一刀「成る程、結構治安がいいな」
今一刀は、街の中を歩いていた
ドン!
一刀「・・・失敬」
???「いや、大丈夫だ」
一刀「では」
???「うん?待て!」
・・・
一刀「何か?」
???「顔を見せて貰おうか?・・・後その腰の得物も」
一刀は今、フードを被っている状態で、顔を隠している
一刀「官軍か?」
???「だったら?」
一刀「ちょうど良い、俺は曹孟徳に用がある」
???「!?・・・名を名乗れ!」
一刀「名前等無い・・・と、昔なら言っただろうな」
???「えっ・・・」
一刀は、フードを取って、名を名乗る
一刀「夏候恩だ」
???「!?・・・一刀か?」
一刀「え?」
???「私だ!!妙才だ!!」
一刀「えっ!?秋姉!?」
秋蘭「ああ、ほら!」
一刀「それは、俺が作った首飾り!?」
シュイン!
一刀も自分の首飾りを出し、お互いを確認した
秋蘭「帰ってきたのか」
一刀「まあね、修行は終ったからね」
秋蘭「そうか、じゃあ付いて来い、華琳様の居る場所に案内する」
一刀「了解」
そのまま一刀は、秋蘭の後ろを付いていく
一刀「所で、秋姉は何してたの?買い物?」
秋蘭「警邏だ」
一刀「警邏?」
秋蘭「人手不足でな、私が出る時もあれば、姉者が出る時もある」
一刀「春姉が警邏?」
秋蘭「何だ?」
一刀「いや、ちゃんと出来てるのかなって、思って」
秋蘭「・・・正直言えば、ちょっとな」
一刀「やっぱり」
秋蘭「ほら、見えてきたぞ」
話をしている間に、入り口が見えてきた
華琳「判ったわ、下がりなさい」
兵「はっ!」
春蘭「華琳様」
華琳「まったく、倒しても倒しても湧き出てくるわね」
兵「申し上げます!」
春蘭「何だ?」
兵「夏候淵将軍がお戻りになりました」
華琳「そう」
兵「それと、面白い者を連れて来たと」
春蘭「面白い者?」
華琳「何かしら?」
二人そろって首を傾げていた
秋蘭「華琳様、戻りました」
春蘭「秋蘭、誰だそいつは?」
一刀(秋姉も、意地悪だよな)
一刀は、再びフードを被っていた
王座の間に入る前
秋蘭「一刀、さっきみたいに顔を隠しておけ」
一刀「???」
秋蘭「少し脅かしてやろう」(ニヤニヤ)
一刀「秋姉・・・性格変わりすぎだろ?」
秋蘭「ふふふ、嫌か?」
一刀「いや、面白そうだから良いや」
秋蘭「なら早くしろ」
一刀「はーい」
と言う会話があったからである
戻って今
華琳「名を名乗りなさい」
一刀「名前等無い・・・と昔なら言っただろうな」
華琳・春蘭「「!?」」
一刀「夏候恩です」
春蘭「・・・一刀か?」
華琳「一刀・・・」
一刀「お久しぶりです、曹孟徳様」
華琳「・・・成る程、昔の面影は、残ってる様ね」
春蘭「一刀ーーーーーー!!!!!!」
一刀「うおっと!?」
抱き付いてきた春蘭を、何とか受け止める
春蘭「今まで何処に居たんだ馬鹿者!!」
一刀「ゴメン春姉」
華琳「修行は旨く行ったのかしら?」
一刀「はい、曹操様」
華琳「それは止めなさい、此処は公の場ではないわ」
一刀「そうだね、孟徳・・・お姉ちゃん達も元気そうで良かった」(ニコ)
春蘭・秋蘭(ドキッ!?////)
秋蘭「そ!?それは止せ、お互い良い歳だろう////」
一刀「家族の関係に、年齢は関係ないよ秋姉」
春蘭「////」
一刀「春姉?」
春蘭は、久しぶりにお姉ちゃんと呼ばれて固まってしまった
秋蘭(子供の頃と比べたら、破壊力が段違いだな////)
華琳(まったく、自分の事まるで見えてないんだから////)
一刀「???」
春蘭「////」
華琳「春蘭!!何時まで固まってるの!!」
春蘭「はっ!?」
一刀「しかし驚いたよ、孟徳が陳留の太守になってたなんて」
華琳「そうかしら?」
一刀「孟徳が今そうだって事は、華南様は?」
華琳「一年前に、病で亡くなったわ」
一刀「・・・そうか、後で墓参りに行かせてくれないか?」
華琳「ええ勿論良いわよ、母様も喜ぶでしょう、でもその前に、修行の成果を見せて貰おうかしら?」
一刀「と言うと?」
華琳「春蘭と勝負しなさい」
一刀「春姉と?」
春蘭「良いんですか!!華琳様!!」
華琳「ええ、おもっいきり戦いなさい春蘭」
春蘭「はい!!では直ぐに!!」
華琳「そう慌てないの折角だから、貴方達の兵にも見せてあげなさい、一刀も直ぐに準備しなさい」
一刀「俺は何時でも良いよ」
バサッ!
秋蘭「!?・・・ほう、中々様になってるじゃないか」
一刀が、着ている外套を脱ぐと、鎧に包まれていた(イメージは、三國無双6の夏候惇)
一刀「ただ、荷物を置いて来たいけどね」
華琳「部屋を準備させるは、今日からそこで寝なさい」
一刀「了解」
そして一時解散し、各自準備に入った
闘技場
兵1「あれが将軍達の弟か?」
兵2「何か強そうには見えないな」
秋蘭「何だか、色々な意見が聞えますね」
華琳「構わないは、さてどんな戦いを見せてくれるのかしら、一刀?」
舞台の中心に立っている一刀に集中し始める
一刀「凄い数だな」
春蘭「私と秋蘭が鍛えた兵だ、もっと居るぞ」
一刀「の割には、空席が見えるけど」
春蘭「全員は、集まらなかったんだ、仕方ないだろう」
一刀「まあそうだろな・・・ちょっとは楽しませてよ、春姉?」
春蘭「そんな大口を叩いて良いのか?昔のままだと思ったら大間違いだぞ!」
シャキ!
一刀「七星餓狼・・・今も顕在(けんざい)か」
春蘭「構えろ・・・一刀」
・・・
闘技場の中を、沈黙が包み込む
一刀「・・・」
春蘭「・・・」
フゥ!
春蘭「!?」
ズサァァァァァ!!!!
春蘭「くっ!?」
一刀(決める!)
ガキーン!
一刀「チッ!」
春蘭「この!!」
ブオン!
一刀「おっと!」
ヒュン!スタッ!
一瞬で背後を捕った一刀の突きを防いで、攻撃するが、直ぐに距離を取って離れる
一刀「成る程、確かに昔のままではない様だね」
春蘭(危なかった!?あと少し遅れていたら食らっていた)
一刀「ちょっと不味いかな、今の一撃を防いだとなると」
春蘭「何だ、あの程度しか出来ないのか?」
一刀「まさか」
春蘭「!?」
一刀「そんな訳無いでしょう」
春蘭(何時の間に!?)
春蘭が気が付いた時には、一刀は、背中合わせに立っていた
華琳「・・・」
秋蘭「・・・」
華琳「・・・秋蘭、貴方見えた?」
秋蘭「辛うじて」
華琳「どうやら、最初の一撃は、小手調べみたいね」
秋蘭「今の一刀は、私と姉者の二人掛かりで戦って互角もしくはそれ以上でしょう」
華琳「あの頃とは、比べ物にならないわね、それにあの武器、小太刀だったかしら?」
秋蘭「ええ、まるで動きに無駄がないですね」
華琳「姿勢を見るだけでもはっきりしてるは、完全に使いこなせてるわ」
華琳の中では、一刀の成長の驚き以外、何も無かった
春蘭「どうやら、油断していたのは私の様だな」
一刀「はい?」
コツコツコツ!
春蘭「覚えているか一刀、あの日お前と義姉弟になった日を」
一刀「忘れる訳が無い、あの時春姉が弟になれと言ってくれなかったら、他人のままだった」
春蘭「私は、姉として・・・夏候一族の長女として生まれたんだ」
一刀「うん」
春蘭「そして、夏候一族の流儀は」
一刀「・・・」
春蘭「どんな敵に対しても!!全力で対峙する事だ!!」
歩きながら話していた春蘭は、振り返ると同時に全力で地面を蹴り、一刀に切りかかる
一刀「上等!!」
春蘭「はああああああああ!!!!!」
一刀「でりゃああああああああ!!!!!」
ガキーーーーーーーーン!!!!!!
一刀(重い!?)
春蘭(くッ!!押し切れんか!?)
バッ!!
ズサアアアアアアアアア!!!!!
一刀「氣功糸(きこうし)!!」
シュルルルルル!!
ギュ!!
春蘭「何!?」
一刀「氣の糸だ、そう簡単には切れないぜ春姉!」
春蘭「この!!」
華琳「あれは!?」
秋蘭「氣の糸!?あんな事まで出来るのか!?」
距離を捕った一刀は、氣の糸で春蘭の両手・両足・首に巻き付ける
春蘭「くッ!上等だ!!」
ガシ!
一刀「何!?」
春蘭「どりゃああ!!」
グン!!
一刀「嘘!?」
春蘭「だああああああああ!!!!!!」
ドゴーーーーーーン!!!!!
春蘭は氣功糸を掴んで引っ張り上げ、そのまま一刀を場外の壁まで殴り飛ばした
華琳・秋蘭「「一刀!?」」
ざわざわ!ざわざわ!
春蘭「ハア、ハア、ハア」
ドゴーーーン!!
春蘭「!?」
一刀「・・・」(パンパンパン!)
春蘭「・・・」
一刀「今のは驚いたよ、まさか切らずに、殴るなんてね」
春蘭「効いてない様だな」
一刀「氣は攻撃だけじゃない、防御も出来る」
春蘭「一刀、お前も夏候一族だ・・・全力を見せてみろ」
一刀「・・・なら避けろよ、春姉」
春蘭「何?」
一刀「我は一・・・一にして全・・・全にして全てを守る焔なり!!」
突然何かを言い出したかと思ったら、急に一刀の体が光りだす
一刀「蒼の焔(あおのほのお)!!発動!!」
ゴオオオオオオオオオ!!!!!
春蘭・秋蘭・華琳「「「!?!?!?」」」
一刀「一閃・・・蒼龍波(そうりゅうは)!!」
ドゴーーーーーーーーン!!!!!!!!!
春蘭「ぬああ!!!!」
華琳「「きゃあああああ!!!!!」」
秋蘭「だああああ!!!!!」
一刀の一撃で、爆風と砂煙が舞う
春蘭「・・・ううう、なっ!?」
華琳・秋蘭「「・・・」」
一刀以外が目を開けるとが目を開けると、真っ二つになった舞台があった
一刀「・・・春姉」
春蘭「ッ!?」
一刀「続ける?」
春蘭「・・・」
華琳「そこまで!!」
一刀・春蘭「「!?」」
華琳「上出来だわ一刀いや、もう言葉では言い表せないほどだわ!!」
一刀「孟徳・・・」
華琳「現時点を持って、夏候恩をこの曹孟徳の家臣とする!!異議の有る者は居るか!!」
・・・
闘技場の隅から隅までを見渡した華琳は、笑みを浮かべる
華琳「決まった!!夏候恩!!これよりはその力、この曹孟徳の為に振るえ!!」
一刀「はっ!!」
兵達「「「おおおおおおお!!!!!!」」」
この兵達の声は、今までの賊討伐の勝鬨よりも大きかった
その夜
華琳「此処よ」
一刀「・・・」
華琳「母様、一刀が帰ってきました」
一刀は、華琳と華南の墓参りに来ていた
一刀「華南様・・・会いに来るのが、遅くなってしまいました」
華琳「・・・」
一刀「今日正式に、華琳の家臣になりました、まだ姉さん達の様に一軍を率いて戦うのは無理かも知れませんが、必ず華琳を守って見せます」
華琳「・・・」
一刀「これからの俺を見ていて下さい、そしてほんの少しで良いから、見守っていて下さい」
最後に一刀は、黙祷を捧げた
華琳「一刀、母様は喜んでいると思うわ」
一刀「華琳・・・そうであって欲しいな」
華琳「約束、覚えてたのね」
一刀「二人っきりの時だけ、真名を呼んでくれか?」
華琳「ええ、あなたが特別と言う証よ」
一刀「ちょっと恥ずかしいけどな」
華琳「さあ、帰りましょう」
一刀「ああ」
華琳と一刀は、二人並んで一緒に歩いて帰って行くのだった
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皆さんどうも、カイです。
さあ、一刀が帰って来ました、どれだけ強くなったんでしょう?