「イッセー・・・・大丈夫か?」
大は机で伸びているイッセーに声をかけた
「これを見てそう思うなら、病院に行ってこい」
イッセーは毎朝リアスに連れられ、早朝トレーニングを行っている。理由は
「私の下僕が弱いなんてことは許されないわ」
らしい
「な、何で俺がこんな目に遭わないといけないんだ?」
「そりゃ・・・お前が弱いからだろう」
「うぅぅ・・・ハーレム王への道は険しいぜ」
「まだ、それを言うのか」
大はイッセーの言葉に呆れた
「じゃあ、部長。アーシアの初仕事のサポートに行ってきます」
「ええ」
イッセーはアーシアと一緒に依頼主の所に向かった
「あの二人本当に仲いいよな」
「そうね」
大とリアスは微笑ましそうに二人の仲を見ていた
「そのうち、恋人にでもなるんじゃないか」
大が笑って言うと
「・・・・恋人・・・か」
リアスは少し寂しそうな目でそう呟いた
「どうかしたのか?」
大が聞くと
「・・・いえ、なんでも無いわ」
「?」
大は気になったが聞くのは野暮だと思い聞かなかった
「しっかし、部長はいったい何を悩んでいたんだ?」
家に戻り、寝る支度をしていた大はリアスの悲しい顔を思い出していた
「・・・・明日聞いてみるか」
布団に入り寝ようとした時に床が光り、魔法陣が描かれそこからリアスが現れた
「おいおい、こんな時間に何の用だよ?」
大がそういうと
「マサル・・・私を抱いて」
「・・・・は?」
リアスの発言に大は首を素っ頓狂な顔をしてしまった。そんな大を余所にリアスは服を脱いで行った
「・・・っは!ちょっと待て!!いきなりどうしたんだ!?」
「既成事実が出来てしまえば文句もないはずだし、身近にそれが出来そうなのは、マサルしかいないわ」
「イッセーがいるだろうが!!」
「あの子にはアーシアが居るわ。それに・・・私じゃ、ダメかしら?」
「まずは事情を聴きたいんだが」
大がそういうと、再び床が光りだした
「・・・・一足遅かったようね」
「(この気配は)」
魔法陣から銀髪の女性が現れた
「・・・・お久しぶりです、大様」
「やっぱ、あんたかグレイフィア」
グレイフィアはリアスを見ると
「こんなことをして破談に持ち込むつもりですか?」
「こんなことでもしないと、お父様もお兄様も私の意見を聞いてくれないでしょう?というか私はマサルとあなたが知り合いだったことに驚きを隠せないんだけど」
「大様風に言うなら、一度拳を交えた仲です。それはともかく。あなたはグレモリー家の次期当主なのですから、無闇に殿方へ肌を晒すのはお止めください。ただでさえ、ことの前なのですから」
グレイフィアはリアスの服を拾い、リアスに着せた
「グレイフィア、あなたがここへ来たのはあなたの意思?それとも家の総意?それとも、お兄様のご意思かしら?」
「全部です」
「そう。兄の女王であるあなたが直々に人間界へ来るのだもの。そういうことよね。わかったわ」
リアスはため息をついた
「ゴメンなさい、マサル。さっきまでのことはなかったことにしてちょうだい。私も少し冷静ではなかったわ」
リアスは大に近づき、ほほにキスをした
「これは今日のお詫びよ」
リアスはグレイフィアに向き直ると
「グレイフィア、私の根城へ行きましょう。話はそこで聞くわ。朱乃も同伴でいいわよね?」
「『雷の巫女』ですか?私は構いません。上級悪魔たるもの、女王を傍らに置くのは常ですので」
「よろしい」
リアスとグレイフィアは魔法陣に入り転移した
「・・・・なんだったんだ・・・一体?」
そして、翌日
「部長のお悩みか。・・・多分、グレモリー家に関わることじゃないかな?」
授業が終わり、大は祐斗に聞いた
「朱乃なら知っているのか?」
大が聞くと祐斗は頷いた
「朱乃さんは部長の懐刀だから、勿論知っているだろうね」
「そうか」
そうこうしている間に旧校舎についた大たち
「・・・・・僕がここまで来て初めて気配に気づくなんて・・・」
部室前に着くと、祐斗は目を細め顔を強張らせた
「?」
イッセーはそれに構わずドアを開ける、部室に入ると部室にはリアス、朱乃、小猫の他にグレイフィアがいた
「・・・誰?」
イッセーはグレイフィアを見てそう言った
「こんにちは兵藤一誠様。私はグレモリー家に仕えるグレイフィアです」
グレイフィアはイッセーに挨拶をした
「ど、どうもリアス・グレモリー様の兵士、兵藤一誠です」
「さて、部活を始める前に少し話があるの」
「お嬢様、私が話しましょうか?」
グレイフィアがそう言ったが、リアスは手を振りいらないといった
「実はね・・・・」
リアスが話そうとした時、床が光り魔法陣が描かれ、誰かが部室に転移してきた
「ふぅ、人間界は久しぶりだ。愛しのリアス会いに来たぜ」
それから、二人の話が始まったが
「・・・・俺もフェニックス家の看板を背負った悪魔なんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだ。こんな狭くてボロい人間界の建物なんか来たくなかったしな。というか、俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐えがたいんだよ!」
ライザーの周囲を炎が駆け巡った
「俺は君の下僕を全部燃やし尽くしてでも君を冥界に連れ帰すぞ」
ライザーから発せられる殺気にイッセー達は動けないでいた。・・・ただ二人を除いて
「・・・ちんけな炎だ」
そう言ったのは壁に寄りかかり腕を組んでいた大だった
「おい、お前今なんて言った?」
ライザーは大を睨んで言った
「ちんけな炎だって言ったんだよ」
「お前・・・どうやら人間のようだな。人間が何でここに居るかはあまり興味はないが・・・俺の炎を馬鹿にした事は許さん」
ライザーの周りの炎の勢いが増した
「今謝れば、火傷程度で許してやるぜ」
「っへ、売られた喧嘩は買うぜ」
大は笑みを浮かべて言った
「「・・・・・」」
二人はお互いを睨んだまま動かないでいた
「大様、ライザー様、落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私も黙って見ているわけにはいかなくなります。私はサーゼクス様の名誉のためにも遠慮などしないつもりです」
グレイフィアが二人を止めに入った
「・・・・最強の『女王』と称されているあなたにそんなことを言われたら、俺もさすがに怖いよ。化け物揃いと評判のサーゼクス様の眷属とは絶対に相対したくはないからな」
ライザーは纏っていた炎を消して頭を振った
「俺は別に構わないぜ。久しぶりにアンタと喧嘩したいからな」
ただ一人、大は雰囲気を崩さずに言った
「・・・・・・はぁ、変わらないわねあなたは」
グレイフィアは溜息を吐き小さく呟いた
「とにかく、話し合いで決まらないのであれば『レーティングゲーム』で決着をつけていただきます」
「っ!?」
リアスは驚いた。だが、リアスはそれを承諾しゲームで決着をつけることにした
「そのゲーム、俺も出ていいんだよな?」
大がグレイフィアに聞いた
「はい、サーゼクス様もいいと言っていました」
「へへへ、久しぶりに大暴れできそうだな」
「じゃあ、リアス次はゲームで会おう。それと、そこの人間。お前は俺が直々に倒してやるよ」
ライザーはそう言い、冥界に戻っていった
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