No.485685

咲-saki-月宮編 第5局 波乱

白昼夢さん

---月宮高校麻雀部での城山華南と麻雀部の仲間達の紆余曲折ありながらもインターハイ優勝を目指していく、もうひとつの美少女麻雀物語---

2012-09-18 18:28:30 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:518   閲覧ユーザー数:508

名前:折原 泉 (おりはら いずみ)

誕生日:1/23 みずがめ座

血液型:B型

身長:162cm

体重:泉『みんな内緒なのに私だけって不公平じゃない?』

スリーサイズ:79/55/80

 

 

・2年生の先輩、りりあと同級生、髪型は黒髪のポニーテール、前は髪を下ろしていたが、

りりあを含む同級生のクラスメイトに可愛いなどとイジられ、それ以来外出する時は髪を束ねている。

素直で白黒はっきりつける性格の為、時にはキツい言動も目立つが、人一倍仲間想いでもあり、認めた相手には全力で尽くしてくれるタイプだったりもする。

 

・りりあや羽衣、華南のような特別な才能が無い事を気にしており、またそれを補うように人一倍努力をしている。

 

・月宮女子麻雀部の一番常識人な子、当初の設定では華南の実姉として生まれたキャラクターです、本編でも姉的存在という役回りの子になってます。

 

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華南が月宮高校麻雀部に入部してから数日、学校が休みである今日も華南達は部内で対局を行っていた。

まだ一週間も経たないが、未だ半荘通して華南からトップを奪うことは出来ないでいた。

かくいう今日も、華南の6連続トップでこの半荘も終わろうとしている、そんな感じだった。

『自漠、リーチ一発ツモタンヤオ平和一盃口』

華南が裏ドラをめくる、さも当然のように裏ドラが乗っているのであった。

『…裏裏、8000オールの3本場は8300オールです』

 

 

第5局 波乱

 

 

『…うぇー、ぜんっぜん勝てないー、まぐれでも一回位は勝ててもいいはずなのにー』

『確かになぁ、最初のから数えてもう何連敗中だろう、そろそろ20は行ってるんじゃないか…?』

『同じ一年生なのに、私も負けてられないですっ』

麻雀とは、運の要素の強いゲームである、それこそ数回程度なら素人がプロに勝ち越すなんて事もザラにある。

だがしかし、何度やっても3人は華南には勝てなかったのであった。

『ふー休憩休憩!ぶちょーが戻るまで休憩にしようっ』

『そうだな…朝からぶっ続けで疲れちゃったよ』

『分かりましたっ』

『…』

羽衣は今買いだしに出ている、あかりが『買出しなら私が行きますよ!』と言ったのだが、麻雀経験の浅いあかりは少しでも対局をこなした方がいいと、また、華南は実力者故にいい練習相手になるから、と結果4人で対局し続けていたという訳である。

『…ちょっと、いいですか?』

華南は突然口を開き、続ける。

『あかりは初心者だから仕方ないにしても…、先輩達はもっと実力をつけるべきです』

『このままでは、私と同程度、或いはそれ以上の実力の相手と当たった場合、私の出番が来る前に終局してしまいますよ』

華南は数日その事ばかり考えていた。確かにこの対局内容では、華南と同等の他校の選手と当たれば間違いなくトバされてしまうだろう。

『うぅ…ごめんねえー、不甲斐ない先輩でもうしわけないー』

ゴメンねーっといった感じで手を合わせそういうりりあ

『…本当に、インターハイ目指してるんですか、私には、そうは見えないです』

それを聞いた泉は、つい我慢ならず重い口を開いた。

『その位にしないか城山、確かに私達が不甲斐ないのもあるけど、そんな言い方はないだろ、りりあも普段はこんなんだが、毎日歴代のインターハイの上位選手の牌譜を見て研究したり、アイツなりに頑張ってるんだ』

『まぁまぁいずみん、確かにあたしも努力不足だったのかもしれないし、実際一回も勝ててないしー』

『りりあはちょっと黙ってて』

『私だって、確かにお前やりりあや、部長のような麻雀の才はない、けど!その穴を少しでも埋めようと頑張ってるつもりだ』

りりあがなだめようとするも、泉はまだ続ける。

『全く…確かに麻雀の腕はあるけど、他人の事を考えられない奴だったんだな、高校生で賭け麻雀打ってたり、親の躾がなってないんだな、親の顔が見てみたいよ』

『…!!』

多少カッとして何気なく出た言葉だったが…華南にはとてつもなく辛い言葉だった。

勢いよく席を立ち、華南は荷物も持たずに部室を飛び出した。

部屋を出る前に、泉を見つめたその瞳は

泣いていた、ようにも見えた。

 

 

『…確かにあたしもちょっとカチンときたけどー…いずみん言い過ぎたんじゃない?これで麻雀部やめられちゃったりしたら…』

『いいんだよ、あんな奴…、そうなったら私が代わりを探してくるよ』

『…あ、あの折原先輩』

取り残された3人、あかりが何か言おうとした所で羽衣が戻ってきた。

『ただいまあー、あれ?華南ちゃんは?とゆうかみんななんか暗いぞー』

『…えっとですね部長、その…』

あかりが一部始終を羽衣に説明した。

『…で、さっき城山さんが飛び出してっちゃったんです』

『あらあらあー…親の顔ねえ…確か、華南ちゃんのお母さんって城山華恋っていったかしらね?』

城山、という苗字に聞き覚えがあり、羽衣がネットで調べたら、一人のプロ雀士が見つかった、娘の名前が華南というので間違いないだろう。

『あれ?部長、城山さんのお母さんご存知なんですか?』

『城山華恋って、確かプロ雀士じゃなかったっけ、私好きだったから小さい頃よく対局をテレビで見てたよ、すっごい綺麗な女の人だったの』

話を聞いてたりりあが割って入ってくる、どうやら華南の母親はプロ雀士だったらしい。

『…好きだったって、今は嫌いにでもなったの?』

泉がそう問いかける。

『ちがうよいずみん、華恋さん、私が小学生くらいのときだったかな、飛行機事故で亡くなったんだよ、ショックだったなー』

『城山さんのお母さん、小さい頃ににお父さんと一緒に飛行機事故で亡くなった、そう言ってました…』

『あっ…』

泉は少し前に自分の言ったことを思い出し、後悔した。

『私、すごい酷い事言っちゃった…人の事考えられないの、私の方じゃんか…』

謝らなきゃ。泉はすぐさま立ち上がり、部室を飛び出そうとする。

『ちょっと、出てくるよ!華南を探してくる!』

『あたしも手伝うよいずみん!』

『私も!』

『勿論私も行くわよ、かわいい部員の為ですものね』

そして、麻雀部総出で華南の捜索が始まった。

 


 
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