まずい。この状況はまずい。
激しい戦火のなか、私はいつになく焦っていた。
いつもならもっと冷静に考える事ができたかもしれないが、この状況ではいやでも焦りが出てしまう。
理由として、賊の数が予想よりも多く、だんだんと押されぎみになっている。
次に、戦場である自分の故郷が戦いによって壊されていくのが見える。
そして、自分たちのもとに集まってくれた仲間たちが、何人も血の海に沈んでいく。
この三つの事が、私の焦燥感を更に加速させていた。
「・・・どうすればッ・・・・・」
思わず俯いてしまう
心につのる不安。壊れていく故郷。地面に横たわる仲間の亡骸。
様々なことが頭の中でグルグルと回り始め、もはや私に戦いに勝つという気持ちは失われ始めていた。
まさか、あの二人も・・・・・・・・・・
「凪ちゃ───んっ!!」
「っ!!」
不意に聞こえた声。
顔を上げると、いつも一緒にいる親友の声。
「沙和っ!!」
よかった。まだ倒れていなかった。
彼女の無事に、私の中の焦りも少しだけおさまっていた。
「凪ちゃん!よかったの~!」
向こうも私の無事を確認して、いくらか安心したようだ。
「あぁ、私は大丈夫だが、敵のほうは?」
「今はなんとか真桜ちゃんのおかげで持ちこたえてるけど、時間がないの~!」
「突破・・・されそうなのか?!」
「そうなの~!」
伝えられたことに、先ほどまで少しだけおさまっていた焦燥が再び勢いをあげた。
何とか・・・・・なんとかしないとっ!!
そうして、私と沙和はこの状況をどうにかすべく、賊の殲滅を再び開始した。
しかし、私たちに少数で多数を覆すすべが思いつくはずもなく、倒しても倒しても立ちふさがる敵に、私は疲弊しきっていた。
そして、何刻かが過ぎた頃・・・・・・・
「凪────────!!」
「っ!!真桜!」 「真桜ちゃん!」
駆けてくるもう一人の親友。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「大丈夫か?!真桜!」
「ウチは大丈夫や。けど・・・・・」
そういってうつむく真桜。
「真桜ちゃん、もしかして・・・・・」
頭をよぎる最悪の可能性。そしてそれは・・・・・
「防衛線が・・・・・・突破されてしもた・・・・・・」
見事に的中してしまっていた────────。
一方その頃・・・・・
「主!目的の場所まであとどれくらいかかるのですか?!」
「もうすこし・・・・もうすこしで見えるはずだ!!」
「む~、これはまずいのです」
俺、星、風の三人は凪たちのもとへと向かっていた。
「まさか、あそこで足止めをくらうなんて・・・!」
俺たちは、道中、ある足止めをくらっていた。
それは、賊の頭領が用意した、官軍足止め部隊によるものだった。
たとえこちらの人数が多くても、装備の整っている官軍に来られてはひとたまりもない。と考えた頭領が、賊の1/4をこの部隊にし、
官軍が来ても、すぐに知らせ、少しでも足止めをする事を目的とした、いわゆる捨て駒部隊だ。
俺たちが近くを通ろうとしたときに気付かれ、
「金目のもん全部ここに置いていきなぁ!」
という、テンプレな台詞とともに、戦闘が始まってしまったのだ。
・・・・・まぁ、ほとんどは星が片付けたんだが(そして最初に敵に攻撃を仕掛けたのも)
「星ちゃんがあそこで彼らを無視していれば、今頃は到着していたはずなんですがね~」
「し、仕方がなかろう!ああいうのを放ってはおけぬのだ!」
「無意味な言い争いはやめて、足を動かせ!足を!」
「無意味ではありませんぞ!それに私は風を背負っているのですよ?!」
そう、俺たちは今、馬ではなく、徒歩で向かっている。
途中までは馬を使っていたのだが、賊との戦闘の際に、一頭は戦いに驚いたのか、どこかに逃げてしまい、
残りの二匹は残った賊が逃げるときに乗られていってしまい、馬を失くしてしまったのです!!
そのため、徒歩で向かう以外に方法はなく、今、こうやって急いでいるのだ。(風は星と俺で交代で背負って走っている)
「今この状況では無意味だよ!」
「私の正義に関わることなのですぞ!」
「風から見れば、この会話が一番無意味だと思うのですが~」
「「痛い所をっ!!」」
と、そんな馬鹿げた言いあいをしていると・・・・・
「っ!!」
「・・・・・」
「!!あれは・・・」
一刀と星は気付いた。周辺に血の匂いが漂っていることに。
星は血の匂いの強さに驚愕し、一刀はただ、厳しい顔つきで匂いのする方向を睨んでいた。
そして、風の視界は、村から上がる黒煙をしっかりと捕らえていた。
「「「・・・・・・・・・・・・(コクッ」」」
三人は目を合わせ、頷きあうと、
風は目を閉じて思考に入り、一刀と星はさらに速度を上げていった───────────────。
あとがき
え~、どうも、暇神です。
「一刀です」
というわけで、あとがきなんですが・・・
「特にいうこともないんじゃないか?」
いえ、今回は重要なことがあります。
「お?初めてここがあとがきとして機能するのか」
わ~お、おまえ痛いトコついてくるな
「で、その重要なことって?」
おう、えっとですね~
今回は、一刀の仲間になる将に関してなんですが、
初期メンバーをすでに考えているのですが、人数が少ないと思いまして・・・・・
ここで、アンケートをとろうと思います!
「ナ、ナンダッテー(棒」
提示する選択肢の中から皆さんに一人だけ選んでいただき、
票の多かった上位2名を新たに加えようと思います。
はい、というわけで早速ドン!!
1 朱里
2 雛里
3 蒲公英
4 音々音(デレ
5 季衣
6 流琉
7 亞沙
の、七名の中から一人選んでね♪
「なぁ、なんでこの七人なんだ?」
え~、朱里、雛里、季衣、流琉は、冒頭近くでどこの軍にも所属していないから。
「じゃ、他の三人は?」
蒲公英と亞沙は、軍から抜けても、序盤ではとくに活躍がないから問題ないかと思って。
「なら、ねねは?」
ねねは、恋と知り合った経緯がはっきりしてないから、恋に会う前に一刀に会えば可能かなって。
「じ、じゃぁ、(デレってなんだ?」
あぁ、それは・・・・・・・・
「それは?」
俺の趣味!!!
「・・・・・は?」
いやぁ、デレ桂花と迷ったけど、魏軍の軍師が稟一人ってのもまずいかなと思って、やめた。
「・・・・そ、そうか」
と、いうわけで、どんどんコメントしてくださいね~
(コメ稼ぎじゃないですよ?本当ですよ?)
それでは、次回も!
お楽しみに~♪
「お楽しみに!」
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すいません!遅くなりました!(←なりすぎだぞコラ
学校のテストと重なって、思考の嵐でした。
今回は、凪の視点から始まります!!