No.488802

恋姫無双 槍兵の力を持ちし者が行く 17話

ACEDOさん

 AGEが終わった~~(泣)ようやく終わりましたね。ほんとにあのHINOは……最後にセカンドムーンの不具合とかで地球に落ちかけるのを「νガンダムは伊達じゃない」的なことをして救世主になると思っていたのに……なんなんだあのエンドは!!主要キャラもすぐに死ぬわ……こんな風に語るとかなりの時間がかかってしまうのでここで切ります。
 次回はクロスボーンをやるんだよね、そうだよねバンダイ!!AGEで下げて、クロスボーンで上げるんだよね!!
 とまあ、最近の愚痴を言ったところで、この小説の近況をば。昨日、ようやく消してしまった章をもう一度書き直せました。これでようやく新章が書ける。それでもなかなか進まないのは言わない約束orz
 それでも最後まで書くつもりなので長い目で付き合ってください。次は閑話とキャラ紹介を挟みたいところです。ちなみに今回の新キャラのモデルは「ヘルシング」のウォルター(全盛期)のつもりです。まあ、メガネはかけていませんが……

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2012-09-26 16:58:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4284   閲覧ユーザー数:3883

月の客将として、数ヶ月が経った。

特に何かが起こったとかはなく、ただ最初にやりすぎて月の兵がしばらく立ち直れなくなったり、霞と酒盛りをして、酔った勢いで「チキチキ☆どっちが多くならず者を捕まえるか競争」で暴れまわり、詠と恋に鎮圧されたり、月と恋とで街をぶらぶらしてたら、ねねと詠にダブルライダーキックもどきを食らい、1日寝込んだり等、色々あったが特に特筆すべきことは何も起こってない。

それより近頃、噂で月達が洛陽に移るというのが凉州でまわっている。

まあ、俺は裏付けがとれているんだが。

 

「この時期に呼び出されたってことは洛陽に月達は行くってことかね?」

 

「恐らくそうでしょう。

善政を布いている者は多々いますが、この規模となると月しかいません」

 

そうだよな、この頃賊の発生率が激増してるし、そろそろ黄巾党が発生してもいい頃になってる。

 

「しかし、いくら蒼様でも今回は反対です」

「ん、なんだ?コイツの実力じゃ不満なのか?」

 

「違います!私はなぜコイツを月に預けるのかを聞きたいだけです。というか響(キョウ)、アンタも少しは反対しなさいよ!」

 

 「……諦めろ森羅、隊長の独断専行を止めたことがあるか?というか間違った選択をしたことあるか?」

 

 「うっ、ないけどあれは私も賛成して愛の結晶として昇華されたからで、今回は意見が食い違っていて……

 つまり蒼様に対する私の愛がたりない?!これは一大事、対策は――」

 

 「……はあ、勝手にしろ。

 しかし、隊長自分も疑問に感じるのですが」

 

 そう疑問を俺にかけて来るのは、高順、真名は響。(こいつは男だった)元々義賊だったが、今はうちのナンバー3に当たる奴で、紅蓮団の中でも常識人に入る部類(つまりブレーキ役又はツッコミ役)で、主に暗殺や隠密などの影の仕事に長けていて、紅蓮団の隠密の指揮をしたりもする。

 主に使う得物は鋼糸、俺が作った絡繰り手袋に鋼糸が仕込んでおり、それで切り刻むことを得意としているが、白兵戦では剣等のあらゆる武器に精通していて、超近接戦闘では森羅をも上回る。かなり使える奴だ。

 

 「まあ、理由があるしな。と言っても保険のようなものだが。

 月達にも説明するから、それでも不満や疑問があったら言ってくれ」

 

 「了解しました。

 ……おい森羅、そろそろ戻って来い」

 

 そう言うと、響は納得をしていないが命令には従うという態度で、森羅を現実に戻しつつ、俺の後に着いて来た。

 

 

 

 

 

 

 「で、噂は聞いているだろうけど、ボク達は洛陽に行かなきゃいけない。

 それでアンタ達はどうするの?」

 

 で、今いるのは月を始め、詠達主要人物が集まる宮殿なんだが。

 やっぱこんなこと言うのは気が引けるよな。

 

 「すまんな。俺達はそろそろ抜けるわ」

 

 「なっ、蒼、貴様。月様を裏切るというのか?!」

 

 ほらやっぱり、椿が怒る。戦斧を持っているのはご愛嬌なんだろう。

 それに反応した響を押さえつつ、答える。

 

 「裏切るって、忘れてねえか?俺達は傭兵だ。契約と報酬が続く限り味方になるだけの存在だ」

 

 「ぐっ、しかしだな」

 

 「しかしも糞もないんだよ。確かにお前達とは戦いたくないがなもうすぐ戦乱の世の中になる。そしたら親しい奴も誰でも敵対したら殺さなきゃならない。

 俺もこいつ等も、もうその覚悟を決めてる。今更この覚悟はかわらねえよ」

 

 「ふーん、そう。ボクとしてはどうでもいいんだけど、何で抜けるの?」

 

 うーん、此処で言っちゃってもいいかな?

 

 「まぁ、簡単な話。そろそろ自分の決めた主の所に戻ろうかと思ってな」

 

 「って、ちょっと待ちいな蒼っち。ほな何で傭兵なんかしてるんや?」

 

 「いやな、実戦経験積みたいし、手塩に掛けて育てた部隊ってのを作り上げたいしでな、なら傭兵になってついでに各地を周りながら目ぼしい奴を集めようと考えたわけだ」

 

 「で、その主って袁紹?さすがにあのバカはやめたほうがいいと思うんだけど」

 

 む、それはかなり心外だな。

 

 「おいおい、袁紹のことを悪く言うなよ。アイツは金運を持ってる愛すべきバカだぞ。まあ、それでもあのバカが主なわけがない。というか、なんでバカの名前がでる?」

 

 「え、違うの?私塾の同期だからもしかしてと思ったんだけど?」

 

 やっぱりというか詠は此処でという時以外ではなんか抜けてるような気がする。

 

 「もう一人いるだろ?同期で今領主やってる奴」

 

 「って、まさか曹操?」

 

 いや当たりなんだが、なんでそんなに驚く?

 

 「その通りだが」

 

 「よく、あの曹操に認められたわね」

 

 「まあ、偶然が重なってな。そもそもあのバカじゃ俺の理想は叶えられない。曹操のような王の器を持つような奴じゃないとな」

 

 「まあいいわ。つまりアンタ達は抜けるのね?じゃあ後で報酬は渡すから出発の用意でもしたら?」

 

 「あ、ちょっと待ってくれ。あと一つだけいいか?」

 

 「なに?くだらないことだと思うけど早くてね。」

 

 「コイツを月の個人的な護衛として雇ってくれないか?」

 

 そう言いながら後ろに控えている響を前に出す。

 

 「アンタ、バカでしょ?わざわざ敵になるかも知れない奴の部下を護衛に雇うわけないでしょ!」

 

 まぁ、確かに常識はそうだが……

 

 「普通はそうだが、俺は月と華琳……曹操のことな、華琳は絶対的に敵対はしないはずなんだ。誰かに利用されたら別だが」

 

 「……その理由は?」

 

 「華琳は王を目指し、月は民の幸せしか願ってないから。……なんだが、分かるか?」

 

 「……詳しく聞かせて。」

 

 「なあ月、お前は自分で天下を統一して、権力を握りたいか?」

 

 「い、いいえ。私は自分の手が届く範囲の人を笑顔にしたいだけですから」

 

 いきなり話を振られて戸惑いながらも月は答える。

 だよな、月はこういう奴だ。

 

 「というわけだ。月は王を目指さない。ただ周りの笑顔を守るだけが望みなんだよ。つまり、分かってると思うが、月は王としてではなく、治世の臣として長けている。

 だから華琳と争わないと思うんだが」

 

 月は上に立ちたいという欲がない。だからこそ出せる案(それでも分が悪いっちゃ悪いが、やる価値がある)、詠もそれが分かるからすぐに断らないんだろうが。

 

 「最後に聞いていい?

 アンタの話を聞いてると漢が終わるって聞こえるんだけど」

 

 良い読みだ。そう聞いてほしかったしな。

 

 「その通りだ。

 理由としては今、実権を握っているのは欲に塗れた十常侍で、唯一踏張っていた霊帝も病で長くない。こりゃもう詰みだろ?」

 

 「ちょっと待ちなさいよ。何でアンタがそんなボクでも知らないこと知ってるの?」

 

 ん?なんか恐がってるようだ。ま、当然か。ただの傭兵がそんなこと知ってたらそりゃ驚く。

 

 「そりゃ洛陽にも隠密を何人か入れてるからな。色々集まって来てるぜ。

 例えば、お前達を呼んだ張讓のこととか。あ、なんならお前達に来た命令書の写しを見せようか?」

 

 「今、アンタがもの凄く怖く感じてきたわ。」

 

 なんだか、ビビらしてしまったようだな。

 

 「ま、とにかく漢は滅ぶと俺は見てる。

 でだ、お前達はその中心にいくわけだ。で、利用される可能性が非常に高い。身代わりとしてな」

 

 「そんなことボク達がさせるわけないじゃない。」

 

 「いきなり月が人質にされてもか?

 その為のコイツだ。コイツは武もいいもの持ってるが暗殺とかが得意でな、それと同じぐらい護衛もうまい。

 で、もし問題が起こったらコイツを通して俺にそして華琳に繋がる。最悪保護するように頼んでやるよ」

 

 詠を見ると、かなり迷ってるようだ。それを月が心配そうに見ているが、この案に賛成の様子だ。

 

 「詠ちゃん、どうするの?私はこの案を受けた方がいいと思うんだけど」

 

 「そうそう、華琳の下についたからってひどいことにはならねえよ」

 

 「……その案、信用していいのね?」

 

 「大丈夫だ。俺の武と真名に誓って大丈夫だ。

 ていうか華琳なら嬉々として向かいいれるよ。それにもしそれが出来なくてもそんな事態が来るまでには代案を作っておくさ」

 

 アイツ、才のある奴、好きだからな。

 そして詠を見ると安心したのか、剣呑な空気は霧散していた。

 

 「分かった。そういうことならソイツを使わせてもらうわ」

 

 「ということだ。響、納得したか?」

 

 今までの話を聞いていた響に話を向ける。

 

 「……そういうことでしたら、董卓様、自分の名は高順、真名は響。以後は護衛としてお仕えします」

 

 響の自己紹介を切っ掛けとして、真名の交換が始まったようだ。

 俺は森羅を連れて外に出ようとすると詠に止められた。

 

 「どこに行くの?」

 

 「どこって、戻って出立の準備だ。

 報酬は明日位に渡してくれ」

 

 「分かった。

 ボク達はアンタ達を裏切らない。だからアンタ達も―」

 

 「分かってる。だから安心しろ。最終手段で俺が出るる。

 つーか、お前結構脇が甘いから気を付けろ」

 

 そう頭を撫でつつ言ってやると、顔を真っ赤にして殴ってきた。

 その時に森羅が「また、敵が……」とかなんとか訳の分からないことを喋ってたが無視した。

 

 その後、俺達は凉州を離れ、華琳の治める陳留を目指し進み始めた。


 
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