No.393144 IS〈インフィニット・ストラトス〉 転生者は・・・ISさん 2012-03-17 16:41:12 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:9343 閲覧ユーザー数:8918 |
「全員揃ってますねー。それじゃあSHRはじめますよー」
今自己紹介したうちのクラスの副担任山田真耶先生。
本当に身長低いな……てか、胸で体のバランス崩壊してないか?
「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」
「………」
そして変な緊張感に包まれ、静かな教室。
「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」
ちなみに俺はこの副担任に対してかわいそうだな~とかは考えたりしない。
というか、今は余計なことをしたくは無い。
理由は簡単。
ご存知の通り? ここに居る俺と一夏以外、クラスメイトは全員女子だから。
(ちょっ、本当にナニコレ!……珍○景じゃないぞ? 本当にここに居て良いのかすら不安になるんですけど)
真ん中の席。その先頭でもう一人の男子、『織斑一夏』は誰かに視線を送って……うなだれた。
「織斑くん。織斑一夏くんっ!」
「は、はいっ!?」
うん、原作どおりだな……くっ、ゴメン笑いがっ!
俺が笑いを堪えていると、一夏の自己紹介が始まった。
「えー、えっと織斑一夏です。よろしくお願いします」
いやーな沈黙。
クラス中の女子が『もっとなにか喋ってよ』の目線を一夏に送ってる。
「………」
一夏、横に目線送ってもどうせ取り合ってもらえないから。
「……以上です」
がたたっ
教室のそこらで聞こえるずっこける音。
ギャグパートだね、わかるよ。その証拠にすぐさま元通りになったから。
そして後ろを向いている一夏の背後から忍び寄る影。
パァンッ!
……それって本当に出席簿から出て良い音なのか? 誰か答えてくれっ!!
「げぇっ、関羽!?」
パァンッ!
はい、2撃目。
それよりもやっぱり一夏ってバカなんだな。そんなこといえば叩かれるって分かってるだろうに……。
しかも音がデカイから、女子が若干引いてるんだけど。
「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」
いま一夏を叩いたのは、皆さんご存知『織斑千冬』先生。
……うん、もう呂布とかで良いと思うんだ。
ギロッ
睨まれた……考えることを読む力でもあるのかあの人は…怖い。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
「い、いぇっ。副担任ですから、これくらいはしないと……」
「諸君、私が織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ないものには出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛えぬくことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」
それは脅迫って言うと思う今日この頃の俺だ。
つーかこの人に逆らう人が居るとは思えない。逆らったら最後……ご愁傷様です。
しかもそれが簡単に想像できてしまうことが余計に怖い。
「キャーーー! 千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉様にあこがれてこの学園に来たんです! 北九州から!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて、嬉しいです!」
「私、お姉様のためなら死ねます!」
耳ガッ、耳がぁ!! ……なんてことは無いが、うるさい。
そして三番目、どこから来ようと関係ない。むしろここには外国から来てるやつもいるから。
あと最後のヤツ、じゃあ死ね。たぶん今ここから居なくなることが織斑先生のためだから。
「……毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か? 私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」
恐らく後者だと思います。
「きゃああああっ! お姉様! もっと叱って! 罵って!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように躾をして~!」
ご覧の通りなんで。
つーかここはなんなんだ? ドMの集まりか何かなのか?
「で? 満足に挨拶もできんのか、お前は」
「いや、千冬姉俺は―――」
パァンッ!
「織斑先生と呼べ」
はい、3発目。一夏の脳細胞は1万5千個死滅したようだ。
「……はい、織斑先生」
そろそろ一夏が不憫に思えてきた。
「え……? 織斑くんって、あの千冬様の弟……?」
「それじゃあ世界で二人だけISを使えるって言うのも何か関係が?」
「ああっ、いいなぁっ。代わってほしいなぁっ」
最後のヤツはともかく、もちろんもう一人は俺だ。
すでに世間には公表されているらしい。俺がこっちに来た後だがな。
「さて、もう一人の男子。自己紹介をしろ」
「……はい」
指名されちったぜい。
やべっ、準備してなかった! みんな見てるんだニャー。
「えー、玖蘭拓神《くらんたくみ》です。趣味は読書とモノ作り。あとは…専用機持ちです。一年間よろしくお願いします」
専用機持ちのところは、自分のネックレスを持ちながら言った。
よかった、何も言われなかった。
……まぁ、誰も織斑先生に叩かれたくはないものな。
「まあ、いいだろう。これでSHRは終了だ。諸君らにはこれからISの基本動作を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染みこませろ。いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ」
だから、それは指導という名の脅迫でしょ……理不尽だ。
◆
「ふむ……」
授業の一時間目でわかったこと。
どうやらISについての基本的なこと……経験以外、知識については理解できた。というか、なぜか分かる。
――ティエリア、これは……
――あの神の仕業……いや、恩恵だろう。
――だよな。
やっぱりか、ありがたいな。
さてと、一夏に接触しなきゃな。女子の中で唯一の男子が他に居るとかなり安心感がある。
「えっと、織斑一夏……でいいんだよな?」
「ああ、えっと、玖蘭拓神か。俺のことは一夏でいいぜ」
「んじゃ、俺のことも拓神でいい」
「わかった。それにしても助かったよ。他に男子が居てくれてさ」
「それは俺もだ。男子一人は耐えられない」
うんうん、と頷きあう俺ら。
そのあと、がしっと握手をしたところで。
「……ちょっといいか?」
「え?」
「あっと、篠ノ乃さん……だよね?」
「ああ、そうだ。一夏を借りてもいいか?」
「だとよ。行ってらっしゃい」
「お、おう。じゃあな拓神」
篠ノ乃さんは、一夏を連れて廊下に出た。
俺はすることがなくなったので、自分の机に戻る。
ちなみに俺の席の隣はのほほんさんこと『布仏本音』。
ぶかぶかの制服を着ていて、手は完全に制服の袖の中。
「よろしくな。えっと……のほほんさん?」
「わぁ~、あだ名で呼んでもらえた~。よろしくね、たっくん!」
なつかしいあだ名で呼ばれたな。
前世での小さい頃のあだ名だぞ、それ。
「おう、よろしく」
さて、のほほんさんとの挨拶を済ませたところでっと。
――ティエリア、これからどうすれば良いと思う?
――突然で意味がわからないのだが?
――ああ、使う機体だよ。
――ん? それならガンダムで良いじゃないか。
――違う。俺が使うのはガンダムでも、どこの世代にするのかってこと。
――それなら、第三世代ガンダムじゃないのか?
――でも強すぎるんだよ、あれ。普通に剣を剣で切るってふざけてるのかってくらいに。
――良いだろう? 手を抜いていると足元をすくわれるぞ。
――それでもだ。能ある鷹は爪隠すってな。
――ふむ……それなら第二世代ガンダムを使うと良い。
――第二世代か……アストレアTYPE-F2は使えるな?
アストレアTYPE-F2なら、第三世代機に半歩歩劣る程度の性能だから問題ないだろう。
――問題ない。
――なら、次からそれで。装備はプロトGNソードとシールド、ビームライフルをあらかじめ用意してくれ。
――了解した。次からISを装備するときはアストレアTYPE-F2でいいな?
――そうだ。任せたぞティエリア。
さて、これでこれからの準備も出来たな……あ、聞き忘れた。
――なあ、GNセファーとかってどうなってるんだ?
――? 展開は可能だ。その機体に装備できるなら、だが。
――たしかあれって、コーン型スラスターの機体になら装備できたよな?
――セファーラジエル第四形態または第五形態と同じ装備方法なら、できるな。
――なら、アストレアTYPE-F2のスラスターをスリースラスタータイプからコーンスラスタータイプに換装する用意と、GNセファーのプロトGNビットを第四形態でTYPE-F2に装備する用意を整えておいてくれ。
――わかった。調整に加えプロトビットのカラーリングの方も変えておこう。
――ああ、こっちよろしくな。
――了解している。
これで一応はよし。
さて、学園生活を楽しませてもらうとしようか!
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第7話『クラスメイトは全員女!?』