No.517343

魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 序幕【決戦前日】 第九十一話

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2012-12-11 09:59:51 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1237   閲覧ユーザー数:1208

やっと書き終わった……

 

とりあえず遅れた理由ですが、就活の時期に入りましたものですから、学校の方や企業説明会などというところに行くことが多くなりまして……

 

もう一つ言うとしたら、単純にこの話が軽くスランプになりかけてたということですかねw

 

一応、今回の話で序幕は終了です。次回から本幕が始まります。

 

本幕は相当長い予定。でもバトルシーンって苦手なような気がするんだよな私……

 

とりま、どうぞ!!

「そういえば、どうして私がオリヴィエの子孫だと気づいたの?」

「あぁ、その事か」

 

 口調を戻し、ふと思い出したのかなのははフィルノに今まで思っていた疑問を問いかけた。

 今までこの質問はフィルノに聞いていなかった。聞こうと思っていても忙しい日々が続いていたものだから、なかなか聞くタイミングを見つけられないでいた。

 なのはから見れば確かに疑問に思うだろう。おかげでオリヴィエの子孫だと知ることは出来たのだが、フィルノはなのはに会う前から知っていたような感じでなければ、今までの行動はおかしいと思ってしまう為、どうやって知ったのか気になっていた。

 フィルノは表情を特に変えず、なのはに答えた。

 

「簡単な事だよ。これはシルフィア姉妹を知っていたのと同じ理由なんだけど、実は俺の両親とシルフィア姉妹の母親、アリス・シルフィアと同級生らしいんだ。会ったのはこの前が初めてだが、連絡は俺の親が亡くなってから食糧などを送ってもらったりしていたから取ってたのだけどね。さすがにあの若さには驚いたが……」

「そうだったんだ。でも、どうして教えてもらったの?」

「それは、俺が管理局に復讐する方法を手伝ってもらったからだ。まさか、昔別れた幼馴染がオリヴィエの子孫だと思いもしなかったし、それ知った時はさすがに驚いたけどな」

「お母さんがそうだから、私はそれほど驚かなかったけどね」

「いや、それがおかしいと思うのだが……」

 

 そういうものって慣れるものなのかとフィルノは思ったが、それ以上は言わなかった。これ以上言ったとしてもなのはとフィルノの間で基準が違っているだろうし、ややこしくなりそうだと思ったからだった。

 それからフィルノは一度時間を確認し、その後なのはの方へもう一度向ける。

 

「とりあえず、ちょっと俺はやる事があるから部屋から出て行ってくれると嬉しい。今日中には終わらせないといけないから」

「分かった。それじゃあ、明日はお互いに頑張りましょ」

 

 そう言ってなのはは、フィルノの部屋を後にして出て行こうとして、扉を開ける。

 するとそこにはアリシアが立っており、ついその場に立ち止まってしまう。フィルノもなのはが部屋を出て行くまで見ていようと思っていたので、アリシアの存在にすぐに気づいた。

 

「アリシアちゃん? どうしてそんなところで立ってるの?」

「ちょっとなのはに話があってね。もしかしたらここに居るかもしれないと思ってなんとなく待っていたのだけど、本当に居るとは思わなかった」

 

 なのははアリシアの顔を最初見たとき、フィルノの部屋の前で立っているものだから、自分がが居なくなるまで扉の前で待っていたのだろうかと思っていた。まさかこんなところで自分を待っているとは、さすがに思いもしていなかった。

 っていうかそれ以前に、そんな理由でどうして扉の前で普通待ち伏せしている事になるだろうかとなのはは思うが、とりあえずこんな場所で話しているのもどうかと思ったなのはは、アリシアを連れてここから移動することを考えた。

 

「それじゃあ、ここから移動しよっか。それじゃあフィルノ君、私は行くね」

「分かった。とにかく明日、アリシアも含め頑張ってくれよ。何もかもすべてが決まるのだからな」

「分かってるよ。私もアリシアも」

「うん、何もかも終わらせよう。それじゃあ、今度こそ私たちは行くね」

 

 なのはとアリシアは今度こそ移動しようとフィルノの部屋から離れて行くのだった。

 

 

----

 

 

「一体何の用なのか最初に聞きたいけど、そのまえにヴィヴィオとアインハルトはどうしたの?」

「二人はシルフィア姉妹に任せたよ。私がなのはに話したいことがあると言ったらすぐに了解してもらったから」

 

 フィルノの部屋からならばアリシアの部屋が近いという事で、なのはとアリシアはアリシアの部屋にある椅子にそれぞれ座っていた。

 部屋の中はなのはやシルフィア姉妹のように殺風景のような感じではなく、部屋の中には私物が結構飾られていたりしていた。

 アリシアはフィルノと同じくらいこの艦船を長くいる為、この部屋ももう年単位で使用していた。フィルノの部屋もなのはやシルフィアより少し飾りなどは置かれてたりするが、男性という事もあってそれほど飾られてはいなかったりする。

 

「そっか。それで本題は?」

「……さっきヴィヴィオと会った時の話だよ」

 

 アリシアから用件を聞いたなのはは、突然表情を一変させる。

 なんとなくそのような話ではないかとなのはも思っていたが、予想通りだったものだからつい表情に出てしまっていた。

 

「逃げるだけじゃなくて、何か別の言い方はあったんじゃないの? 結局ヴィヴィオからあんな言い方させるような事になったけど……」

「……分かってるよ、そんな事。だけどどうのようにヴィヴィオと接すればいいのか分からなくて、言葉が出てこないの。ヴィヴィオが言った約束も、守れるかどうかも分からない……」

「確かにそうだけど……」

 

 なのはが言ったことに、アリシアは完全に否定することは出来ず、中途半端な言い方になってしまった。

 だが実際その通りだ。ヴィヴィオと約束した通りになるかはこの先起こる結果がどうなってくるかによってくるだろう。あのような約束はしたけども、守れるかなんて誰もが分からない事だった。

 

「出来る限り私も守れるようにしたいよ。だけど、今までの事を考えたりするとこんな私と一緒にいていいのかとも思ってしまうの。体中を真っ赤に染めた私なんかと――」

「そ、それは……」

 

 またしても否定できなかった。たとえ私たちが革命を起こしたとしても、なのはやアリシアなどは要注意人物に挙げられるだろうし、なのはから見れば今までのような平穏な生活という事はほぼ無理に等しい事だろうと考えられた。

 それでもアリシアはあのままではいけないと思い、何とかしようと考えていた。しかし、どういう事なのか何もなのはにかける言葉が浮かばなかった。

 このままでは何のためになのはをフィルノの部屋の前で待っていたのかが意味がない。なのはとヴィヴィオの関係をなるべく元に戻したいという気持ちで動いていはいたけども、具体的にどのようにするのかという事などは全く決めてなかった。

 

「……でも、アリシアちゃんも気に掛けてくれたことには感謝するよ。もう少しヴィヴィオの接し方を自分なりに考えてみるよ」

「なのは……」

 

 なのははアリシアに言われて少しヴィヴィオとの接し方を改めてみることにした。元々このままではいけないし、何とかしなければとなのはも思っていたくらいだったため、結果的にアリシアが言いたかった事を伝えたかったことは出来た。

 それからなのははアリシアの言い方に小さく笑い、ある事を思っていた。

 

「その言い方、やっぱりフェイトちゃんと似ているね。フェイトちゃんに口調を合わせたとは言ってたけども、やっぱり姉妹なんだなって思うよ。そうやって私を心配してくれるところとか」

「……ありがとうね」

 

 ――姉妹。なのははあえてこっちの言い方でアリシアとフェイトを纏めて言った。プロジェクトF・A・T・Eでフェイトが作られたとは言わず、どこにでもいるような姉妹のようにと――

 

「さて、私は一度エメリアの部屋に戻らないといけないから。そろそろ行くね」

「分かった。明日は頑張ろうね」

 

 アリシアからそれを聞いたなのはは椅子から立ち上がり、アリシアの部屋を後にするのだった――

 

 

----

 

 

「予定通り完成したぞ。デバイス機能を追加するだけだったからすぐに終わらせることが出来たが」

「そう。とりあえず渡してくれる?」

 

 エメリアの部屋にやって来てすぐに、エメリアはナノハに向かって予定通りで来たと伝えた。

 それを聞いたナノハは突然悪だくみをするような笑みを浮かながら口調も変えて、エメリアからデバイス昨日が付いたテュディアを受け取った。

 

「一応、言われた通りのデバイスにしたけど、それでよかったのか?」

「えぇ、使うとしたらそれだけだと思うからな。まぁ、確かにエメリアが思う不安は分かるがその心配は不要だ。その二点だけ集中させておけば他はいらないのでな」

「そこまで言うのならば俺は構わないが……」

 

 正直に言えば、エメリアは今回のデバイスの性能について、ナノハでは使いこなせないのではないかと思っていた。

 理由は簡単、あまりにも性能が無さすぎるからだった。幾つものモードがあっていろんなパターンを出せるようなデバイスではなく、ある二点に集中させたとんでもないデバイスだった。

 エメリアから見てみればあまりにも使いこなせない。多分これはエメリアだけではなく、フィルノやアリシアもデバイスの情報を見てしまえば、使いこなせるわけがないと思うだろう。そのような性能のデバイスにナノハは先ほど頼んでいたのだ。

 

「それじゃあ、私はテュディアを返してもらったことだし部屋に戻る」

「あぁ、分かった」

 

 ナノハはデバイスを貰った後、エメリアの部屋を後にした。

 部屋を出て少し歩いて行くと、突然ナノハは足を止め、不意にこのような事を言い出すのだった――

 

「さて、明日は遂に始まる。何もかも終わらせ、新たな歴史を作り上げるその時がようやく始まる!!」

 

 ナノハは待ちに待ったかのように笑いだし、明日が待ち遠しく感じているのだった――


 
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