第十五技 軍の動きとボスの部屋
キリトSide
「ご、ごめんね//////」
「大丈夫ならいいんだが…」
アスナが少し、いやかなり大変な事になっていたが取り敢えず落ち着いたようだ。
「それにしても、あの噂は本当だったんだ……」
「そうみたいだな…」
「キリト君知ってたの?」
アスナの呟いた一言に、俺が相槌を打つと、驚いたように聞いてきた。
この話しはギルドの例会であげられたことだ。ソロプレイヤーの俺が知るような噂ではない。
「馴染みの情報屋がいてな。そいつからそれなりの値で情報を買ったんだ。
ま、軍が出てくるかもしれない程度の不確かなものだったんだけどな」
「そうなんだ…。うん、そうだよ。『軍』の上層部が方針転換して上層に出てくるって聞いたの。
元々は『軍』もクリアを目指してたけど、25層で被害がでてからは組織強化をしていたみたい。
それで組織強化が終わって大規模での攻略じゃなくて、少数精鋭でのクリア意志を示したいらしいの。
それが多分、さっきの第一陣だと思うけど…」
悪い、アスナ。ホントはその辺の情報は全部知ってるんだ。
けど、俺の
「プロバガンダか…。しかし、いきなり未踏破である最上部にくるのは無謀だな」
そう、50層以下での活動が主だった連中に、明らかにレベルが上の74層にくるのは馬鹿げている。
とすると、連中の狙いがおのずと見えてくるわけだ。
「ボス攻略が狙い、か……」
「私もそんな気がする。ボスを倒せば話題になるし」
「いい宣伝。というわけだな…」
呆れてものも言えないな。
でも、いくら無謀な連中であってもいきなりボス戦にはならないだろう。
いまは放っておくほうがいい。
「とりあえず俺達も先に進もう」
「うん。そういえば、もうすぐ冬だね。私もコート買おっかな。キリト君はそのコートどこで買ったの?」
「アルゲード西区のプレイヤーショップだ。よかったら案内するけど?」
「あ、それじゃあその時はお願いね」
俺達は他愛もない会話をしながらも奥へと進んだ。
移動する際にもモンスターとのエンカウントはあった。
その最中にアスナが使用したソードスキル《スター・スプラッシュ》は、
本人の容姿も相まってかなり美しい技であり、思わず見惚れてしまった。
いくばくかした時、ついに探していたボスの部屋の前に辿り着いた。
「さて、無事に着いたわけだが……どうする?」
「う~ん。ボスが部屋を出てくることはないから、扉を開けて姿だけでも見てみよっか」
「了解。一応、≪転移結晶≫は用意しとくぞ」
俺とアスナは転移結晶をもちながら扉に手をかけた。
「「せ~の!」」
扉を開けた。次の瞬間、部屋の両側の燭台に青白い炎が灯った。
そのまま奥の方へ、次々と灯っていった。
アスナはというと緊張してか、俺の左腕に抱きついている。
そして、部屋に火柱が上がりその中から巨大なモンスターが出現した。
体は分厚い筋肉に覆われ、肌は深い青色をしており、頭部は山羊の頭、尾は蛇となっている。
お馴染みの悪魔がそのままの姿で出てきたようだ。
カーソルには〈The
「『輝く目』、ね。なるほど、言い得て妙だな……アスナ?」
俺がそんな事を言ってから隣のアスナを見てみると、どうやら俺の問いかけに返事が出来るような状態じゃなかった。
左腕にしがみついたまま体を震わせていた。
「お、おい、アスナ?」
「き………」
「き?」
「きゃあああぁぁぁぁぁ!!!」
「ちょ、アスナァァァァァ!!!」
俺はアスナに左腕を引っ張られて連れ去られた。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
原作と違い、このキリトは大人な奴なので逃げようとはしません。
アスナは相変わらずですがw
現在はオリジナルの展開と続編の書き溜めで必死です・・・。
生きていられるように頑張ります。
それでは・・・。
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第十五話です!
タイトル通りの話しになります。
では、どうぞ・・・。