No.455650

魔法少女イレギュラーなのは~12~ 美貴「……良い感じ」

コレは、転生者たちが、リリカルなのはの世界で転生生活を頑張るお話。

2012-07-19 13:13:16 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1411   閲覧ユーザー数:1383

ジュエルシード。

聞いたところによると、それは持ち主の願望を叶えるものらしい。

 

でも、願望ってのはそう簡単に叶っちゃうものじゃない。それはあたしが姿を借りているこの少女が、よく証明してくれたと思ってる。

 

ジュエルシードだって、多分あの通称「吐き気を催す白い外道」こと、感情の無い宇宙人と同じ様な感じなんだと思う。実際、ファーストコンタクトの時は恐ろしいイメージしか無かったし。

 

ユーノ・スクライア君。

彼は、とある別世界で発掘し……そして何らかの事情によってこの地球上にばらまかれてしまった「それ」を回収する為に単身この世界にやってきたそうだ。

そんな彼はなのはちゃんを戦いへと導いてしまった事を後悔していた。

 

だけどまあ、巻き込まれちゃった以上、なのはちゃんは進んで関わっていっちゃいそうだよね……。何せあの性格。困ってる人は助けずにはいられない、主人公の様な性格。

後は自分にたまに自信が無くなっちゃう悪い癖さえ何とか出来ればね……。戦闘中ではあたしより強い魔力放出したりしてるんだし、普通に強いのに。まあ、そういう性格は簡単には直しようがないか。

 

さて、あたしだってただ見てる訳にはいかない。

自分のしてしまった事に責任を取ろうとしているユーノ君と、持ち前の優しさで彼を助けるなのはちゃん。

こんな2人だ、正義の味方として助けない訳にはいかないでしょ。

 

……それが、自分ではなく他人の為に魔法を使い続けた「彼女」が望んでいたはずの事。

 

……そして、あんな前世を送ってしまったあたしが、唯一出来る事だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、あたしはなのはちゃんと魔法関連の話をしていた。

 

「え!?じ、じゃあ、あの輝宮も魔道士なの!?」

 

「う、うん……そうみたいなの」

 

……う、うーん……あの輝宮がねぇ……。

 

輝宮甲。

 

あたしやなのはちゃんのクラスメートだ。そんでもって、色々とおかしい奴。

まず容姿がおかしい。

やたら整った顔立ちだったり黒髪だったりはまだ解るけど、左右の目の色が違うんだよ。そういうの何て言うんだっけ……えっと、そう、オッドアイ?

それに右目が金で左目が銀だよ?アニメの中の登場人物かっての。

……まあ、魔法が有る世界だから問題は無い……のかな?

 

それよりも……アリサちゃんやすずかちゃん、なのはちゃんに愛の言葉を囁くのはどうにかならないのかな。小学生にしちゃマセ過ぎ、なんてレベルじゃないよね。それでいてあの3人組に近付く他の男子に対しては非常に冷たいし。一体どんな環境で過ごして来たんだか。

 

後は……よく更下君と喧嘩してるかな。

あ、更下っていうのもあたし達のクラスメート。本名は……確か、更下王磁、だったかな?これまた変な名前だけど。

こっちは茶髪のツンツン頭で、まだ普通。輝宮より性格もだいぶマシ。

ただ、更下も女好きって言うね。だけどまあ、コイツはその性格のお陰で軽いお笑いコントの様な感覚で収まってるけど。

 

……にしても、あたしとかアリサちゃんにぶん殴られたり、喧嘩したりほんと飽きないなぁこの2人……。

 

とと、そんな話じゃなかったね。軌道修正軌道修正。

 

「それで、相手の金髪の子とその仲間も魔道士、で戦いになったけど、輝宮の協力もあってジュエルシードは封印出来た、と」

 

うーむ、あたしが家族に誘われて日帰り旅行に行ってた時にそんな事になってたなんて……。これは申し訳ない事をしちゃったかな。

 

で、問題はその敵対したっていう金髪の女の子、及びその仲間の男の子と、やたらとがっしりした体格らしい大人の男。

 

この3人が、ジュエルシードを狙っている。

目的は不明……しかし、ユーノ君も言う通り、あれは危険なもの。相手には悪いけど、渡す訳にはいかない。

 

「……うん、解った。とりあえず、あたしも出来るだけ手伝うからいつでも声掛けて。えーっと……」

 

そう言ってみてから、軽く意識を集中。

 

(……あー、テステス。こんな感じ、かな?聞こえるー?)

 

(あ、うん。聞こえてるよ)

 

(うん、問題無いね)

 

うぉう!

……って何だ、最後のってユーノ君か……。

 

(急に話さないでよ、ビックリするじゃん……)

 

(ごめんごめん。でも久々に喋れるから、つい)

 

あー、そりゃ普通はフェレットが喋っちゃ駄目だもんね。我慢してるんだ……何か健気。

 

(別に、今はここになのはちゃんとあたししか居ないんだから普通に話して良いんだよ?ていうか無茶しないでなのはちゃんの家に居とけば良いのに)

 

(そんな訳にはいかないよ。もし学校とかにジュエルシードが有ったりしたら、たまらないからね。それに、これはある意味僕達のせいでもあるんだ。だから、僕はじっとしていられない)

 

おー、なるほど。

にしたって、ほんとしっかりしてるね……こんなフェレットが居る世界って、どんなのかかなり気になるんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、今週の土曜日に高町家と月村家が温泉旅館に行くという話を聞き、なんとなのはちゃんに誘われてあたしも行ける事になっちゃいました。うう、ほんと優しいよなのはちゃん。

 

 

他には、すずかちゃんはもちろん、アリサちゃんも。後更下君も参加することになった。まあ……あいつぐらいならまだマシかな。当然輝宮はアウトね。

それと、十夜君も参加するみたい。……っていうか自分の隣の席ってだけで誘っちゃうなんて……なのはちゃんはほんと大らかだね。

 

フルネームは十夜永次……だったかな?なんか妙な名前の連中多いなー。これはマシだけど。

 

こいつはとりあえずよく解らない。

ただ、気が付いたら寝てる、そんな奴。

……特に目立つ要素が無い……っていうか違うね、問題児がとことん濃いだけなんだよね……。あんたは悪くないよ、十夜君。

 

 

 

 

 

「……ふふ」

 

……楽しいなぁ。思わず微笑んでしまう。

第2の人生はほんとに充実してる。

友達がいて、守るべき日常が有って、その為の力を持っていて。

 

前世なら信じられないような状況だ。

 

友達と温泉、なんてのも当然初めて。

 

楽しみだな……早く土曜日にならないかな。


 
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