No.300645

【改訂版】真・恋姫無双 霞√ 俺の智=ウチの矛 一章:話の三

甘露さん

今北産業
・引越し
・お豆腐
・そげぶ

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2011-09-15 18:15:27 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:10179   閲覧ユーザー数:9039

 **

 

 

 

 「──様、本当にこの様な下賤の身分の者が暮らす所に住むのですか?」

 「……ん、もう決めたんや。1ヶ月、ウチ此処で暮らしてみるんや、って」

 「しかし、せめて護衛の者だけでも……」

 「しつこいわっ、ウチが要らん言うたら要らんのや!」

 

 一刀に猫目(仮)と呼ばれた少女は憤っていた。

 しつこいお世話係の少女性愛者やら、やたら護衛をつけたがる成金文官やら。

 もうほっといて、って気分や。

 

 父上から許可はもらっとるんやし(お役所仕事な父上の書類に紛れ込ませた)

 貧民街に土地に家は買ったんやし(少女趣味の文官にちょっと“お願い”してみた)

 あの男の子んコトも調べたし(細作を勝手に動かした、50人くらい)

 

 「大体あんたら束になってもウチに勝てんのに、どないして守るねん」

 「っ、それは、暗殺や毒殺に……」

 「ウチの細作で気付ける程度ならウチが気付くわ。ほれ帰りや」

 「し、しかしっ我々にもし」

 

 抵抗するオッサンを無理やり放り出して、鼻っ先でぴしゃり、とウチは戸を閉めてもうた。

 なんや外でワーワー言うとったけど、二,三刻したら諦めて帰ってまった。

 

 でも、天井裏に一人居るっぽいし、外にも二人?おるっぽい。

 どーせ邪にしかウチのことなんか構わへんのやし、適当に澄ませてくれればええのに……。

 

 とりあえず、や。

 

 見かけるも何もウチが住み着いてまったんやし、これで邪険には出来ん筈。

 名付けて『私、子供が出来たの。貴方の子よ、って既成事実作って外堀から攻めたる』作戦や!

 

 これで、アイツなんで怒ったか、分かるとええなぁ……。

 

 

 **

 

 /一刀

 

 

 どこかで鶏が鳴いた。

 重いまぶたを擦り開くと、まだ辺りは宵闇に包まれている。

 

 

 AM4時。匠の朝は早い…。なんてことはなくただ単純に人より早く起きるだけだ。

 何故かって、そりゃ勿論生きるためだ。

 

 早朝、それは俺にとっての仕事の時間。生きる糧を得る貴重な時間。

 そう、それを人は

 

 

 

 ──アルバイト、という。

 

 

 

 

 ……あ、突っ込みは受け付けないぞ。

 

 

 **

 

 「っはよーっざいまぁーす」

 「あらおはよう。今日も早いのね。はい、これが今日の分」

 

 何処にでもいるような少年になると、俺はごく自然に扉を開く。

 厨房。まさしくソレな内装。むわっとする蒸気に、蒸された大豆の匂いが俺の鼻腔を擽る。

 明るい笑顔で迎えてくれた中年大柄の女主人の手に持つ籠の中で、主賓のそいつは白くぷるんと光った。

 

 

 そう、此処は豆腐屋。何故か中国にある日本の豆腐屋。

 絹ごし木綿ごしバッチコイな豆腐屋。

 マーボー丼作るのに最高な豆腐屋。

 マーボー丼にするとマジ旨い豆腐屋。

 大事なことなので二度言いました。

 

 それが俺のバイト先。

 

 「ん、はいッス。んじゃ、朝日が昇るまでに済ませますッスね」

 

 如何にもな12歳のマセたガキになる俺に、主人さんは人の良さそうな笑顔で竹かごを渡してきた。

 

 「それじゃあ、頼んだわよ。あ、李さんトコは今日は要らないから。

  あと新規で張さんから注文入ったわ。だから全部の数は一緒だけど間違えないでね」

 「はいッス。張さんってどこっすか?」

 「えっとね、栄さんちの横の空家よ。昨日越してきたみたいね」

 「へぇ、あんなとこに越してくるって珍しいっすねぇ」

 「そうよねぇ。あ、でもねmあそこの娘ったら面白い人でねぇ」

 「へぇ、そうなんッスか。んじゃ、行ってきますッス」

 「はーい、気をつけてね」

 

 そうそう、俺のバイトは出来たて豆腐の宅配サービスだ。

 ひょんなことからあの主人さんに紹介されてお仕事もらって、俺が自宅宅配してみたら、と提案したことでいまに至る訳なんだが。

 それは余り関係なく面白くも無いので割愛させてもらう。

 

 何はともあれ、お給金と美味しい朝ごはんの為、

 俺は今日も籠を担いで朝の街を歩くのだった。

 

 

 

 ** 

 

 『あらあら、今日もありがとうねぇ。はい、コレ。小母さんからのお駄賃』

 「わぁ!良いんですか! ありがとうございます!」

 

 と、貰ったのは飴玉。砂糖味でマジでタダの飴だ。

 そこは小銭とかだろ、なんて言う事も無い。俺は分別のある子供なのだ。

 もちろん年相応っぽく猫かぶるのも忘れない。

 

 『喜んでもらえると小母さんも嬉しいわ』

 「はい! いつもご贔屓にして頂きありがとうございます!」

 

 いや、喜んでないんだけどね。流石に24歳が飴玉一つで喜んでたら気味悪いっしょ。

 まぁ、そんな事は言わない。俺は分別のある以下略。

 

 『んふ、本当に、まだ子供なのにしっかりしてるわねぇ。

  ウチの子にも爪の垢煎じて飲ませてくれないかしら』

 「いえいえ、そんなことはありませんよ。それでは僕はこれで」

 

 それじゃあ、明日もよろしくね、と小母さんの声を背に受けながら俺は籠を担いで元来た道を戻る。

 うん、これで後は張さんに配っておしまいだね。

 時間はまだまだ余裕だし、挨拶がてらどんな人か確かめないとなぁ。うん。 

 

 飴玉をころころと口の中で転がして、俺は何となくご機嫌に隣の長屋へ向かった。

 

 

 一分後、俺はこのバイトを選んだ事すら激しく後悔して、感謝することになるのだが、その時は知る由も無かった。 

  

 

 **

 

 

 「おはようございます! お豆腐の配達に来まし……た……?」

 「ん、ああ。ご苦労さ……ん……」

 

 俺は先ず目を疑った。次に頭を疑った。最後に天を呪った。

 ……いや、落ち着け、落ち着くんだ。ありのままに今起こった事をポルナレフ状態するんだ。

 

 あ、ありのままに今起こった事を話すぜ! 

 豆腐の配達に来たら、次見かけたら殺す相手が以下略。

 

 うん、流石にテンプレすぎるね。うん。

 さて、どうしたものか。うん。

 よし、とりあえず問いただそう。話はそれからだ、うん。

 さっきから俺うんうん言い過ぎだね、うん。

 

 「さて、俺の記憶違いでなければお前は次俺に会ったら殺される筈なんだが。

  選択肢をあげよう。

 一、アナタチュウゴクゴワカリマースカー?

 二、ゴメン、ウチ、殺されると感じてまう異常性癖者なんや

 三、なんでウチあんとき怒られたから分からへん→なら聞けばいいんじゃね?→天 才 k t k r!

 

  因みに一なら今すぐ帰れ。そんで言葉勉強してこいこの池沼が。

  二ならもれなく俺が犯した後に殺してやるこのビッチが。三な」

 

 「三番や! 大体いきなり殺す言われる理由が解らんもん!」

 

 ……やっぱりコイツは、マジもんの貴族とか豪族とかって奴か。

 

 「そっか……」

 「せや! やで来たんや。あのまま分かりあえんとか寂し過ぎるもん」

 「じゃあ一生分かりあえないね、うん」

 「なっ、なんでや! まだ話してもおらんのに」

 「帰れ。お前が遊び半分で来ていいとこじゃないんだよ」

 

 

 自分でも自覚できるあんまりな言われ様に、猫目は涙目になってた。

 困惑と悲しみに襲われて今にも声を上げて泣き出しそうなツラになってやがる。

 でもまだ殺してない俺超良心的じゃん。いや、約束を破ってるから寧ろ不義者か? 

 

 ……イライラしてきた。折角気分よく真面目に労働に励んでいたのに。最低だよ、メーター下限突破だよ。

 大体なんにも分からない分かろうとしないこんな奴になんで俺が絡まれなきゃいけないんだよ。

 俺だって孤児なんだ。生きるコトがマゾゲなんだよ。それなのにコイツは……。

 

 ……ん、もしかして、俺はコイツに──。

 

 「あ、遊びやないもん! ウチも此処で暮らしてアンタの言うたことの意味を分かるんや!」

 「それが遊びだって言ってんだよ!!」

 

 思わず声を荒げてしまった。

 くそっ、落ち着け俺。

 

 「遊びやないっ!! 

  ウチかてなんで嫌われたか知りたいし、謝罪やてしたいんや! 

 やで城も出たんや!」

 

 城を出た。コイツ、ギャグで言ってんのか?

 ……ギャグなら是非一緒にM-1狙おうって誘いたくなるレベル、抱腹絶倒間違いなしだが。

 おあいにく様、彼女はギャグのつもりなど毛頭も無かったようだ。

 

 「ふざけんな!! 初めっから家と金と飯と服と何もかもそろってて分かる訳がねぇんだよ!

  手前は餓死しかけた事があんのかよ! 泥水を啜って蛆に生ごみに残飯に喰らったことはあんのかよ! 

  昨日の仲間の死体を漁って、弱り倒れた老人を殺し奪った事があんのかよっ!!

  ねぇんだろ? 朝昼夕保障されて綺麗なおべべに香油たっぷり使って身支度整えてんだろう。

  勝手に出る飯、常に強者から保護される安全、お湯をたっぷり張った風呂。どれもそろってんだろ。

  本読み放題、武鍛え放題、お金使いたい放題。おお凄い凄い」

 

 俺の言葉を聞く程に、猫目の表情が暗くなる。心当たりばっちりなんだろ?

 そして薄っぺらい同情とか後悔とかに苛まれてんだろ? ふざけんじゃねぇ。 

 

 「さて、そんな貴方に質問です。そんなキミは一日三十銭で飯を食えますか? いや、先ず一日三十銭稼げますか?」

 「なっ、馬鹿にすんな! ウチかて三十銭くらい稼げるわ!」

 

 ムキになったのか、顔を真っ赤にしてあげる猫目。

 ……うわ、どう見てもなんも考えてねぇな。

 

 「じゃあ、どうやって金稼ぐの?」

 「え、それは……えっと……?」

 

 ほら見やがれ、明らかに目を反らしてんじゃねェか。

 

 「ああ、女だったな。じゃあ股でも開いて三十銭握ってこいや。そしたらお金持ち様のご高説、とやら話聞いてやるよ」

 「……は? ……って、な、なな何を言うとるんや! そないなコト出来る訳ないやんか!」

 「……はぁ、やはり偉そうな能書き垂れる割にゃ我が身大事。貞操観念処女信仰ってか?」

 「当たり前や! 神聖な行為なんやぞ!」

 「馬鹿じゃね、お前。てか馬鹿だな、うん、馬鹿。お前馬鹿。やーい、ばーか!ばーか!」

 「ッ、ホンマ腹立つ!」

 「そっか、じゃ仲直りとか無理だね残念でした残機も無くなったので良い馬鹿の子はお家に帰りましょう」

 「っ、イーだ!絶対に帰らへんからな!」

 

 あ、選択肢ミスったよ。なんか余計むきになっちゃったよ。

 クイックロード使えないかなぁ? あ、やっぱ駄目? ……ッチ。

 

 「……まいっか。んな事より、貞操観念の強いアナタに質問です。

  この街のあるところに、全裸で倒れてる幼女が居ました。一体どうしたのでしょうか?

  正解者にはもれなく花丸をあげちゃいます」

 

 と、俺はかなり意地の悪い質問をふっかけてみた。

 当然、こういう人間は言うこと決まってるもんだ。

 

 「そんなん理由とか考えとらんと助けんといかんやん!」

 「はいブッブー。数ある答えの中でも最悪ですね。減点八十点。お兄さん悲しいです。

  正解は、売春のつもりで飯が食える最低元の金額三十銭を稼ごうと思ったら、

  相手を見誤って身ぐるみ剥がれ好き放題犯され弄られ文字通り精根尽き果てて今にも死にそうでいる、でした。

  正解者には拍手、よく出来ました。ありがとう俺、気にするなよ俺」

 

 わざとチャラけて答える。

 すると、猫目は信じられないモノとか粗大ゴミとかを見るような眼で俺を見つめてきた。

 

 「なっ、なんでそんな酷い事に……大体なんでアンタは平然と答えとるんや!

  平然と見捨てられるんや! 死にかけとるんやで!?」

 「その口でその台詞を図々しくのたまいやがるんじゃねぇ。

  あのな、ここじゃそんなのお前等が一日三回しっかり飯食えるくらい当たり前なんだよ!

  そんな事より、俺の意味すること分かった? ねぇ分かっってくれた? 

  アンタは三十銭に命かけられるの? 飯を食べる為に毎日他の男に犯されること出来んの?    ねぇ、アンタが軽々しく言った三十銭って、本当にそんな簡単で軽いもんなの?」

 「っ……」

 

 俺はが一頻り言い終わると、猫目は俯き、悔しそうに唇噛み締めていた。

 やっと理解したのか? ……しかし俺はなんでこんなにコイツを気に掛けてんのかね?

 説教なんて柄じゃないんだけどなぁ。

 

 「で、でもっ! コレと助けない事とは関係ないやん!!

  アンタ見える範囲くらい助けようと思わんの!?」

 「ふぅん。まだそんな事言っちゃえるんだ。じゃあ聞くけどさ、なんでその問題の子、

  あんな目に会ってるか分かる?

  たった三十銭がないからだよ? ねぇ、大通りで串焼き一本しか買えないお金がないからなんだよ?

  その原因、って知ってる?お姫様ならもちろん知ってるよね? そうだよ税金だよ? 集兵と税金だよ?

  戦ばっかしてお米が国に回ってない事もしってる? キミみたいな若い将軍をばしばし増やして兵士もガンガン増やしてるからだよ?

  それに君みたいなお姫様におまんま一日三回食わせるためなんだよ? ねぇ?わかってる?

  つまりそれって、キミも間接的に殺してんだよ?

  知らないの? ねぇ、知らないの?」

 「……でも、女は国政に関わったりできんし……」

 「それは言い訳だね。建前だね。甘えてるだけだね。

  見なかった、んにゃ、見ようとしなかったんだろ? 

  お姫様のまんまで良かったんだろ?別にそんな気持ち普通だから構いやしないけどさ。

  ねぇ、自分の立場で胡坐描いて上だけ見てたんだろ?」

 「そんなこと、そんなこと……ない」

 「嘘だね。キミが偉いのは仕方ないよ。だってそう生まれたんだもん。

  でもね、キミに僕達が生きるのを侮辱する権利は無いよね? 

  それともそんな権利得られるくらい何かしてくれたのかい?ねぇ。答えてよ。

  さて、今のでキミの認識が解ったよね。

  言われたり興味もたなきゃ、孤児なんてそこらの布屑と一緒なんだろ?『やめ…』ねぇお金持ちさん。

  換えが利くし、つーか勝手に居るだけだし。『や…止めっ』何も生産しない癖に一人前に揉め事と死体だけは作り出すし。

  はははっ、マジでゴミだな俺ら。大爆笑じゃね? まじ腹筋よじれちまうよ。『違……っ』

  いっそ火計で街ごと燃やす位の案も出てたんじゃないの? ねえ、そうなんだろ? 視界に居ても見える範囲じゃないんだろ?

  それってつまり存在すら要らないんじゃん、もう生きてる意味無くね? なのになんで見ざるを得無くなったらそんなこと言えちゃうのさ。

  見てる俺と見ないお前、さて、キミん中の善悪感だと、どっちが悪モノなんだろうかね?

 

  はぁ、結局さ。興味無いから、お前 あの時のやせ細った死に掛けのガキ見て “気楽” って言えたんだろ?」

 

 「…ちがっ!」

 

 「違わない。自分の図々しさ、恥知らずで無礼極まりなくて儒教社会じゃ最高に“美しい”思想だろ?

  それに酔っちまえよ。どうせお前ら支配者はそんな生き物じゃん。それが悪いなんて、もちろん言わないよ。三度も言ったから分かってると思うけどさ。

  でも下にゃ下が要るんだろ? ねぇ、生まれてきた俺らが悪いんだろ? 徳がないから虐げられる俺らは最高に醜いんだろ?

  そんな俺らは気楽なんだろ? お気楽で呑気で幸せ者なんだろ? それがお前の考えなんだろ? だからわざわざ貧民街に出向いたんだろ?  

  もう、お腹いっぱい笑えたんだろ? わざわざ現地で侮辱して穢して貶めて辱めたんだ。もう帰れよ、満足だろ?」

 「違う!!」

 「何が違うのさ。じゃあなんであれを見て気楽なんてふうに見えるのさ?

  興味無いからじゃん! そこにいて虐げられた当たり前だからじゃん!

  いまキミどうせ後悔して同情してるんだろ?

  でもね、これ作ったの、お前ら支配者なんだぜ?」 

 「ち、違うっ!」

 「何がさ。キミの正義感とか信念って、そういうことじゃん」

 「違うもん……! ウチは、ウチは……ただ謝罪したくて……!」

 「だからさ、無理って言ってんじゃん。俺、キミの意見生理的に無理。 

  仲直り、って一方通行じゃ無理なのよ、知ってる?

  キミから矢印向いてても、俺、キミに向ける気無いし。ほら条件達成不可能じゃん。ハイ終わり」

 「そんなことっ……!」

 「あるんだよ。世の理不尽、いっぱい学べただろ? よくできまちたねー、お勉強になるねー、為になるねー。でも理解はできやしない。残念。

  ほら、豆腐。俺の仕事終わり、帰る。俺商人、お前お客。関係終了。諦めてお城に帰ってお世話係に甘えてろ」 

 

 ……うわ、俺すっげえ喋ってる。キモッ。

 本当、なんだろう。めっちゃ調子狂う。あり得ん位平常運転出来ん。

 俺の愛しの冷静ちゃーん。帰っておいでいでいでいで……。

 

 ……エコーしてもダメか。

 どうなってんだろうね、俺。こんなイラつくならさっさとヤッちゃう筈なのにさ。

 なんでわざわざ説教してんだろ。

 

 ま、いいや。──の感情だけじゃ無かったっての気になるけど、これ以上コイツといられっか。

 俺が変になりそうだし。

 

 くる、と背を向け、歩き出す俺。

 明日はここの配送なけりゃいいなぁ、とか思いながら俺は昇りかけた朝日を後目に走り──

 

 

 「っ……、ウチ諦めんもん!」

 

 出せなかった。てか、カゴをガッ、って掴まれた所為で前につんのめって籠が盛大に……。

 

 「……諦めてください。そして籠ぶちまけやがりましたね死に晒してください」

 「イーだ! 絶対アンタと仲直りするもん!」

 

 素敵な笑顔で拒否したんだけど……。

 ……俺、変なフラグ踏んだか?

 多分最後の台詞かな。武人系に甘えろは禁句だったか?

 クソ、クイックセーブが以下略。

 

 「却下。拒否。無理。ありえない。確立すら存在しないまごうこと無き零」

 「そんなことない! 絶ッ対! アンタを理解する!」 

 「埒あかないね。面倒だから帰るよ。お嬢様が俺を理解とかあり得ないよ」

 「あっ! 逃げるなや! 絶対!絶対アンタを理解して訂正して……」

 

 返事するのもめんどくさい。あーあー、聞こえないー聞っこえないー。

 

 「初めての友達にしたるんやからなっ!」

 「……は?」

 

 

 

 

 そして、俺はこの時このバイトを選んだ事を激しく後悔した。

 

 **

 

 

そげぶです、しかもかなり自己中。

こんばんわ、甘露です。

 

かずぴーのお説教、読み返せば読み返すほどにかずぴーが嫌いになれそうで怖いです。

でもねぇ、貧民主観だとこんなもんだと思うんですよ。

ウチの祖父とかがまさにこんな感じ。

政治討論とか見ながら好き勝手言い散らかす愚民のテンプレです。

 

まぁ、2000年前なら画期的だったんじゃないかなぁ。

だって、政治に参加するって発想自体が無い時代じゃないですか。

 

 

と、僕自身何言いたいかよくわかんないので一言。

 

今回でこのお話見切らないでね!

 

 

アンケ

 

Q、このかずぴー、どうよ?

 

1、貴様、ニュータイプか!

2、なにいってんだこいつ?

3、嫌いじゃないわ!

4、チェンジで

 

おうどんは次かその次くらいにやりたいと思います。

おうどんの人気に嫉妬!

悔しい!でも感じちゃう! ビクンビクン

 

 


 
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