No.446121

乱世を歩む武人~第零話~

RINさん

これは恋姫世界の乱世を歩む一人の武人の物語。

真・恋姫†無双の二次創作です。 俗に言う「最強系主人公」ではなく、普通よりかはちょっと強い程度の武将が恋姫世界の乱世でそれなりに頑張るお話です。オリキャラ主人公ですすめるため、キャラ崩壊があります。ご了承の上お楽しみください。

にじファンにて掲載中だったものをそのまま移転しただけです。テスト中です故更新するかは不明

2012-07-05 00:12:15 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:10548   閲覧ユーザー数:8870

 

???

「この辺りは確か・・・幽州だったか?」

 

平原を歩く男はそうつぶやいた。

 

年は10代後半といったところだろうか。服装事態は平凡だが肌が見えないような少し大きめの服を着ている。

 

彼は今日も一人村から町へと放浪をしていた

 

???

「しかしまいったな・・・まさか次の町までこんなに距離があるとは・・・」

 

現在の手持ちの食料はあと僅か。

 

普段ならば木の実や動物を狩ってなんとかしてきたがあいにくと周りは見渡す限りの大平原。

 

このままでは明日の朝には食料は消えてなくなっているだろう。

 

???

「空腹の我慢は人生の中でも5指に入るくらいに嫌いなのだが・・・」

 

と一人どうやって空腹をごまかそうかなんて考えながらながらあるいていると後ろから聞こえる野太い男の声。

 

 

賊1 

「おい兄ちゃん・・・一人旅は物騒だぜ?」

 

賊2 

「ヘッヘッヘ・・・兄貴の言うとおりだ。こんな所に一人でいたら身ぐるみ剥がされたって文句は言えねぇぞ?」

 

賊3 

「そっそうなんだな・・・危ないんだな・・・」

 

振り返ってみれば頭に黄色い巾を巻いたひげ、デブ、チビの三人組が手に剣を持ち下卑た笑みをうかべていた。

 

はたから見ていれば非常に危険な状態。しかしあいにくそこにいるのは彼ら4人のみ、正義に駆られた武将や何も知らない青年の入ってくる余地などどこにもなく一人旅の男にとってはかなり危険なその状況。

 

???

「たしかにそうだが・・・その時はその時だ。忠告には感謝するがそれは一人で旅をしている以上、そのくらいは仕方ない。」

 

しかしその男はまるで危機感のない声でそう返した。その表情は声と同様、この状況に対して微塵も恐れていない。

 

その様子をみた賊たちは顔を見合わせたのち、ウンと一度うなずく。

 

こんな状況で平静を保っている男など世間には3通りしか存在しない。

 

一つ目は世間知らずの間抜けな男。もうひとつは絶体絶命の危機にひんして混乱した哀れな男。

 

三人はこの状況においては大半の男が当てはまるこの二つのどちらかだろうと高をくくった。

 

そしてそれならば・・・彼らが遠慮をする必要などどこにもない。

 

賊1

「そうかい・・・じゃあここで俺達にやられてちまっても・・・仕方ねぇってことだよなぁ!」

 

賊の一人が言うが早いか、三人組は同時に男へ向かってががむしゃらに突っ込んでいった。

 

その目は血走っており、明らかに男を八つ裂きにしてやろうとしか考えていない様子だ。

 

???

「・・・ああ、あなた方が襲ってくるという話だったのか。」

 

ここまでの状況になってから、初めて男はこの三人組が自分の身ぐるみを狙っていることに気づいたようだ。

 

勢い良く突っ込んでくる三人を見てなおも表情は対して変えずに彼は自分の剣を抜く。その剣もまた、持ち主同様特徴がなかった。

 

今の時代なら、戦場跡にでもいけばいくらでも拾えるような安物の剣。それをみた賊は更に増長する。こいつは格好の獲物であり、ただのバカなのであろうと。

 

 

 

 

より勢いを増し向かってくる賊。それを前にした彼は、賊たちには聞こえないくらい小さな声で、そっと呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ・・・運が良かったな。私にしては。中々に。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後。

 

???

「・・・よし。これで街までは充分持つだろう」

 

何やらガサゴソとやっていた一人の男のほうは、満足げに立ち上がる。

 

???

(次の村では少しゆっくりするか・・・)

 

そんなことを考えながら思い出したように一言。後ろに向かっていった後、元の方向へと歩いて行った。

 

 

???

「礼をいわせてもらう。おかげでかなり旅路が楽になった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

賊たちは間違えた。彼が保ち続けていた余裕、その理由を。

 

彼の余裕の表情は危機感のない世間知らずのそれでもなく、錯乱した者の諦念からきたでもない。

 

 

 

 

 

ーーーーそう、もっと単純な話。彼がこの状況を危険だと思わないほど強かったから。

 

 

 

 

 

 

歩く男の姿は先程までと 何も変わらず

 

 

 

 

 

 

 

男の後ろには物言わぬ屍が3つ、転がっているのであった。

 

 

 

 

 

これは後漢末期の乱世と呼ばれる時代を歩んだ一人の男の物語である。

 

 
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