを叫ぶ。
そうなる宿命を背負う覚悟を示さないとレイスに勝つなんて無理だと思うから。
「そのティシフォネって言う明らかなチートは、空が相手をするの?」
「あぁ、空曰くライバルって言ったよ」
犬猿のような関係だと思う。……殺し合う仲とも言えるが
「あなたもいいの?」
ノワールが少しだけ考えるように腕を組んで、口を開いた。
「あなたの前世と言えるレイスと何度も戦っているのは、辛くない?」
「………?」
言っている意味が分からない。
「言ってしまえば、あなたとレイスは同一人物に近い、つまり兄弟のような関係」
補足を加えるようにブランが呟いた。
「---考えたこともない」
始まりはネプテューヌの達を傷つけた奴として敵としていた、初めて戦った時は負に自分の体を支配されながら戦って負けたが何故か止めをしなかった。
ルウィーの戦いは、まるで師匠が弟子に物事の考え方や自分の力の欠点を教えるように刃を交えた。
俺がブラッディハード・エクリプスになった時は、焦りや苦しさはなく、寧ろ喜んでいたーーー敵なのに、
「…………」
俺は、レイスという抜け殻から生まれた存在だ。
だから、俺の造物主はレイスだ。レイスには確かに家族がいたが、それはレイスの家族であって俺の家族じゃない。
別に劣等感や、怒りや悲しみもなかった。
最初はただ空っぽで、それを埋めてくれたのはベールで、あとは流れるだけ生きて……自分に家族なんて概念は考えたこともない。
ーーーだが、
レイスの見たことや経験したことや知識などは、全てこの体に叩き込まれている。
故に俺は、人を理解できたし、神という存在も容易に理解できた。
最も信頼していた友から裏切られ、その魔の手から逃れる為にレイスは自分を封印した。そして俺が生まれた。
「紅夜……」
あいつに恩は感じている。
レイスがこの世界に来なければ、そもそも俺という存在そのものが無かったことになる。
ネプテューヌと会うことが出来て、自分を見つけることが出来たから……
「ーーー構わない」
しかし、敵となるなら話は別だ。
俺は、ネプテューヌ達の笑顔を守ると決意したのだ。
それを汚すなら、俺は喜んで絶望の深淵に墜ちて、存分に煉獄の業火に焼かれるぐらいの覚悟がある。
もし、仮に俺の親族がマジェコンヌに入っていて、ネプテューヌを殺そうとすれば、俺は躊躇なく自分の手を鮮血に染める。勿論、話し合おうとは努力はするが、
「どんな理由が合っても、ゲイムギョウ界を壊そうとするなら、俺はレイスを殺す気だ。」
例えその結果、ティシフォネが、空亡ちゃんが俺を憎んで殺しにかかったその時は、罰だと受け入れてそれを受け入れよう。
「あなた………」
「俺には力があるから……救えるだけの力があるから、ここで迷ったらあいつだって失望すると思う」
不思議と湧き出した思い込みだ。
まるでレイスが俺の耳元で語っていて、繋がっているような、そんな口じゃ説明できない……陶酔感に似た心地よいものを感じた。
「話し合いで解決出来る奴らじゃない。ならば力で屈服させるしかない」
レイス以外にもマジェコンヌ四天王が控えているし、マジェコンヌもいる。
確かに空が消滅させたはずだと言っていたが、復活するアイテムがあるのか?それとも空が仕留めそこねたか?ーーーどうでもいい、ただ、この世界から消し去ってやる。
「………もう、迷ったらダメなんだ。だって
絶対的な混沌と狂気の具現化させた奴らが来る。
『白痴の神』が『這い寄る混沌』が『無名の霧』が『狂気生む黒の山羊』が、彼らが来ればそれこそ覆すことは不可能だ。
分身体でも腕を振るうだけで、この世界は終わる。
彼らにとって世界を破壊することは、蚊を掃うと同じ動作なんだから
「時間がない?こぅちゃん」
「………あれ?」
ネプテューヌの言葉に我が戻った。
時間がないと俺は確かに言った………だが、なんでそんなことを俺が知っている?
『白痴の神』?なんだよそれ…、俺ではない誰かが、一瞬だけ俺を乗っ取ったのか?
ーーー安心しろ
「!!」
「紅夜……?」
念話と似たような心に語りかける声、それは紛れもないレイスの声だ。
声が出そうになるか、声だけのレイスは「静かに」と呟いた。
その声に、沸騰しそうな頭に氷でもぶち込まれたような異物感に吐き気を覚えながら俺は深く息を吸い込んで吐いた。
ーーー俺達は魂魄で繋がっているんだ。その気になればこんな魂に語りかけることもできる。
「か、顔が真っ青になってきたけど大丈夫?」
「あっ、大丈夫だ……」
ノワールが俺の異変にいち早く気付き、医師の様に容態を確認しようと頬に触れた。
突然の接触になる動悸の飛躍と彼女の手から伝わる暖かな体温と清らか肌が、まるで見た目は美しく作り出した中身は毒を入れたかと造形物と感じてしまった。そして……壊せ、犯せ、殺せ、冥獄神の本能が弾けた。
ーーー耐えろよ。本来ならもう少しマシだったかもしれないが、ゲイムギョウ界の負が罪遺物と反応するようになってきた。
「---ぐっ」
大津波に飲まれ一気に海淵まで引き摺りこまれるような感覚を覚えて、俺の意識は一瞬落ちかけた。
レイスの言葉が無ければ、刹那の時間だけだがーーーノワールを殺意をもって攻撃するところだった。
「顔色が一気に悪くなったわね」
「あの……!。お兄ちゃん無事に船旅が出来るようにずっとエクリプスで頑張って……!」
あぁ、確かにリーンボックスからプラネテューヌに移動するために乗った船が嵐に巻き込まれてエクリプスになって大津波やらにスカーレット・ブラスターをぶち込んだり、巨大な渦潮には船を持ち上げて無事に渡れるようにした……な。
ーーーお前も時限爆弾を組み込まれたか……はぁ、全力で罪遺物を封印したつもりでも流石に無理か
「はぁ、はぁ……大丈夫、大丈夫だから」
「その言動なら誰も信じれないわよ。ベールそっち持って」
「分かりましたわ」
両肩を持ち上げられる。
万華鏡のように視界が狂っている中、見えるのは心配そうに支える女神達だ。
ーーー暫く、眠れ。お前には話さないといけないことがある。
レイスが呟くと同時に、俺は
「……こ……や…」
耳元で聞こえる声も聞こえない。
そういえばーーー空は、彼女たちを救ってくれた彼は、何をしているのだろうかーーー。
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約二か月ぶりの更新……待っててくれた人いるかな……とにかく、これから本編一直線で頑張ります!