『主観の土産』という未来のサービスにより、冥土の俺から電話がかかって来た。彼女との結婚は成功。俺の人生は最高に幸せだった、という内容だった。俺はさっそく彼女に結婚を申し込んだ。すると彼女は首を横に振った。「この前、私から電話があったの。人生を無駄にしたくないならこうしろって……」
飲み会で苦手な物についての話題が出た。女は酒を片手に「血とか無理ぃ。少し血を見るだけでもぅ死んじゃう」と言った。それを聴いた男は「おい誰だ、まだ初経もきてない奴に酒を勧めたのは」と言って飲み友達を怒鳴りつけた。驚く女に、男の友達がフォローを入れた。「すまん。コイツ嘘が苦手なんだ」
姫の美しさに嫉妬した魔女は、手下の悪魔をつかい姫を城に閉じ込めた。城での生活はとても酷く、姫は毎日泣き続けた。しばらくすると勇者が姫を助けに来た。これで自由になれる、と姫が思ったのもつかの間。姫の顔を見るなり、勇者は再び剣を構えた。「おのれ、悪魔の生き残りがまだいたか」
これさえ書ければテストは完璧、と教師は生徒達にある式を教えていた。時間がなかった為、教師は急いで黒板にチョークを走らせた。授業後、生徒達は「書けた」「書けなかった」という話題で盛り上がっていた。何の話?と教師が聞くと一人の生徒が答えた。「あの式を先生と同じ速度で書けたかだよ」
少子化に頭を抱えていた市は、大学の求人票の中に市主催の見合いのチラシを混ぜてみた。親しめるよう記入欄には「結婚への志望動機」「自己PR」「長所・短所」と書いた。後日学生達が市役所にやって来た。女は就活と婚活のどちらが将来得であるか訊ね、男はどちらにしろ働くしかない現状を抗議した。
二人の狩人は雪山で遭難してしまった。食糧も何もない、生き残る為には相手を殺し、その肉を食うしかない。あの男を殺そうと思う、と彼は相棒にもらした。「やめろ、人間が人間を食うなんて間違っている」「それもそうだな。なら、人間が犬の肉を食うなら問題ないだろうか?」犬は何も言わなかった。
「へぇ、噂の草食系の彼氏くんって警備員の仕事してるんだ」「えぇ、給料は月3万円。お仕事は家事全般と私の下の世話。それと24時間、365日、私の部屋から出ないことよ」「それって本当に警備員なの?」「そうよ。彼、自宅警備員なの」
冷蔵庫にはアイスが一つだけ残っていた。兄弟は無言で視線を合わせ、まず弟が「今日は半日バイトずくめで体も頭もくたくただ。だから俺にはこれを食う権利がある」と言った。するとニートは「いや、俺にも権利がある。何故なら毎日、家を出ずにどう暇を潰すか考えて脳がくたくただからな」と言った。
お世話になった教官に、彼女は無事に運転免許を取得した事を報告した。「私、絶対にゴールド免許になります」「いい心がけだ。しかし油断はいけない。事故は何時も予想外の方向から起こるからね」「大丈夫です。だって私、助手席からいきなりふとともを触られた時だって事故らなかったじゃないですか」
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第二回twitter小説大賞に応募したものの一部。