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俺たちはすんなりと袁家に入る事が出来た。理由はよく解らないが、姫君・袁紹様が自分たちを一目見て
「採用、ですわ。我が袁家に十分貢献しなさい。オーーホッホッホッホ!!」
・・・春蘭が言っていた馬鹿発言がここまでとは、本当に軍師泣かせな姫様だ。
因みに、春蘭は袁紹とは旧知であるらしく右目と口が見える程度で顔を覆い隠すような仮面をしている。曰く、カッコイイだろ?・・・だそうだ。
孫策もマネして両目と口以外を包帯で覆ったのだった。曰く、これで自分だって事はバレナイ!!・・・だ、そうだ。
いや、バレルだろ!!と、思ったが気づいた人は一人の翁のみだった。
その翁とは、田豊であり歴史上曹操も認めるほどの軍略家、そして袁家三代に仕える大黒柱でもあり姫様も翁のことを信頼しているらしい。
ただ、見た目がぬらり・・・お化けっぽく更に、好々爺かと思ったら
「フォッフォッフォ。うむ、あの尻・胸!!猪娘も成長したのぉ~。フォッフォッフォ!!」
思いっきり変態爺だった。
まぁ、その後。
「・・・彼女らをどう使っていくか楽しませてもらうぞ?御遣い殿。わしの事は『衛門』と呼ぶが良い。・・・フォッフォッフォ~」
と言ってサラリと真名を預けて去って言った。
・・・流石は大軍師。人目でばれるとは。まぁ、本人は気にしていない様だが・・・用心しておこう。
「なぁなぁなぁ。あんたが新入りの参謀さんか?」
と、書庫へ行こうとすると訓練所から出てきたと思われる青年に出会った。
見た目から、不良っぽい目つきをしていたからカツアゲかと思ったが、違ったらしい。
彼は高覧という武将で自分とは同年齢であった為、結構話し合えたのだが。
「・・・あ?新入りの参謀に、足手纏いな弟君かよ。二人して暇な事で。」
と、擦違いざまに色々と貶す言葉が入ってくるのが、鬱陶しくなり声を出そうとするも。
「お、落ち着いてくれ、な?頼む!」
と土下座しそうな勢いで止めてきたので踏み戸惑った。
曰く、自分の姉に当たる人がここで将軍をしている。
曰く、幼い頃賊に誘拐され奴隷にされそうな時に姉が助けてくれた事。そして、姉がそのせいで戦に遅れた事。
曰く、その事を咎められ、今までの武功を白紙にされた上で棒計100叩きにあった事。
それ以降、自分は将軍に泥を塗った恥さらしと言われた事であった。
それを聞いて一言、
「アホか?そんなの仕方ないじゃないか。」と言ってのけた。
高覧は少しムッとするが構わず、
「餓鬼が賊と・・・と言うか大人に勝てると思うか?ましてや元はと言えばそんな賊を野放しにした大人の責任だろうが。第一、そんなの一々気にしていたら老けるぞ全く。それでも罪悪感があるなら、その姉を超える武功を立てればいいだろうが。」と少しOHANASIもとい、説教じみた話をしてしまった。きっとどこかでテンプレ乙って会話がありだがな。
「・・・そうだな。そうっか、ありがとう!俺の事は『一夏』って読んでくれ。な、『一刀』。なんかあったら言ってくれ。俺も協力するからな。」
・・・分かった。分かったから、そこの柱で俺を睨む黒髪のクールビゥーティーな女性を止めてくれ。祟り殺されそうなんだが・・・
その後、その女性が一夏の姉に当たる張郃将軍であった。一夏が教えたならと、言う事で一緒に真名を教えても在ったが、
「おい、お前。臧洪(雪蓮の偽名)と候淳(春蘭の偽名)の知り合いらしいな・・・あいつらに言っておけ、私がいる以上袁家最強の座はわたさんとな。」
と宣戦布告してきた。
・・・狂戦士がここにもいたとは・・・
全く、姫も姫なら部下も部下か。
楽しくなりそうだな。
・・・胸が高鳴る。高鳴り続ける。彼こそが、至高にして究極。
そう、彼こそが・・・私を導く太陽なのだと。
よろしい。暫く無能の仮面を被り付けよう。
彼がどんな行動を起こすか・・・
叛乱?独立?立身?
どちらでもない、あの憎悪の瞳。
あぁ、なんと苦しくも儚く・・・そして美しい。
美しいも者を、愛でて育てるのが高貴な者の宿命。
さぁ、『一刀』さん。その憎悪をどこにぶつけるか・・・楽しみにしていますわよ?
オーーーーッホッホッホッホッホ!!
狂いしものが集う河北の国。混沌と憎悪は混ざり合い、乱世にどう影響するかは天すらも分からない。
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袁家に入りし憎悪の群れ。唯、そこは思っていた以上に心地よく少し心に癒しが出てくるも、もう一人の天の登場と黄布の獣がそれを砕く。ついに表へと現る憎悪の化身は何を時代に示すか、天すらも解らない。
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取り敢えず
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