No.506519

ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第二十七話 たとえ現実でなくても

やぎすけさん

データベースにガッシュとバスターズのことを書きました。

2012-11-10 18:23:39 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2153   閲覧ユーザー数:2062

デュオ視点

キリトたちが帰った後、俺とシリカは家の片づけをしていた。

片づけが終わると、俺たちはいすに腰を下ろして、新しく用意したお茶を啜った。

 

デュオ「ふう。やっと終わった。」

 

シリカ「お疲れ様です。」

 

デュオ「ありがとう。シリカもお疲れ。」

 

シリカ「はい。」

 

返事をしたシリカの声は若干だが、弾んでいるようにも聞こえる。

どういうわけか、キリトとのデュエルが終わってからシリカの機嫌がいい。

それに自分の唇を指でなぞっては、頬を赤らめて少しうっとりとした表情になる。

心配になった俺は最近食べた料理とその食材、さらにアスナが調理した分のレシピを思い出すが、

全部食べたことがある食材だったし、アスナ特製の醤油やマヨネーズを使った料理は俺も食べた。

何より自分に異常がないのにシリカだけに異常が出るわけない。

俺がそんなことを考えていると、お茶を飲み終えたシリカが立ち上がった。

 

デュオ「どうした?」

 

シリカ「お風呂に入ってきます。」

 

デュオ「そうか。」

 

俺は考えるのを止めて、背凭れに寄りかかる。

その時、どこかから視線を感じて、俺は悟られないように戦闘態勢に入ってから

何気ない動作で視線を感じる方を見た。

するとそこでは、シリカが物欲しそうな目でこちらをじっと見ている。

俺は内心苦笑しながら警戒を解くと、シリカに訊く。

 

デュオ「どうした?風呂に入るんじゃなかったのか?」

 

シリカ「あっ、いえ、その・・・ただ・・・」

 

シリカは上目遣いでこちらをちらちら見ながら。もじもじと言いづらそうしている。

俺は内心困った顔を、外側は不思議そうな顔をしてシリカの言葉を待つ。

しばし沈黙した後、シリカは意を決したようにこちらを見る。

 

シリカ「い・・・一緒に入りませんか・・・?」

 

デュオ「・・・はい?」

 

どういうことかまったく理解できない。

 

デュオ「一緒にって風呂にか?」

 

シリカ「はい・・・」

 

デュオ「いつもは覗かないでくださいねって言うのに、なんでまた急に?」

 

シリカ「えっとその・・・」

 

シリカは答えられずに、赤くなって俯いてしまった。

 

デュオ〈仕方ない。理由はよくわからないけど、シリカから何か言うなんて珍しいからな。付き合ってみるか。〉

 

俺はそこまで考えると、いすから立ち上がって言った。

 

デュオ「まあいいか。最近戦ってばっかりだったからな。」

 

俺が歩いていくと、シリカは顔を真っ赤にしながらも、嬉しそうな顔をしていた。

脱衣所で、俺たちはウインドウを開き、衣服全解除ボタンを押す。

その途端、俺たちの衣服が消滅し、俺もシリカも下着だけの姿になった。

俺は変化して下着全解除になったボタンをもう一度押してから

バスルームに入ると、長さ4mはあるバスタブに全身を沈めた。

微妙な違和感はあるものの、お湯の感覚が俺の体の包み込む。

そこへ、シリカも入ってきた。

 

デュオ〈2人で、同じ空間にいることは多々あったが、この状況は想像したこともなかった。〉

 

そう考えた瞬間、俺はあることに気がついた。

結婚してまだ一週間しか経っていないが、俺は結婚してすぐに前線に出ていった。

それから、いろいろなことがあって俺はシリカと一緒にいる時間があまりなかったのだ。

 

デュオ〈もしかしてシリカは・・・〉

 

そこまで考えると、なんだか申し訳ないような気がしてきた。

考えてみれば、結婚の報告もまだしていない。(たぶん知ってるだろうが・・・)

俺は自分に背中を向けて座っている、シリカを後ろから抱くようにして両腕を回した。

すると、シリカは目を丸くして赤い顔をこちらに向けてきた。

 

シリカ「でゅ、デュオさん・・・!?」

 

デュオ「ごめんなシリカ・・・」

 

シリカ「えっ・・・?」

 

デュオ「俺、お前と結婚したのにお前と中々一緒にいてやれなくて・・・」

 

シリカ「大丈夫ですよ。」

 

シリカは俺の頬に手を当てて振り向くと、ゆっくりと顔を近づけ、俺の口を自分の口で塞いだ。

約3秒後、シリカの唇が俺の唇から離れた。

シリカは微笑むと、嬉しそうに言った。

 

シリカ「初めてあたしからしました・・・」

 

デュオ「ああ、一本取られたな。」

 

俺たちはもう一度、今度はどちらからともなくお互いの唇を重ねた。

不思議な感覚が広がり、心が優しい気持ちに満たされていく。

長い口付けが終わり、唇が離れる。

俺はシリカをいつもより強く抱きしめた。

風呂から上がると、俺はシリカに「おやすみ。」と告げてから

寝巻きに着替えてベッドに入る。

全身に来る疲労感からすぐ眠れるものと思っていたが、そうでもない。

いろいろな考えが頭の中を行ったり来たりしている。

 

デュオ〈こんな風に考えるのは何時振りだろうか?〉

 

不意にそんなことを思った。

向こうでは、ただ単調な毎日を過ごしていた。

そんな世界から逃げたいと思っている時に、SAOと言うものが発売された。

そしてこのゲームは遊びではなくなった。

正直俺はそれが嬉しかった。

もう二度と、あんな生き地獄で暮らさなくていいと思うと気が楽だった。

だけど、俺はここから出たくないと思う反面、

自分に生きることの面白さを教えてくれたキリトやアスナ、エギル、クライン、エルフィー、ガッシュ

それに俺に恋愛感情をくれたシリカたちを向こうに帰そうとしている。

 

デュオ〈何がしたいんだろうな、俺は・・・〉

 

俺が半ば自虐的な考え方をし始めていたその時、部屋の扉がゆっくりと開いた。

見ると、そこにはシリカが立っていた。

 

デュオ「シリカ・・・」

 

シリカ「あの・・・一緒に寝てもいいですか・・・?」

 

デュオ「眠れないのか?」

 

シリカはコクリと頷く。

俺は、片手で掛け布団を持ち上げた。

 

デュオ「来いよ。ちょうど俺も眠れなかったとこだ。」

 

シリカ「はい。」

 

シリカは小さく返事をすると、俺の寝ているベッドに潜り込んだ。

シリカは俺にぴったりとくっついてくる。

別に問題があるわけでもないので、俺も拒絶はしない。

その時俺は、ずっと気になっていたことを訊いてみることにした。

 

デュオ「なあ、シリカ訊いていいか?」

 

シリカ「いいですよ。」

 

デュオ「俺たちの関係ってSAO(ここ)でだけのものなのか?」

 

俺の一言に、シリカは真剣に怒った顔をする。

 

シリカ「デュオさん、怒りますよ!」

 

これには、さすがの俺も少しびっくりした。

 

シリカ「たとえ、ここが現実じゃなくても、ここで生きてるあたしたちは本物です。だからあたしの気持ちも本物です!!」

 

俺はハッとさせられた。

そして悩んでいた自分がバカらしく思え、そして自分らしくなかったことに気づいた。

 

デュオ「本物か・・・そうだな。俺たちはここで生きてるんだもんな。ありがとうシリカ、お前のお蔭ですっきりした。」

 

俺がそう言うと、シリカはキョトンとした後、にっこりと笑った。

 

シリカ「どういたしまして。」

 

デュオ「じゃあ寝ようか。」

 

シリカ「そ、そうですね。」

 

デュオ「ん?どうした?」

 

シリカ「な、何でもありませんよ。・・・はあ・・・」

 

デュオ〈ため息つかれた気がするけど、まあ今日はもう寝よう。〉

 

そう思って目を閉じると、久しぶりの穏やかな眠りが訪れた。

シリカ視点

あたしがもう一度横を見ると、大好きな男性が穏やかな寝息を立てている。

 

シリカ〈また言えなかった・・・〉

 

あたしは今日こそは言おうと思ってた。

だけど、なかなか言い出せない。

恥ずかしいし、勝手がわからないから少し怖いと言うこともある。

でも、デュオさんには自分を求めて欲しい。

結婚して初夜は一緒に寝ただけで、何もなかった。

一瞬、無理やり起こしてでも誘ってみようかと思ってしまった。

だけど、デュオさんの寝顔を見ていたら、そんな考えもなくなってしまった。

なぜなら、こんなに穏やかな寝顔をあたしは初めて見たから。

 

シリカ〈いつもは悩んでるときみたいな顔してるのに・・・〉

 

あたしは思わず、デュオさんにキスした。

 

シリカ「おやすみなさい。」

 

暑くなった頬を隠すように布団をかぶると、あたしは目を閉じた。

あとがき

久しぶりにデュオとシリカの私生活を書いてみました。

あまり、うまく書けてなかったかもしれません。

あと、アンケートです。

次回は誰の話を書いたらいいか、次の4つから選んでください。

 

①VSクラディール編

 

②デート編(現実に戻ります。)誰がいいかも書いてください。

 

③ガッシュ&リズベット編

 

④本編

 

ちなみに次の章が終わったら、本編に戻ります。


 
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