この城は、とても安定していて頑丈で高い城壁。その周りには水堀もある。
ここを攻めることを躊躇う、そんな立派な城。
その名は、ブルームーン城。
「な~んか、息苦しいんだよなぁ、この城」
ブラッドが皮肉っぽい感じで、ボソっと言う。
合図を出して、水堀に橋を架けさせる。
そして「じゃあ、お前は外で待っていればいい」眉間に一筋のシワを立てた
ハヤブサが面倒くさそうに言う。
「おいおい、これでも同盟国の王子が来ているんだぞ、そんなもてなしは無いだろ」
門をくぐり、ねぎらうように馬の首筋をポンポンと叩くシアは、二人のやり取りに
苦笑している。
「なあ、ハヤブサ、あのジジイはくたばったのか?」
すると、ブラッドの背後に、とても背の高い老騎士が立ち、ブラッドは影に覆われた。
そして、ゲンコツが……。
ゴゴゴチーン!
ブラッドの頭から、まるで狼煙のような誰かに、この痛みから助けを求める
煙が立ち上る。
「ワシは簡単に、くたばりゃせんわ」
「ジジイ……生きてたか……」
「ナイス、ライアルさん」ハヤブサが親指を、ぐっと立てる。
ライアルと呼ばれた老騎士が
「ハヤブサ様、私に、さんを付けて呼ぶのはお止めください。」
すかさずブラッドが
「そうだ、ジジイで充分だぞ、ハヤブサ」
ゴゴゴゴゴチーン!
再度ゲンコツが……
ミューズは慌てて、冷やしたタオルを持ってきて、ブラッドの頭にそっとのせた。
「それで、あの二名の、その後の足取りは掴めましたか?」
ハヤブサがライアルに尋ねる。
「第三騎士団の長が、現在追跡しているところです。」
「そうですか……彼はまだ若い、深追いしていないといいですが」
ブラッドが会話に入る。
「あの、やっかいな魔石 エネルギア の事がバレただろうな」
「……遅かれ早かれ、こうなることは分かっていたことだ、戦になろうと守り抜くだけだ」
しばし、休憩を取り。
ハヤブサと別れるとき、ブラッドは
「ハヤブサ今度は、うちのレッドサン城に遊びに来いよ、お前のところにも優秀な人物が
いるが、うちにも優秀な騎士と魔導士がいるから」
「そうか、うん、必ず行く」
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ファンタジー小説です、続きものです。