ティターンズが亡国機業の欧州拠点を強襲している時と同じくして、亡国某所にある亡国機業の本拠地も謎の集団に襲撃されていた。
「なんなんだあいつ等は!?突然何も無いところから現われたぞ」
「そんなことはいい。早くISを出撃させて」
「今やっています。それよりも早く退避を。ここは危険です」
亡国機業のメンバーは何とかISを出撃させて反撃しようと試みるが、しかし。
「こちらエコーズ4。ISの格納庫と思わしき施設を発見しました、破壊許可を」
「エコーズ1、了解した。周辺施設も含め徹底的に破壊しろ」
エコーズ4は両機と共に手に持つバズーカを格納庫へと向けそして無慈悲にもトリガーは引かれた。
360mmバズーカが発射され、夜の闇を照らすロケットの光が格納庫に着弾し、轟音と爆炎とで格納庫を吹き飛ばす。
更に60mmバルカンの嵐がアスファルトで舗装された道や鉄筋コンクリートのビルを瞬く間に蜂の巣にしていく。
闇夜に浮かび上がる巨大な影、そう地球連邦が開発した新型兵器MSの姿がそこにはあった。
特殊任務用にコロイド技術を応用した新型ステルスを装備し、ISのハイパーセンサーでさえ捉えられないステルス性をもち、18mもの巨体を気付かれることなくここまで隠匿する事が出来た。
ジムをエコーズ用に改良したこの機体は、隠密性以外にも特殊作戦用に部品をバラバラにして国内に持ち込めるように改造されており、実際某国に輸送する際重機の部品だと偽りまんまと国内に持ち運ぶ事が出来たのだ。
実際MSの本来のコンセプトは宇宙空間での作業用機械なのであながち間違ってはいないが、四機のエコーズ仕様のジムは順調に組み立てられこうして某国機業の本拠地を蹂躙していく。
また完璧を期すためにミノフスキー粒子を限定的ながら散布し、相手の通信索敵手段を奪ったのも大きく某国機業は頼みの綱であるISを破壊されたあとは然したる抵抗も出来ずただ破壊されていくのを見ることしか出来ない。
「エコーズ1から各機へ。潜入したチームがISコアの奪取に成功した。これより脱出支援の後処理を行う」
混乱を突き、エコーズ陸戦隊が装甲車両と共に基地内に潜入し激しい銃撃戦を潜り抜け各国から奪われたISコアを奪還する。
因みにスコールというISパイロットだが、格納庫から出撃しようとした時にバズーカの直撃を受け消炭となっていた。
エコーズ陸戦隊の脱出を確認したエコーズMS隊は最後の仕上げとばかりにある物を基地の中央部に投下し、闇夜に紛れて基地を離脱する。
某国機業の生き残りは何とか瓦礫の山から這いずり出てきて、生存者の救出や他のメンバーに本拠地襲撃を伝えようとするも、突如として基地中央部から閃光が迸り基地を包む。
気化弾頭爆弾
周囲の空気を一瞬で燃焼させ広範囲を跡形も無く吹き飛ばす。
その閃光を後ろ目に確認したエコーズは、夜陰に紛れその日のうちに国境を越え本国へと帰還する。
表向きは地中海での作戦で某国機業は壊滅したことになっていたが、ここ以外にも海外の拠点に地球連邦の特殊MS部隊が派遣され、世界の目が地中海に向いている間に地球連邦は不穏分子の抹殺を成し遂げ、こうして世界を騒がせたテログループはあっけなく崩壊した。
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第二十一話