キラッ☆
ある日、空から白い流星が降って来た。
ゴーーーー・・・・・・
流星は地上へ向かい、そのまま
ドゴーン!!
激しい音と共に激突した。
新たな外史の幕開けであった。
そして一刀はいつもどおり眠って・・・・・・
「む!?むー!むー!!」
おらず、すぐ目覚めた。
何故かと言うと、今の一刀は初めてカメハウスにやって来たク〇リン状態、地上版犬神家、ようするに地面に頭から突っ込んでいたのである・・・・・・
ジタバタジタバタ!
一刀は足だけ必死に動かすが、しっかり嵌ってしまったようでぐらつきもしない。
というか、すっかりパニックになっており、どうすればいいか分からないようだった。
ただジタバタするだけである。
そんな中、
「流れ星が落ちてきたのが見えて来てみたら、これは・・・・・・」
「面白い物が見れましたね~~~」
「うむ、全くだ」
一刀の側に、何時のまにか三つの人影があった。
そこにいたのは星、風、稟の三人。
「そんな事を言っている場合ではないでしょう」
「そですね~~。星ちゃん、助けてあげましょう」
「そうだな。何故このような事になっているのか聞いてみたい」
そう言うと、星は一刀の暴れている一刀の両足を持って、
「ぬん!」
一気に引っこ抜いた。
しかし勢いがつきすぎて
ゴン!
「ぐあっ!」
一刀は頭部を強打したのだった。
「おっと、力が入りすぎてしまったか」
「ぐおおおお・・・・・・」
頭を抱えてゴロゴロ転がる一刀。
「いや~、見てて飽きないですね~~」
「・・・・・・不憫な」
来て早々、ギャグの王道を連発する一刀であった・・・・・・
しばらく転がっていた一刀だったが、痛みが治まると頭に手をやりながら立ち上がった。
「大丈夫ですか?」
「もう少し丁寧に助けて欲しかった・・・・・・」
「いやあ、申し訳ない」
「でも、とても面白かったのですよ~~」
「そりゃ見てる方は面白いわな、風は相変わらず意地が悪いぜ・・・・・・」
「「「!!」」」
そう一刀が言った瞬間、三人の顔が強張り、
「貴様!」
星が槍を一刀へ突き出して来た。
「おお!?」
一刀はかろうじてそれを避け、後方へ飛びずさった。
「本人の了承も得ず、勝手に真名を呼ぶとは何事です!」
「・・・・・・ああ」
稟の怒声に、一刀はやっちまったなと思った。
(新しく始まったんだったよな、しかし・・・・・・)
それと同時に、前の事は覚えてなかったんだなあ、とも思い、少し残念に思った一刀だった。
「・・・あの」
そんな時、風が口を開いた。
「一つ聞きたいのですが」
「ん?」
「どうして風の真名を知っていたのですか?それに、さっきの口振りからして、風と面識があるようでしたが・・・・・・」
それを聞いて、稟と星もハッとする。
見ず知らずの他人が、風の真名を知っている。
先程の会話の中で出てきた星ならまだ分かるが、風の名は一度も出ていない。
では何故?
「ん~~・・・・・・」
一刀がどう言ったものかと考えていると
「あれ?」
ふと、一刀がそんな声を出した。
「どうしました~~?」
「いや、頭の上」
一刀がそう言って、風の頭の上にいる宝譿を指差した。
一同が目をやると、宝譿は何かを伝えたいのかジェスチャーのような動きを繰り返していた。
「これは一体・・・・・・」
「風?」
「むーー・・・・・・稟ちゃん、手鏡を貸してもらえますか?」
「え、ええ・・・・・・」
荷物から手鏡を取り出す稟。
風はそれを手に取り、宝譿の動きをじっくり観察していた。
「稟、宝譿とは何なのだ?あれは風が動かしていたのでは無かったのか?」
「喋っていたのは風の腹話術の筈ですが、そういえば動きの原理については全く知りませんね・・・・・・」
少し離れた所で、こそこそ内緒話をする星と稟。
そして、風が宝譿の動きを見ている所を、一刀は興味深げに眺めていた・・・・・・
しばらくして
「む~~・・・・・・稟ちゃん、手鏡をお返ししますね~~」
宝譿の動きが収まり、手鏡を稟に返す風。
「何だったのですか?あの宝譿の動きは?」
「ちょっと待っててください。そこの風の真名を呼んだお兄さ~ん」
「ん?」
見てるのに飽きて、地面で一人〇×ゲームをしていた一刀が風の声に顔を上げた。
風がすたすたと歩み寄ってくる。
「お兄さんにちょっと、聞きたい事があるのですが」
「何だ?」
そう言った一刀に、風は耳打ちした。
「・・・・・・新しい外史で、お兄さんはどうするつもりなのですか?」
「!」
驚いた顔で風の顔を見る一刀。
「ふむ、どうやら本当だったようですね・・・・・・」
納得したように言う風。
「・・・記憶、あるのか?」
「いえ、全部宝譿が教えてくれたのです」
そのまま顔を近づけてぼそぼそと喋る二人。
「凄すぎだろ宝譿、っていうか、宝譿って実際何者なんだ?」
「宝譿は宝譿ですよ」
「・・・・・・そうか。まあそれはいいや」
「それで、質問の答えは?」
「・・・・・・」
少し沈黙した一刀
そして大きく息を吸って一刀は言った
「俺がここから消えない方法探して、それでいて俺の周りにいたやつらが誰一人欠ける事のない未来を手に入れる。それが、俺がここに来た理由だ」
「・・・・・・そうですか」
「ああ」
「・・・・・・なら、風もお付き合いしましょう」
「いいのかよ?お前らの旅の目的は・・・・・・」
「見識を広める事。そして仕えるべき主を見つける事が大きな目的ですが~~・・・・・・」
「だったら・・・・・・」
「お兄さんについていけばどちらも満たされそうなので、問題ありませんよ~~」
相変わらず間延びした声で平然と言う風。
「いや、お前がついてきて来てくれれば助かるけどよ、あいつらはどうする?」
一刀は目線を、風の後方にいる星と稟に向ける。
「あいつらにこの事言っても、多分信じねえぞ?」
「う~ん、そうですね~~・・・・・・」
む~と唸りながら目を瞑る風。
そして結局・・・・・・
「風はこのお兄さんについて行く事にしました~~」
「「・・・・・・」」
風の突然の言葉に、呆気に取られる二人。
あの展開から何故こうなったのか、全く理解できなかったようだ。
話し合いの結果、二人に外史の話はしない事にした。
風には宝譿と言う信じられるものがあったが、二人にはそこまでのものが無い。
誇大妄想狂と思われるのがオチである。
二人の真名を言うと言う事も考えたが、逆効果になるかも知れなかったので止めた。
風の真名については、実は子供の頃に近所に住んでいて、何処かへ引っ越した幼馴染だったとごまかした。
「会った時気付かなかったんですか?風」
「何分昔の事でして・・・」
「俺はすぐ気付いたけどな。頭のやつは子供の頃からあったし」
「そんな昔から宝譿が・・・・・・」
二人共少々疑わしそうではあったが、他に思い当たる理由も無かったのでそれ以上言及しなかった。
と言う訳で、話を戻そう。
「・・・・・・理由を聞いても良いか?風」
「そうですね、納得のいく説明をしてもらいたいところです」
風に真剣な顔をして訊ねる星と稟。
しかし、風は相変わらずゆるい口調で
「そうですね~~。お兄さんについて行けば、色々面白そうだと思ったので~~」
と言った。
「・・・・・・それだけですか?」
「はい~~~」
「・・・・・・そうですか」
風の言葉に目を閉じる稟。
「二人も来ませんか~~?」
「「・・・・・・」」
二人は暫く考えて・・・・・・
「・・・・・・良かったのか?」
「はい~~」
二人の立ち去った方を向いて、言葉を交わす一刀と風。
結局、二人は一緒に来るとは言わなかった。
「おそらくその御仁には、何か目的があるのだろう。そして私達には私達の目的がある。その目的が違う以上、一緒に行くことは出来んさ」
「風と別れるのは心苦しいですが、私も同意見です」
こう言って、二人は一刀たちに背を向けた。
「達者でな」
「また縁があれば・・・・・・」
そう言い残して、二人は去っていったのだった。
「っていうか、おまえ自身の記憶は無いんだろ?疑ったりしないのか?」
「まあ、疑っていないと言えば嘘になりますが、宝譿がいいかげんな事を私に教えたりしませんから。それに・・・・・・」
「それに?」
「お兄さんは、稟ちゃんたちが生き残るようにしてくれるんですよね?」
「当然だ」
「でしたら、お兄さんのお手伝いをしていれば、私も友達を失くさずに済みますし、大陸も平和になる。いいことづくめじゃあないですか~~」
「ああ、道は険しいがな・・・・・・」
「始める前から弱気ですか~~?」
「ちげーよ。そうだと分かってるから、本気でやんねーとなって気合入れなおしてたんだよ」
「そうですか。まあ、今から弱気でいるようだったら、見限って今からでも稟ちゃんたちを追いかけようかと思ってましたが・・・」
「お前・・・・・・」
「風に見限られないように、頑張ってくださいね~~」
「・・・・・・おう」
風なりの激励だと受け止め、一刀は頼りになりそうで、ならなそうな相方を連れて歩き出した。
自分の望む未来を目指して・・・・・・
おまけ
・・・・・・が、すぐ戻ってきた。
「俺の武器はどこだ~~!!」
途中で武器が無かった事に気付いて、自分が落ちた地点に戻ってきた一刀。
必死の捜索の末、見つかったのは真桜ちゃんのからくり箱だけで、怒龍刀と斬鋼剣は見つからなかった。
二つの武器は、一体何処にいったのか?
それは全く分からなかった・・・・・・
どうも、アキナスです。
そんなこんなで外史にやってきた一刀君。
お供を引き連れ、次に向かうのは一体何処なのか?
そして、消えた二つの武器の行方は?
色々な謎を残しつつ、次回に・・・・・・
「超裂破弾!!」
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ついに外史に降り立つ一刀。
そこで・・・・・・