No.310712

異聞~真・恋姫†無双:三一

ですてにさん

前回のあらすじ:皆さんからの詰問を切り抜けたと思ったら、獣散Pの夜が確定しかけていた。
さらに、一刀専任の情報収集部隊の設立についても動きがあった。

人物名鑑:http://www.tinami.com/view/260237

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2011-10-01 13:45:03 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:7189   閲覧ユーザー数:5226

この作品はキャラ設定等が一刀くんを中心に、わりと崩壊しております。原作重視の方はご注意下さい。

時代背景等も大きな狂いがあったりしますので、

『外史だから』で許容できない方は、神速の霞から逃走する感覚で全力で逃げて下さい。

 

オリキャラも出ますので、そういうのが苦手という方も、冥琳の火計から逃げ延びる感覚でまわれ右。

 

一刀君とその家系が(ある意味で)チートじみてます。

物語の展開が冗長になる傾向も強いです。(人、それをプロット崩壊という)

 

この外史では一刻=二時間、の設定を採用しています。

それでもよろしい方は楽しんで頂けると幸いです。

 

 

戦いが終わり、朝日が昇る。というか、もう昇っている。

 

一人最低二回・・・だったか。

華琳、愛紗、鈴々、星、雛里、稟、風、朱里、雪蓮、冥琳、明命・・・お相手は十一名。

二十回を超えた辺りで俺は数えるのを諦めた。

 

華琳の場合は正しくは寝起きに、というのが正しい。あの混沌の世界で、朝までしっかり睡眠を取れる俺の彼女は半端ない。

さらに二回戦程度だと、ケロッとしているあの体力もすごい。

お互いの氣が循環しているやら、そもそも幾月夜を過ごした成果ともいえる、身体の絶妙な相性等の兼ね合いで、

それこそ何回も頂点を見ているのに、少しの気だるさすらも見えない。

 

うん、俺はなんか女性とまぐわう度に氣力精力が増していく身体のようだから、問題といえばこの徹夜明けの眠気だけ。

体力自体は何というか皆から巻き上げている感じだから、昼寝…いや、朝寝か?…を取れば、十分に動けるだろう。

…いや、種馬仕様って判ってるよ? 判ってるけど、自分で突っ込むなんて悲し過ぎるじゃないか!

 

そうそう。なぜか、狂乱の戦場に同席し、雰囲気に飲まれかけた愛理については全力で止めた。

こっそり覗きに来た桃香ですら、あまりに濃すぎる桃色の雰囲気に自主的撤退をしていたというのに。

出会った初日に身体から始まる関係・・・って、流石に俺が躊躇った。

一ヶ月は様子を見よう。熱が引き、元々理知的と思われる愛理に戻ってから、改めて判断してくれ、と。

 

では、せめて・・・と言われ、唇をまんまと盗まれたが、それでもとても不満そうだったのが印象に残っている。

いやね、彼女は女の子なんだから、ほら、妊娠の危険性とかいろいろ考えるべきなんだ。

他の面子はどうだと言われると、むしろ望んでいるとくるもんだから、比較対象にもなりゃしない。

俺が食わせられなければ、自分で食べさせていくから構わん、ぐらいの勢いである。

 

…冥琳辺りなんか、わざとお腹の辺りを愛おしそうに撫でたりしてた。

確かにこの人数です、誰かに宿っていてもおかしくない。

 

が、華琳が確信めいた口調で、現状で可能性があるとしたら、愛理ぐらいだろうと断言していた。

 

華琳はこの手のことで冗談を言う女性じゃない。

彼女の言から、俺の頭で考えられる可能性としては、

一緒に元の世界に帰ると決意しているか、それに近い感情を持っている人たちには、宿りにくいということか?

 

天の世界とこちらの世界の血を半分ずつ引く者は、世界を跨ぐ時にいろいろ都合が悪いのか、

外史の修正力なのか、原因についてはもう想像の範囲外になってくる。

 

多分、貂蝉やら于吉辺りと話し合って出ている予測だろうから、近く聞いてみるべきだな。

帰還の際に、愛娘たちがいるいないでは、戻った後の生活の組み立てすら、いろいろ変わるから。

 

…が。華琳と冥琳が現代の経済を学べば、優秀な投資家になる未来も垣間見える気がしてならない。

あとは雪蓮辺りがギャンブルで負けるビジョンが全く浮かばない。

大勝ちし過ぎないようにだけ、俺や冥琳で気をつけておけば、当座の生活費用に困らない予感すらする。

 

あれ? 呉の主柱の二人を連れて行かないと、俺達大家族の生活も苦しいって見通し? なにそれこわい。

三国一のチート華琳一人だけだと、俺も一緒に頑張っても十年かかるって言ってるしなぁ。

 

「桃香経由で指示して、左慈と于吉が酒家の主に水浴びの用意を依頼に行ったわ。多少の宿賃の上乗せはいるでしょうけど。

さすがにこの臭いを漂わせた全員で川まで移動というのも、町人たちにも毒だしね」

 

少しばかり妄想めいた予想に入りかけていた俺の耳に、華琳の手際のよい行動の報告が入ってくる。

俺の目の前に堂々と裸身を晒す、彼女はとても綺麗だし、なんというかカッコ良さすら感じる。

 

「まさか、その格好のまま、桃香に指示を…?」

 

「そうよ? あの娘の反応、なかなか愉快だったわ。朝になって様子をもう一度見に来たみたいだから、もののついでにね。

交じっていいのよ、と声をかけたら全力で逃げて行ったわ」

 

わざと見せておいて、楽しそうに笑うよなぁ…。まぁ、今の華琳は体型に自信を持っているだろうし。

出るべき所は程よく出ていて、元々引き締まる所は引き締まっているわけで。

桃香のようなおっぱい相手でも、臆することは無いということだ。

 

(ごめんな、桃香…あとで謝りに行こうっと…)

 

そう決めた俺はさっさと仮眠を取るべく、寝台の隙間に滑り込むのだった。

 

 

一刻ほど後。門にほど近い街外れに、幌つきの馬車が二台待機していた。

買い出した商品とか、旅の必需品やら、馬に乗れないぐらいにぐったりしている人達やらが、理路整然と乗せられている。

 

酒家の精算は華琳たちに任せ、俺は一足先にある人物と話をするべく、早めに足を向けていたのだ。

 

「出発準備、出来た?」

 

「あっ、一刀さん♪ うん、大丈夫だよ♪ 動けない皆は馬車に寝てもらってるし」

 

寝不足やら色々理由があるのだが、そこは省略しよう。

ちなみに仮眠を取った俺が一人一人、丁寧にお姫様抱っこで運ばせて頂きました。

幽州組一人ひとりと、ちゃんと言葉を交わしたいという思いもあったわけで。

 

ちなみに呉への同行組はまだ部屋で動けない人が殆どだった。

動けてるのは、華琳とか愛紗と、被害の無い愛理に桃香と、男性陣ぐらい。

 

「華琳の行動に対するお詫びと…あとは、ちょっとした予言をしようと思ってさ」

 

「お詫び…は別に気にしないで欲しいかな、あはは。か、華琳さんだしね」

 

うん、華り…と答える前に、周りの氣を読んでから、っと。よし、気配無しっ。

 

「…うん、華琳だもんなぁ。短い付き合いでも、判っちゃうか」

 

「あ、あはははは…う、うん」

 

どう思っているかは聞くまい。予想とそう変わらないだろうし…。

 

「それよりも…」

 

・・・桃香の声色が真剣さを帯びたものに変わる。

 

「予言、ってどういうことなのかな、一刀さん」

 

「近いうちに、大規模な農民反乱が起こる。それこそ、官軍じゃとても治められないぐらい。

そして、それを治めた各有力諸侯の間で、またもう一つ大きな戦いが起こる。

確実に言えるのは、ここまでかな」

 

「多くの人が、亡くなるって、こと・・・?」

 

本当に辛そうな表情と声。桃香の性格だと演技というのも考えにくい。

この自然に滲み出る『慈愛』の精神が、大陸の現実とあまりにそぐわないという事実。

 

そして、俺が知る限りの彼女たちはその理想と現実が乖離して、矛盾を内包したままに、最終決戦に臨んでいた。

言い方は失礼かもしれないが、なまじ優秀な夢想家の仲良し集団。

華琳や雪蓮の元で、乱を駆けていた当時の俺にはそう写っていたから。

 

「ん、話し合いに持ち込める規模を超えるというか。桃香たちの頑張り次第で、局地的には救える人たちは出るだろうけど、

この漢全体の民の不満が一気に暴発するようなものだから」

 

「一刀さんのことだから、以前の流れと照らし合わせてってことだよね。・・・防ぐ方法って無いんだよね?」

 

もしかしたら・・・という桃香の淡い希望を、俺はばっさりと切り捨ててみせる。

 

「俺は全知全能の神じゃない。国全体の皆の不満を取り除くなんて不可能だ。

・・・手に届く範囲を、せめて精一杯拾い上げていく。それしか、出来ない」

 

出会ってから、短い期間だったけど。俺はあえて言い続けた。

現実から目を背けるな。見つめ続けて、その中で、自分の理想に近づけるように、あがいて、あがいて。足掻き続けて。

そうでなければ、現実を理想に近づけることなんて、こんな狂った国で出来るはず無いんだよって。

 

「・・・私はそれを幽州で、白蓮ちゃんや同行する皆と、頑張るってことなんだよね」

 

「ああ。だから、客将でも何でもいいから、彼女の元で、必死に軍略も政治も少しでも身につけて、

救える人たちを少しでも増やせるように、自身の力を大きくすること。

と同時に、理想の実現の為への先への見通しも怠らないこと。

この辺りは稟が得意にしているから、よく相談するといい。各諸侯間の争いになれば、絶対に疎かに出来ないことだよ」

 

「目の前の現実にも、全力で。でも、先への布石もちゃんと打つ・・・うう、その指針を示すのは私ってことなんだよねぇ・・・」

 

たぱ~っ、っと両目から滝のような涙を流す彼女からは、ほんの少し前のシリアスさんは霧散してしまっていた。

 

「逆にしっかりと『道筋』を示せば、桃香の仲間は実現の為に、必死に動いてくれる。・・・俺も含めてね」

 

「ううっ、私の仲間って実質、一刀さんの奥さんばっかりだもん・・・私のため、というより、一刀さんのためじゃないかな」

 

「うっ」

 

痛いところを突かれた。が、この程度で北郷一刀は怯まない。華琳の言葉の刃に比べれば、そよ風のようなものだっ!

 

「・・・だったら、俺の期待を裏切らないでね、桃香。そうである限り、君の協力者は君に忠実であることを約束しよう」

 

「ううっ」

 

反撃成功。ひどい言い方だとは思う。

まぁ、実質、桃香に表に立ってもらって、裏で蜀の運営に関わっていくぐらいのつもりはあった。

どこかの都市を自分達の拠点にするのはもちろん、三国の一角と濃厚な協力関係になっておきたい願望はあったから。

・・・雪蓮のお陰で、将来的に二国の力を結集できそうな情勢ではあるけど。

え? 金華琳? いやぁ、さすがに華琳二人を相手なんて、それなんて無理ゲーですか。

 

ともあれ、華琳たちが来るまでの間、

反董卓連合までの動き方を、頭に入れつつ、力を蓄えるように、桃香に即席君主教室を施したのだった。


 
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