No.492599

司馬日記18

hujisaiさん

その後の、とある文官の日記です。

2012-10-05 23:09:07 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:16474   閲覧ユーザー数:10497

4月18日

総務部にも人事異動と新人の配属が行われ、士載が転属してきた。

退庁時間後に歓迎会を一席設けたところ、恒例として転入新人は抱負を述べる事になっていたが、士載は周りに煽られて『今年度中に一刀様のお手つきになる』と言わされていた。しかし士載によると、士季は警備部配属時に『今年度中に口と前と後ろで計三回は少なくとも一刀様に御満足頂く』と自主的に宣言していたらしい、なんという娘だ。

 

4月21日

公達様が曹操様の御部屋から退出されて溜息を吐かれていた所にお会いした。

何か問題でしょうかと伺うと、『いや問題って訳じゃないんだけど…明日の夜、稟と詠、あと桂花集めて一席用意しといて』と仰って事務室に戻られた。

 

4月22日

公達様が稟様たちに『華琳様悩まれてるみたいなのよね』とご相談された。今日は私は給仕係なので特に口を挟まなかったが、主に夜の事らしい。

文若様も曹操様より御相談を受けていたらしく、『そうみたいね。前に華琳様にあたしとしてるときの一刀はどうかって結構詳しく聞かれたわ』と答え、公達様は昨日曹操様に『一刀にも征服欲ってものはあるかしら』とか『魏で、いえ大陸で一番高位で高慢で理知的な女を無理やり犯すのと、従順で淫乱な奴隷にして奉仕させるのとどちらが好きそうかしら』と聞かれたという。

でどう答えたのと詠様に聞かれ公達様は従順で淫乱な(略)と答え、それに対して文若様がそんなはずはないあいつは無理矢理(略)と反駁しひとしきり議論をしていたが詠様がまあそこは多分話の本線じゃないからおいといて、華琳って多分自分の事をいまいち可愛げの無い女だと思ってるからそういう事を言うんだと思うのよね、と述べられた。

稟様がそれはあるかもしれません、以前国王会議の後で『可愛くていいわね…桃香も蓮華も』と溜息を吐かれていたことがありましたと仰り、羨ましいのよねきっと、と公達様が答えると皆がうーんと嘆息した。

何が羨ましいのでしょうか、とつい差し出がましく伺ったところ、

『わっかんないかしらねぇ…ほら、劉備って軸がぶれないじゃない?自分の一刀様への接し方に悩みが無いっていうか。それに孫権は本当に言動からして少女っぽいし、なんていうか未だに態度が処女っぽいでしょ?この二人の方向はちょっと違うけど要は女の子っぽさよ』

『桃香は一刀と同じ庶民上がりというのもあると思うわよ』

『ま、あとボクも言いたかないけどおっぱいも二人とも大きいしね』

『今までの行きがかり上堂々とは甘えにくい、又昼と同じ態度では嫌われてしまいそうで怖いともお思いかと』

と皆様が答えられた。

 

さらに一口酒盃を呷って『結局、華琳が「自分が思う自然な姿」でやれば良いんだと思うんだけどね。それにまだどうしても「自分に特別に惚れされたい」ってところも割り切れないんでしょうね。…この世で一番出来る女だけに、そのへんが難しいのね』と詠様が引き取り、散会となった。

 

皆様と別れてからの帰り道に思う。幸せに浸るばかりではなく、私は一刀様への接し方についてもう少し考えるべきなのではないだろうか。凪、亞莎にも聞いてみたい。

 

4月30日

昨日行われた一刀様の三国巡視行程会議で一悶着あったという。

護衛の人員について打ち合わせていた際、厳顔殿が蜀から呉への行程において、『蜀の誇る、三国一の狗をつけよう』と魏延殿の方へ顎を杓って発言された所、呉の孫策様が『ふうん?三国一と二の犬は呉にいるからその犬はきっと三番目ね』と応じ、それを聞いた子丹御嬢様と李典殿が『三国一とは片腹痛い、魏の二匹の犬こそが最も犬』と何かちょっとずれたような割り込みをした為だと言う。

何故か呼ばれた一刀様がその場をとりなしたが、後日いずれの犬が最も犬かをはっきりさせることで四方の合意が得られたそうだ。

しかし御嬢様は何故そのような報告を私にするのだろうか。

 

5月2日

文醜殿と研修で御一緒した。体調不良の為逃げ出そうとしたが捕まったとの事だ。

 

研修の合間の休憩時間で多少雑談をしたが、袁紹殿が一刀様と居る時間が例の件以降増えたらしい。また、最近御夜伽に三人で一刀様の元へ行く機会が減ったそうだ。曰く、「なんか姫さまと斗詩のノリについていけない」との事だ。貴女御自身は一刀様と疎遠になってしまわれたのかと聞くとそうではなく一人でだったり、最近仲の良い華雄殿や公孫瓚殿とだったりで、又昼は昼で袁紹殿らとも勿論仲良くしているという。

「昼と夜でなんか違うって言うかなんか違いがあるんだよなぁ、あたいにはうまく言えないけどさぁ」と言っていたのが印象に残った。

 

5月5日

事業進捗会議で仲徳様と文若様が口論された、先の「お兄さんとの夜の性活を十倍(略)」の件だ。仲徳様は言葉を荒げる事は無いが、珍しく一刀様以外に棘のある物言いをされていた。

会議後、文若様と血縁ながらあまり仲の宜しくない公達様に仲徳様のあの御様子は珍しいですね、と申し上げると

「二人とも自分が一刀様の一番の理解者だって言う自負が滅茶苦茶強いとこ持ってきて、お互いがそう思ってるってのが分かってるからね…これに張勲とか周瑜とか趙雲とか、おんなじ様なの連れて来たりしたらもぉしっちゃかめっちゃかよ」

と溜息をついていた。

 

月様は日頃温和だが、詠様が「下(部下)の子達に、月の前であんまあの馬鹿ちんこの事を判ったようなクチ利かさないように言っといてね。ああ見えて月、内心たまに怒ってることがあるから」

と注意されていたのを思い出した。

 

なににせよ私自身は関係ないだろう、一刀様の事を未だどれほども理解で居ていないのだから。

 

 


 
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