No.448898

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第三技 危険な護衛

本郷 刃さん

SAOの小悪党が登場します。
それとオリキャラですが、主要なメンバーは出てくるのが
中盤の最初あたりからなので、
この序盤ではでてきません。あしからず・・・。
では、どうぞ・・・。

2012-07-08 10:35:34 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:23972   閲覧ユーザー数:22480

 

 

 

 

 

 

 

第三技 危険な護衛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

店の外に出ると二人の男が待っていた。

 

おそらくはアスナの護衛だろう。

 

「私はこのまま『セルムブルグ』の自宅に帰ります。ですから、二人はこのまま帰還してください」

 

「お待ちください、アスナ様!?」

 

一人の男が驚きを露わにしてアスナに詰め寄る。

 

「なんですか? クラディール」

 

「我々は貴女様の護衛という大事な役目を受けています! ですので、このまま護衛を……」

 

クラディールという男が続きを言おうとしたがアスナが手でそれを制した。

 

「大丈夫です。ここからは彼がついてきてくれますから」

 

そういってアスナは俺の方を向いた。

 

同時に男が俺を睨んでくるがその程度、あいつら(・・・・)に比べたら大したものじゃない。

 

「何故ですかアスナ様!? このような奴に!?」

 

「なぜと聞かれても用があるからとしか言えないし、それに彼は貴方よりも強いわ」

 

「そんなはずは…っ!? そうか、貴様『ビーター』だな」

 

『ビーター』とはβテスターの事を指し、チートと掛け合わせた用語である。つまり俺はそのビーターである。

 

「その通りだが、それがどうかしたか?」

 

俺は意にも介さずあっさりと返答してみせた。

 

元々、自分がビーターである事を隠すつもりはないからな。

 

「くっ、アスナ様! こいつは自分さえよければ良いと思っている人間ですよ! それを…」

 

「いい加減にしてください! これは副団長命令です」

 

「ぐっ………、分かりました。今日のところは引き下がります」

 

アスナの命令にクラディールは渋々下がろうとしたが、俺を睨んで一瞥してから改めて帰っていった。

 

俺はその背中を微かな殺気を込めて睨みつけてしまった。

 

「ごめんね、キリト君」

 

アスナの言葉に俺ははっとして振り向いた。

 

「別に構わないさ。慣れたことだし」

 

「でも……」

 

「自分からも謝罪します。申し訳ありません」

 

俺に謝ってきたのはもう一人の護衛の青年だった。しかし、どこかで見たことのある顔だ。

 

「そういえば名前を名乗っていませんでした。自分はアスナ副団長の護衛任務を任されているフリックといいます」

 

フリックと名乗った青年に俺は一つのことに思い至った。

 

「あんた、前にボス攻略戦の時にいた奴だよな」

 

「はい! 先の攻略戦は大変お世話になりました! 自分が今こうして生きていられるのもキリトさんのおかげです!」

 

そう、何回か前のボス攻略戦の際にボスモンスターにやられそうになったのがこいつだ。

 

「キリトさんとは色々とお話ししてみたいと思っていましたが、後日改めさせてもらってもよろしいですか?」

 

「ああ。構わない」

 

俺が苦笑して答えると彼は笑顔を浮かべていた。

 

「では、アスナ副団長。自分もこれで失礼いたします」

 

「はい。お疲れ様です」

 

フリックは敬礼をしてから一礼してこの場から去っていった。

 

「クラディールってのとは、また違った意味で真面目だな」

 

「うん。いい人だよ、フリックさんは。クラディールはちょっとあれだけど…」

 

苦笑してアスナはそう答えた。

 

「ま、私達もいこ」

 

「りょーかい」

 

俺たちはアスナの自宅に向かった。

 

その移動中でも俺はクラディールの事を考えていた。あいつの顔は実は何回か見たことがあった。

 

資料(・・)でも、あの会談場所(・・・・)でも…。一応、警戒しておいた方がいいのかもしれない。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

今回登場した『フリック』はオリキャラです。

 

性格は少し真面目でキリトに憧れています。

 

装備は片手剣と盾です。

 

このあとも、もしかしたら登場するかもしれません。……多分ですが。

 

では、次回で・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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