No.490331

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2012-09-30 11:26:55 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1227   閲覧ユーザー数:1202

 

 

 

episode72 考え

 

 

 

「・・・・参ったなぁ・・」

 

それから隼人は第二アリーナに移動してバンシィのメンテナンスをするためにバンシィを単独展開させて投影型モニターとキーボードを出していた。

 

(いててて・・・あいつ一体何をしたんだ・・・。絶対防御を通り越して痛覚を与えるとは・・・それにバンシィにも相当な負荷が掛かっているはず・・)

 

隼人は胸の中央を押さえながらモニターに表示されているバンシィの状態を見る。

 

(それにあの機能・・)

 

隼人が思う機能・・・それはストライクカノンとライオットザンバーの刀身を砕いた能力であった。

 

(あんな機能を持ったISがいるとはな・・・ただでさえ今のバンシィは剣が多いって言うのに、今の状態じゃ分が悪いな)

 

そしてストライクカノンの修復を開始した。

 

(・・だが・・・あいつ・・)

 

隼人はあの時の女子の反応に疑問を抱いていた。

 

(なんか妙な感じだったな・・・。それに初めて会った気がしないんだよな・・・なんでだ?)

 

「うーん」と静かに唸りながらバンシィのメンテナンスを進めて行く。

 

「それに戦っているにも関わらずなんで教員達は気付いていなかったんだ?まぁそのほうが気楽でいいが・・・」

 

少なくとも激しい戦闘だったはずだったが、その事には誰も気付いて無い様子であった。

 

「しかし・・・カノンは今から修復してもタッグマッチまで間に合わないな。ウォーハンマーをデータ収集を兼ねて使用するか」

 

隼人は武装欄からストライクカノンを外して代わりにウォーハンマーを入れた。

 

「一応エクスカリバーの調整も始めておくか。必要になってくるかも知れんからな」

 

そうして隼人はとある武器の調整に入った・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『隼人』

 

それからしばらく調整をしてから隼人は第二格納庫を出て学園の敷地内を歩いていると、いくつかジュース缶を持っているリインフォースと会う。

 

「リインか。どうしたんだ?」

 

『颯がジュースを飲みたいと言ってきたので、買いに行っていたところです。部屋にはもうストックが無かったもので』

 

「そうか。だったらこの際買っておくか」

 

『えぇ』

 

 

 

 

 

 

『・・・隼人』

 

「なんだ?」

 

そうして隼人はいくつか自販機でジュースを買って寮に戻って廊下を歩いている時にリインフォースが聞いて来た。ちなみに寮に戻る間に他の生徒に目撃されてしまって注目された。

 

『今後颯をどうするのですか?それほど長くは保護するのは困難になると織斑千冬が言っていましたが』

 

「・・・どうするか、か。だろうな」

 

『・・・・』

 

「俺的にはな・・・」

 

『・・・・・』

 

 

「・・あいつが良ければだがな・・・・颯を正式に妹として迎え入れたいと思っている」

 

『妹・・・ですか?』

 

「あぁ」

 

『なぜそう思ったのですか?』

 

「・・・どうだろうな・・・。俺は姉が居ても妹は居なかった・・・。義妹は居るがな」

 

『・・・それでも、本当の妹として出迎える理由とは?』

 

「・・・見捨てることが出来ない・・・かな」

 

『・・・・・・』

 

「・・・まぁ、本当の妹のように思えるんだよ・・颯と接するうちにな」

 

『そうですか』

 

「近々その報告を千冬さんにするつもりだ」

 

『織斑千冬もそれを望んでいるはずですよ』

 

「そうかもな・・・。でも、颯は受け入れるかな」

 

『受け入れますよ。きっと喜んで』

 

「そうか」

 

そうして二人は話しながら部屋に向かっていく・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃

 

 

 

 

 

「~~~~♪」

 

と、鼻歌を歌いながら束はキーボードを叩いていた。

 

「いやぁはっくんは束さんよりも天才かもね♪こんな構造よく思いつくよね♪」

 

モニターにはとあるISの設計データがあり、データを打ち込んでISの製造に掛かっていた。

 

「射撃ではなく格闘、防御を持った遠隔操作武装・・・全身装甲によって全く新しい伝達系統によって連動率の向上。それに少しピーキー名チューニングによって第四世代に引けを劣らない性能に。発想の逆転な構造って燃えるよね♪」

 

と一人で盛り上がっていると・・・

 

 

 

 

「・・・束さま」

 

すると束の後ろより一人の子供が入ってきた。

 

背丈はまだ幼い子供ぐらいで華奢な体つきであった。髪は腰の暇で伸びており色は銀色で三つ編みにされていた。目は伸ばした前髪で隠れているが、その隙間から少しだけ赤い瞳が見えていた。

 

「やぁやぁくーちゃん。どうしたの?」

 

「パンが焼けました」

 

と、手にしていたトレーを束に出した。

 

しかしパンは半分ほど黒焦げであったが・・・

 

「うん!おいしいよ、くーちゃん!」

 

と、束は嫌な顔をせずむしろ笑顔で黒焦げのパンを食べる。

 

「嘘です」

 

しかしその子供はまずいと分かっているので嘘だと分かっていた。

 

それでも束は今までも嫌な顔を一つもせずに、不味いとかも一言も言わずに、ただ笑顔でおいしいと言ってくれる。

 

彼女にとっては気まずいのであるが、それでも束はその子供にとっては命の恩人である。

 

 

 

 

とある計画の最後の個体としてその子は生み出されたが、計画の隠蔽の為にその被検体が処分されるなか、唯一生き残った三人の中で、どこにも行く当ての無いその子を束が保護してそのまま一緒に暮らしている・・・・

 

彼女は束からは『くーちゃん』と呼ばれているが、彼女の本当の名は『A、S10』・・・A、Sプロジェクト最後発の個体である・・・・

 

 

「あ、そうだ。くーちゃん」

 

「なんでしょうか?」

 

「私が作った『G』七機はどうなっているかな?」

 

「問題はありません。稼動データも十分に働いているのですぐにでも」

 

「そっか。後はあの時を待つだけだね」

 

「はい」

 

「それじゃぁ、くーちゃん。ちょっと頼み事聞いてくれるかな?」

 

「何なりと」

 

そして束は少女に耳打ちで用件を言う・・・・

 

 

「かしこまりました。では今から向かいます」

 

そうして少女は頭を下げて部屋を出た。

 

 

 

 

「さてと・・・」

 

そして束はモニターの通信を入れた。

 

「聞こえるかな?」

 

『あぁ。聞こえている』

 

すると男性の声がする。

 

「君達にも頼みたいことがあるんだよね」

 

『そうか。で、用件は何だ』

 

「そうだね。例の組織が2087と3600ポイントに現れる可能性があるからね。君達は3600ポイントに向かって欲しいんだよね」

 

『別に構わないが、もう一つはどうする』

 

「もう既に送っているよ」

 

『なるほど。わかった。今から向かおう、篠ノ之束』

 

「期待しているよ・・・・アー君」

 

そうして束は通信を切った・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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