第2話 クエスト前日
あの後俺はいろいろな質問をされた。「好きな食べ物は?」とか「趣味や特技は?」とか「好きなタイプは?」などは、簡潔にしっかりと答えた。よし、あの質問はないな。心の中で一安心してる俺にあの質問がやってきた。
「タイチってどっから来たの?」
やはりくるか。いつかはくると思ってずっと頭の隅っこで考えていたが、いまだに答えが浮かばない。最初は正直に「俺は異世界から来たんだ」みたいなことをいってやろうと思ったが、そんなことを言ったら絶対に怪しがられる。手ににじむいやな汗。
どうする!俺よ!何かいいのは...あった!よしこれならいけるぞ!
目の前ではまだかまだかと期待している二人の女の子。ちなみに現在、俺はコンパの家のいすに座っている。ネプテューヌたちはいすの正面にある1,2分考えたところで俺は
「実はさ、俺は小さい頃の記憶がないんだよね、「私も記憶がないんだよ!」...え、そうなのか!」
「はい、ねぷねぷは記憶喪失なんです」
「頭でも打ったのっか」
「実は、私がねぷねぷを見つけたのは数日前です。」
「見つけたってどういうこと?」
「ねぷねぷは私の家の前で地面に頭から刺さっていたです。」
頭から刺さっているなんか、今まで聞いたことがないぞ。不思議な世界だな。
がちゃ
扉の開く音がした。誰か、来たのか。俺は無意識に横においてある大剣を右手でつかんでいた。ネプテューヌが俺の行動に驚いたのか、あわてて「だ、大丈夫だよ、タイチ」といってくる。
「す、すまん」
何で俺はこれを手にしてるんだ?自分でもなにをしているのかわからなかった。動揺する俺を置いてさっき入ってきた人物がネプテューヌたちに話をかけている。
「ネプ子、コンパこの人誰?」
俺のほうを指差す少女。こらこら指を指すんじゃない。そんなことはいいとして、さっきの行動はなんだ。いや、深く考えてもしょうがないな。今のはただの防衛本能だろ。
俺は彼女にネプテューヌたちと会うまでの経緯を話した。もちろん自己紹介もしておいた。彼女と話すことでいくつかわかったことがあった。彼女の名前はアイエフ。ダンジョンでネプテューヌたちと知り合ったらしい。彼女たちの旅の目的は各大陸にひとつずつある鍵の欠片というアイテムを探しているらしい。すでに、プラネテューヌでは見つかっているらしい。このアイテムを集めることでネプテューヌたちに助けを求めている、なぞの少女を助けるらしい。なぞの少女の名前は、イストワールさんだそうです。
イストワールどっかで聞いたことがあるようなないような。
で、その子は下界のどこかにつかまっていてそんな彼女と唯一はなせるのは、ネプテューヌだけらしい。彼女は自慢げに「私だけが、交信できるんだよ!すごいでしょ、だからほめて!なでて!タイチ!」ソファーから立ち上がり俺に抱きついてくるネプテューヌ。
「えらいな!ネプテューヌ。そして、かわいいな!」
かわいかったので、つい、抱きしめてしまった。顔を真っ赤にして俺の胸にうずくまるネプテューヌ。これ、結構いいなあ。う、なんだこの背筋が凍るような感じ、これが殺気か。か、身体が動かない!
「「タイチ(さん)」」
「はいぃぃ!」
次の瞬間、二人は俺とネプテューヌをベッドに押し倒した。もちろんアイエフとコンパもわざと一緒に倒れた。俺はすぐに異変に気付いた。俺の唇に、ネプテューヌの唇が重なっていた。ネプテューヌも気付いたらしく顔を真っ赤にする。左右には俺の腕にしがみつきすでに寝てしまった二人。布団に入った瞬間寝るなんて、お前らのび〇君かよ。とりあえず、この状況をどうにかしなければ、だが俺は二人に腕を押さえられてるから動けない。
1分経過
俺の唇はいまだにネプテューヌの唇と重なったままだ。
5分経過
「ん、タ、タイチごめんね」
彼女はうつむきながら顔を真っ赤にしながらにそういった。そんな彼女に対し、俺は微笑みながらいった。
「ネプテューヌ、おれでよければいつでも....」
その先は、恥ずかしくていえなかった。相変わらず、情けないな。ネプテューヌはいまだに顔を真っ赤にしていた。
「俺って幸せなのかな?」
誰にも聞こえないぐらい小さな声でそうつぶやいた。この幸せがずっと続くといいな。
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さあ、第二話です。
ネプテューヌたちのパーティーとなったタイチ。
キスシーン有り!
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