No.401688

異世界冒険譚 魔法生徒ユエま! 一時間目!

RYOさん

交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。

2012-04-02 17:23:07 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6240   閲覧ユーザー数:5907

??? side

 

ここは学園都市の近くにある森。

 

深夜で誰も居ないはずのこの場所に複数人が戦闘している。

 

「……はぁ……はぁ……」

 

その戦闘のなかにまだ年端も行かない少女がいた。黒い髪、鋭い目、そして背丈ほどの野太刀を持っていた。少女の体には多くの傷があり満身創意なのは明らかだ。

 

「お嬢ちゃん、中々やるなぁ」

 

その少女と相対しているのは巨大で鉄のような体。額には角が生え手には巨大な金棒を持っている鬼だった。鬼は金棒を肩に担ぎ少女に話しかける。

 

「これだけの人数相手にこれだけ粘れるのは中々出来るもんやないで」

 

そう言われた少女の周りにはたくさんの鬼や妖怪が少女を取り囲んでいた。

 

「まだ伸びそうやからここでやるんは惜しいんやけど命令でなあ。皆殺しせなあかんのや」

 

「……まだだ……私はまだ負けていない!」

 

少女は気丈に鬼に叫ぶ。少女が叫ぶと鬼達は笑う。

 

「はっはっはっ! 威勢の良いお嬢ちゃんやなあ! おもろい! どこまで持つか試そうか!」

 

鬼がそう言うと周りの鬼が一斉に少女に向かって駆ける。

 

「はあっ!」

 

少女は向かってきた鬼の一体を真横に両断する。鬼は血を撒き散らす……わけではなく霞となって消える。

 

少女はその事に全く驚かずに次の妖魔に向かって走り、大上段に振りかぶる。

 

「ちっ!」

 

鬼は避ける事が無理だと判断し防御しようと構える。

 

「神鳴流奥義! 斬岩剣!」

 

少女は構わず野太刀を振り下ろす。

 

「んなっ!?」

 

少女の放った技は鬼の武器を両断しその勢いのまま鬼を切り裂く。

 

「はああああ!」

 

少女はその勢いのまま妖怪達を切り捨てていく。

 

「むぅん!」

 

鬼が少女に攻撃する。少女は野太刀で受け止めるがあまりの威力に押される。

 

「くっ!」

 

妖怪たちと少女の距離が離れ戦闘は膠着する。

 

少女と妖怪たちはけん制しあう。その時だった。魔方陣が現れ光が森に満ちる。そして魔方陣から翼が現れ何かを包むように閉じる。

 

「な……」

 

少女も妖怪たちも目を見開いて驚く。

 

翼が開くとそこには少女?が現れる。

 

「あ? 何だこれは……夜? 暗くて見えん」

 

その少女らしき人物は低い声で不思議そうに言う。

 

side out

 

 

yukito side

 

俺は魔法先生ネギまの世界に転移してきた。だが、夜なのか全く周りが見えない。

 

「……ここは……どこだ?」

 

麻帆良学園のどこかだろうが、適当に飛んできてるから詳細な場所は分からないな。それに暗いし……異世界だから時間も違うんだろうか?

 

「貴様、何者だ!」

 

敵意を含んだ声が俺に問いかける。俺はそっちのほうを向く。誰だろうか? 全く見えない。

 

「……肉体変化。目・狼」

 

目を暗視が出来る狼の目に変化させて声の主を見る。黒髪のサイドポニー。野太刀と来ると桜咲刹那かな?

 

「何者かって聞かれても……ただの学生だ。それよりここはどこなんだ?」

 

俺が桜咲刹那に問いかけると桜崎は額に皺を寄せる。

 

「転移魔法を使ってきてただの学生な訳がないだろう!」

 

「いや、そうかも知れないけど、わざとじゃないんだって! 友達の家に転移しようとしてただけなんだって! 私有地に出るなんて思わなかったんだ!」

 

俺は弁解するが桜咲はますます警戒してくる。

 

「おい、お嬢ちゃんらワイらの事無視するなや」

 

「あん?」

 

不意に声をかけられ俺は後ろを振り向く。

 

「ぶっ! 鬼!?」

 

そこには鬼やらの妖怪がたくさん居た。この世界の麻帆良学園は奇襲とかされちゃうところなのかよ!

 

「どこぞら紛れ込んだのか知らんけど見られたら殺しとけ言われてるんや。運が無かったと諦めてくれへんか?」

 

鬼が俺に言う。おいおい、皆殺しにする気かよ。

 

「冗談。誰が簡単に殺されてやるか」

 

俺は鬼から離れ桜咲の横に並ぶ。

 

「あんた。あいつらと戦ってるんだよな?」

 

俺は桜咲に聞く。

 

「そうだ」

 

桜崎は俺を警戒しながら答えた。

 

「ここは共闘しないか?」

 

「なに?」

 

「あんたはあいつらを倒したい。こっちはあいつらに殺されたくない。共闘するには十分な理由だと思うんだけど……」

 

ダメか? と桜咲に問う。

 

「良いだろう。ただし、裏切ったら即、切る」

 

「OK。じゃあ、鬼退治といこうじゃないか」

 

俺は剣を投影し構える。

 

「はははっ! 元気なお嬢ちゃんたちやな」

 

鬼は笑う。

 

「お前ら! やっちまえ!」

 

鬼が各々武器を構え俺たちに突撃してくる。俺達も鬼に向かって走り出す。

 

「「はあああああ!」」

 

 

数分後、この場に立っていたのは俺と桜咲だけだった。

 

「……さて」

 

桜咲は俺に向き直る。

 

「貴様は何者だ?」

 

桜咲は俺を睨みつけ、刀を構えながら聞いてくる。

 

「いや、さっきも言ったけど、ただの学生だって。ちょっと魔法も使えるけど。ここに来たのは事故。転移したら間違えてここに飛んできちゃったんだと思う」

 

「……本当か?」

 

「ああ」

 

そこでやっと桜咲は刀を鞘に納める。そして、どこかに携帯で電話を掛け始めた。

 

「一緒に来て頂けますか? 事故とはいえここは入ってきていい場所ではないので」

 

電話が終わって桜咲は俺にそう言った。俺は了承し桜咲についていった。

 

 

かなり歩いて俺はある建物の一室の前に到着した。

 

「ここです」

 

そう言って桜咲はその部屋の扉をノックする。

 

「入ってきたまえ」

 

「失礼いたします」

 

部屋から声がして桜咲が部屋に入る。俺も続いて部屋に入った。その部屋にはダンディなおじさんと頭の形が明らかに人類ではないおじいさんがいた。どう見ても高畑先生と学園長先生です。本当にありがとうございました。

 

「ほっほっほっ。それで君が事故で学園に転移してきてしまった者なのかの?」

 

学園長が俺に話しかけてくる。

 

「はい」

 

「うむ。それでは桜咲君にも聞かれたとは思うが君は何者で何の目的でこの学園に来たのかのう」

 

「はい。私は高科雪人。中学2年生です。転移の事故かは分かりませんが何故かここに転移してきてしまいました」

 

俺は学園長の質問に真実を少しぼかして話す。俺の転移は大まかな指定の位置で危険が無い場所に適当に転移するって設定してある。……戦闘の中心に飛ばされたのは何故か分からないが。設定をもっと細かくしたほうが良いんだろうか?

 

「……なるほどの。つまり、この学園に仇なすつもりは無い。そういう事でいいのかの?」

 

「はい」

 

学園長が真剣な表情で聞いてくる。

 

「……ふむ。なるほど。それでは質問はこれで終わりじゃ。む……そういえば君の家はどこかの? こんな時間まで出歩いていては親御さんも心配するじゃろ?」

 

「あ、そうですね。雛見沢村です」

 

「うむ? 雛見沢村……この辺じゃないの? どこの県じゃ?」

 

学園長が聞いてくるので俺は岐阜県だと答える。

 

「岐阜県の雛見沢村……おお、思い出したぞい! しかしおかしいの? 雛見沢村といえば……」

 

次の瞬間、学園長は驚くべき事を言った。

 

「確かもうかなり前にダムの下に沈んでるはずじゃが?」

 

「なっ!?」

 

俺は驚く。どうやらこの世界では雛見沢村は無くなっているらしい。というかあった事に驚きだ。海鳴町とか無いよな?

 

「そんな馬鹿な! 雛見沢村はダム計画を止めさせてまだ残ってます! いい加減な事を言うのは止めてください!」

 

「いやいや、確かじゃぞい。タカミチ君調べてきてくれんか?」

 

学園長が高畑先生に言う。高畑先生はすぐに部屋を出て行く。

 

「…………」

 

少し時間がたって高畑先生が帰ってくる。

 

「調べてみたけどやっぱり雛見沢村はダムの下に沈んでいるよ」

 

「そんな!」

 

「本当さ」

 

高畑先生が俺に言う。俺はうな垂れる。さて、これからどうやってこの学園に入学しようか?

 

「ふむ、君が雛見沢村に住んでいたというのは本当じゃな?」

 

どうしようか考えていた俺に学園長が質問してきた。

 

「はい」

 

今は住んでないけど住んでいたから嘘は言ってないよ。

 

「……なるほど。うむ。そういえば最近、この学園を襲撃するものが多くての」

 

学園長がそう話してくる。

 

「一人一人の負担が多くなってきているのじゃよ。現に刹那君も今日は辛かったじゃろうからの」

 

「はあ……」

 

学園長は何が言いたいんだ?

 

「誰かおらんかの? この学園の警備を任せられる人材は。もしおったらこの学園の学生にしてさらに給料も支給するんじゃがの~?」

 

そういうことか。

 

「あの」

 

「ほ? なんじゃ?」

 

学園長がとぼけた様に聞き返してくる。

 

「それ、私にも出来るでしょうか?」

 

「おお! やってくれるのかの?」

 

「はい! 衣食住のためです!」

 

「うむ。入学の準備はこちらでやっておこう。今日はすまんが学校の宿直室で寝ていてもらえるかの?」

 

「分かりました!」

 

「それでは二人ともご苦労じゃった。退室してよろしい。タカミチくん。高科君を案内してあげてくれんか?」

 

「はい。わかりました」

 

そう言って高畑先生が俺と桜咲と一緒に部屋を出る。

 

いや~良かった。一時はどうなる事かと思ったけど。何とかなった。

この時、俺はある事に気づいていなかった。まぁ、結果として良かったのだが。精神的には全く良くなかったが。

 

side out

 

 

gakuenntyou side

 

「ふむ……」

 

わしは3人を見送った後、一人考える。

 

嘘はついていなかったようじゃな。所々ぼかしておったが。

 

わしは嘘か真かを判定する魔法具を見ながら思案する。

 

じゃが、雛見沢に住んでいた事と麻帆良学園に害をなさないというのは本当のようじゃ。今はもう無い雛見沢に住んでいたとなると、あの子は一体何者なのか。まさか平行世界から来たとでも言うのかの?

 

「さて……ああ、しずな君かの? すまんが転校生を一人あの子のクラスに入れたいんじゃ。……うむ。あの子じゃ。……うむ。それじゃあ、頼んだぞい」

 

わしは内線電話でしずな君に高科君の事を頼む。

 

「さて、次は戸籍や色々じゃの。作っておかねば」

 

 

次回予告

 

 

ちょっとちょっと! 何で一話に私達が出てないのよ! 一応主人公よ!?

 

ま、まあまあアスナさん。落ち着いてください。この小説では雪人さんが主人公ですから。

 

まあ、良いわ! 次回は私達が活躍してやるわよ!

 

ア、アスナさん! それフラグってやつですよ!

 

ああ! しまった!?

 

 

次回

 

魔法生徒ユエま! 二時間目!

 

 

 

 

こんにちは。作者です。

 

ようやく来ましたネギまの世界! この世界の魅力を何とか書いていきたいと思います!

 

ちなみに雪人が気がついていなかった事は雪人は雛見沢から直接飛んできたので。現在、女装中です。

 

つまり、これから入れられる所は……

 

それではまた次回!

 


 
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