第六十八技 死神と舞う黒き者達
キリトSide
「らあぁぁぁ!」
ルナリオが自らの武器であるハンマー『ヴェンダイヤ』を盛大に振りかぶり、
〈The
その剛撃に奴の体全体に衝撃が行きわたったようだ。
ハンマースキル《ヴァイク・インパクト》を放ったらしい。
本来のダメージよりは少ないものの特殊作用により一時的に動きを怯ませたのだ。
「っふ!」
防御ができないその隙にティアさんが投擲スキル《ショットクラッシュ》を使用し、
投擲武器である『苦無』を投げつけた。
奴に命中した『苦無』は突き刺さるとそのまま
―――GOAAAAAAAAA!!!
これでほんの少しだが奴のHPにダメージを与えられた。
それでもようやく10分の2まで削れたというところだろう。だがなぜだろうか?
俺達は誰一人として弱音を吐かない。
ティアさんやカノンさんは普通にしているが、俺達男性陣は全員が
やはり俺達は根っからの戦闘狂のようだ。
―――GAAAAAAAAAA!!!
再び死神が大鎌を使い攻撃してくる。今までのような単調なものではなく、鎌を大きく乱舞させてくる。
我武者羅な攻撃に対して俺達はバラバラに別れる。
只々、鎌を乱舞させてくるがそれが逆に単調な動きとなってしまい、俺達には一撃も掠ることができなくなる。
それを機にハクヤが攻勢に出た。ハクヤの武器も鎌である。
たしかに奴の大鎌に比べればサイズは大したものではないがそれでも刃の部分だけで120cm近くはある。
その鎌の名は『コロナリッパー』、炎熱属性を纏う鎌である。
この属性は『聖光』に続きゴースト系にダメージを与えられる。
それを構えてハクヤは奴に突進を仕掛ける。
それに気付いた奴はハクヤに向けて大鎌を左上から振り下ろす。
そこに……、
「させるかぁぁぁ!!!」
シャインがハクヤと大鎌の間に入り込み自らの持つ盾で防御した。
俺が剣で防御した時は異常なダメージを負ったがシャインの防御の前では少しの事にしかすぎない。
ユニークスキル《絶対防御》によりダメージが10分の3程度しか受けない。
また、シャインの装備する盾、『アイギアス』は最上位の盾であるため最高の防御力でもある。
故にシャインのHPバーはほとんど減っておらず、
それもすぐに戦闘スキル《バトルヒーリング》によって瞬時に回復していく。
そして、シャインが攻撃を防いだ事でハクヤが奴の正面へと辿り着き、
「ぜえぇぇぇぇぇい!」
サイススキル《ヘルゲイザー》を使用した。
『コロナリッパー』の炎熱による業火と《ヘルゲイザー》による水平斬りの四連撃、
加えてユニークスキル《斬撃》が発動してさらに四連撃が加わり八連撃となる。
その紅蓮の攻撃に奴の体は燃え上がる。
―――GUGYAAAAAAAA!!!
その一撃は奴のHPバーを大幅に減らした。ようやく10分の4は削れたというところか。
焼かれていた体の炎も消えてもう一度体勢を立て直してきた。だが、奴は気付いていない。
いや、正しくは俺達も気付かなかった。
「……っ!」
奴の後ろについたのはティアさんだ。何故、ティアさんの移動や接敵に俺達すら気付かなかったのかは簡単だ。
彼女のユニークスキル《隠者》が発動していたのだ。
このスキルにより敵どころか味方にも察知されなくなり、誰も気付かなかったのだ。
ティアさんが死神の背中に向けて短剣を突き刺した。
たったそれだけだが奴のHPバーが10分の5、つまり半分にまできた。
いまのはダガースキル《アサシンピアース》だ。
短剣による上位スキルでクリティカルポイントを直接攻撃出来た場合、ダメージ量が増すスキルだ。
相手の背部、人間の脊髄に当たる部分に攻撃が命中したようだ。脊髄はなぁ、南無三……。
しかし、これで半分だ。このまま押し切る!
キリトSide Out
To be continued……
オリジナルスキル説明
ハンマースキル《ヴァイク・インパクト》
ハンマーのスキル。強烈な一撃で相手の体全体に衝撃によるダメージを与える。
特殊効果で相手を一時的に怯ませる事ができる。
ソードスキル《ショットクラッシュ》
上位の投剣スキル。投げつけた投剣武器が直撃すると爆発してダメージを与える。
サイススキル《ヘルゲイザー》
鎌の上位スキル。水平四連撃。
(右から左へ、そのまま回転して右から攻撃、そこから左から右へ、そのまま回転して左から攻撃)
ダガースキル《アサシンピアース》
短剣による上位スキル。
クリティカルポイントに攻撃して直撃した場合、ダメージ量が20%増す。
後書きです。
死神戦前半というところでした。
次回で死神戦は終了です。
結末や如何に・・・。
それではまた・・・。
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第六十八話です。
本格化する死神との戦い。
どうぞ・・・。