No.229720

恋姫外史アナザー・とりあえず一刀第八話

アキナスさん

打開策も無いまま追い詰められていく二人。

そして、その先に待っていたのは・・・

2011-07-22 02:48:01 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:7920   閲覧ユーザー数:6223

「もっと早く走れないのか!?」

 

「腰抜かしてるヤツが偉そうに言ってんじゃねえ!!」

 

一刀の背中で急かす愛紗とケンカしながら走る一刀。

 

ヒゲのハサミ男(シザーメンと命名する事にする)はシャキンシャキンとハサミを鳴らしながらこちらへ迫ってくる。

 

しかし、あくまでゆっくりとなので、かなり距離を稼いでいた一刀たち。

 

そして一刀は、西側の廊下を走り、階段を駆け下りて、角を曲がって二番目の部屋に飛び込んだ。

 

一刀は愛紗を下ろし、二人で息をひそめる。

 

・・・・・・

 

シャキン、シャキン

 

ハサミを鳴らす音が近づいてくる。

 

シザーメンは部屋の前を通り過ぎて、そのまま離れていった。

 

ハサミの音が聞こえなくなる。

 

「・・・・・・ふぅ」

 

「・・・・・・はぁ」

 

一息つく一刀たち。

 

「あんな奴までいるとは、恐るべし中国」

 

「そんな事を言っている場合か!」

 

「シーッ!・・・あの野郎に聞こえるかもしれないし、まだあの野郎以外にも化物はいるんだぞ?」

 

「ムグッ・・・」

 

愛紗は慌てて手で口を塞いだ。

 

「・・・しっかし、どうやって脱出するかなあ?正面玄関からは出られないみたいだし」

 

珍しく真剣に悩む一刀。

 

・・・まあ命がかかっているのだから、真剣にもなるだろう。

 

「どこかに隠し通路とか・・・普通の家にんなもんある訳ねえし・・・」

 

答えは出ない。

 

時間だけが過ぎていく・・・

 

 

 

 

「・・・愛紗ちゃん達、遅いな~~・・・」

 

外で待っていた桃香が呟く。

 

「確かに・・・入ってからかなり経ちますな」

 

星もおかしいと思っているようだ。

 

「もう待ちくたびれたのだ~~」

 

鈴々が退屈そうに伸びをする。

 

「何かあったのではないかしら?」

 

心配そうに言う紫苑。

 

「本当にお化けが出てたりして・・・」

 

蒲公英が冗談半分でそんな事を言う。

 

「へぅ・・・」

 

「ちょっと!月が怖がってるでしょ!?」

 

「あわわ・・・朱里ちゃん・・・」

 

「はわわ・・・大丈夫だよ、雛里ちゃん。お化けなんている訳・・・」

 

蒲公英の一言に動揺する気弱組。

 

結局、皆で探しにいく事になった・・・のだが、

 

ガチャガチャ!

 

「あれ~?開かないよ?」

 

桃香が玄関の扉を押したり引っ張ったりするが、ビクともしない。

 

「鈴々に任せるのだ!」

 

桃香に代わって次は鈴々が挑戦する。

 

ガタンガタン!

 

鈴々の馬鹿力で扉が揺れるが、やはり開く事は無かった。

 

「おかしいのだ、全然開かないのだ」

「確かに妙だな。鈴々の力なら、扉が外れていてもおかしくないのだが・・・」

 

怪訝な顔をする星。

 

そんな中、

 

「え~い、まだるっこしい!退け!こんな物は・・・」

 

焔耶が扉の前で鈍砕骨を振り上げる。

 

「でりゃあーー!!」

 

気合と共にそれを振り下ろした。

 

ガキン!

 

「うわ!?」

 

しかし、その一撃は弾かれ、バランスを崩した焔耶は尻餅をついた。

 

「な、何なんだ?一体・・・」

 

焔耶は訳が分からないと言った感じで言った。

 

その後、次から次へと武将達による扉破壊作戦が決行されたのだが、結局誰も扉を破壊する事は出来なかった。

 

「どうしたものか・・・」

 

最後に作戦を行った桔梗がため息を吐いた。

 

結局、扉を破壊する事は断念し、二人の救出の為の作戦会議が開かれる事となったのだった。

 

「愛紗ちゃんたち、大丈夫かなあ・・・?」

 

会議の最中、桃香はそう呟いたのだった・・・・・・

 

 

 

一方、一刀たちは・・・

 

シャキン、シャキン、

 

ズルズル・・・

 

先程いた部屋の中で、上半身のみの少年とシザーメン、更に

 

「ウフフフフ・・・」

 

体が透けた白いワンピース姿の若い女性にとり囲まれ、絶対絶命であった。

 

二人が部屋を出ようとした時自然に扉が開いて、そこにはシザーメンと上半身だけの少年がいた。

 

そして壁をすりぬけて、透けた女性まで現れたのである。

 

「ああ、もうダメだ。桃香様、鈴々、桃園の誓いは果たせない・・・」

 

恐怖のあまり愛紗はその場に座り込み、すでに諦めモードである。

 

「でーい、勝手に諦めてんじゃねえよ!」

 

一刀の叱咤が飛ぶ。

 

しかし、愛紗は立ち上がろうとしない。

 

そして、

 

グワッ!

 

シザーメンのハサミが愛紗の首に向けられ、

 

「避けろ!!」

 

ジョキン!

 

無情にも、ハサミは切り落としたのだった・・・

 

 

 

 

パサッ・・・

 

切り落とされたのは、束ねられた愛紗の美しい髪であった。

 

長い髪の半分近くが床に落ちる。

 

切られる直前、一刀が愛紗の腕を掴み引き寄せたので、首が落ちる事だけは避けられたのだった。

 

「大丈夫かよ!?」

 

一刀が膝を折り、愛紗の肩に手をやって声を掛ける。

 

しかし

 

「・・・・・・」

 

愛紗は、切られて落ちた髪をボーっと見ていた。

 

ゆっくりと手を上げて、自分の髪の断面に触れる。

 

愛紗のトレードマークとも言うべき長くて美しい髪は、無残に床に落ちている。

 

大切な髪を失ったその心境を、推し量る事は出来なかった。

 

愛紗の瞳が悲しみの色に染まる。

 

そして、

 

ブチブチブチッ!!

 

三度ほど何か切れた音がした。

 

「・・・この悪魔どもめ」

 

一刀は顔を伏せて、ゆらりと立ち上がる。

 

「許さねえぞ、てめえら・・・」

 

一刀はゆっくりと顔を上げる。

 

 

 

 

そこには

 

 

 

 

「てめえら・・・」

 

 

 

 

一人の修羅がいた

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

「てめえらの血は・・・」

 

 

 

 

北郷一刀と言う名の修羅は

 

 

 

 

「何色だーっ!!」

 

 

 

 

怒りの叫びと共にシザーメンへと躍りかかったのであった・・・

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

ネタが浮かばず、随分更新が遅れてしまいました。

 

本当にスミマセン。

 

・・・まあ、これだけ考えてこんな話になってしまったんですけどね(汗)

 

さて、本気でキレた一刀君。

 

彼は化け物たちを倒す事が出来るのでしょうか!?

 

それでは次回に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「南斗究極奥義!断己相殺拳!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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