No.506777

機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY ✕ 東方プロジェクト

bladeさん

いつか書くかもしれないものを、気晴らしも込めて形にしてみた。
もしかしたら、動画というものにするかもしれませんけどね。

あ、プロローグなので東方キャラは最後の最後に少しだけしかでませんのであしからず。

2012-11-11 06:19:55 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3043   閲覧ユーザー数:3009

第二次ネオ・ジオン抗争……後にそう呼ばれることになる戦は、今終焉を迎えようとしていた。

 

今まさに地球に落ちようとしている、小惑星アクシズの落下という結末で。

 

本来であれば、アクシズを爆破し細かな石とすることにより大気圏で蒸発させる作戦であったものの、想定していたよりも爆発が強く、一応は本来の大きさの半分にはなったものの、大気圏で蒸発させることができるほど、小さくはなっていない。

 

『これ以上の作戦遂行は無駄です!残念ですが、半分は地球へ…』

 

アクシズで作戦を決行している、彼が率いる部隊の艦から通信が耳に届いた。

 

「無駄なものか!」

 

普段物静かな彼が感情を込めて叫び、バーニアを全開に噴かしアクシズへと向かっていく。

 

アクシズへと向かった彼の眼に飛び込んできたのは、彼と想いを同じくする同士とも言える多数のMSの姿だった。

 

ジムにジェガン。そしてアクシズ落としが目的であったはずの、敵であるギラ・ドーガの姿まである。

 

そのなかで最も目を引いたのは、白い機体……νガンダムと呼ばれるMSの姿だった。

 

『離れろ!こんな事に付き合う必要はない!』

 

νガンダムのパイロット、ニュータイプ――アムロ・レイからの悲痛な叫び声が通信機から聞こえる。

 

しかしそれを聞いても、一機もアクシズから離れようとしない。いや、それどころか一機、また一機とアクシズへMSが押しよせていた。

 

その光景を見て、彼は微笑む。

 

この光景こそがきっと、自分たちが求めてやまなかった理想の姿であったのだと。

 

そして、この想いを秘めたまま、彼は叫ぶ。

 

「そうだよ、そうなんだ! 誰にだってわかってることじゃないか! こんなところで地球に育む生命の歴史を終わらせちゃいけないってことぐらい!!」

 

アムロもシャア、カミーユといったニュータイプと呼ばれた者ではないかもしれない。けれど、地球連邦軍の一員としてこれまで戦っていぬいてきた一人の兵士……否、人間として"彼"。ユウ・カジマはそう叫んだ。

 

だが、所詮は量産機というべきか、ガンダム以外のMSたちは次第に限界がおとずれ、大気との摩擦熱とオーバーロードによって、少しずつ爆散し落ちていく。ユウの目の前で爆散したMSをつかもうと、手を伸ばしたが捕まえることは出来なかった。本来であれば掴むことが出来る力を、ジェガンは持っているはずなのにも関わらず……。

 

ユウの機体であるジェガンもまた、例外ではなく、彼の機体も限界を迎え、悲鳴を上げていたのだ。

 

「げん、かい……かっ!」

 

バーニアの限界を告げるアラームが五月蝿いぐらいに鳴り響いている。しかし、今ここで諦める訳にはいかない。

 

そのときだった。アクシズの先端から突如蒼い光が発せられ取り付いていたMSたちを弾き飛ばしていったのは。

 

「あれ……は」

 

その光を、ユウは知っている。そして、おもいだしていた。

 

十四年前、とある戦いの最後のとき、自分が駆っていた蒼いMSとともに、少しではあるものの心通わせた一人の優しい少女が見せてくれた暖かな蒼い光……。それと同じ暖かさをこの光から感じ取り……その蒼い光に自身の機体が弾かれたところで、彼の意識はブラックアウトした。

 

 

 

 

その光景を一人の女性が見ていた。

 

宇宙空間にノーマルスーツも着ることもなくその蒼い光を見続けていた。いや、彼女が見ていたものを正しく言えば……。

 

「そう、彼がそうなのね……?」

 

何処か悲しげに女性は呟いた。

 

そして、手を前にかざすと微笑みながらまたも口を開いた。

 

「貴方はここで終わらない、終わらせない。何故なら貴方には――」

 

 

* * *

 

この物語はまさに幻想。

 

本来であればすでに終わったはずの物語。

 

しかし、幻想も手につかむことが出来れば、それは決して幻想ではなくなる。

 

これは、ユウ・カジマを始めとする。本来であれば、幻想であったはずの……そんな物語。

 

 

 

以上となります。

 

ユウはガンダムシリーズの中でトップクラスに好きなキャラだったりします。

 

というか、BDのキャラは大体好きです。

 

少しでも楽しんでもらえたのならよかったとおもいます。


 
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