No.393872

IS−インフィニット・ストラトス−三種のISを操る者−

“女性にしか反応しない”、世界最強の兵器「インフィニット・ストラトス」、通称「IS」(アイエス)の出現後、男女の社会的パワーバランスが一変し、女尊男卑が当たり前になってしまった時代。
そんな中ISを動かした男が現れて、常識が覆された。そして一人の少年レイ・ラングレンもまた、ISを起動させた。だが、それが一つの長きにわたる戦いの始まりだった・・・・

2012-03-18 16:56:19 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3381   閲覧ユーザー数:3204

 

 

Story5 クラス代表決定戦

 

 

 

そうして、一週間が経ち、セシリアとの決闘の日である。

 

 

 

レイは学園内の第三アリーナのピットにいた。

 

そこには、一夏と箒が一緒にいた。

 

レイはISスーツと着て、背伸びをして身体をほぐす。

 

「いよいよか・・・」

 

「そうだな・・・・・だけど、レイがあの時一緒に言うなんて思ってもみなかったな」

 

「まぁ、俺もあんなに言われると怒るさ・・・。お前もそうだろ?」

 

「まぁ・・それはそうだが・・」

 

「・・しかし、何かと一夏と息が合っているように見えたがな」

 

「そうか?偶然だよ」

 

「・・・・・」

 

「・・・それと、お前の専用機は今日来るんだろう?」

 

「あぁ。確かそうだったはず・・」

 

「もし戦うことなった時は、よろしくな」

 

「・・・あぁ」

 

そして、レイは少し前に行き、左腕の腕輪に手を当てた。

 

「来い!ゲシュペンスト!」

 

すると、左腕のISから、光が出て、レイを包み込んだ。

 

そしてしばらくすると、光が晴れ、ゲシュペンストを身に纏ったレイがいた。

 

「これが・・・レイのISか・・・」

 

一夏は興味津々だった。

 

「・・『全身装甲』のISだと?・・・。それに肩の浮遊ユニットもない・・他のISといくつか違うな・・」

 

箒はゲシュペンストの外見を見て、色々と違い点を言った。

 

「こいつは色々と特殊なのさ・・・・・。じゃぁ、行ってくるぜ」

 

と、ゲシュペンストを前に進ませると、ピットのカタパルトに足を置き、そして発進した。

 

飛ぶと同時に背中の翼を開き、スラスターを噴射して空を飛んだ。

 

 

 

 

 

すると、既にセシリアは自分のISを身に纏い、待っていた。

 

全体のカラーは深い青で、他も青系の色でまとめられていた。

後ろ腰には、複数のビットが装備され、手には自身のISと同じくらいの長さのスナイパーライフルを持っている。ISは常に浮いた状態なので、自身より大きな武器を扱うのは珍しくない。

 

「あら・・・逃げずに来たのですね・・って、『全身装甲(フルスキン)』!?」

 

と、セシリアは全身装甲のゲシュペンストを見て驚く。

 

「驚いたか?」

 

「そ、それはそうですわ・・・。全身装甲のISなんて聞いたことがありませんわ」

 

「そりゃそうだろうな」

 

「どういう意味ですか」

 

「なんでもない・・」

 

「・・・ですが、あなたにはチャンスをあげますわ」

 

「チャンス?」

 

ゲシュペンストは全身装甲なので、顔は見えないが、声から疑問的な感じだった。

 

「私が勝つのは目に見えていますわ・・・。だから、今謝ると言うのなら許してあげなくてもよろしくてよ」

 

「・・・・・・」

 

そしてレイはブルー・ティアーズのスペックデータを一瞬で見て理解する。

 

「・・そういうのは、チャンスとは言わないな」

 

「そう・・・残念ですわ・・・なら!」

 

すると、セシリアはライフルを構え、狙いをつける。

 

[警告!敵ISからロックされました!]

 

「お別れですわ!!」

 

「くっ!」

 

そして、セシリアはライフルのトリガーを引き、攻撃してきて、レイはとっさに回避した。

 

そのままゲシュペンストのスラスターを噴射してスピードを上げ、セシリアの攻撃を避け続けた。

 

「さぁ、踊りなさい!この私とブルー・ティアーズが奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

 

 

「何て精密射撃だ・・・さすがは代表候補生・・・だが!」

 

レイはとっさにメガ・レーザーライフルを展開してレーザーを放つ。

 

セシリアは弾を避け続けながらも、ライフルで攻撃してきた。

 

その一部がゲシュペンストの左肩に直撃し、衝撃が起きた。

 

「くっ!」

 

[左肩の直撃。損傷は軽微]

 

そしてシールドエネルギーが少し減った。

 

レイは命中率を上げるため、セシリアに接近しながらメガ・レーザーライフルを放つ。

 

セシリアはレーザーを避けると、スターライトMK-Ⅲを放ち、ゲシュペンストの左足をかすめる。

 

「ちぃっ!」

 

そしてレイは更にセシリアに接近した・・・・・

 

 

 

 

「凄いですね・・・。代表候補生を前にしてあそこまで・・。さすが織斑先生と渡り合えただけはありますね」

 

「あぁ。しかしオルコットの正確な射撃には苦戦しているようだな」

 

その頃、千冬と山田先生はアリーナのモニター室にて、戦闘を見ていた。

 

「それにしても、初期形態であそこまで戦えるなんて・・・やっぱりラングレン君はISに慣れているように見えますね」

 

「・・確かに・・・そうだな。ところで、織斑のISはどうなっている」

 

「もう少し時間が掛かるそうです」

 

「そうか・・・」

 

 

 

 

 

それから数十分が経過した・・・

 

 

 

 

「このブルー・ティアーズを前にして初見でここまで耐えたのはあなたが初めてですわ。ほめて差し上げますわ」

 

「・・・そりゃどうも」

 

「でも、それそろフィナーレと参りましょう!」

 

そしてセシリアは浮遊ユニットから四基のビットを放ち、同時にビットからエネルギー弾が発射された。

 

「くっ!」

 

レイはスラスターを噴射してレーザーをかわしていくが、その一部がゲシュペンストにかすれるが、レイは何とか避けた。

 

その間に、メガ・レーザーライフルを放ってビットに攻撃をかけたが、ビットは素早く避けた。

 

「・・・そういうことか・・・」

 

と、レイはセシリアとビットを見比べていた。

 

「左足・・・もらいましたわ!」

 

そしてセシリアはビットを戻してからスターライトMK-Ⅲをゲシュペンストの左足に向けて放った。

 

「っ!」

 

するとレイは向かってくるレーザーに向けてメガ・レーザーライフルを放ち、レーザー同士をぶつけた。

 

「やってみるか!」

 

そしてメガ・レーザーライフルを収納して、左腕の棒を抜き放ってプラズマ刃を展開して、セシリアに向かって行った。

 

「遠距離攻撃の私に近接戦闘を挑んでくるなんて、笑止ですわ!」

 

そしてセシリアはビットを再度射出してレイに向かわせる。

 

レイはビットから放たれるレーザーを回避していくと、プラズマカッターをブーメランのように投げ飛ばして、ビットを切り裂いた。

 

「くっ!・・無茶苦茶なことをしますわね!でも、無駄な足掻きですわ!」

 

そしてスターライトMK-Ⅲをレイの右側から放った。

 

しかしレイは戻ってきたプラズマカッターをキャッチするとレーザーを切り払った。

 

そしてスラスターを一気に噴射してビットを切り裂いた。

 

「っ!?」

 

「この武器はお前が毎回命令を下さないと動かない・・。そしてその間お前は動くことができない・・・操作に意識を集中しているからだ・・・違うか?」

 

「・・・ま、まさか・・こんな短時間でブルー・ティアーズの弱点を見抜いたというのですか!?」

 

「そういうことだ」

 

そして、そのままセシリアに向かっていきながら、左手にメガ・レーザーライフルを再度展開してレーザーを放つ。

 

「くっ!」

 

セシリアはレーザーをかわしていくが、その間にレイは動かないビットに向かっていき、プラズマカッターを振るって切り裂く。

 

「かかりましたわね」

 

そしてゲシュペンストの後ろにビットが配置されると、レーザーを放った。

 

「お前もな」

 

「え!?」

 

するとレイはプラズマカッターを後ろにやってプラズマ刃でレーザーを受け止めると、そのままプラズマカッターを振るってレーザーをセシリアに投げ飛ばす形で放った。

 

「っ!?」

 

そしてレーザーはセシリアに直撃して弾けた。

 

「そ、そんな!?ありえませんわ!?レーザーを受け止めるなんて!?」

 

「だが、できたぜ?」

 

そしてメガ・レーザーライフルを後ろにやってビットを撃ち落とした。

 

それと同時にメガ・レーザーライフルのエネルギーが切れて、レイは収納した。

 

「これでビットは全て落とした。一気に決めるぞ」

 

そしてゲシュペンストのスラスターを噴射してセシリアに接近するが・・・・

 

 

「これもかかりましたわね」

 

「なにっ!?」

 

「ビットは全部で六基ありましてよ!」

 

そしてセシリアは後ろ腰にやっていたランチャーを前に向けて、ミサイルを放った。

 

「しまっ!?」

 

レイはとっさにスラスターを噴射してミサイルを回避しようとしたが、気付いた時には遅く、ミサイルはゲシュペンストに直撃して爆発した・・・・

 

 

 

 

 

「ラングレン君!」

 

と、山田先生がその光景を見て驚く。

 

「・・ふっ・・。どうやら機体に救われたようだな・・・」

 

「え・・?」

 

 

 

 

 

 

 

そしてアリーナ・・・・

 

 

煙が晴れていくと、そこにはゲシュペンストの姿があった・・・。しかし―――

 

「なっ!?」

 

セシリアはその姿を見て驚く。

 

なぜならば、ゲシュペンストの姿が変わっているからだ。

 

全体の形状は大きくは変わっていないものも、各所の形状がかなり変わっており、白や赤などの色が追加されて印象が変わっていた。左腕の棒も長くなっており、装着方式も差込ではなく、装着式に変わっていた。頭部も若干形状が変わり、特に赤いバイザーが緑に変わっていたのが特徴的だ。更に背中には白い鞘に入った武器が背部のサブスラスターの上に装着されて、追加されていた。

 

[第一形態移行(ファーストシフト)終了。『ゲシュペンスト・ファントム』になりました]

 

「な、何だ・・これは・・・?」

 

レイも戸惑っていた。

 

「ま、まさか・・第一形態移行(ファーストシフト)!?・・あ、あなた・・今まで初期形態で戦っていたのですか!?」

 

「どうやらそうらしいな・・。だが、これでこいつはようやく本当の力を発揮できるようになったわけだ」

 

そして右手にしていた長い棒の先端を倒すと、幅の広い黄色で半透明の刀身が展開された。

 

「えぇい!姿が変わっても結果は同じですわ!」

 

そしてセシリアはミサイルを連続で六発放った。

 

「見える!」

 

そしてファントムのスラスターを一気に噴射して『グランプラズマカッター』を振るってミサイルを横切ると、ミサイルはすべて真っ二つになって爆発した。

 

「なっ!?」

 

セシリアが驚いている間にも、レイはセシリアの懐に入った。

 

「うおぉぉぉ!!」

 

そして勢いよくグランプラズマカッターを振り下ろしてブルー・ティアーズを切りつけた。

 

「ぐっ!」

 

セシリアはそのまま後ろに飛ばされると、レイはグランプラズマカッターを左腕に戻すと、身構えてスラスターを噴射した。

 

「くらえっ!ジェットマグナム!」

 

そして左腕の三本の棒にプラズマが纏うと、それをセシリアに叩きつけて、衝撃を叩き込んだ。

 

「っ!?」

 

衝撃を叩き込まれてセシリアは更に吹き飛ばされた。

 

「これで終わりだ」

 

そしてレイはファントムの胸部の出っ張りを開くと、エネルギーを溜めた。

 

「ニュートロン・ブラスター!」

 

そして開いた胸部からエネルギーが放たれて、セシリアに直撃した。

 

それによってセシリアは地面に叩きつけられ、シールドエネルギーがゼロになった。

 

 

『試合終了!勝者・・レイ・ラングレン』

 

 

そして観客席から歓声が起きた。

 

 

「ふぅ・・・それにしても凄いな」

 

レイはファントムのデータを見る。

 

「おっと、その前に・・・」

 

と、レイは地面に下りていって、セシリアに近付いた。

 

 

 

 

「ま、負けた・・・このわたくしが・・・」

 

セシリアは地面に手を突いてショックを受けていた。

 

そしてその近くにファントムが着地した。

 

「そんなにショックを受けるほどでもないだろ」

 

「・・あ、あなたに・・何が分かると言うのですか・・」

 

「・・・面倒だな全く・・」

 

そしてレイはファントムのバイザーとマスクを収納して、顔を現す。

 

「・・・俺は楽しめたからいいと思うぞ」

 

「・・・だから・・なんですか」

 

「・・別に気にすることは無いってことだ」

 

「・・あなたと・・・わたくしを一緒にしないでください」

 

「・・あぁもう・・。本当に面倒くさいやつだな全く!」

 

そしてレイはセシリアの肩を掴んで立たせると、レイのほうに向かせた。

 

「そうやって自分ばっかり責めるな!誰だってこういう経験はあるんだぞ!」

 

「・・・・・」

 

「・・・まぁ、また頑張ればいいって話だろ?少なくとも、俺はセシリアと楽しいバトルができたから満足だ」

 

「・・・・・」

 

「どう決めるかは・・・勝手だがな」

 

そうしてレイはピットに戻っていった・・・

 

 

「・・・レイ・・・さん」

 

そしてセシリアの頬が少し赤らむ・・・・

 

 

 

 

 

 

そして、レイはピットに戻ると、ISを解除した。

 

すると、一夏と箒がやってきた。

 

「凄いな・・・本当に・・」

 

「それほどないさ・・・ファントムの性能のおかげが大きいさ」

 

「ほう・・・謙遜か・・・」

 

すると、織斑先生と、山田先生が来た。

 

「織斑先生・・・」

 

「見せてもらったぞ・・・・。が、しかし、すぐに一夏と対決してもらう」

 

「一夏と?・・・ということは・・・」

 

「はい。織斑君の専用機が先ほど到着しました・・・」

 

すると、ピット奥にあるエレベーターから、一体のISが現れた。

 

「織斑君の専用機・・・『白式』です!」

 

白いボディーのIS・・・白式は、かがんだ状態で待機していた。

 

「これが・・・・」

 

そして、一夏は白式に触れた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

すると、しばらく黙った。

 

「どうしましたか?」

 

「・・・分かる・・・これが何だか・・理解できる」

 

「・・では、レイは補給を済み次第アリーナに行け、一夏はすぐに装着しろ」

 

「分かりました」

 

「は、はい」

 

そして、レイは再度ISを展開し、アリーナに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「しかし・・・さっきのダメージは無視できないか・・・まぁ、ハンデという感じで戦うか」

 

と、ファントムの状態を確認していると、ピットから白式を纏った一夏が来た。

 

「来たか・・・」

 

そして、一夏はレイの前まで来た。

 

「遅かったな」

 

「少し装着に手間取ってな・・・だが、問題ない」

 

「そうか・・・。だが、俺は手加減しないぞ」

 

そして、レイは右手にメガ・レーザーライフルを展開した。

 

「行くぞ!」

 

そしてトリガーを引いてレーザーを放った。

 

「くっ!」

 

一夏はとっさに避けた。

 

レイはトリガーを連続で引いていって、レーザーを放っていく。

 

「いつまで避け続けられるかな」

 

そう言っているうちに、一発が一夏に直撃した。

 

「うわぁ!」

 

当たった衝撃で、白式が揺れた。

 

「くそ!・・何か武器はないのか」

 

そして、調べると、[近接ブレード]と出た。

 

「これだけかよ!?・・・・まぁ素手よりマシか・・・行くぞ!」

 

と、一夏はブレードを呼び出し、レイに向かって行った。

 

そして、レイは、メガ・レーザーライフルを収納すると、左腕の上の段の棒を抜き放って刀身を展開すると、一夏に向かっていく。

 

そして両者の刃が交じり合って、火花を散らす。

 

「くっ・・!」

 

「ふっ!」

 

そしてレイは一夏を強引に弾き飛ばすと、左手で背中の武器の柄を持つ。

 

「グランスラッシュリッパー!」

 

そしてそれを抜き放つと同時に投げ飛ばすと、三枚の刃が展開して一夏に高速回転して迫ってきた。

 

「くっ!」

 

一夏はとっさにブレードを前に出してグランスラッシュリッパーを防ごうとするが、グランスラッシュリッパーはブレードに弾かれて軌道を変えてから、白式の装甲を切りつけた。

 

「ぐっ!」

 

そしてグランスラッシュリッパーはレイの方に戻って行き、レイはそれをキャッチするとグランプラズマカッターを振るって白式を切りつけると、グランスラッシュリッパーで更に切りつけると、回し蹴りをして一夏を蹴り飛ばす。

 

「その程度か」

 

そしてレイはグランスラッシュリッパーを畳むと、背中の鞘に戻した。

 

「くっ・・・ま、まだだ・・これからだ!」

 

と、一夏はブレードを振るってレイに向かっていく。

 

「その意気だ」

 

レイもスラスターを噴射して一夏に向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

「・・ラングレン君・・・織斑君と初めて戦うのに最初っから猛攻を・・・」

 

山田先生と織斑先生は、再びピットのモニター室にいた。

 

そこには、箒の姿もあった。

 

「・・あいつ・・・手加減しているな・・」

 

「え?」

 

山田先生は千冬のほうを見る。

 

「見た目は激しい攻撃をしているように見えるが、実際はダメージが薄いところしか狙っていない」

 

「でも、どうして?」

 

「・・・フィッティングを待っているのだろう・・。」

 

「・・・『最適化』をですか?」

 

「あの状態では完全な力を発揮できない・・・。だから、あいつは力を解放した一次移行を待っているのだろう」

 

「・・・・・・・・・。」

 

 

「一夏・・」

 

箒はモニターに映る幼馴染の姿を見て・・・心配そうに見た。

 

 

 

 

「ぐわぁぁ!」

 

一夏はスラッシュリッパーの直撃を受け、後ろに下がった。

 

そして、アリーナの壁に叩きつけられる。

 

レイは再び戻ってきたスラッシュリッパーをキャッチする

 

「・・・ここまでだな・・・」

 

と、胸の出っ張った部分を展開し、銃口が現れた。

 

「ニュートロン・ブラスター!」

 

そして、銃口からエネルギー弾が放たれた。

 

「くっ!」

 

そして、一夏はそのままその攻撃の直撃を受け、大きな爆発が起きた・・・・

 

 

 

 

 

「一夏っ!」

 

箒はその様子を見て、思わず声を上げた。

 

「・・・ふっ・・」

 

すると、織斑先生は鼻で笑った。

 

「機体に救われたな・・・馬鹿者が・・・」

 

「・・・え・・・?」

 

 

 

 

 

 

そして、爆煙が晴れると、そこには白式の真の姿があった。

 

特に、肩の浮遊ユニットが展開しているようであり、その他様々な箇所が変化していた。

 

「・・!?・・これは?」

 

[フォーマットとフィッティングが終了しました]

 

「ふっ・・・ようやくか・・・」

 

と、グランスラッシュリッパーを畳んで背中の鞘に戻すと、グランプラズマカッターを再度抜き放つ。

 

「・・・よく分からねぇけど・・・これでこいつは俺の専用機になったってことか・・」

 

「そういうことだ」

 

と、レイはグランプラズマカッターを構える。

 

「さて・・・真の姿になった白式の力は、どれほどのものか・・・試させてもらう!」

 

そしてレイは刀身先端を一夏に向けた。

 

そして、白式の手には、さっきのブレードが変化したものになっていた。

 

「・・・『雪片弐型』?雪片って・・千冬姉が使っていた武器の名前じゃないか・・・ふっ俺は世界で最高の姉さんを持ったよ」

 

そして、一夏はそれを構えると、刀身が展開し、ビームの刃が出てきた。

 

「だが、そろそろ俺も・・守られるばかりじゃなくて・・・守る側にならないとな」

 

「・・・・・・」

 

「俺は・・千冬姉を守る・・・。そして俺に関係する人を全員・・・守りたい」

 

(・・守りたい、か・・・)

 

「行くぜ!レイ!」

 

「あぁ。その覚悟・・見せてもらうぞ!」

 

そして、レイはスラスターを噴射して一夏に接近した。

 

「うおぉぉぉ!!」

 

一夏も雪片弐型を振り上げた。

 

そして一夏の刃がファントムを捉えたが・・・

 

「何っ!?」

 

すると刃はファントムをすり抜けて、消えた。

 

「どうなってんだ!?」

 

「俺はここだ!」

 

「っ!?」

 

すると後ろからレイが接近してグランプラズマカッターを振り下ろしてきた。

 

「くっ!・・・まだだぁっ!!」

 

そして一夏はウイングスラスターを一気に噴射して急速旋回して雪片弐型を振り上げた。

 

すると雪片弐型の刃がグランプラズマカッターの刃と交じり合うと、グランプラズマカッターの刀身が砕けた。

 

「なに!?」

 

レイはまさかの事態に驚いたが、とっさにスラスターを一気に噴射して急速後退したが、雪片弐型の刃がファントムの装甲をかすめる。

 

「くそ!あと少し!」

 

一夏は悔しそうにしていた。

 

「・・なんて威力だ・・」

 

すると、ファントムのシールドエネルギーが凄く下がり、危険粋に達した。

 

「もう一丁!」

 

と、向かおうとした瞬間、ブザーがなった。

 

 

[試合終了・・・勝者・・・レイ・ラングレン]

 

「え?」

 

「・・・・・」

 

「何で?」

 

一夏はわけが分からなかった・・・。

 

 

 

 

 

「全く・・あそこまで持ち上げておいて・・あれは何だ・・大馬鹿者」

 

と、ピットに戻ると、まず最初にそれだった。

 

「武器の特性を理解しないまま使うからこうなるんだ・・・。明日からは暇な時はISの訓練に励め。」

 

「・・・はい」

 

その様子を、レイは見ていた。

 

(・・シールドエネルギーを用いて、一撃必殺の攻撃を可能にした『シールド無効化攻撃』か・・・だが、失敗すれば自身にも危険がある・・・まさに諸刃の剣だな・・)

 

と、さっきまでの戦闘を思い出し、分析した。

 

白式は、今は一夏の右腕にガントレットとして、待機状態になっていた。

 

(明らかにアクセサリーじゃなくて防具だよな・・・)

 

そして、自分の待機状態のISを見るが、特に変化は見られない。

 

(・・それにしても、なぜファントムの色と違うんだ?)

 

ファントムの色は黒であるが、待機状態である腕輪はなぜか白だった。

 

(まぁいいや・・・。だが・・・)

 

そしてレイはあの時の戦闘を思い出す。

 

(・・あいつにやらせれば面白うそうだな・・・)

 

そしてレイな何かを思いついたようだった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌朝・・・・

 

朝のSHRで・・・・

 

「では、クラス代表は・・・織斑君に決定しました。」

 

と、山田先生は嬉々として喋っている。

 

そしてクラスの女子も盛り上がっていた。

 

一夏は何のことか分からなかった。

 

「先生。質問いいですか。」

 

と、一夏は手を挙げた。

 

「何でしょうか?」

 

「俺昨日試合に負けたはずですが・・・何でですか?」

 

基本試合・・・・というよりは、テスト最中であったが、代表候補はレイに決まったが、一夏も一応候補に入っているので、候補決定戦の第二ラウンドという形であった。

 

「それは・・・・・ラングレン君が辞退したからです」

 

「え?」

 

「そういうことだ」

 

と、レイは答えた。

 

「何でだ?代表はお前が適しているはずだろ?」

 

「・・・俺はそんな面倒なことはしたくないんだ・・・・・というのは冗談で、お前の今後の成長に期待して、代表を譲ったんだ・・」

 

「・・・・・・・」

 

一夏は呆然とした。

 

「ラングレン君・・・男らしい!」

 

と、一部の女子が言った。

 

「今後よろしくな・・・クラス代表・・・織斑一夏」

 

と、グッと一夏に向けた。

 

「と、言うわけだ・・・代表は織斑一夏。依存はないな」

 

クラスは一夏以外「はーい」と返事をした・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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