No.393343

雷を司る昆虫の王者

十河さん

愛琉が何者かわかります。

2012-03-17 22:11:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2657   閲覧ユーザー数:2577

その夜・千冬の部屋

 

ここに一夏、箒、セシリア、鈴を呼んだ唯。

千冬と束、愛琉もここにいる。

 

「さて、どうして私の部屋で話をしたいなんていったんだ、唯。」

 

今はプライベートなので下の名前で呼ぶ千冬。

 

「昼間の出来事を説明しようと思ってな・・。鈴。」

「わかってるわ。」

 

唯はそういってオーズドライバー、メダルホルダーをテーブルに置く。

鈴もバースバスター、バースドライバーを置く。

そして唯は説明をする。

 

円山から生まれた怪物はヤミーと呼ばれ、人間の欲望をエサに成長するということ。

そしてそれを生み出す親がグリードと呼ばれる怪物。

ヤミー、グリードを倒す戦士・オーズ。

メダルホルダーの中にはオーズの力の生命線とも言えるコアメダルがあった。

鳥系グリード・アンクの赤、虫系グリード・ウヴァの緑、猫系グリード・カザリの黄、重量系グリード・ガメルの白、そして水棲系グリード・メズールの青が納められていた。

一夏たちに話していないが実は唯の体内には恐竜系の紫がある。

その力は強大でその気になればISはおろかコアメダルをも破壊する力を秘めている。

同じ色のメダルをそろえることで強力な力を発揮するコンボのこと。

ドライバーとメダルホルダーは休みで行った遺跡で偶然発見したこと。

セルメダルを解析、束と愛琉ともにメダルシステムを開発。

カンドロイド、ライドベンダーを作った。

メダルシステムの最高到達点がバースシステム。

中国で鈴と出会い協力してヤミーを撃破、そのままバースシステムを託したこと。

 

「とまぁこんなところか。」

「ちょっと待って。それじゃあ、鈴も仮面ライダーになれるの?」

「そのとおりよ。私が変身するのは仮面ライダーバース。唯みたいに何らかの素質がある人しか変身できないオーズと違って誰でも変身できるわ。」

 

それを聞いた一夏と箒が立ち上がる。

 

「だったら私たちにも!」

「やめときなさい。誰でもなれるといっても相応の訓練は必要よ。」

「私は日本代表候補生よ!」

「私は剣道で全国制覇をしたぞ!」

 

一夏と箒は力強く言う。

鈴はそんな2人を見てため息を吐く。

 

「ならついてきなさい。束さん、あと何機か製作をお願いします。(ボソッ)」

「わかったよ。りーちゃん。」

 

鈴は一夏、箒を連れ部屋を出る。

千冬は束が鈴を愛称で呼んでいるのを見て驚く。

 

「しかし驚いたな。束が鳳に心を許すとは。」

「束は一度ヤミーに寄生された。束の欲望は一夏、箒、姉さん、俺以外の人物を全て消し去りたいと・・。」

 

唯は思い出す。

束がヤミーに寄生されたときのことを・・。

あのときの束は周囲に壁を作って拒絶していた。

そこをグリードに目をつけられてしまった。

 

「フフ、その欲望・・開放しなさい。」

 

そして生まれたのはピラニアヤミー。

大量に傷ついていく人たちを見て唯は束に怒りの声をぶつける。

 

「束!これがお前が本当に望んだことなのか!?このことを箒が知ったら箒は悲しみ、自分を追い込む!お前も俺を改造した医院長たちと変わらないことをしているんだぞ!」

「うう・・私は・・私は・・。」

 

唯の言葉を聴き、束はひざを突き泣き始める。

 

「ゆいにゃん!お願い!その欲望・・壊して!!」

「了解!!行くぞ!!」

 

束は自分が間違っていることに気づいた。

唯はそれを汲み取り緑のメダル・・クワガタ、カマキリ、バッタをセットしてスキャン。

 

「変身!!」

 

唯はこのとき初めて・・。

 

(クワガタ!・カマキリ!・バッタ!)

(ガ~タガタキリッバ♪ガタキリバ♪)

 

コンボを使った・・。

オーラングサークルが緑一色になる。

電撃の広域攻撃ができるクワガタヘッド、腕にカマキリソードを装備したカマキリアーム、キックとジャンプを強化できるバッタレッグ。

これが雷を司る昆虫の王者・・ガタキリバコンボ。

 

BGM:Got to keep real(歌:織斑唯&篠ノ乃束)

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

オーズ・ガタキリバコンボは緑の波動とともに咆哮を上げ、特殊能力・ブランチシェードを発動し50人の分身を作り群れに突っ込む。

 

「ゆいにゃんが増えたー!?」

 

驚く束を尻目にオーズGKBはピラニアヤミーを一気に減らす。

単体ではかなわないと判断したのか集合体の巨大ピラニアヤミーとなる。

だが、オーズGKBは臆することなく一斉にオースキャナーでスキャンする。

 

(スキャニングチャージ!)

 

ピラニアヤミーは強力なビームを放つがオーズGKBはこれをジャンプでこれを回避、そのまま必殺技のガタキリバキックを叩き込む。

 

「せいやぁぁぁー!!」

 

50人のガタキリバキックを受けたピラニアヤミーは爆散。

オーズは変身を解くがふらつく。

 

「大丈夫!?ゆいにゃん!」

「ああ・・。」

「ふふ。面白いわね。あなた。」

 

2人は女性の声がした方向を向く。

そこにいたのはシャチの頭をしており、足はタコのような怪人だった。

唯はふらつきながらも束を守るようにして前に立ちメダルを取り出す。

 

「・・っ。何だ?お前は?」

「そう身構えないで。私はグリードの一人・・メズール。そのウサギにメダルを入れたのは私。」

「何のためにそんなことを!?」

「人間の欲望がどれほどのものかを見たかったの。だけどもういいわ。あなたに興味を持ったから。」

「・・信じられないな。」

「ならこうしましょう。あなたたちと一緒に行動させて。そして私は一切ヤミーを生み出さない。」

 

唯はメズールの目(?)を見る。

それで信じたのかため息をひとつ吐く。

 

「わかった。けどお前人間になれるのか?」

「フフ、問題ないわ。」

 

メズールはそういうと人間に姿を変える。

スタイルは束に負けないほどの巨乳でスラッとした長い足が特徴だ。

 

「これでどうかしら?」

「問題ないよ!よろしくね!いるちゃん!」

「いるちゃん?」

「水樹愛琉。それがいるちゃんの名前だよ!」

 

束が勝手に名前を決めたことに呆れる唯だが愛琉に右手を差し出す。

 

「束はもう・・。まぁ、よろしくな。愛琉。」

「ええ、こちらこそ。」

 

メズールは唯の手をとり握手を交わす。

こうしてメズール改め、水樹愛琉は唯たちと行動を共にするようになった。

3人で協力してメダルシステムを製作したり、愛琉のIS適正が高いことが判明して驚いたりあの一件以来束の他人嫌いが大幅に改善されたり・・。

いろんな出来事があった。

 

メズールから聞いた話を思い出すと残りのグリードであるウヴァ、カザリ、アンク、ガメルは復活していないらしい。

だとしたらいったい誰がクモヤミーを作ったのか・・。

 

(あの医院長か・・?もしくは卑怯者・・。あいつらもコアを何枚か自分自身に取り入れたらしいからな・・。)

 

思い当たる人物を頭の中に浮かべるが頭を振り、その考えを消去する。

 

(あいつらが来ようとも俺が必ず守って見せる・・!)

 

決意を新たにする唯。

 

鈴SIDE

 

ここからはあたしね。

あたしは一夏たちを引きつれ中庭に来てる。

前方に使われなくなった植木鉢をおいた。

 

「見てなさい。」

 

あたしはメダルポッドを上に差し込んだ後、下の持ち手の部分にセット。

トリガーを引く。

あたしが撃ったエネルギー弾は寸分の狂いもなく植木鉢にヒット。

 

「ふぅ、こんなところね。一夏。やってみなさい。」

「わかった・・。」

 

あたしはバースバスターを一夏に渡し、植木鉢を並べる。

 

「いいわよ。」

「よ~し・・。」

 

一夏は意気込んでトリガーを引く。

だけど・・。

 

「うわ!?」

 

やっぱりか・・。

一夏は反動に耐え切れずに後ろに吹き飛ぶ。

 

「いたた・・。」

「一夏、大丈夫?」

「鈴、ありがとう。大丈夫だよ。」

 

あたしは一夏に手を差し出す。

一夏は手をとり、立ち上がる。

 

「情けないぞ、一夏。」

「次は箒ね。」

 

あたしはバースバスターを拾い、箒に渡す。

 

「フ、この程度なら・・!」

 

箒はバースバスターを構えてトリガーを引く。

 

「くぅ!?」

 

やっぱり箒も反動に耐え切れず吹き飛ぶ。

 

「箒、大丈夫?」

「すまない・・。」

 

箒も手をとり立ち上がる。

 

「わかった?バースになりたいならまず生身でバースバスターを扱えるようになりなさい。それと、代表候補生だの、全国制覇しただのそんなのは忘れなさい。これまでどおりの鍛錬じゃ、これを扱うことはできないわよ。」

「うん!絶対にそれを扱えるようになって見せる!!」

「あ、バースバスターは束さんに言って作ってもらってるからしばらくは体を鍛えときなさい。」

 

あたしはそういい残して後片付けを始めた。

 


 
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