No.463206

IS《インフィニット・ストラトス》 SEEDを持つ者達 第1話

Lさん

第1話です。

プロローグ
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2012-08-01 02:00:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:14214   閲覧ユーザー数:13719

IS学園……特殊なパワードスーツ、IS(インフィニットストラトス)の操縦者候補を養成する施設である。

そんな特殊な学園の職員室で、二人の女性教師、織斑 千冬と山田 真耶が談笑をしていた。

 

「織斑先生、この前のニュース、見ましたか?」

「この前のニュース? あぁ、あれか」

 

二人が言っているこの前のニュースというのは男性が動かせる筈の無いISを動かしたという事である。

IS、というのは十年前に篠ノ乃 束によって開発されたモノである。

現代兵器の性能を著しく上回る力とスペックを持つが、ある致命的な欠陥がある。

何故か女性にしか反応しないという所だ。

ISは女性にしか反応しない操縦出来ない。

国防の要はISつまり女性という事で世界各国は次々と女性優遇政策を取り世界は男尊女卑と男女平等から一気に女尊男卑の風潮となった。

そのISを男性が動かしたという事は世界に衝撃を与えた。

 

「でも、何で動かせたんでしょう? やっぱり織斑先生の弟さんだからでしょうか?」

「嫌、それは無い」

 

真耶の疑問を千冬は即答で切り捨てる。

 

「確かに、それもそうですね」

 

真耶が納得したように頷いた。

だが、千冬は一夏がISを動かせる理由を考えていた。

 

(あいつがISを動かせるのは、おそらく'あれ'が関係しているんだろう)

 

千冬が考え込んでいた、その時だった。

突如、轟音と共に激しい揺れが職員室を襲った。

 

「キャァァァァァ!!!!」

「な、何!?」

「地震!?」

 

真耶及び職員室にいる数名の教師の聞こえる。その中、千冬は揺れに耐えながら、状況を把握していた。

 

(違う、これは何かが落下したときのものだ!)

 

少し時間が経ち、揺れの衝撃から回復した他の教師をよそに千冬は直ぐに側にあった学園内の通信端末に手を伸ばし、管制に繋げた。

 

「こちら織斑だ。管制室、一体何があった?」

『お、織斑先生! わ、分かりません! 突如学園上空に熱源反応が複数発生したと思ったら墜落して……』

 

途中で千冬はそのやり取りが他の教師にも聞こえる様、端末をスピーカーモードに切り替えていた。

 

「何が落ちたか分からないのか?」

『第三アリーナに落ちたようですが落下時に生じた粉塵で……! こ、これは……!?』

 

管制室にいる担当の教師が何かを見たようだが、その声は驚きに満ちていた。

 

「? 一体どうした? 何が見えた?」

 

何か違和感を感じた千冬はその教師に問い詰めだした。

 

『えと、それは……今そちらに映像を送ります』

 

そう慌てて言い、管制室から職員室にある大型モニターにリアルタイムの映像が流れる。

 

「こ、これは……」

「なん、だと……」

 

映像を見た真耶や他の教師達は驚きの声を上げた。そこには滅多なことでは驚かない千冬も例外でなかった。

 

「ロ、ロボットだと……!?」

 

そこに映っていたのは全長18mに及ぶ巨大なロボット3機が倒れていた。

 

 

「うっ……」

 

僕はフリーダムのコックピットの中で目を覚ました。

いったい、どれぐらい気絶していたのだろうか。

フリーダムのシステムが全てダウンしている事に気づき、すぐに何処か故障していないか調べた。

 

「よし、これなら」

 

直ぐにフリーダムを起動させる。

それにしてもさっきから重力を感じるのは、気のせいかな?

メインカメラが起動し映し出された映像に唖然した。

 

「なっ!?」

 

映し出された映像には何らかの競技を行う施設だった。

プラントにこんな施設は無かった、だったら地球!?

いや、重力に巻き込まれた時、地球からかなり離れた暗礁宙息に居たはずだ、地球のはずが無い。

だったら、此処は……

 

『うっ、キラさん……』

『無事だったんですね』

「シン、ルナマリア!? 無事だったんだね!」

『ええ、何とか……』

 

二人の声でフリーダムの近くにデスティニーとインパルスが倒れている事に気づいた。

隊長である僕が先に二人の心配をしなければいけないのに、これじゃ隊長失格だな……

 

『それにしても……此処は?』

「分からない、気付いた時には此処に……」

『そこの機体……聞こえるか! こちらはIS学園教師部隊だ! 直ちに応答せよ!』

 

オープンチャンネルで送られてきた通信に周りを見るとそこには

 

『え……!?』

『な、何だこれ!?』

 

そこには何らかのアーマーを着けた女性達が僕達を取り囲んでいた。

 

 

「これは一体……」

 

目の前の光景に真耶は言葉を失う。

千冬は黙って目の前のにある巨大ロボット達を見つめていた。

職員室でロボットの機影を確認した後、千冬は直ちにIS教師部隊を編成。急いでロボットが墜落した第三アリーナに駆けつけた。

 

「一体あのロボット達は……? 誰が作ったんでしょう?」

「さあな……しかしこのIS学園にわざわざ落ちてきたんだ、禄なことでは無いだろう」

「確かにそうですが……」

「とにかく、今は現状のまま警戒態勢に、まずは相手の反応を見てみる」

 

真耶と他の教師達に指示を出し、千冬は通信機に手を伸ばす。

周波数をオープンチャンネルに合わせ、向こうにも聞こえるようにした。

 

「そこの機体……聞こえるか! こちらはIS学園教師部隊だ! 直ちに応答せよ!」

 

そこで一旦通信を切り、相手からの応答を待った。

 

 

『どうします、キラさん?』

「僕が応じる、だけど、警戒を怠らないで」

『了解』

 

周波数をオープンチャンネルに合わせ、キラが応じた。

 

『此方はザフト軍、特務隊FAITH所属のキラ・ヤマトです』

「人が乗っている!?」

 

人が乗っていると思っていなかったのか真耶は驚いていた。

 

「ああ、だが、ザフト軍と言ったな」

「はい、ザフト軍なんて聞いたことありませんよ」

「とにかく、私が応じる、各教員は警戒を怠るな!」

 

千冬は教師達に指示を出し、通信を送る。

 

「私はIS学園の教師の織斑 千冬だ、此方から確認するがザフト軍とは何だ? 何処の国の所属だ?」

『? ザフトはコロニー国家プラントの軍ですが?』

「コロニー国家……プラント?」

「何だ、それは、聞いたことないぞ」

『え…!?』

 

キラは思わず困惑した。

そこにシンが割って入る。

 

『なら地球連合軍は……』

「地球連合軍……? それも聞いたことがない」

『………』

 

千冬の返ってきた言葉に言葉が出ないキラ。

世界最大勢力の地球軍とザフトを知らないと言われれば誰だって言葉が出なくなってしまうだろ。

そこに千冬は続けざまに通信を送る。

 

「今後の事を検証する為に、話し合いの場を持ちたい」

 

千冬の提案にキラは悩んだ。

今は情報が欲しい、だが下手をすればMSの情報が相手に漏れてしまう事を危惧する。

 

『分かりました、但し、条件があります』

「言ってみろ」

『機体のデータを取らないと約束してくれるのでしたら、そちらの指示に従います』

 

提示した条件に飲むかどうかを暫く考える千冬。

未知の機体のデータを取りたい、だが、そんな事すれば、相手は間違いなく自分達と敵対してでも守る、千冬の感がそう告げていた。

 

「了解した、そちらの条件を飲もう」

『ありがとうございます』

 

キラの返答に最悪の事態は免れた、心の中で安堵する千冬。

 

「良いんですか、織斑先生」

 

千冬に向けてキラ達に聞こえないように現状を問うていた。

 

「良いも悪いも、あそこで条件を飲まずに敵対されてみろ私達であの機体を相手にしなければならない」

「それはそうですが」

「それにあの機体のパイロット達、私の感だが結構なやり手だ、そんな相手に私達が敵うわけがない」

 

今の自分達ではあの機体とパイロットに敵わない、千冬は肌に感じていた。

これからどうなるかを心配して。


 
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