No.459408 超次元ゲイムネプテューヌXWorld 【Reborn】2012-07-25 22:31:23 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1758 閲覧ユーザー数:1610 |
―――イレギュラー
この状況を一言で説明するにはこの言葉が妥当と言えるだろう。
昼の真っ盛りにも関わらず、この何処とも知れぬ薄暗い裏路地は人の気配はおろか、生物の気配を一切感じさせていなかった
よって、この裏路地は図らずとも長い間静寂に包まれていた。
だがその静寂は突如とした天空からのレーザーの照射音によって終わりを告げた。
照射されたレーザーは徐々にではあるが、合計で8本の足を足首から太ももにかけて生成し、4人の人体の胴体、頭までをも生成した。
無から生成された4つの人影は現状を確認すると同時に不審気に辺りを見回し、それぞれが疑いの目を止めぬまま金髪の男が黒髪の男に向かって口を開いた。
「おい、レオン。こいつは……どういう状況だ?」
「俺が知るかよ、氷室。」
黒髪の男"レオン"は金髪の男"氷室"のぶっきら棒な問いを氷室から目をそらしながら無愛想に返答した。
氷室たちのやり取りを受けてすぐ、近くの茶髪の若干小柄な男と青髪の大柄な男も口を開き始めた。
「大体ここは一体何処ですかい? 本来なら俺達はギョウカイ墓場とか言うところに行くはずじゃ?」
「おまけに夜にGANTZに転送してもらったのに……見ろよ、太陽が空のど真ん中に上ってるぜ。」
茶髪の男"エスター"は他の3人を視界に入れながら妙に江戸風の独り言をやや大きめの声で呟き、青髪の男"ライ"は太陽が
レオン「ここが何処だかは調べりゃすぐに分かるだろ? エスター、空からここが何処だか確認して、ついでにその辺の奴に今が何時か聞いて来い。」
エスター「ヘイヘイ、人使い……じゃなくてダンピール使いが荒いことで。」
レオンの指示にエスターは渋々従い、自身が発生させた風に乗って建築物の隙間から成る裏路地から空へと舞い上がった。
3人はエスターが風で巻き上げた砂埃を咄嗟に腕を顔の前に出して防ぎながら、エスターの飛んで行く様を静かに見届けた。
レオン(ったく……何でこんな事になるんだか。)
心の中でぼやきながらレオンは頭の後ろで腕を組み、建築物の壁に背中を預けた。
この4人がここに転送されたことは極めて単純明快な話だった。
魔界……ゲイムギョウ界と平行して存在するパラレルワールドのひとつであるその世界の住人、悪魔と人間のハーフがこの4人なのだ。
その世界にある"GANTZ"と呼ばれる黒い球体を使い、この4人はゲイムギョウ界を行き来していた。
この4人がここに転送されたときもやはり、GANTZを使ってゲイムギョウ界へ渡ろうとしていた時だった。
だが本来、転送されて目に付く何処までも続くかのような荒野と黒い球体は一切無く、視界に入るのは壁に囲まれた薄暗い空間とそこを吹き抜ける生暖かい風のみだった。
ライ「エスター、遅いな。何処で道草食ってんd『聞いて来やしたぜ?』」
五分ほどして、ライの呟きと同時にエスターは上空から壁の隙間にゆっくりと降下してきた。
トン、と靴が地面に音を立てると同時にエスターは大まかに話し始めた。
エスター「ここはプラネテューヌらいしでさァ。んでもって、今日は俺達がいた日から一ヶ月近く前の日付でしたぜ。」
エスターの口から衝撃の事実が語られているにも関わらず、3人は驚きの表情よりも、むしろ呆れたような表情でエスターを冷ややかな目で見つめていた。
原因はエスターの容姿にあった。
頭を抱えながらレオンは深くため息をつき、エスターに向けて話し出した。
レオン「お前、その情報は誰に聞いた?」
エスター「裏路地にいた2人組みの男でさァ。話を聞いただけで俺に喧嘩を売って来たんで……ねぇ?」
軽い口調で話すエスターは全身を血で汚し、着用しているスーツはおろか栗色の髪さえも深紅に染め上げていた。
その付着している血の量からしてその2人の生存はほぼ絶望的だった。
浴びた血が固まりかけているにも関わらず、エスターは表情を強張らすことも無く無神経にバサバサと後頭部を掻きながらレオンに話しかけた。
エスター「んな事よりこれ、どうなってんですかい? 俺達はタイムスリップしちまったんで?」
エスターの言葉にレオンは顎に手を当てながら視線を下に落とした。
静かにした方がよいと悟った3人は互いに話を止め、レオンの反応を窺った。
やがてレオンの視線が元の位置に戻ると同時に3人はレオンの話に耳を傾けた。
レオン「GANTZに出来ることは死人を蘇らす事と他の世界に渡ることだ。この2つを考慮するとタイムスリップと言うよりは、俺達はGANTZにあのゲイムギョウ界とか言う世界に酷似している並行世界に飛ばされた、って考えるのが妥当だろ。もちろんタイムスリップの可能性もゼロじゃねえが、説得力って観点で俺はこいつを答えだと考える。」
レオンの冷静な考察はこの状況を正確に整理し、3人を納得させることさえも可能とした。
3人はただ黙ってレオンの考えを聞き入れ、それに順応することを黙認していた。
レオンの話が終わってからしばらくして、沈黙を通していた氷室が口を開き始めた。
氷室「どの世界に行こうが関係ない。そこに女神がいるなら殺すだけだ。」
レオン「……お前の考えには賛成だけどよ、住む所とかどうすんだ? エスターがあれじゃ、どこの物件も……。」
レオンの言葉に3人は顔をしかめながら沈黙した。
エスターがあの状態ではもはや表通りを歩くことは不可能に近いからだ。
人に見つかった瞬間、騒ぎになるのは火を見るよりも明らかだった。
エスター「まっ、そう考え込まなくてもいずれ何とかなりまさァ。」
レオン「誰のせいでこんな事になってると思ってんだ!!!」
エスターの楽観的な発言にレオンが頭に血管を浮かべながら怒号した。
これからの行く末に不安を浮かべながらも、4人はエスターのために住居探しに街から郊外へ出ると言うなんとも矛盾した行動をとる羽目になった。
街から郊外へ赴く4人の足取りは(1人を除いて)重く、どうにも遣る瀬無さを感じさせる物だった。
◆◆◆
現在プラネテューヌ
プラネテューヌ全土を見渡せる超高層建築物プラネタワー頂上、そこに1人の少女が街を見下ろす形で立ち尽くしていた。
少女は両腕に力を入れることなく腰の辺りにぶら下げ、静かに無感情な声を上げた。
「毛色の変わった獣が4匹……これで9人。」
薄紫色のロングヘアを上空を吹き抜ける風に委ねながら、少女は広大なプラネテューヌのただ一点を無表情のまま食い入るように視界に捉えていた。
しばらくして少女は目線を自分の目の前に差し出した両手に移し、軽く握られていた両手の指を一本一本開いていった。
7本……8本……9本……そこまで開いた状態のまま少女の動作は停止し、ほとんど開かれた手を凝視しながらボソリと呟いた。
「10人目は………。」
未だに開かれぬ指を目の前で静止させたまま少女は静かに頬を吊り上げ、次に風が吹きぬけた瞬間、少女の姿はその場から跡形も無く消え去っていた。
キャラ紹介side:Reborn
名前:氷室
性別:男
年齢:10万歳(見かけは20歳ほど)
武器:日本刀
変身:吸血鬼化
吸血鬼のダンピール。
冷静沈着だが仲間思いな一面も。
過去の出来事から人間嫌いで女神嫌い、かつ好戦的。
実は料理男子で、オカンみたいな一面も。
4人全員、昼と夜では大きく戦闘力が変わる。
吸血鬼状態では武器が黒いマントに変わり、目が血色に。
この状態では冷静さに磨きがかかるが、キレると手が着けられなくなる。
○装備○
武器:日本刀
コスチューム:黒スーツ+白いインナーシャツ+黒ネクタイ
名前:レオン
性別:男
年齢:10万歳(見かけは20歳ほど)
武器:飛鳥剣
変身:×
魚人(マーマン)のダンピール。女神嫌いの人間嫌い。
性格は気が強く、非常に好戦的。口調にも所々粗暴さを見せる。
クールだが無愛想で意地っ張りな態度であり、プライドが高く、好戦的なので何かにつけて食いかかって喧嘩を起こす。
この性格にしては珍しく、頭脳明晰。ほぼツッコミ担当。
○装備○
武器:飛鳥剣
コスチューム:黒スーツ+黒いインナー
名前:エスター
性別:男
年齢:10万歳(見かけは20歳ほど)
武器:大鎌
変身:×
半鳥人(ハーピィ)のダンピール。女神嫌いの人間嫌い。
性格は腹黒・毒舌・ドSである。人が苦しむところを見て腹黒くほくそ笑む正真正銘のサディスト。
容姿に騙された者は一生消えないトラウマが植えつけられることになる。
しかしドSな面を強烈に披露する一方、ナイーブで打たれ弱く不器用な面も持つ。
頭はあまり良くは無い。エクレアが大好物。ほぼボケ担当。
○装備○
武器:大鎌
コスチューム:黒スーツ+白いインナーシャツ+黒ネクタイ
アクセサリ:大小の銀色のブレスレット+小さめの白いマフラー
名前:ライ
性別:男
年齢:10万歳(見かけは20歳ほど)
武器:ガントレット
変身:×
人狼(ワーウルフ)のダンピール。女神嫌いだが3人ほど人間嫌いではない。
性格は比較的大らかで楽観的。3人の中ではあまり好戦的ではなく、一番の常識人(かもしれない)。
兄貴肌が強めで3人のまとめ役に回ることが多い。少し天然な面があるため、おかしな発言をして周りをドン引きさせることもある。
しかしやる時は男らしくしっかりとやる。
○装備○
武器:ガントレット
コスチューム:黒スーツ+白いインナーシャツ+黒ネクタイ
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(超次元ゲイムネプテューヌmk2 Reborn)
ゲハバーンとネプギアの活躍、さらには7人の女神の犠牲によりゲイムギョウ世界に安泰が訪れて1ヵ月、ゲイムギョウ界は新たな危機に直面しようとしていた……。
第一話→http://www.tinami.com/view/394230
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