No.494432

ゼロの使い魔 気ままに生きる転生者 12

竹取童子さん

やっぱ即興はアカンなあ、と思った。でもあえてそのまま投稿する

2012-10-10 07:19:42 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3790   閲覧ユーザー数:3670

 

「・・・ふぅ、さて―――水の精霊よ、話がしたい。余のに理解できる形で出てきてはくれぬか」

 

と、湖に向かっていってみたものの、流石に出てきてはくれぬか・・・

 

見知らぬ人間に、いきなり話しがしたいと家に押しかけられても普通は追い返すか居留守だろう

 

『―――力持つ者よ、我に何用か―――』

 

・・・えぇ~・・・出てくるのか、余の知識の中では、かなり面倒な手順が必要だったような・・・

 

まぁ良いか、手間が省けたと言うことにしておこう

 

「うむ、実はな、余の父上のための胃薬を調合するために、そなたの一部を少しばかり分けてほしいのだ」

 

至高の胃薬を調合するために使うための素材として

 

『―――力持つ者よ、貴様の力を以ってすれば、我の一部を使って薬を作らずとも、お前達の「力」で治せるであろう―――』

 

うむ、それも一理ある。しかし、それでは意味が無いのだ

 

「否、確かに出来るが、それでは意味がないのだ」

 

そう、『意味』が無い

 

例えば、自分の人生、いや、そこまで大きく無くてもいい、今回の件を書物として書いてみるとしよう

 

もしこの場に来ず、自身の能力のみで創って、父上に渡した場合

 

父上の胃がマッハ→能力使って薬作ったお!→父上に渡す→父上喜ぶが、素材をどうやって集めたのか気になる→調べられる→異能がばれる→いくえふめい

 

これでは筆者も読者もつまらんだろう

 

現在の余の場合はこうだ

 

父上の胃がマッハ→余と母上とのゲーム→余の勝利→ラグドリアン湖でお弁当→ニュー改造案入手→初恋→湖の精霊に水の精霊の涙がもらえた→土産話が出来る→帰り道に適当に適当に観光する→かえって薬作る→父上に渡す→家族に土産話→父上感動、大喜び→素材の出所は確りしている→ハッピーエンド

 

余的にはこっちのほうが良い。

 

他にも理由はあるが、概ねこんなところか

 

「まぁ、要するに、父上の誕生日が近い故に、その誕生日プレゼントを作ろうかと思ってな・・・胃薬だが・・・ともかく、それなりの対価は用意してあるのだが、駄目か?」

 

誕生日プレゼントに最高級の胃薬か、胸熱だな

 

『―――対価を聞こう―――』

 

 

さて、如何したものか、対価として払えるものが背に着けている剣と鞘しかないのだが・・・

 

はてさて、液体と概念で構成されているような精霊に必要であるか否か・・・

 

背中の剣と鞘を対価として際さすにしても、此方の方が、価値が高すぎる・・・

 

う~む、あぁ、ふふ、こういう趣向もたまには良いか

 

「そなたの身体の一部を、定期的に貰えるというのであれば、少々時間が掛かるが「寄り代」を造ろう」

 

さて、如何出るか、水の精霊よ

 

『―――……力持つ者よ、我が貴様を信用するに足る者である事を示せ―――』

 

要するに何かを質に入れろと、そういうことか、ならば―――

 

「ふむ、良かろう、ならば、風よ!」

 

剣を鞘に収まったまま手に取り、第一の鞘、一番表層にある鞘「風王結界」を解除し

 

余の錬金で作った鞘と、カリバーン(勝利すべき黄金の剣)が、姿を表す

 

「―――この剣と鞘をそなたに預けよう、両方とも、余の手作りなのだがな」

 

余の能力を使って・・・という但し書きは付くがな

 

『―――これは、『何』だ―――』

 

おそらく剣の、鞘で隠れていない柄の部分を見た瞬間、水の精霊の水の身体がざわめきはじめた。

 

「この剣の原典曰く、異世界の『星』という存在が創り上げた錆びず、欠けず、折れない剣『星の聖剣』『選定の剣』・・・示し方は沢山ある。この剣の銘は『カリバーン』。真名は『勝利すべき黄金の剣』と言う。それを元に余が造り出した、製造過程を除いて力も銘も真名も力も同じ剣だ」

 

鞘から剣を抜き放ち、つきに向けて掲げる

 

すると、剣の刀身が光りはじめ、周囲の空間に何処からとも無く大量の黄金の光の粒が舞い、掲げた剣に集い始めた

 

『―――・・・・・・これが異なる世界の月の光か―――』

 

「うむ、では問おう湖の精霊よ、この剣と鞘をそなたに預ける事で、そなたにとって余は信じるに足るや否や」

 

掲げた剣を鞘に戻す。

 

それに遅れて、黄金の光の粒は何事も無かったかのように消ていった

 

『―――信じよう―――』

 

ならば、と、余が剣と鞘を湖の精霊に渡し、湖の精霊は余に『水の精霊の涙』を譲渡した

 

『―――また会おう、力持つ者よ―――』

 

「うむ、ではな」

 

人の形を取っていた水が、湖の中に戻った

 

「さて、今日はもう遅い、近場の街で宿でも取るか・・・ニュー」

 

「≪――――っ ・・・ 正常に稼動中 おはようございます グランドマスター≫」

 

・・・見事に墓穴を掘っているな、と言うか、この短期間で妙に人間臭くなったな・・・

 

「如何いう風に正常に稼動していたかは甚だ疑問ではあるが、あえて問わぬとして、今日はもう遅い、その辺の街で宿でも取って、明日の朝、家に帰るとしよう」

 

「≪諒解≫」

 

まぁ、明日も少し寄り道するのだがな!

 

モンモランシ領の街の宿に泊まるとしよう、近いからな

 

 

 

 

モンモランシ領 とある街にて

 

 

「どうしてこうなった、そなた貴族であろう?何故攫われたりしているのだ?御転婆なのか?御転婆様なのか?そして何故余まで巻き込まれているのだ?」

 

本当に何が如何してこうなった

 

適当に男装して、何か美味しいものでも売られていないかとぶらぶらしていたら、行き成り麻袋と縄だからな

 

アトラクション気分で成されるがままで、今に至るのだが・・・

 

はい、全部余の所為です。本当にありg(ry

 

ピンチになったらニューに頼る、と言うのも何か格好悪いし

 

監禁場所に着いたら着いたで、何か先客が居たし・・・

 

金髪縦ロールだし・・・?何処かで見たような、いや正確には知っているような・・・?

 

「し、知らないわよ!お忍びで街で遊んでいて、気付いたらこうなっていたんだもの!」

 

このまま見張りとその仲間を殴り倒して逃げても良いのだが、どうもひっかかる

 

「ふ~ん、ああ、そういえば、まだ名乗っていなかったな、余は「ネロ」と言う。そなたは?」

 

う~ん、のどの辺りまで出掛かっているのだが、誰だったか・・・

 

「モンモランシー・・・って、平民のアナタが貴族の私に向かってそんな口の利き方――」

 

あ~ぁ、モンモランシーか、そうかそうか!

 

「・・・何と言うか、恋人に浮気されまくって、毎回嫉妬とかで怒ったりするんだけど、最終的にはその恋人と熱々だったりしてそうな名前だな!」

 

うん、たしかそんな感じだったはず、もう少ししっかりと「知識」を掘り出せば詳しいことが解りそうなのだが、今は関係ないか

 

「くぅ・・・!杖さえ・・・!杖さえ取り上げられていなければ・・・!」

 

おぉ、怖い怖い

 

「さて、そろそろ帰るとしよう、連れも余を探し始めている頃だろうからな」

 

「はぁ?アナタ、今の状況を解ってて言ってる?」

 

「状況?そんなことは如何でも良い、ところで、一緒に来るか?もし良ければ、だが」

 

散歩も一人より二人が良いからな、布石も打ってあるし

 

「えっ、あっ・・・行きます・・・ってアナタ何時の間に自分の縄を!」

 

えっ、あ、そうか、そうだったな、普通は自力で如何にかできないものだったか

 

「こう、肩の関節をだな・・・」

 

「ひぃぃ・・・痛そうな事言わないでよ!想像してしまったじゃない・・・!」

 

こう、ゴキャっと・・・あれ?聞いておるか?、顔色が真っ青だが、何処か調子でも悪いのか?

 

あぁ、痛いのは苦手と、仕方がないな、余が解いてやるとしよう、えっとたしか、パンツの中に・・・あ、あった「ただのナイフ~CVのぶ余(誤字ではない)

 

「・・・ちょっ、何処から・・・!や、やめなさ、汚い!」

 

「ええい動くでない、ちょっと、ちょっとだけだから、先っぽ(切っ先)だけ!先っぽ(切っ先)だけ(縄の隙間に)イれてすぐ終わるから!」

 

・・・言っておいて何だが、何か物凄く間違っているような気がする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ふぅ」

 

「うぅ、お父様御免なさい。私は汚されてしまいました・・・」

 

なんと人聞きの悪い、ただパンツの中から取り出した生暖かいナイフで縄を切っただけではないか!

 

「ふむ、そなたが無駄に暴れるから無駄に時間が掛かってしまったではないか。遊んでないで行くぞ」

 

「うぅ・・・」

 

涙目・・・そこまで嫌だったのか!流石の余でも少し傷つくぞ・・・

 

おのれ人攫いめ、なんと酷い事を・・・!ゆるさん!

 

余の所為だとでも言いたげの視線を受けるがスルーである

 

周囲を軽く確認し、これといったマジックアイテム等が無いことを確認し

 

次に唯一の出口であろう、扉を調べ、案の定―――

 

「お嬢さん、魔法は・・・杖がないから使えなかったか」

 

「まさか、扉の先に見張りが居て出れないとかで詰んだとか言わないでしょうね?」

 

この部屋の唯一の出口である扉には固定化とロックが掛けられている

 

さらにその先には見張りが数名、5,6歳児が脱出する場合での正攻法ではまずこの時点で詰んでいる

 

「余も杖を取り上げられて魔法が使えない、さらには扉にロックが掛かっており、出れたとしても見張りに捕まる可能性が高い」

 

「完全に詰んでるわね・・・って、貴方貴族だったの?」

 

「今はそんなことは如何でもよろしい、話を戻すぞ」

 

何か言いたげな表情をこちらに向けるが気にしない。

 

「普通ならこの時点で余もそなたも詰みの状態なのだが、しかし、余はこう考えた」

 

うむ!相変わらず忠実に動いてくれるな

 

「何をよ」

 

「出口が扉一つしか無いなら、天井をブチ抜けば良いではないか・・・と」

 

瞬間、岩を砕くような轟音。

 

余の言葉の通り、余とモンモランシーの居る部屋の天井に大穴が開き、そこから空の光が差し込む

 

開いた天井の大穴から一つの人影が

 

モンモランシーはその光景に驚き、怯えつつ、さりげなく余を盾にするようにして後ろに下がった

 

「≪涅槃寂静・終曲 の停止を開始 完了 グランドマスターの予備の杖と思われるオブジェクトの回収を実行 完了 グランドマスターを視覚情報で確認 成功 グランドマスター 次のオーダーをどうぞ≫」

 

実際、杖しか懐に入れてなかったからなあ・・・

 

貴重品等は、スられないように王の財宝の中に入れているのでな

 

杖を受け取ったので魔法が使えるようになる

 

天井の穴を開けたときの音でもうじき見張りや人攫いが集まるだろう

 

時間を稼ぐため、ロックの掛かっている扉に、さらにロックを重ね掛けして時間を稼ぐ

 

「うむ!大義である!早速だが、彼女をモンモランシ家の家まで連れて行ってやってほしい。完了後は、酒場「水精亭」で待機」

 

「≪オーダーを確認 了承 目標確認 完了 目標の護送を開始します 『失礼いたします』≫」

 

ニューに抱き上げられる金髪縦ロールの幼女、モンモランシー

 

「え?え・・・?何?如何言う事?その人誰?貴方いったい・・・」

 

いきなり天井に大穴開けて出てきたのが余の身内で、いきなり抱き上げられました~

 

などという急展開についていけずに混乱しているらしいモンモランシーお嬢さん

 

「む?何も難しく考える必要は無い、ただ、そなたは家に帰る事が出来る。それだけだ」

 

彼女はニューに抱きかかえられたまま、天井の大穴から救出された

 

そう、それだけでいい。それだけで余の行動の制限が無くなる。

 

少し印をペタペタしてから余も天井の大穴から脱出、周囲を見渡し現在地を確認する

 

余が宿泊した街の郊外の森にチマっと建っている別荘と言った所か

 

「ふむ、確か、蛙が啼くからか~えろ♪ だったか」

 

何食わぬ顔で疾走し、森から脱出、街の酒場「水精亭」に向かった。

 

 

 

後日聞いた噂では、

 

あの屋敷に、天から燃える岩が落ちてきて、着弾地点の周囲、半径数百メイル程が消し飛んだのだとか

 

なんとも運の無い話である。

 

 

 

 

 

モンモランシ領を抜け、首都トリスタニア近郊に到着する頃には既に日が傾き始めていた

 

所謂寄り道というものである。

 

決して途中で腹が減った訳では・・・・・・ない

 

「≪『悔しい でも寄っちゃう ビクンビクン』≫」

 

・・・・・・(゚Д゚)・・・・・・えっ

 

「・・・・・・余だって、間違うことくらい・・・ある」

 

よし、言い訳完了、早速金策といこう

 

外出用の衣服を着たニューを従え、男装したままカジノへ直行

 

普通、子供はカジノに入れなかったりするが、威圧を纏いながら入ると

 

誰にも有無を言わせる事無く、カジノに入り、賭けに参加することが出来る。

 

ニューは従者として、待合室で待機させ、賭けを開始

 

初めの頃は勝ちに勝つが、ある程度勝ってから

 

もっと正確には、オーナーの用意した相手が懸けの相手になってからは

 

ディーラーのイカサマが続いて何度も負け始める

 

余は変わらずニコニコと微笑みながら少しずつ威圧の気を纏い、ディーラーを精神的に追い詰め続ける

 

――LUCランク完全開放 ランクEX――

 

そこから再び余が勝ち続け、儲けが増えていく

 

「時間も丁度良い頃合か、最高額・・・金貨1万を懸けよう」

 

瞬間、ディーラーと支配人が唖然とし、周囲に居た野次馬が騒然とする

 

ディーラーが正気に戻り、カードが配られた。

 

余に配られたカードは――――

 

「・・・ほう」

 

「何か良いカードでも?」

 

「いや、面白そうだ、余のカードはこのままで良い」

 

「では私もこのままで・・・」

 

互いのカードが公開され――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局のところ、LUCランクEXは伊達ではなく、イカサマで相手は最高のカードを引いたが

 

自身は唯一それに勝る最弱のカードを引いて勝ち、懸けた金は10倍になって余の懐に舞いこんだ

 

本来なら、そのカードで買った場合は100倍で帰ってくるはずだったのだが、流石に国家予算に迫る金額は出せないと言うことで

 

交渉の際はカジノの奥に通され、厳ついオッサンがたが待機していたので、脅して何も支払わずに追い出すつもりだったのだろう

 

余がその部屋に入った瞬間、そのおっさんがたが威圧感を発してきたので、返答程度に軽く、本当に軽くなでる程度に威圧を返したら

 

おっさん方のうちの数人が失禁していた。

 

とりあえずその威圧を発し続けたまま交渉に入り、カジノの側は、本来の10分の一を支払うということで手打ちとなった。

 

「≪『かくして グランドマスター は あのカジノ の 出入り禁止 を くらいました めでたしめでたし・・・?』≫

 

「持ってて良かったマジカル☆財布。持ってなかったら今頃持ち運びに四苦八苦していただろう」

 

金貨10万枚は流石に持てないからな

 

あの支配人、持ち運べるものなら持ち運んでみろ!みたいな顔してたが

 

マジカル☆財布を使って全部収納したときのあの表情は見ものだった。

 

カジノからの刺客らしき連中も、軽くノして、迷惑料代わりに持ち物を・・・と思ったのだが

 

正直言ってガラクタしかなかったのでそのまま放置・・・はせずに

 

気絶した連中を全裸に剥いてそのまま見回りの衛兵に全裸のまま(・・・・・)引き渡してやった

 

剥いた衣服?風化させて土に還したが何か?

 

引き渡したところ、何か有名な殺し屋連中だったらしく、報奨金の100エキューを貰った

 

今日は実に運が良い・・・ナゼカナー

 

「≪グランドマスター 目的地に到着しました≫」

 

「む、では入るとしよう」

 

いざ、魅惑の妖精亭へ・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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