No.453242

魔法少女イレギュラーなのは~8~ ??「まあ、自分語りと言うか」

これは、転生者達が、リリカルなのはの世界で転生生活を頑張るお話。

2012-07-15 10:58:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1721   閲覧ユーザー数:1670

千丈(せんじょう) 貞明(じょうめい)

 

それが、この世界での俺の名前だ。

 

この世界でのって何、だって?

まあ、要するに俺は転生者、って事。

 

前世では普通に高校生やってました。

変態、とまでは行ってないまでも、男子高校生として健全な生活を送ってたわけだが。

 

「ここは死後の世界」

 

何て言葉を見知らぬ場所で見知らぬ美少女に言われたときはビックリしたね。

 

だって、気がついたら死んでたんだよ?

俺まだ彼女も居なかったし、キスとか未体験だったんだよ?

未練有りまくりだよそりゃ!!

 

しかも死んだ理由聞いてみたら、まさかの自転車乗っててトラックと衝突だよ!

 

誰かの命救って死ねるんなら本望だとは思うけど、何にもならない事故で死ぬとかありえん。

 

「……じゃあ、リリカルなのはの世界に転生する?」

 

「是非お願いします!」

 

だから、こんな最高の条件を蹴るはず無かったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というのがあって、俺は転生した。

ごく普通の家庭。父親はサラリーマン、母親は専業主婦だ。俺はその一人息子。

 

で、4歳の頃、手紙が俺に届けられた。

差出人は、俺を転生させたあの美少女。何でも、あの子は神様らしい。

んで、その手紙にゃ補足説明がされてた訳で。

 

『あなたの魔力ランクはC。ちなみにこの世界では、一般にスタンドはユニゾンデバイスとして扱われる。なので、スタンドは一般人にも見える』

 

いきなりずっこけた。

スタンドの良い所の1つって一般人に見えない事じゃなかったっけ!?しかもユニゾンデバイスかよ!?……まー、オンとオフはちゃんと出来るみたいなので良いけどさ。つーか俺魔力低っ!

 

『尚、原作通りスタンドが食らったダメージは本体にフィードバックするので注意』

 

うぉーい!?

ちゃんとそこを再現する必要無いから!?せめて一般人には見えないようにしろよ!?

 

『転生による補正。諦めろ   アテナ』

 

「諦められるかー!?」

 

……てか、アテナって確かギリシャ神話の神様じゃなかったっけ……?

 

まあ……どうこう言っても仕方無い訳で。

その頃からとある練習を開始しました。

 

何のって言うと。

 

 

 

「時よ……止まれ!」

 

 

 

そう。

周りを灰色にする……じゃなくて、時間停止。

それを行うのは、俺の側に立つ(?)、屈強な体つきをした奴。

 

これこそが俺が貰った特典、スタンド「ザ・ワールド」だ。

能力は単純明快、「時を止める」。

それ以外にも、乗用車ぐらいなら持ち上げたり、アスファルトにひび入れたりは出来る。

流石原作ではラスボスの地位にあるスタンド。まだ未成熟なのにこの力だよ。

と言っても……まだ3秒位しか時止めは出来ないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キング・クリムゾン!

 

小学生になりました。

 

俺が通うは、「聖祥大付属小学校」。

やったね俺!(俺はうろ覚えだけど)原作介入出来る!

 

 

……でも現実は甘くなかった。

主人公のなのはと1回も同じクラスになれないし、しかもなのはとは過去1回、丁度士郎さんが重傷を負った時だっけか、その時期には会ってるんだけど……どうやら綺麗さっぱり向こうは忘れてくれてるみたいです。

 

……やだな、泣いてないよ?

 

 

 

 

まあ、そんな上手く行くはずは無いし、無理やり話しかけに行くのもどうかと思う。

そんな事を考えながら日々を過ごしていたんだが。

 

ユーノの念話を聞いて原作開始を知り、かと言って大して何も出来ないまま過ごしていたある日。

俺はコンビニで、漫画の立ち読みをしていたんだ。

 

小学生が夜に漫画立ち読み。

 

……うわ……改めて考えるとめちゃシュールだこれ。

 

家の両親は何て言うか……放置主義?俺がいつ外出歩こうがまるで気にしないんだよね……。

いや、飯とかは作ってくれるし、朝も起こしてくれたり、会話したりもするから、別に冷たい親、だなんて事は無いはずだ。

 

だけど……まあ、息子の自由にさせてくれてる。とりあえず前向きに捉えておこう。

 

話を戻そう。

 

ふと、俺が漫画から顔を上げた時。

 

 

 

 

インスタント食品を買ってる同年代位の金髪少女を見つけた。

 

 

 

さっきも言ったが、今は夜、ここは日本のコンビニである。

 

違和感有りまくり。

なので、じっと観察していると……ああ、やっぱり。

 

 

フェイト・テスタロッサ。

 

 

無印におけるもう1人の主要人物じゃないか。

 

……ふむ。

ここで会ったのも何かの縁。

ちょいと、尾行させて貰いますか。

 

 

……やだな、ストーカーじゃないよ?単なる知的好奇心による調査だよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……誰?」

 

バレテーラ。

 

……早、まだ任務始めてから10分位だよ!

 

ま、相手は優れた魔道士だしな!仕方ないね!

という訳で、諦めて電柱の影から姿を見せる。

 

「……何の用?あなたも魔道士?」

 

淡々と、無表情で話しかけてくるフェイト。……最初はこんな感じなのか、笑えばほんと可愛いのに。

 

「そのまどうし、ってのは解らないけど……君がインスタント食品しか買ってないのが気になって」

 

魔道士うんぬんは誤魔化して、本題を切り出す。

 

だって、フェイトだって小学生位の女の子だよ?

それがインスタント食品のみってどうよ?

っつか今更思い出した。確かこの時フェイトももう1人も相当食衛生悪かったはず……!

ヤバい、余計ほっとけなくなった。

 

「あなたには関係ない」

 

「いいや、あるね!普通そんな顔色悪そうな子見つけてほっとけない」

 

まあ、病人みたいとまでは言わないけど……確実に良くはない。

 

という訳で、フェイトの手をがっしり掴む。

 

「そんな訳だから、ちょっと君の家に案内してくれるか?悪いようにはしない、約束する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そっから後はまた大変だった。

まず最初にフェイトとの押し問答。ごり押しで何とかクリア。

 

次に、フェイトの住むマンションにてアルフ、とかいう子にかなり警戒される。一応自己紹介をしてジョジョと名乗り、これまたしばらく頼み込んだらとりあえずつっかかるのは止めてくれた。

 

その次に、冷蔵庫の中にはインスタント食品しか無かった。

 

「冷蔵庫の使い方間違い過ぎだろ!」

 

そう叫んで家に猛ダッシュし、タマネギやニンジン、米などを幾らか頂戴してくる。……これまた両親はあっさり許してくれた訳だが……いくら何でも許容し過ぎじゃね?大丈夫か俺の家族。

 

そしてやっとこさフェイトのマンションに到着、本来の目的である料理に取り掛かる。

 

まあ……こういう時はカレーだってのが常識だよね!

え、そうだよね?

 

とゆー訳で、最初に肉を少し炒めてから、水にそれと他の具材とカレールーを放り込んで煮込む。……鍋とか炊飯器とかは何故か揃ってんのな。

 

 

 

「よしゃー出来上がりー!冷めない内に食いなよー」

 

そして晩飯タイム。

アルフとフェイトが恐る恐る一口目を口にし……ビックリした様子で固まった。

……あれ?俺何かミスった?

 

「美味いっ!美味いよこれ!」

 

急に目を輝かせて言うアルフ。そしてフェイトも首を縦に振る。あ、やっと可愛い笑顔見せてくれた。作った甲斐がある、が!!

 

え、えーと……甲斐があるし嬉しいんだけど、俺大した腕前じゃないんだけど……こんなん大抵の人は出来るし……寧ろ俺下手な方なんだけど……。家庭科で習うような簡単な料理しか無理です……。

 

しかしこの雰囲気じゃとてもそんな事言えませんでした。……何故か罪悪感。

 

 

 

 

 

晩飯タイムを終えて、また作りに来る、って言ったらフェイトにそんなの申し訳無い、なんて言われた。別に気を使わなくても良いのに……。

 

「良いじゃんフェイト!美味かったんだし、せっかく作りに来てくれるって言うんだから甘えさせてもらおうよ!」

 

ナイスな援護だ、アルフ。

 

「でも……本当に良いの?」

 

「全然オッケーです」

 

あの家族だし、全くもって問題ない。つーかホント許容感がおかしいので、寧ろ喜んでやらせて頂きたい。……いや、あの家族は優しいんだよ?でもなぁ……。

 

「……解った。お願いするね、ジョジョ」

 

俺がそう頭を抱えそうになってる間に決心したらしく、彼女はそう言って頭をぺこりと下げた。

 

 

 

こうやって、俺はフェイト達と関わる事になったのだった。


 
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