No.336674

魏エンドアフター罪を背負いながらも…… 一話

DOWANNGOさん

こんにちわ~
新作品で~す。
及川も出るよ!
始まり~

2011-11-19 19:09:02 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:4802   閲覧ユーザー数:4099

俺が華琳の所から消えて一年が過ぎた。

あれから爺ちゃんと修行して力を手に入れた。

学校で一生懸命勉強して智も手に入れた。

でも……満足できない。

何故かは分からない。

何が不満なんだろう?

武では現代の剣聖と呼ばれている爺ちゃんにも勝った。

智では全国模試の総合教科の順位で一桁を取った。

これ以上上は無い筈だ。

なのに俺の心は満たされない。

もし目の前に不審な男が現れて『あの世界に戻してやろう』とか言っても

俺は今のままでは首を横に振るだろう。

それ位満足できていないんだ。

 

「『過ぎる欲は身を滅ぼす』爺ちゃんから言われてた筈なんだけどな……」

 

今の俺は欲が過ぎる。

一度休学届を出して修行をし直した方が良いかもしれないな……

そんなことを思っていると

 

「かずぴ~どうしたんや~?」

 

そんな声が聞こえると前ろから俺の悪友である及川が抱きつこうとしてきた。

俺にはそんな趣味は無いから殴り飛ばしてどうかしようと思い拳を前に突き出す。

勿論本気は出して無い。

それでも及川を殴り飛ばすのには充分な力だと思っていた。

でも……

 

パシ!

 

「よっと」

 

「な!」

 

及川は柔道技の様な技を使って俺に一本背負いをしてきた。

俺は何とか受身をとって衝撃を減らす。

俺は起き上がって及川を見る。

及川は眼鏡拭きで眼鏡を拭いていた。

 

「かずぴ~、今お前、自分の成績や武を満足してないだろ?」

 

「な…に?」

 

俺は今の成績や武に満足できていないことを誰にも言っていない。

勿論、及川にもだ。それを何で及川が知っている?

その以前に今の拳は力は込めていないが早さはあった拳の筈だ。

なのに何でその拳を及川が見切って一本背負いなんてできた?

 

「かずぴ~、もっと強くなりたくはないか?」

 

「……どういうことだ」

 

俺は警戒しながらそう聞いた。

今の及川は俺の知っている及川じゃない。

警戒するに越したことは無い。

 

「お前を強くして曹操殿の所に戻してやるって言ってるんや」

 

「!?」

 

何でこいつがそれを知っている!?

俺は誰にも華琳達のことは言って無い筈だ。

それなのに何で……

俺の心を読んだのか及川が説明を始めた。

 

「かずぴ~パラレルワールドって知ってるか?」

 

「可能性の世界だろ?」

 

「正解や」

 

及川はそう言いながら歩き始める。

俺も警戒しながら及川の後を歩き始めた。

 

「お前が行ってた世界もそんなパラレルワールドの中の一つや。

色んなパラレルワールドがある。劉備の居ない蜀にかずぴ~が降り立った世界。

劉備の居る蜀に降り立った世界、呉に降り立った世界。

そしてかずぴ~が一年前に居た世界。

それ等全てをわい等は外史と呼んどるんや」

 

「『わい等』?他にも居る様な言い方だな」

 

「おう、居るで。

色々な奴がおる」

 

及川がそう言いながら着いたのは学園の敷地内にある歴史館。

色々な時代の中で使われていた道具や武具が置かれている。

何でここに?

 

「懐かしいのぉ……ここから全部始まったんやで?」

 

「?」

 

意味が分からず首を傾げてしまう。

『全部が始まった』?どう言うことだ?

 

「この鏡からや。

この鏡から始まったんや」

 

「おい!」

 

そう言って及川は銅鏡を投げて来た。

俺は慌ててそれをキャッチする。

傷は無いみたいだ。

 

「ある外史でそれを盗もうとしてた奴が居っての。

その世界のかずぴ~はそいつと戦ったんや。

その時にうっかりそれをかずぴ~が割ってしもうての。

その時にとある外史の突端が開かれたんや」

 

疲れたのか及川は近くの椅子に座った。

 

「ちょっと痛いけど耐えろや?」

 

及川はそう言いながら俺に手を差し出して指を鳴らした。

すると俺の頭に何かの映像が流れて来た。

 

「なん…何だこの映像は……!」

 

これは……記憶か?

これは……桃香の……待て!何で俺が劉備の真名を知っている!?

それに孫策の真名も……!

何故だ!

 

「これは様々な外史の『北郷一刀』の記憶や。

ありとあらゆる世界でかずぴ~は自分の愛した者達を救ったんや」

 

「俺……が?」

 

「そうや、かずぴ~思い出せや」

 

どんどん俺の中に記憶が流れていく。

そして、最後の記憶が流れる。

 

「不味い!かずぴ~!それは見るな!」

 

及川がそう言っているがもう既に記憶が流れている。

まるで地獄の様な記憶。

何なんだこれは……!

 

「ちっ!止むを得ないか!」

 

及川がそう言った瞬間、目の前が暗くなって俺の意識はそこで無くなった……

人が消えていく……

周りの人が消えて人々は叫んで怯えている。

それでも人は消えていく。

周りの人が完全に居なくなった時に一人の男が現れた。

 

『外史の生物を完全末梢。

情報末梢に映る』

 

「何でだ……!」

 

俺がそう言っても男は次々に言葉を発して行く。

周りの景色が消え始めて行く。

 

「何でこんなことをするんだ……!」

 

彼等に何の罪があったんだ!

何の罰なんだ!

 

「『北郷一刀』!」

「は!」

 

俺が飛び起きると先程までとは違う景色が広がっていた。

簡単に説明するとBLE〇CHのル〇アを助けるする時に

一護が卍解の修行をする時のあの洞窟みたいな所だ。

あそこでは色々な場所に斬〇刀が刺さってたがここでは刀が刺さっている。

大して変わらないだろうが。

 

「思い出してしもうたんやな」

 

「及川……俺は……外史の否定派の管理人だったんだな?」

 

その言葉に及川は悲しそうな顔をして頷いた。

そう、俺は外史の否定派だった。

 

「かずぴ~はある日ある外史に降り立ってその外史を監視しとったんや」

 

「その時俺は外史で生きる人々の素晴らしさに気付いた」

 

「そして、かずぴ~は否定される筈の外史を肯定した」

 

「そうだ……全部思い出した……」

 

その後俺は管理人としての才能を上層部から罰として永遠に外史を巡ることを言い渡された。

それが彼女達の居る外史。

そして最後の華琳達の居る世界で……引き離された。

 

「わいは……俺はもう傍観者じゃない。

一刀、お前をあの世界に戻す。

親友としてお前の幸せを切に願う」

 

及川はそう言いながら俺の肩に手を置いた。

俺は立ち上がり及川の目を見る。

及川の目はいつにも無く真剣な物だった。

 

「及川、これから頼むぞ」

 

「任せろ!」

 

そして、俺達の修行の日々が始まった。


 
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