No.486581

超次元ゲイムネプテューヌ 魔法を司るもの

ユキさん

気絶して皆に置いてかれるソウジ。
そんなソウジをおいていった一行はモンスターに困っているという若社長に会いに行く。ソウジは暇つぶしにダンジョンを捜索するがそこで一人の女の子と出会う。

2012-09-20 21:47:07 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:831   閲覧ユーザー数:812

第6話 記憶喪失

 

暗い部屋の中を隅々まで見渡し、俺は嘆息した。

寝かされてるのはどうやら、寝室らしき場所。

上半身だけを起こし、軽く背伸びをする。

と、絶妙なタイミングで激しい鈍痛が脳天を襲ってきた。

 

「ぬあ!...そう言えば、木刀で殴られたんだっけな」

 

傷む脳天をさすっていると、何故か額の部分に包帯が巻かれてることに気付いた。

「やる場所を間違えてるだろう」と言いつつ包帯の解除を試みてみたが、

まるでボンドで貼り付けられたみたいにうんともすんとも動かない。

 

「はあ、はあ、はあ....無理だ」

 

俺は諦め、寝室から出ることにした。

 

リビングには置手紙と丁寧にたたまれた俺の服があった。

 

「あれ?俺寝間着着てたんだ....てことは俺は脱がされたのか」

 

先に服に着替え、

ねぷから貰ったお気に入りのネックレスを首からかけると、置いてあった手紙に手を伸ばした。

そこには綺麗な字でこう書かれていた。

 

『わたし達はモンスターの被害を受けている工場の手伝い―――つまるところクエストね。

 夕方ぐらいには帰ってくるから』

 

「今は....朝か」

 

窓を見ると太陽がさんさんと光り輝いているのだけが見えた。

時刻も9時半くらいとなっていた。

俺は少しばかり部屋の中を歩き回り、やがて一つの考えに落ち着いた。

 

「出歩こう!」

 

こうして俺はラステイションの街を迷うことになったのは言うまでもない。

 

「俺の行く道に沿って地形が変わってるんだ!!」

 

あくまでも方向音痴は全否定だ!

 

 

ネプテューヌ達はモンスターに困っているという小さな工場の社長に会いに街に出ていた。

街は活気に溢れており朝から鉄を叩く音で溢れている。

ネプテューヌ達が街中を歩いていると待ち合わせ場所らへんに

 

「あ、きっとあの人です!モンスターさんを倒してほしいっていう社長さんは!!」

 

と、その姿にネプテューヌが「うーん」とうなり

 

「えー?なんか一回り小さいよ?

 社長さんて言うくらいだから、もっと風格のあるがっちりした人じゃないの?」

 

と、だいぶ失礼なことを言った。

相手の社長らしき人物は数秒ほどネプテューヌ達を見て顔をしかめ、そして手を振ってくれた。

 

「やっぱり間違いないですぅ!」

 

「向こうの人も。もしかしたらこっちと同じ気分かもね」

 

さらりとアイエフ。

 

「....お前らか?モンスターを退治してくれるってのは。本当に大丈夫なのかよ」

 

近づくといきなり失礼なことをかましてきた。

どうやら社長と言うのはホントだったらしい。

言わば、ちっこい女社長というやつだ。

ショートヘアーに工場用の服。働いている女って者を感じさせるものであった。

 

「見かけに寄らないのはお互い様よ。

 それより、はじめまして。私はアイエフ。後ろの二人がコンパとネプテューヌ」

 

「私はシアン。都心近くで、パッセっていう小さな工場をやってる!」

 

「実は交易用の道にモンスターが出るようになって

 荷馬車や列車がたびたび襲われるんだ。それをどうにかしてほしいってワケだが、大丈夫か?」

 

明らかに不安な表情で見てくるシアン。

そんなシアンの不安を吹っ飛ばすようにネプテューヌが満面の笑顔でこう言う。

 

「大丈夫、戦闘ももう慣れっこだから大船に乗ったつもりで、任せていいよ!!」

 

「気に入った!!そう自信満々に言ってくれるとこっちも任せがいがある!」

 

と、満面の笑顔で返してくれた。

そこからは少しだけ談笑が楽しく続いたのであった。

 

 

???side

 

「ふふん!これだけ仕掛ければ、食意地の張ったネプテューヌをおびき寄せることは出来るわね。

 これで、転んだら記憶喪失になる威力間違い無しだわ!!」

 

私は自慢の黒くて長く両端で括った髪をいじりながらまだかまだかと

目標のネプテューヌを待っていた。

数秒の沈黙が続き、やがて誰かの足音が近づいてきた。

 

「迷ったのか?....いやしかし!ここにねぷたちがいるかもしれん!!」

 

現れたのは何の武器の装備もしていないおでこに包帯を巻いた男の子だった。

私と同じか、少しばかり年上に見える。

 

「ぬお!あんなところにクレープが!!」

 

男の子はそう言いだすとすぐに私の対ネプテューヌ用に仕掛けた罠に走りこんでいった。

 

「ちょっと、それは、のわぁぁぁぁ!?」

 

私は目もくれず走り出したため、自分で仕掛けておいたバナナの皮にすべり、

後頭部から硬い地面へと頭を打ち付けてしまうのだった。

 

「うう...なんで、こんな....」

 

そこで私の意識は何かを置き去りにし、吹き飛んだのであった。

 

 

ソウジside

 

いきなり俺の後ろで叫び声が聞こえ、振り向いてみると盛大に女の子がこけた。

慌てて駆け寄ってみると、女の子は目を回して気絶していた。

 

「お~い、お~い」

 

揺さぶりをかけてみるが起きない。

さすがに女の子をこんなところに置いておくのは危ないので、

俺は女の子を抱きかかえダンジョンらしきところから脱出するのであった。

 

 

数時間後

 

俺はやっとの思いで宿に着いた。窓から見える外の色は茜色。

ダンジョンから出るのにはそんなに時間はかからなかったのだが、

その後のラステイションの街が俺にとっては難関であった。

 

「いくらなんでも地形変わりすぎだろ」

 

俺は宿に着くなりそんな文句を垂れ流す。

腕の中に収まっているよく見たらかなりの美少女を寝室の俺のベッドで寝かせる。

ツインテールで黒髪の可愛い女の子。

それだけならまだしも、発育中の胸(目測でだいたい80はあるな)。

 

「ぬあ!痛い...もしかして煩悩に反応するように痛みが発生するのか?」

 

昨日思いっきり殴られたところが急激に痛み出した。

試しに昨日のねぷのジュースまみれの姿を脳内再生する。

 

「ぎゃあす!...煩悩退散煩悩退散!!」

 

先程より鋭く激しい痛みに涙ながら、

天の神様に許しを得るような形で手をすり合わせ「煩悩退散」を連呼する。

すると俺の「煩悩退散」が聞いたのか頭から徐々に痛みが消えていく。

どうやら煩悩のレベルが高いほど、昨日殴られたところはかなり頭に頭痛として響くらしい。

俺は西遊記の孫悟空かなんかかよ。

 

「のわ....お、お、お」

 

起き上がるやいな半身を起こし可愛いあくびを出す女の子。

復活早いな。いや、俺が迷ってるあいだも寝てたから起きる時間としては十分か。

そして、俺の顔を見て口を手で覆い、なぜかぷるぷると震えている。

 

「何が言いたいん「男ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?のわぁぁぁぁ!!」あぐ!ごふ!ぬあ!!」

 

三連撃往復ビンタの前に俺はなす術もなく、ベッドから転げ落ちる。

最後の一撃が異様に強かった。恐るべし、女の子!!

 

「え、えーと....その俺の名前はソウジ。君の名前は?」

 

ベッドから這い上がるようにして顔だけ出す俺。

対する女の子は状況を理解したのか、少しだけ言うのを躊躇い

 

「私の名前はノワールよ。覚えてるのはそれだけ」

 

言ってしまった。

俺の身体は最後のそれに過剰に反応しベッドに手をつき思わず女の子コトノワールに近づく。

 

「....記憶喪失ってやつですか?」

 

「そうよ、悪い?」

 

何故か不機嫌そうに言い放つそれに、俺は飽きれた。

彼女にではない、自分にだ。

なんたってここは、この距離は彼女の絶対圏内の一部だったのだから。

ずいぶんと遅くに俺が近くに来てたことに気づいたノワールは頬を真っ赤にし、

とんでもない威力のビンタを俺にぶっ放すのであった。

 

「容姿は最高、中身は男嫌い?その名も記憶喪失2号、ノワール!!」

 

床の上でごろごろと転がりながらそんなことを告げてましたとさ。


 
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