No.482776

恋姫外史終章・いつまでも一刀第12話

アキナスさん

婚礼の後、左慈と干吉は・・・・・・

2012-09-11 22:09:58 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:7032   閲覧ユーザー数:5546

「・・・・・・はっ!?」

 

婚礼が終わってどのくらい経ったのだろうか?

 

左慈が意識を取り戻して初めて見たのは、ある部屋の天井だった。

 

「おや?ようやくお目覚めですか?」

 

視界の横に、干吉の姿が映る。

 

「干吉!貴様ァ!!」

 

干吉に飛び掛ろうとする左慈だったが、身体が動かない。

 

左慈が自分の身体を見ると、身につけているのは下着だけで、両手両足は縄で寝台に拘束されていたのだった。

 

「ふっふっふ・・・・・・」

 

不気味な笑顔を浮かべながらゆっくりと寝台に乗ってくる干吉。

 

「き、貴様・・・・・・これは何の真似だ!?」

 

「おや?分からないのですか?」

 

激昂する左慈だったが、干吉は軽くそれを受け流して言った。

 

「当たり前だ!早く縄を解け!!」

 

「本当に?本当に分からないのですか?左慈?」

 

実の所、左慈にもだいたいの予想はついていた。

 

しかし、その最悪の予想を認める訳にはいかなかったのだ。

 

「ふふふ、私達はついに婚礼を果たしました。そして・・・・・・」

 

干吉はそう言いつつ自分の服に手をかけ、

 

「今宵!我々は初夜を迎えるのです!!」

 

そう叫ぶと同時に服を脱ぎ捨てた。

 

「ふ、ふざけるなあ!早くこの縄を解け!殺すぞ!!」

 

暴れる左慈だったが、いくらもがいても縄は外れない。

 

「さあ、まずはゆっくりとならしていきましょうか・・・・・・」

 

そう言って干吉はゆっくりと左慈の下着に手をかけて・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ!?そんな事になってたんですか?」

 

「おう、ちなみに月は眠らせて攫って、明命に任せてある。もう洛陽出てるんじゃねえか?」

 

「はあ・・・・・・心配して損しましたわ・・・・・・」

 

式が終わった後行われていた宴会。

 

その中に一刀は紛れ込み、宴会場の隅で麗羽と桃香に事の次第を説明していた。

 

「でも、月ちゃんがいなくなったら結局騒ぎになるんじゃないですか?」

 

「まあな。一応工作はしてあるし、干吉がばらさない限り俺達の仕業だとばれる事はないと思うけど・・・・・・」

 

例えば十常持の一人、張譲の私室に忍び込み、その私物を現場に置いてくるなどの工作である。

 

「それでは、早々にワタクシ達は引き上げましょうか?」

 

「いや、すぐにとんぼ帰りしたら怪しまれるかも知れないし、他の諸侯が帰っていく時まではいたほうがいいだろ」

 

そんな会話をしていた三人だったが、

 

ズガーン!!

 

どこからか凄まじい音が聞こえてきた。

 

「な、何事だ?」

 

宴会の出席者たちはおろおろと辺りを見回した。

 

遠くで兵士たちの騒ぐ声がする。

 

「・・・・・・ふむ」

 

一刀はそう言うと、桃香と麗羽を置いて駆け出した。

 

「ちょ、ちょっと一刀さん!?」

 

「ワタクシたちを置いて何処へ行く気ですの!?」

 

後ろから声が聞こえたが、構わず一刀は音のした方へ走って行った・・・・・・

 

 

 

 

一刀が走っていると、逆の方向から干吉が駆けてきた。

 

「おや?北郷一刀ではないですか。まだいたのですか?」

 

「おう・・・・・・っていうか、何があった?すげえ音がしたぞ」

 

「ああ、それがですね・・・・・・」

 

干吉が説明しようとしたその時、

 

「見つけたぞ・・・・・・」

 

干吉の走ってきた方向から声がした。

 

一刀が声の主に視線を向け、

 

「・・・・・・嘘だろ?」

 

珍しく動揺した声で呟いた。

 

 

 

 

そこにいたのは

 

 

 

 

ソフトクリームの絵が入った上着とジーンズ姿の

 

 

 

 

とぐろ状の頭をした謎の男だった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「怪しいやつめ!かかれかかれ!!」

 

城の衛兵が次々と謎の男に向かっていく。

 

しかし、

 

「バビロン真拳奥義・・・・・・木漏れ日のサンタルチア!」

 

ザシュザシュザシュ!!

 

「「「「ぐあああ!!」」」」

 

あちこちから血を噴出し倒れていった。

 

「おい、あれって・・・・・・」

 

「左慈です」

 

「何でああなった?」

 

「いやあ、お恥ずかしい話なのですが、婚礼の後、左慈が意識を失っている間に部屋に連れ込んで、自由を奪い初夜を迎えようとしたのですが、直前で左慈が禁断の奥義バビロン降臨を使いまして・・・・・・」

 

「で、あれになったと?」

 

「はい」

 

こうして話している間にも左慈に衛兵は次々とやられていった。

 

「禁断の奥義って言ってたけど、どういう意味で?」

 

「あの姿に決まっているでしょう?あのプライドの高い左慈が、あんな姿になりたいと思いますか?」

 

「・・・・・・そらならんわな」

 

妙に納得した一刀。

 

「・・・・・・北郷。貴様もいたか」

 

一刀と干吉が視線を向けると、そこには多数の衛兵たちの死体と、まったく返り血を浴びていないとぐろ頭の左慈がいた。

 

「この姿になった俺を止める事は誰にも出来ない。干吉と共に北郷。貴様も殺してやろう・・・・・・」

 

いつもの激情家の顔はそこにはなく、あくまでクールに左慈は言い放った。

 

「干吉。あいつ止めるから協力しろ」

 

干吉に向かってそう言いつつ、一刀は左慈に向かって構えをとった。

 

「ですが、左慈と戦うわけには・・・・・・」

 

「協力したら左慈との初夜迎えるのを手伝ってやる」

 

「申し訳ありません左慈。これも貴方との愛のためです」

 

それを聞くや否や、手のひらを返したように左慈に向かって構える干吉。

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

「さあ、愚かなる堕天使たちよ。旋律の調べを奏でようか・・・・・・」

 

 

 

 

死闘の幕は切って落とされたのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもみなさんおひさしぶりです。

 

アキナスです。

 

また随分投稿に間が空いてしまい、申し訳ありません。

 

結構つまる事が多くなってきた今日この頃。

 

今度はいつ投稿できるかなあ・・・・・・

 

それでは次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「怒雷蜂!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 
 
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