IS学園。
そこでジンヤと一夏は入学して居た。
なお、何故か彼等の席は生徒全員の視線が集まるど真ん中の席だった。
まさしく、四面楚歌状態だった。
そして、今は自己紹介をしていて一夏の番が回ってきたので自己紹介をする。
「織斑一夏だ、特技は家事全般。いきなりここに入学する事になったがよろしく頼む」
そこに女子が黄色い歓声を上げた。
「キャー!かっこいい!」
「クール系で守ってもらいたい!」
「お婿さんに欲しい!」
一方、ジンヤは心中穏やかじゃなかった。
(ヤバイヤバイヤバイバ!!)
何故自分はあの時、IS学園にあったISの機能が気になって触ってしまった事に後悔していた。
「…ンヤくん、神崎ジンヤくんっ」
「ふにゃ?」
ジンヤは後悔をしていると、副担任の山田真耶がジンヤの机の前まで来ていてジンヤの名前を呼んでいた。
「あっあの、お、大声出しちゃってゴメンね。お、怒っている?怒っているかな?ゴメンね、本当にゴメンね!でもね、あのね、自己紹介が、『あ』から始まって今『し』の神崎くんの番なんだよね。だからね、ご、ゴメンね?自己紹介してくれるかね?それともやっぱり、だ、ダメかな?」
目の前で真耶が今にも泣きそうな声で頭をぺこぺこ下げてお願いしていた。
「あ、ちょっと考え事をしていただけなので怒っていませんし、そんなに謝らないで下さい。自己紹介もちゃんとしますから、落ち着いてください」
「ほ、本当?本当ですか?本当ですね?や、約束ですよ。絶対ですよ!」
ジンヤは本当に教師なのかそう思いながらもジンヤは敬礼しながら自己紹介した。
「BSAA極東支部所属、エージェント見習いの神崎ジンヤです。以上!」
そう自己紹介すると、女子たち全員がずっこけた。
「じ、神崎くん、その、そういう自己紹介だと、お、お友達、できないよ。もうちょっと、じ、自分の趣味とか、と、特技とか話してくれないかな?」
すると、ジンヤの頭めがけてナニカが振り下ろされた。
「ギャノン!」
変な奇声を発しながらも、ジンヤはナニカを振り下ろした彼女の名を叫んだ。
「げえっ!孔明?!」
「誰が孔明だ、馬鹿者…」
孔明では無く、織斑千冬だった。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
「いえ、副担任ですので、これくらいは余裕ですよ」
真耶は胸を張って笑顔で千冬に言った。
因みにジンヤは顔を赤くしていた。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を1年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は若干15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言う事は聞け。いいな?」
(なんちゅー暴力発言だよ…)
ジンヤはそう思っていると、教室に黄色い声援が響いた。
「キャーーー!千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私はお姉様に会う為に北九州から来ました!」
「因みに私は北海道です!!」
「私、お姉様の為なら死ねます!」
きゃあきゃあと騒ぐ女子達に千冬はかなり迷惑そうな顔で見る。
「……毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」
心の底からそう言うが、それは逆効果だった。
「キャアアアアア!お姉様!もっと叱って!罵って!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように躾をして~!」
「というか、ペットにして~!」
余りの変態発言にジンヤと一夏は引いていた。
「で?お前は久しぶりとか言えないのか織斑」
「…俺の事なんてどうでも良いだろ、織斑千冬」
一夏の言葉に眉を潜めるが千冬は言う。
「織斑先生と呼べ、織斑」
その言葉に女子達は反応した。
「え、織斑って千冬様の弟さん?」
「確かに何となく似ているし…」
すると、一夏は机を叩いて叫んだ。
「今更、私の家族扱いかよ…ふざけるな!俺はお前に見捨てられて…」
「はいはい、落ち着け」
ジンヤは一夏を落ち着けさせた。
「むかつくけど落ち着け、ここで騒ぎを起こすな」
「…すまねえ、相棒」
「良いって事よ、相棒」
何とか一夏を落ち着かせて、早速授業に入った。
そして、休み時間。
一夏は少し外の空気を吸いに行っている時にジンヤは自分の席で推理小説を読んでいた。
因みにこの推理小説はBSAA代表、クライヴ・R・オブライエンが執筆した本である。
また、ジンヤはあることを思っていた。
(なんかこの制服、デザインは悪くないけど色が白か…黒の方が良かったな)
そう思っていると、そこに金髪の縦ロールの生徒が声を掛けてきた。
「少しよろしくて?」
「ふにゃ?」
ジンヤは気だるそうに返事をしながらその生徒を見る。
「まあ!?何ですの!?エリートであり代表候補生であるこのわたくしが声を掛けているというのに!」
「あ、アンタは確か…」
「あら、どうやらわたくしを知っているようですわね」
「セロリア・オセロットだっけ?」
その言葉に教室中が凍りついた。
「違いますわ!わたくしの名はセシリア・オルコットでしてよ!」
「ま、どうでも良いですけど」
「よくありませんわ!」
すると、チャイムが鳴る。
「また来ますわ。逃げなくてよ!」
「また来てね~」
「調子狂いますわ…」
ジンヤはハンカチをヒラヒラさせながら言った。
そして、一夏が戻ってきて、千冬も戻って来た。
「授業に入る前にクラス代表を決めなくてはな。誰かやらないか?自薦他薦は問わない」
するとクラスメイトの1人が立ち上がった。
「神崎くんがいいです!」
「あたしも!」
1人を皮切りにジンヤを推薦する声が多く上がる。
「それじゃあ僕はいち…ほがぁ?!」
一夏は推薦しようとするジンヤの口を塞いだ。
「言わせてたまるか!」
「離せ!このロースペックが!僕はミドルスペックマトロイドだぁぁぁぁっ!!」
ジンヤは変な事を言うと、待ったを掛ける生徒が居た。
「待ってください!これは大事なクラス代表を決める選挙、珍しいからという理由だけで決められるのは納得できませんわ!わたくし、セシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間味わえとおっしゃるのですか?!」
セシリアの発言にジンヤと一夏は互いのほぺったを引っ張るのを中断した。
「実力からいけばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを極東のオス猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭もございませんわ!」
すると、ジンヤはため息をすると、冷たい声で言った。
「ならさっさとおうちに帰りな、世界一まずい料理連続覇者さんよ」
「なっ…?!あ、貴方!わたくしの祖国を侮辱しますの?!」
「お前が先に侮辱したろ?…ホンネを言うと、僕が所属するのはアメリカ合衆国だからどうでも良いけどな」
その言葉に教室中が騒ぎ始めた。
「え、神崎君ってアメリカなの?」
「確か、アメリカって男女平等の国だよね…」
するとセシリアは言った。
「アメリカって…男女平等なんて貧弱な考えを持つ国じゃないですか」
「…一億譲って、日本の男性をオス猿扱いするなら女性はメス猿扱いしているのかな?オルコットさん?」
ジンヤは皮肉を込めて言うと、セシリアはギョとした。
また、クラスの女子もはっとした表情になった。
「仮にも代表候補生なんだ…言葉1つで国際問題になるんだ。ま、チクらないから安心しとけ」
ジンヤがそう言うと、セシリアはジンヤに向かって指をビシリと差して言った。
「決闘ですわ!わたくしが勝ったら、貴方を小間使い…いや、奴隷にしてさしあげますわ!」
「上等、その戦いこの神崎ジンヤと鋼鉄の武人、ジャンボットが相手をする!」
ジンヤがそう言うと、右腕の腕輪を見せた。
「それはまさか…IS?!貴方もわたくしと同じ…」
「そう、専用機持ちなのさ(一夏も持っているけどね)」
区切りを付いたので千冬がこの話は終わりと言わんばかりに締める。
「では3日後代表決定戦を行なう。それでは授業を始める」
そして、授業が始まった。
一方、IS学園が見えるある場所では謎のロボットが2体居た。
『ライダー粒子反応アリ、及びにマトロイド反応アリ。例の裏切り者可能性あり』
『あのロースペックもか…ゆけ!コンバットのアロボT!!』
謎のロボットがそう言うと、クラゲをモチーフにしたロボットがIS学園に向かって出撃した。
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IS学園に入学した2人、そこで待っていたのは新たな戦いの幕開けだった。