No.425991 超次元ゲイム ネプテューヌmk2 snow wind -episode12-2012-05-21 02:02:31 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:837 閲覧ユーザー数:766 |
「トリック・ザ・ハード…」
目の前にいる存在の名を呟きながら、警戒をさらに強める。
…見た目は女神っぽいけどこんなヤツは見たこと無いし、まず自分から犯罪組織の四天王と名乗っている。
そう名乗るからにはさっきの雑魚の比にならない強さかもしれない。
「それにしても…くふふ…女神を誘き出す作戦だったけど、これはこれで良い収穫ねぇ…」
「っ!? ひゃっ!」
突然トリックの姿が消えたと思ったら背後を取られた上身体を触られ、変な悲鳴を上げてしまう。
すぐさま飛び退いて、トリックから距離を取る。
見えなかった…? いや、テレポート辺りの瞬間移動の類いか…?
「ああもう、いちいち可愛いわ! 本当妾好みの幼…女の子ね」
…というか、さっきから身の危機を感じる…命じゃなくて。
「っ…。…貴女がコイツらのリーダー?」
とにかく相手のペースに乗せられてはダメだ。
そう自分に言い聞かせ、鎌の先で今まさに消滅し始めている犯罪組織雑魚を指す。
「ん? うわぁ…猟奇的な事になって…ま、可愛い女の子でもない、ましてや男なんて死のうが滅亡しようが妾の知ったことではないけど」
仲間の死体を見ても表情を変えずに呟くトリック。
…とりあえずコイツがロリコンというのはよく分かった。
「…まぁ、リーダーというのは合ってるかしら。下っ端の一人から今復活させてるキラーマシンを一撃で吹き飛ばしたヤツがいる、なんて報告を受けたから急遽妾が女神達の戦力を削るために駆り出されたってとこ」
「…やけにあっさりと…?」
「女の子の頼みは断れないもの♪」
あ、ダメだ私、コイツ苦手。
「…とにかく、犯罪組織ならここで倒す…!」
「くふ、いいねその((表情|かお))…残念なのは完全に女神側って所かしら。…だとしたら内臓引きずり出して身体だけでも妾の物に…」
…なんとも物騒な。
「…たぁッ!」
とにかく、先手必勝。トリック目掛けて斬りかかる。
ガィンッ!
「やっぱり妾としては生きたままの方がいいのよねー」
「く…っ」
が、トリックは右手をかざして障壁のようなものを張って攻撃を防ぐ。
流石に、そう簡単にはいかないか。
何かをされる前に飛び退いてまた距離を取る。
最早コイツの行動一つ一つが怖い、直感的に怖い。
「女神は来なかったけどシェアは減らせただろうしここは退く…って言いたい所だけど、折角だからお持t…遊んであげるわ!」
「…そりゃどう、もっ!」
言いながら鎌を振るって魔法球を放つ。
鎌と言っても元は杖なので、このまま魔法を使う事は可能だ。
「おおっと」
「一、二の…エーテルブラストッ!!」
左右から挟むように飛ぶ起動の魔法球を放った後、続けて魔力の塊を放つ。
「おぉ、ちょっと大きい」
だがトリックはそれも涼しい顔をしながら防いでしまう。
…まぁ、正面の魔法は囮だけど。
「はぁッ!!」
「! いつの間に!」
魔力の塊が当たった時に生じる小さな爆発を利用して視界を奪い、その隙にトリックの背後に回る。
流石に、背後の攻撃までは防ぎきれないはず…!
「……なぁんて、凄いけど、残念ね」
「…ッ! うぁっ!!」
攻撃が当たる、と思っていた。
だけど私の鎌が斬ったのはトリックではなく空気で、私は斬るはずだったトリックに背後から吹き飛ばされた。
「くぅ…、そうだ…瞬間移動するのか…」
さっき触れられた時に使ってたのを忘れてた…
「そ、その通り。惜しかったわねー」
「っ…まだ、まだぁッ!」
叫びながら態勢を立て直し、鎌を握りなおす。
小細工がダメなら…量…!
「展開…っ!」
魔方陣を左に三つ、右に三つ展開しすぐさまチャージ、
「…照射!」
トリックに向けて一気に放つ。
その間にも弾幕を張るように追尾式の魔力球・塊を放ち、
「ブチ壊せ…ッ!」
最後に魔力を纏わせた鎌を思いっきり投げる。
「うわ、前が見えないわ…というか、流石に量が多すぎて障壁が…っ!」
鎌がトリックに到達したであろう瞬間に、何かが割れる音が聞こえてくる。
…障壁が割れた、か…? それなら…!
「加速っ!」
恒例の足に風を纏わせ、地面を蹴ってトリックへ思いっきりダッシュ。
その間、右手の拳に魔力を集めるのも忘れない。
私の魔法によって巻き上げられた煙を抜けると、トリックが無防備な状態でそこにいた。
「はぁぁぁぁああっ!!」
「っ! まずっ…」
そして彼女の体目掛けて拳で思いっきり殴りつける。
「ぐっ…!」
「吹っ飛べ…! …インパクトッ!!」
「きゃああああっ!!」
殴りつけた右手はそのままで腕に左手を添え、拳に溜めた魔力を一気に解き放つ。
拳に溜められていた風の魔力が衝撃波となって解放され、トリックを吹き飛ばした。
「……ふぅ…」
落ちていた鎌を拾ってため息を吐く。
一応、手応えはあったけど…倒せてなさそう。
「いたたた…まさか妾の障壁を破った上に、妾に一撃加えるなんて…ますます気に入ったわ…!」
「…………」
予想通りというかなんというか、吹き飛ばされたトリックが吹っ飛ばされた先でぶつけたのか、背中をさすりながら虚空から現れた。
…四天王って言ってたしね…
つーか気に入られたよ、どうしよ…
「…でも、あまり乱暴なのは良くないわね。…少しお仕置きよ」
「…っ!?」
トリックが何かを呟いたかと思ったら、突然私の目の前に瞬間移動してきた。
ま、まずい…避けきれない…!?
「…ぎゅぅ~っ!!!」
攻撃されることを覚悟して思わず目を閉じたのに、伝わってきた衝撃は軽いもので、どうしてかと目を開けたら…
なぜか抱き締められていた。
「……え、…は?」
状況が理解できず、変な声がでてしまう。
…顔に柔らかいものが当たってるせいで若干イライラもしてきた。
「くっふふふー、本当に、このまま妾の物にしたいくらいだわー!」
「いや、ちょ、何を、し……ッ?!」
抵抗しようとして身体の違和感に気付く。
「なに、これ…力が…? …っ…苦し……」
トリックの抱擁が困惑から苦痛になる。
ただの抱き締めかと思って油断した…これはヤバい、客観的にみたらそうでもなさそうにみえるだろうけどかなりヤバい。
「く…ぅ…、離、せ…っ…!」
「嫌よ、そんなこと言われたって離さないわー♪」
「う…ぐ……」
ヤバ…意識が朦朧として…
…ここで気を失ったら色々終わりそうな気がする、それだけは…御免だ…!
「ぅ…ぁああああああッ!!!」
「きゃあっ!?」
この状況はヤバいと判断して、私は自分の持つ魔力を解き放って無理やりにトリックを吹き飛ばす。
とりあえず、第一の危機はこれで脱したが…
「…ッく……はぁ…はぁ……っ」
今ので結構体力が持ってかれた上に魔力もほとんど使い切ってしまった為、結局危機的状況に変わりは無い。
さて、どうしたものか…
「あいたた…なんか今日、吹っ飛ばされてばかりな気がするわ。妾…」
「っ…いいじゃん…そうそう体験できないことよ…」
表面上では精一杯強がって見せながら、内では思考を巡らせる。
…攻撃…体力的に返り討ち。
…魔法…魔力的に無理。
…逃走…相手は瞬間移動を使えるのだからほぼ不可能。
となると……残されたのはアレだけ…
……っ…
「強がるのはいいけど、もう限界近いんじゃない?」
「…………」
使うしか…無い…?
…ここでこの命を無駄にするくらいなら…やるしかない…
「…は…っ……、………」
体力的にすこし辛いが、そうも言ってられない。
立ち上がり手を頭上に掲げ精神を集中させる。
「…was ki ra enne sos ruinie herra en nosaash…」
目を閉じて静かに言葉を紡いでゆく。
すると徐々に掲げた手にエネルギーが集まって、光が強くなる。
その光は、目を閉じていてもわかる程だ。
「な、何…?」
「……貴女達のせいで大分弱くなったけど、これでも10%くらいよ…?」
「っ…! それだけのエネルギーで…?! それよりも、その力は…」
トリックが何かを言い切る前に充填終了。
「喰らえ…! はぁぁぁぁぁああああっ!!!」
そして手に集まったエネルギーを、ボールを投げるようにしてトリックに放つ。
エネルギーの塊は放たれると同時に光の速さでトリックに向かって行き、着弾と共に眩い光を放った。
「きゃぁぁぁぁあああっ!!!」
光が辺りを包むと共に、トリックの悲鳴が響き渡る。
…どう、だ…?
「………、……倒し、た…?」
光が収まると、トリックの姿が消えていた。
…逃げられた?
「……っ…」
強敵がいなくなって気が抜けてしまったのか、全身の力が抜けたようになって地面に座り込んでしまう。
…アイツは、何だったんだろう。
犯罪組織の四天王だとか言ってたけど…
「レーレーっ!!」
…どうやら女神様方が来たようだ。
もう少し早く来てほしかった、なんて思いながら、こちらに向かってくる彼女達に手を振るのだった。
―ギョウカイ墓場―
所変わって、ギョウカイ墓場のとある広場にて。
黒髪を肩辺りまで伸ばし、手にドクロの付いた巨大な斧を持った赤い瞳の少女が触手のようなものに拘束されている守護女神達を暇そうに見つめながら座り込んでいた。
「はぁー…ったく、なんで俺ばっかこんな奴らの見張りばっかしなきゃなんねぇんだよ…」
「仕方無いでしょうジャッジ、それが貴女の役目なのですから」
ジャッジと呼ばれた少女がそう愚痴を溢すと隣に立っていた、背に大剣、腰に刀を携えた白髪青眼の少女がジャッジにそう告げる。
その言葉にジャッジはイライラした様子で少女に言う。
「役目役目…テメェはいっつもそれだなブレイブ…テメェ、暇だってんなら俺のストレス発散に付き合えよ」
「お断りします。これでも暇ではありませんので」
「どう見ても暇そうじゃねぇかよ…はー、ウゼェ…」
淡々と答えるブレイブに、ジャッジは面白くなさそうにため息を吐く。
と、そんな二人の所に何者かがやってきた。
「はろーブレイブ、ジャッジ。しっかり見張りしてるー?」
「黙れトリック、ぶっ殺すぞ」
「おぉ、怖い怖い」
挨拶の言葉に返された暴言に、挑発気味に呟くトリック。
その反応にカチンときたジャッジだったが、トリックに文句を言ったところで逆にストレスが溜まるだけというのを彼女は知っていたので我慢した。
「それで、貴女の方は上手く行ったのですか?」
「あぁ、うん。まぁそこそこ減らせたんじゃないかしら。そこにいた人間と戦って返り討ちに遭ったけど」
「ハッ! ザマぁねぇな」
「…どうしたんです? 貴女が人間に遅れを取るなんて」
ジャッジの言葉は無視して、ブレイブが尋ねる。
「んー、人間っていうか、ちょっと変わった力を持った人間って感じかしら?」
「…? どういうことです?」
「なんていうか…言うなればあの力は――」
「お前達、全員揃っているか?」
二人の会話は、ジャッジではない別の誰かの言葉で中断される。
その声の主は、赤い髪をツインテールにし、女神のような恰好をした女性だ。
そして彼女こそ、この犯罪組織四天王の筆頭マジック・ザ・ハードである。
「マジック・ザ・ハード様!」
「全員揃っているようだな。ではこれより――」
女神達が捕らえられたこの地で、彼女達は今日も犯罪神復活の為に働くのだった――
技メモ
○エーテルブラスト
└いつだったか感想コメ欄でレーレがフライング使用した技。
内容自体はとても単純、魔力の塊を生成して放つ。それだけ。
単純なだけに汎用性も高く、様々な技の〆に使える。要するにEXフィニッシュ。
工夫次第で拡散やら追尾、爆破放射など色々なバリエーションで放つことができる無属性の基本魔法。
というかこれあったら幻想郷とかでもやってけそうなくらい、弾幕的なバリエーションがある。
└派生(今回登場した物のみ)
・球
そのまんま、小さめの魔力球。シューティングゲームで言う通常ショット。
殆ど魔力チャージ無しで放つことができ、直線・追尾の変更が可能。
・塊
球の上位版、魔力の塊を放つ。
こちらも直線・追尾の変更ができる。
・開
すこし上位レベルのものを放つ為の準備技、魔方陣を展開する。これもチャージ無し。
ただレベルが上がるほど展開後のチャージが長い。
これ自体に威力は存在しない。
・射
上記の技で展開した魔方陣からレーザーを放つ。
行動の制限にもメイン攻撃にも使える。収束されれば某管理局の白い悪魔的な砲撃も可能。前にキラーマシンを吹き飛ばしたのもこれ。
ちなみに上位系の技は使用者(フウ・レーレ)の気分でたまに名前が変えられたりする。
・纏
強化系。武器の威力を上げたり防具の防御力を上げたり汎用性が高い。
○バスターエアロ
└拳に風魔力を溜めて突進しながら相手を殴り、その後拳から解放された風が衝撃波となって敵を吹き飛ばす物理技。
もちろん元ネタはあれですとも、Are you OK?
○名称不明
└掌にエネルギーを溜め、敵に放つ技。発動時の詠唱は日によって変わるため、正式な名称は無い。
ただどんな詠唱だとしても、ある単語が含まれていないと発動することができない。
何かと連動して集まるエネルギー量、威力、性能が上がる。
キャラメモ
○マジック・ザ・ハード
└ザ・ハード四天王のリーダー。でもぶっちゃけ原作と変わんない。使用武器はやっぱり大鎌。
○ブレイブ・ザ・ハード
└ザ・ハード四天王の中で唯一まともそうな人で、誰に対しても敬語で話す。根っこは原作ブレイブと同じ。使用武器は大剣と刀。
イメージCV:沢城みゆき
○ジャッジ・ザ・ハード
└女神見張り役。女性になったザ・ハードでも口調や性格が殆ど変ってない人。使用武器は大斧。
イメージCV:坂本真綾
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今回どこかで出てくる詠唱文は適当に作った物ですので意味を聞かれてもお答えできませんのであしからず。
…キラーマシン編、episode何で終わるかなぁ…