第十七技 再会する友
キリトSide
昼食を終えた俺とアスナは休憩をとっている。
「それにしても、今回のボスは苦労しそうだね」
「ああ。武器はあの大剣だけみたいだが、特殊攻撃があるかもしれないしな。盾装備の奴が10人くらいはほしいな」
アスナの言葉に俺は答える。あれほどのボスモンスターだ。
攻撃は並大抵のものじゃないはずだからな。
「盾、ねぇ……」
俺に対してアスナが訝しげに睨んでくる。
「どうかしたか?」
あらかたの予想はできるけどな。
「君はどうして盾を装備しないのかなって。片手剣の最大のメリットは盾を装備できることじゃない?
私はスピードを下げないようにするためだけど、キリト君はなんでかな~と思って」
「……さっきもいったが、俺は
威力を下げないようにするには使わないほうがいいし、攻撃のスピードも下がるからな」
他にも理由はあるが、嘘は言っていない。攻撃の威力もスピードも下がるのも本当だ。
いくらアスナでも、できればこれ以上の詮索はされたくない。
「ん~。まぁ、いいわ。スキルの詮索はマナー違反だし」
アスナが言葉を切ったので少しホッとした。けど、彼女になら本当は言ってもいいかもしれない。
そうしている間に《索敵》スキルの探知に反応があった。しかも知り合いのものだ。
「キリト、しばらくぶりじゃねぇか!」
俺に声を掛けてきたプレイヤーの名はクライン。
このゲームが始まって、最初に知り合ったプレイヤーだ。それ以来の仲である。
「ひさしぶりだな、クライン。元気そうでなによりだ」
「へへ、おまえもな!」
クラインの後ろにはギルド『風林火山』のメンバーがいた。
こいつ含めて6人全員でいるところからして、無事に守りきれているようだ。
「お互い顔を合わせたことはあると思うけど一応紹介しておくか。
アスナ、こいつはギルド『風林火山』のリーダーでクライン。んで、『血盟騎士団』のアスナだ」
アスナは小さくお辞儀をした。
クラインはなぜか固まっている。なので肘で脇を小突いた。
「ど、ども、初めまして。クラインっす、よろしく」
クラインは軽く挨拶すると俺の方に向き直った。
「いや、驚いたぜキリト。まさか、お前が他のプレイヤーと組むなんてよ…。
しかも、それが血盟騎士団の【閃光】アスナさんとだなんてよ!」
「ま、それなりに頼まれたからな。断る理由も特になかったし」
アスナの周囲には風林火山のメンバー達が集まって自己紹介をしている。
俺とクラインはちょっとばかし、苦笑して話を戻した。
「でも、俺は嬉しいぜ。いつも一人で戦ってるお前が、誰かと一緒に戦うだなんてよ。
組んだとしても
「たしかにな…。けど、今回は
クラインが感慨深げに言ってきたので、少しだけ言葉を
俺は風林火山のメンバーと談笑しているアスナを見て微笑む。クラインは俺を見てから納得したようだ。
「そっか…。それなら、わかったぜ。勿論、しっかり守るんだろ?」
「当たり前だ。なにがあっても守り抜くさ…。そういうお前は、
「うぐっ!? そ、それはだな……はぁ…」
「………今度、俺がとりもってやろうか?」
「頼む!」と短く、しかし元気を取り戻してクラインは答えた。現金な奴だ。
そうこう話しているうちにまた《索敵》に反応があった。この配列はさっきの…。
「キリト君、『軍』よ!」
アスナの言葉の後にこの安全エリアに先ほどの鎧を装備した奴ら、『軍』が現れた。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
先程、アニメの『ソードアート・オンライン』をみました。
第三話は『赤鼻のトナカイ』、『月夜の黒猫団』全員の死亡とボスの『背教者ニコラス』でしたね。
ですが自分はご都合主義。
いまはなき小説サイト『にじファン』でこの作品を読んでいた人は勿論、
キリトのキャラ設定の備考を読んだ方も知っていると思いますが、
この作品では黒猫団は健在です。
また黒猫団のケイタとサチを除く三人、テツオ・ササマル・ダッカーは出てきません。
自分のオリキャラとして出てきます。
補足説明としてはこんなところです。
それではまた・・・。
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第十七話です。
前回の後書きでも言いましたが、野武士面のあいつが出ます。
それではどうぞ・・・。