No.228300

真・恋姫無双~2人の飛将軍~ 外伝part1

cavalさん

本編10話達成記念の第1話外伝

作者)
11話は7月17日投稿予定

2011-07-16 15:26:24 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:17428   閲覧ユーザー数:14603

第1話外伝 

 

赤き壁のごとく炎が舞い上がる中、蜀呉連合にとって待ちに待った報告が前線から互いの陣に伝えられる。

 

「魏軍撤退」

これにより蜀呉連合と魏軍による最大の戦いが終末に向かおうとしていた。

 

愛紗や星などの蜀の前線部隊が次々と蜀陣営にもどってくる。

 

「愛紗ちゃん!星ちゃん!けがはない?」

愛紗と星を見つけた桃香が駆け寄り怪我をしてないかたずねる

「大丈夫です。けが1つありません」

 

「ほとんど追撃だったですし、怪我はありません」

 

「よかったぁ~心配してたんだよ~」

 

「桃香様。ご主人様は?」

近くを見渡しても一刀の姿が見えない愛紗が桃香に声をかける。

「うーん、まだみたいなの。恋ちゃんが付いてるから大丈夫だと思うけどね。まぁ、とりあえず中で休んで待ってて。翠ちゃんたちももどってきてるし」

その桃香の言葉の後、愛紗、星は武将たち用に割り振られた天幕に入り、ほかの仲間と合流していた。

 

また他の天幕では生き残った兵士たちがお互いを称えつつ、生き残ったことへの喜びを爆発させていた。

 

そのころ一刀を乗せた船は岸まで戻ってはいたが、恋をはじめ北郷隊のほとんどが一刀の死を悲しみ動けなかった。そんな中北郷隊の副隊長が泣きながら恋に話しかけた。

 

「恋殿・・・隊長のお遺体を本陣へ運びましょう。きっと隊長はみなさんのところに帰ることを望んでいるはずです・・・」

 

「うん・・・帰ろう、ご主人様、みんなのところへ・・・」

恋は一刀の血で汚れることを無視して一刀の足と背に手を回し抱えた。そしてゆっくりとした歩みで本陣に向かって歩き始める。それのうしろから北郷隊の兵士が続いていく。

 

しばらくしてから・・・

桃香や愛紗たちがいる天幕に守衛の者が走りこんできた。

「桃香様!北郷隊が!」

その言葉に天幕に歓声が沸き、みんなは一刀を迎えるために天幕を出て行く。

そして陣の入り口で一刀を待っていると遠くから一刀の牙門旗を掲げた隊がこっちに歩いてくるのが見えた。

 

「なんだ?主の隊にしてはやけにしずかだな・・・」

北郷隊の異変に星が最初に気が付く。

 

さらに陣に近づいた北郷隊を松明の光が包む。そうして桃香たちはその異変に気が付いた・・・。

北郷隊のメンバーのほとんどが泣いており、その先頭を歩いている恋も同様泣きながら胸が真っ赤に染まった一刀を抱えている。

 

「ま、まさか!主!」

星が陣から飛び出し恋達に駆け寄る。そしてそれにつられる様にほかのみんなも恋達に駆け寄り、一刀に呼びかけるが一刀は口を開かない・・・

 

そして愛紗が悪寒に体を震わせながら他の人が考えたくなかったことを口にする・・・

「恋・・・まさか・・・ご主人様は・・・」

 

その言葉に体をまた震え始めた恋が答える・・・

「恋・・・ご主人様を守れなかった・・・恋が気が付いたときには矢がご主人様に・・・」

ここまで言った恋はまた泣き始める・・・

 

最初は恋が冗談を言っているんだと思い込もうとしたがその恋の態度でそれははかない夢と思い知らされる・・・

 

「そんな・・・ご主人様が・・・亡くなった・・・?」

恐怖で震えていた桃香がかろうじてその事実を声に出し、愛紗が桃香を抱きしめながら愛紗も涙を流す。鈴々、星、紫苑、桔梗、焔耶は涙こそ流してはいないが守れなかった悔しさでこぶしを握り締めている。朱里、雛里は軍師という立場を必死に繕おうとするが・・・涙を止める事はできなかった・・・。

 

そんななか一刀が死んだことを否定したいのか蒲公英が恋に抱えられている一刀の肩をもってゆする。

「おきてよ!ご主人様!冗談なんでしょ?!ねぇ!ってば!」

 

蒲公英をの肩を手を置いた翠がやめさせる。

「お姉さま?!」

 

「やめるんだ。蒲公英・・・ご主人様は死んでしまったんだよ・・・」

その翠の言葉に蒲公英は翠に抱きつき大きな声で泣き始めた。

 

その様子を見ていた兵士たちによって蜀の陣地に

「『天の御使い』北郷一刀戦死」という情報が一気に流れ、勝利ムードは一瞬で無くなっていった。

 

こうして赤壁の戦いは大きな犠牲の上終結することになった。

 

赤壁のあとのお話をしておこう・・・

 

赤壁で大敗した魏軍は魏領への撤退を開始。しかし、その撤退ルートを読んだ冥淋たちが伏兵等を仕込み少しずつではあったが魏の戦力を削り取っていった。度重なる伏兵によって大部分の兵を失った魏は新野に追い詰められることになる。その新野を呉蜀連合が包囲する。

 

北郷一刀という大黒柱を失った蜀であったが一刀が望んだ平和を取りにいこうという桃香の言葉に多数の義勇兵があつまり、最終戦に参戦することになった。

 

魏と呉蜀の激しい戦闘のすえ、新野は陥落。魏軍は連合に降伏。

このあと、魏、呉、蜀は合併し1つの大きな国を作り上げる

それにともない大陸での戦乱の世は終わり一刀が望んだ平和の世の中が大陸に戻ってきた。

 

そして大陸が1つまとまってから約1週間後一刀、桃香、愛紗、鈴々が桃園の誓いを行った楼桑村に一刀の墓が作られ、その墓には常に綺麗な花が添えられていた・・・・。

 

はい、どうも作者です。

元々この話は考えてなかったので設定等が甘くうまくできた感じはまったくありません(´・ω・`)

 

今回のお話ですが、赤壁で一刀が死んだ後がテーマです。そのため月、詠、ねねを除く蜀のメンバーは登場させたつもりです。ほんの一瞬だけだけど!1人1人書いているととんでもない量になりそうだったのでカットしました。

その後の流れは原作を元にしてます。そして最後だけ個人的想像で変えました。

 

次に本編2話で「恋が塞ぎこんでいた」のは魏が滅び、一刀の墓をできた後になります。

その時系列も書こうと思ったのですが、作者の中で外伝はその時系列まで触れてはいけないと考えカットしました。

 

本当に勢いだけで書いたのでいろいろと見苦しい部分もあると思います。その点については先に謝罪をしておきます、申し訳ございません!

 

 

では次回11話でお会いしましょう。


 
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