文字サイズ:
幅:
No.419238
超次元ゲイムネプテューヌ 3dis Creators_0092012-05-06 17:05:57 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:745 閲覧ユーザー数:715 |
第1章 ゲイム・スタート
C009:あいちゃんとお話する
○プラネテューヌ・ギルド内
モコ「あーいちゃーん」
モコ、キャスター付きの積み木であることをイメージさせる配色の箱の取っ手を引っ張り、転がしてくる。
アイエフ「んー?」
アイエフ、ソファーで横になったままどこかなあなあな返事。
モコ、取っ手から手を離し、床に落とす。
がさごそと箱の中身をあさり始める。
アイエフ「なーにー?」
モコ、箱から先ほどアイエフをあやした時に使ったガラガラを取り出して天井に掲げる。
アイエフの方へと振り向き、癒されそうな音を出して見せる。
モコ「が~らが~らが~らが~らが~ら」
アイエフ、けだるい身体を起こしてモコの方へ歩きだす。
アイエフ「あ~はいはい。もう必要ないわよそれ。だからもーいいの」
諭すように言ってみせる。
モコ「んー?」
ガラガラを振る手を止め、そのままいつも通り首をかしげてみせるモコ。
アイエフ「今は必要ないって言ってるの。ほら」
アイエフ、モコに渡して欲しそうな手のひらを見せる。
モコにはそれが何なのかよくわからず、アイエフの目と手のひらを交互に見つめる。
アイエフ、モコの手からそっとガラガラを取り上げる。
ガラガラからは構わず音が出てくる。
アイエフ「えいっ」
軽く声を出しながらガラガラを適当に放り投げる。
癒しをもたらすはずの音に床と衝突した時の痛々しい音が加わる。
モコ「あいちゃん、もう大丈夫なの?」
アイエフ「もう気にしてないわよ、それで? 聞きたいことあったんじゃないの?」
モコ「あ、うん。あいちゃんはねぷちゃん達といつともだちになったの?」
そう言うや否やモコはまたも箱の中をあさる。
アイエフ「ネプギアとは1万階の塔のぼりの時にあってー、ネプ子とコンパとはずっと前からの幼馴染ね」
今度はオーソドックスなけん玉を取り出す。
モコ「おさななじみ?」
アイエフ「ずっと一緒にいるってこと。バージョン1のころからねー」
モコ、遊び方がよくわからない様子。
モコ「そーなんだ」
試しにけん玉を振りまわして見せる。
モコ「が~らが~らが~らが~らが~ら」
アイエフ「いやいや音でないしそれ、ていうか、人が質問の答えを言っている時に自分はおもちゃで遊んでるってどーよ」
モコ、振り回す手を止める。
赤い玉が頭に当たる。
モコ「いたい……や、あいちゃん喜ぶかなーって」
アイエフ「ガラガラはともかくけん玉を一人で振りまわしてどうして喜ぶっていうのよ……貸して」
アイエフ、モコからそっとけん玉を取り上げる。
アイエフ「こうして遊ぶもんなの……ほいっ」
紐の先の赤い玉をふわりと浮かせる。
赤い玉は半円を描き……損ねて失速。
重力に従い落下。
アイエフ「あらっ? もっかい!」
再び赤い玉を浮かせ、今度こそは半円の弧を描けた。
赤い玉はそのままの勢いでアイエフの腕に激突。
アイエフ「ッ、いたい……」
アイエフ、けん玉を見やったかと思うと、また適当に投げ捨てる。
アイエフ「ぽいっ」
ネプギアの声「いたぁいっ!」
アイエフ「!?」
ネプギアの悲鳴に驚いて向き直ろうとした所を再度振り向く。
モコ、それを見つめて、納得したような声を上げる。
モコ「……ほう」
アイエフ、平謝りで軽く手を合わせようとするが。
モコ「ねぷちゃんとコンパちゃんとはどういう風にしてともだちになったの?」
それを許さないかのようにモコの質問が来て、向き直る。
アイエフ「え? あ、う、うん……ネプ子とコンパとはダンジョンで激突しちゃったってのが出会いね。なんかネプ子の方の
モコ「だいぼうけん?」
モコ、三度箱の中身をあさる。
アイエフ「そ、大冒険……ってまたあさってる……」
モコ「あいちゃん喜びそうなものないかなーって」
アイエフ「傍から見るとアンタが人の話聞く気あんのってくらい不真面目に見えるだけよ……?」
モコ、箱からおもちゃの電車とそれ用のレールを取り出す。
モコ「めがみをしんこーするってなぁに?」
アイエフ「ここで話変えちゃう?」
床に座り込み、おもちゃ電車をレールを敷いて床に置き、箱からレールを取り出しては適当にレールをつないで敷いていく。
モコ「ねぇどーいうことー?」
アイエフ「んー、なんでもいいから、その女神様のために動くってことね」
モコ「働くんじゃなくてー?」
アイエフ「……妙な所に食いついてくるわね……まぁどっちでもよ。働くだけじゃない、かな?」
モコ「友達の友達のそのまた友達になるとかはだめ?」
アイエフ「そこは普通に友達でいいじゃない……」
モコ「友達の友達も、友達の友達のそのまた友達もみーんな友達だよ!」
アイエフ「じゃあいいじゃない! 何でわざわざ友達の友達とかいったの」
モコ「じゃああいちゃんはねぷちゃんとぎあちゃんをしんこーしてるのー?」
アイエフ「……押し切られた……そういうわけじゃないわね。アンタのいった通り、あの二人とは友達。そもそも、私は女神様を信仰してるってわけじゃないもの」
モコ「そうなのー?」
アイエフ「あんまりそういうのを頼りにするっていうのは、なんか違うと思うのよね」
モコ「ふんふん……」
モコの敷くレールがアイエフが立っているその周囲にまで来ている。
アイエフ「……」
最後までつながっていない状態で、電車本体のスイッチを入れるモコ。
清々しいモーター音が鳴り響き、レールの上を走っていく。
自分の周囲を走るおもちゃ電車を身体を回しながら眺めるアイエフ。
レールが途切れ、そこからどこへなりとも行ってしまうおもちゃ電車。
それをしばらく見つめる二人。
その後お互いに何か伝えたそうに目を合わせる。
軽く何かが壁に衝突したような音。
モコ「……めがみをしんこーしないとなんかあるのー?」
アイエフ「いやいや取り行きなさいってあれ! ダメでしょあのままじゃ!」
モコ「そーな──」
アイエフ「そーなの!」
言われるや否や、ぱたぱたとおもちゃ電車を取りに行くモコ。
アイエフ、床のレールに気をつけ、モコに背を向けながらため息をつく。
アイエフ「はぁ……疲れる……この子の相手はネプ子より疲れる……」
モーター音が鳴りやんだかと思うと、飛んでくるおもちゃ電車。
アイエフの背に当たって床に落ちる。
アイエフ「あいたっ、え!?」
アイエフ、背後で無残に落ちているおもちゃ電車を見る。
アイエフ「ちょっと……」
モコが戻ってくる。
モコ「んー?」
アイエフ「これ……投げちゃだめ!! ダメだから!!」
モコ「そな──」
アイエフ「そーなの!!」
アイエフ、再度大きなため息をつく。
アイエフ「はぁ……モコ、そう言えばお店閉めてきた?」
モコ「うん!」
アイエフ、振り返りまたモコに背を向ける。
モコはまた箱から何かを取り出そうとする。
アイエフ「あーそう、そろそろ行くから、出したおもちゃ──」
モコ「行くのー?」
モコ、出したおもちゃを有無を言わさず投げつける。
案の定アイエフの背中に激突。
アイエフ「あっだぁ!?」
激突の衝撃で少々前に押し出されおもちゃのレールを踏み潰し折れたような音を鳴らす。
当たった背中をさする。
アイエフ「~~~~~~~~ッ!! 結構なダメージ!」
またも振り返ると、そこにはいろんな所が欠けた知育玩具。
ディフォルメされた家の形をしたさまざまな仕掛けのあるおもちゃ。
アイエフ「アンタこういうので遊んでると結構画になりそうだな~って一瞬思っちゃったけど、投てき武器にするか!!!」
モコ「だいじょうぶ~?」
アイエフ「誰のせいよ!!」
モコ、ぐるぐると回りだす。
モコ「わたしも、もうよくわかんなくなってきた……」
アイエフ「~~~~~~っ! とにかく! 遊び終わったおもちゃはおかたしするの! 投げないの! 人に当てないの! わかった!?」
モコ「……うん」
アイエフ「わかったらぐるぐる回ってないではい! 片づける!」
モコ、回転を止めて若干ふらつきながらも、出したおもちゃを片付けていく。
アイエフ「もぉ~……」
ネプテューヌが、両手にガラガラとけん玉を持って来たネプギアの頭を撫でながら現れる。
ネプテューヌ「あいちゃん……」
アイエフ、一瞬二人と目を合わせるが、すぐに気まずそうな表情と共にゆっくりと視線を外していく。
ネプテューヌ「おもちゃは投げちゃいけません」
アイエフ「ごめんなさい!」
二人に勢いよく頭を下げるアイエフ。
Tweet |
|
|
![]()
1
|
![]()
0
|
ゲーム中のサブイベント的なものその2.
サブイベントは基本的にコントです。芸人さんのように洗練されてはいませんけどね……。
途中の回りながらのモコのセリフはロージュの心境か……
5/9 モコの質問台詞を意味が分かりやすいように修正。その他一部ト書きと台詞を修正。