No.453063

【獣機特警K-9】Ein Prosit【交流】

古淵工機さん

妹の幸せを願うは、ほかならぬ姉だった

◆出演
エルザ(http://www.tinami.com/view/375135 )
フュア(http://www.tinami.com/view/453370 )

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2012-07-15 00:30:25 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:869   閲覧ユーザー数:821

ある日の事だった。

無事にアーサー・カシイとの結婚が決まったエルザ・アインリヒトは、

今日もラミナ警察署横のバーでビールを飲みながら一息ついていた。

 

「ふぅ…私もますます頑張らねばいけないな…」

と、呟いていたエルザの横から、何者かが声をかけた。

「そうだな…女というのは結婚した時からが大変だからな」

「ああ、まったく…」

と、振り返るエルザはその視線の先にいた人物を見て、思わず目を疑った。

「…ね、姉さん!?」

 

そこにいたのはエルザと同じジャーマンシェパード形のロボット。

しかしその顔の模様は微妙に違い、機体の各部分もエルザよりもやや年季が入っていた。

彼女こそエルザの『姉』にあたる、フュア・フランバージュである。

 

(まさか本庁の人間にも広がっていたとは…しかもよりによって姉さんがこのことを知ってしまうとは…!)

「?…どうしたエルザ、顔真っ赤だぞ?」

「…いや、何でもない。それよりどうして姉さんがこの事を知っているんだ?」

「いや、お前の署にいる金髪のお嬢さんに聞いてなw」

「そ、そうなのか…」

と、エルザは作り笑いをしてみせたが、心の中ではこうつぶやいていた。

(セシール…お前だったのかっ…!!)

そんなエルザを心配そうに見つめるフュア。

「おい、どうしたんだエルザ、さっきから」

「…だから何でもないと言っているだろう…!」

そう言いながらエルザは、目の前にあるウインナーにかじりついていた。

「しかし、こうしてみるとやはり血は争えんな」

「確かに…言われてみれば姉さんもすでに既婚だったな」

そう、フュアにも実は彼氏がおり、すでに結婚している身だった。

彼の名はヒロキ・フランバージュ、オオカミ形ファンガーとテラナーとの間に生まれたハーフファンガーであり、

ラミナ市内で小さなパーツショップを経営している。

当時フュア・アインリヒトと名乗っていた彼女はある事件で機体を損傷、その時に修理をしてくれたのがヒロキだったのだ。

やがて何度か顔を合わせているうちに二人は恋に落ち…そして結婚したのだ。

 

「私が言うのもなんだが、ヒロキはいい男だぞ。そっちはどうだ?」

「まあ…ラミナ商事の副社長ではあるが、悪い人ではない。仕事も出来るし、なにより優しいからな」

「フフ、いい男にめぐり合えたようで良かったな…」

と、微笑みながらフュアが言う。そしてそれに応えるようにエルザもまた微笑む。

二人はしばらく、お互いの顔を見つめあう。やがてフュアが沈黙を破り、店員に声をかける。

「何かご用でしょうか?」

「ああ、すまないがエルクラントワインを頼めないか?」

「私は…シャフェルフント・シュバルツ、それとレーヴァーケーゼ(ミュンヘン風ミートローフ)を」

「かしこまりました」

しばらくして二人の下にワインとビール、そしてレーヴァーケーゼが運ばれてきた。

 

「…では、改めて…おめでとう、エルザ」

「…ああ、ありがとう」

「我が妹の門出に…乾杯(アインプロージット)!」

二人は食べて飲んだ。今の幸せに身を委ね、そしてこれからの幸せを願い、話して飲んだ。

 

「…ところでエルザ」

「なんだ?」

「…結婚と言えば…(ミハエル)はどうするつもりなんだ?」

「…上手くいっているといいがな…w」

…二人は早くも、弟の将来について話していた。

 


 
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