ちなみに元の世界では親はいなかった。物心ついた時から俺は孤児院にいた。つまるところ捨て子と言うやつだ。院長先生の話によるとなんでも施設の前に捨てられてたらしい。
今のは高校に上がった頃に聞いた。だけど俺のいた孤児院が無くなることになり、そその後は院長先生に引き取られた。高校に上がると俺は奨学金で学校に通い院長先生のおかげで一人暮らしをしていた。
ちなみに院長先生と言ってもかなり若かった。なんでも院長を後退したばかりだったらしい。
姿がもとのままならこのままを話せばいいのかもしれないが…あいにく今の俺はなのはと同じくらい、つまりは小学校3年生くらいなのである。
となってくると俺の答えは必然的に決まってくるわけで…小学校3年生くらいの時にしていたことを話すしかない(アレンジを加えて)
「えっと、俺は捨て子なんで親はいません。しいて言うなら院長先生たちが親みたいなものです。おれのいた施設がなくなることになって先生たちも必死に預かり先を探してくれたんですが俺を含めた何人かの子供が残ったんで先生たちで引き取ることになったらしく俺は院長先生に引き取られたんです。旅をしてたのはその院長先生が去年死んでしまったので先生がよく話してたこの海鳴市に来てみたんです」
ちなみにここが海鳴市であることは図書館に行ったときに知った。
「「「・・・・・・・・・」」」
あれ?なんかこの一家の空気が余計重くなったんだけど…どういうこと?
ちなみにさっき言ったのは旅をしてたことと院長先生が去年死んだこと以外は本当の事である。もとの世界では院長先生はおれが中3くらいまでは生きていた。院長先生が死んだあとは(死因は事故死)その家で一人で住んでた。
「君は、そんな年でそこまでつらい過去を背負っていたんだね…」
と士郎さんが告げ
「辛かったわね…」
と桃子さんが告げ、なぜか抱きしめられた
「いや、ちょっと…え?」
この状況についていけない…確かにかわいそうとかは何度も言われてきたがこんな対応をされたのは初めてである。
ふと高町兄妹を見るとまるで自分の事のように悲しんでいた。なんでこの家族は他人の為にここまで感情的になれるんだ?
「桃子…それに恭也に美由紀になのはも…お父さんから一つ提案があるんだが」
それを聞くと高町家の人たちはわかってると言わんばかりに頷いた。
「リンドウ君、君さえよければこのままこの家で住まないか?」
「へ!?」
ちょっとまてよ…なんでいきなりそんな展開になってるんだ…流れが読めないんだけど
「いきなりこんな話をされて混乱するのも分からなくはないが、考えてみてはくれないか」
「でも、俺も一応家がありますし…」
神様にもらった立派すぎる家が
「そうか…ならばせめて学校の転入手続きはやらせてくれないか?」
「学校…」
俺は最初に言った通り別に学校が嫌いな訳ではない。面白いこと…つまり刺激があるなら別にそれでもかまわない。
「分かりました…お願いします」
「お願いされよう。あ、あと今日はもう泊まっていきなさい」
「お世話になります」
抵抗してもどうにもならなそうだしな…
――なのはの部屋にて――
「リンドウ君、なかなかつらい体験をしてたんだね」
「別にそんなことはないけど」
あの後俺は今日高町の部屋に泊まることになった。最初は恭也さんか士郎さんの部屋でいいといったのだがなぜか高町が引かなかった。それが効いたのか最初は反対していた恭也さんと士郎さんも(しぶしぶ)了承してくれた?になるのかな
「それよりユーノ…その、大丈夫か?」
あの重い?話のあとなのはがユーノを桃子さんに見せたら大騒ぎをはじめそれに士郎さんも便乗する形となりユーノはかなり遊ばれていた。
「何とか…」
「まぁ、話は明日に持ち越しだな」
「そうだね」
「すみません」
明日にするなら俺ここに来なくてもよかったんじゃないか?なんてことを思いながらとりあえず今日は寝ることにした。
そして俺はこの日不思議な夢を見た。
「どこだ、ここ?」
気が付くと俺はよくわからないところに立っていた。いや、よく見るとどこか見覚えがある気もする…
「そうか…ここは…」
俺が捨てられた孤児院か…よく見ると今より小さい俺がほかの友人と楽しそうに遊んでいた。
「この時はあんなに楽しそうにしてたんだな俺」
正直ここでのことはあまり覚えていない。もう昔の事だし。でも不思議と今なら思い出せることが多い。
そういえばどういうわけか院長先生はほかの先生よりずいぶん優しくしてくれたな。だからこの時はすでに院長先生を親のように思っていた。施設がなくなると分かった時も俺を引き取ってくれたし…でも
「それから、大変だったよな」
その後は大変だった。先生は俺を育てるために朝から晩までずっと働いていた。このころからおれはつまらないと思っていた。
孤児院では毎日院長先生が子供たちになにか催しをしてくれていた。それに院長先生がとても楽しい人だった。俺がこの世の中がつまらないと思った本当の理由は…
「寂しかったから…なのか?」
などということを考えていると急に視界が白くなってきた。
「今度はなんだ?」
完璧に白くなってもとに戻ると俺は布団の上にいた。
「やっぱり夢か…」
「何か夢を見たんですか?」
ユーノはすでに起きていたのかそんなことを聞いてきた。
「昔の夢だ…気にするな」
その直後恭也さんが俺と高町を起こしに来た。といっても起こすのは高町だけとなっているのだが。
でも何で急にあんな夢を見たんだ?いや、多分士郎さんたちが院長先生と似た感じだったからだろう。
1階におりると(高町の部屋は2階である)士郎さんが待っておりなんでももう転校の手続きは済んだらしくもう今日からおれも通うらしい。
準備が速すぎるだろ…
制服は学校で渡されるらしい。俺は一旦家に戻って必要な道具をそろえて高町と学校に向かった。
さて、第7話どうだったでしょうか?今回は主人公の過去を入れてみました。
次は戦闘がはいるかな?コメントのアドバイスをもとに頑張ります。
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今回はリンドウ(宗司)の過去の話を書きます。