No.227436

恋姫のなにか たんぺんしゅー

くらげさん

やる気無くなって早四ヶ月
華琳をいじめだすとあら不思議、一週間で書けました

2011-07-11 02:55:40 投稿 / 全20ページ    総閲覧数:15277   閲覧ユーザー数:8106

ご無沙汰しとります。くらげです。

長い量書きたいと思えば思うほどかけないジレンマ。そんなご大層なもんじゃないですけどね。

華琳をいじめればいじめるだけ失ったやる気が回復していく事に気付けたので、これからも華琳はイジメ続けます!!

 

今回は短編集になっておりやす。

2~7Pが思春あふたー

8~11Pが秋蘭の一刀監禁

12~14P桂花と一刀のラブラブショッピング、またの名をやめたげてよぉ!!

そして最後、15~18Pが華琳逃げて!!となっております。

 

秋蘭と思春はギリギリ(を目指したつもり)のエロ表現。

華琳&風イジメはもう色々限界突破してます。

気に障る方も居られるかもですので、そういう方は読まれない方が懸命です。

 

言うまでもない事ですが、全キャラ完全崩壊です。

思春がフッと目を覚ますと、季節の所為かは分からないがもう空が色付き始めていた。

 

(ごはんのしたくしないと・・・)

 

習慣とは馬鹿に出来た物ではなく、毎日毎日続ける事によって思春は目覚ましが無くとも朝の六時には起きる体質になっていた。

元々寝起きが悪いタイプではなかったので二度寝、三度寝に陥る事もなく、しかし寝坊してないだろうかと枕元に手をやって目覚ましで時間を確認すると、ちゃんと起きれていた。

 

(えっと、ごはんつくって・・・あ、今日はお弁当無いんだっけ・・・)

 

頭でつらつらと予定を上げながら体を起こすと、シーツが落ちて裸体が顕になる。

まぁ結婚したんだし、人妻だし、旦那と別居してるわけでもないし、ラブラブだし――――まぁ、そういう事である。

誰に見られている訳でもないのだが何となく恥ずかしいとタオルケットを体に巻きつけようと引っ張ると、癖付いてしまったのだろう、うつ伏せになって、顔をこちらに向ける【だんなさま】になった一刀の姿。

 

「何とも言えない微妙な顔で寝てるなぁコイツ」

 

幸せそうに、とよく表現される顔付では断じてない。

むしろ、普段の表情と相まって若干機嫌が悪そうにも見える寝顔。

それを何となく変えたくなって、思春は右手で持ったタオルケットで胸を隠しながら、左手で優しく頬を撫でてみた。

無論そんな事で表情が変わるわけもなく、有りがちな展開として嫌がるといった可愛げのある態度を取る訳でもない。

寝息すら聞こえない程の静かな空間に、思春と一刀は二人きり。

頬をつついたり、こうして撫でたり。毎日のささやかな日課ではあるのだが、こうする度に―――

 

(あー、アタシホントにコイツの事好きなんだなぁ)

 

そう毎日確認できる。そう毎日思う、思える。

知らずの内に体勢が崩れていたのか、それとも寝顔を確認したくなって頭を下げていった結果なのか、思春の長い髪がパサリと落ちて一刀の顔に当たる。

大した衝撃ではなかっただろうに、それがきっかけとなって一刀が薄く目を開ける。

 

「あ、ごめん。起こしちゃった?」

「んー? ・・・・・・起きてる、起きてる」

「起こしてるんじゃないから、もうちょっと寝てなさい。アタシシャワー浴びるから」

「大丈夫・・・起きてる・・・マジ起きてる・・・」

 

思春とは違ってまだ眠いのだろう、何時もの時間だと勘違いした一刀は起きてる起きてると言いながら枕に顔を埋めだした。

普段ならその光景を見て溜息の一つでも零すのだが、今日は休日。多少寝坊した所で問題ないので思春は体を隠していたタオルケットを一刀に掛け直すと、出来るだけ物音を立てずに浴室に向かった。

 

 

 

「一刀ー?起きてるー?」

「んー・・・」

「なら下着取ってー」

「んー・・・」

 

くぁ。と欠伸を隠さずに布団の周囲に散らばっていた思春の下着を上下揃えて手に取ると、フラフラした足取りで浴室まで向かう。

流石に何年も過ごした部屋で足をぶつける事は無く、短い道程をサクッと歩いて浴室のドアを開けると、脱衣所に思春がバスタオル一枚というあられもない姿で立っていた。

 

「投げて寄越してくれたらよかったのに」

「んー・・・」

「まだ眠いの?」

「だいじょぶ・・・起きてる・・・」

「ホント・・・って、コレじゃなくて新しいの」

「・・・大して汚れてねーだろ・・・すぐ脱がしたし」

「そういう問題じゃないの! もう・・・」

 

全くコイツは・・・とブツブツ文句を言いながら下着を洗濯機に入れ、バスタオル一枚のままで部屋に戻って下着ケースを漁っていると後ろから抱きつかれた。

 

「やっ?! ちょ、朝から盛るなって何度も・・・」

「休みだしいーじゃん」

「いいわけ、ないでしょ・・・首は舐めるなって・・・何度も・・・」

「お前って案外胸無いよな、意外だったわマジで」

「殺す・・・絶対アンタ殺す・・・んっ・・・」

*至極真っ当なお知らせですが朝のイチャイチャは省略されました。続きを見たい方は作者にSS配布の仕方と、頭の悪い一八内容なSSでも読んでくださる読者の紹介をしてください。あと一刀もげろマジで。

 

 

「朝風呂とか初体験だな、大体シャワーですますし」

「ドスケベ・・・エロ男・・・変態・・・」

「拗ねんなよ」

「拗ねてないわよ! 怒ってんの!」

「いーじゃん別にー、お前の身体が全体的にエロいのが悪い」

「ホント死ね!マジで死ね! 自分の嫁だからって好き勝手してるんじゃないわよ!」

 

現在湯船に二人で浸かっているこの状況。一刀が思春を後ろから抱き抱え、思春は首を曲げて有らん限りの罵詈雑言をぶつけている。

が、思春の全身全霊を込めた文句もそこまでだった。

一刀が思春のお腹に回した手に力を込めてより強く抱きしめ、同時に顔も近づけた。

 

「愛してる」

「・・・・・・今日という今日は絶対に騙されないんだから」

「騙すって酷いな・・・俺本気で思春の事愛してんだけど」

「別に・・・そこは疑ってないけど、さ・・・」

 

ちゃぷんと口をお湯につけると、ブクブクと泡立てて言い篭る思春。

けれどお腹に回された腕に自分の手を添えて、もうちょっと強くギュッとしてと無言でオネダリしてみる。

 

「なぁ」

「ぶくぶく?」

「お前の髪がベタついて気持ち悪い」

「死ねこの大馬鹿!!」

 

くるっと回って一刀と向き合うとげしっと一発拳骨をいれる思春。隠さないのは良い事だ、うん。具体的に書くと怒られるけどピンク色のあばばばばb

 

「おーいって・・・お前旦那に向かって拳骨とかひどくね?」

「なら殴られないようにしてよ・・・ねぇ、もうちょっとで良いからムードとか気にしてくれない?新婚なんだから」

「んー・・・別に文句とかじゃねーけど、今更すぎてなぁ?」

「・・・まぁ、確かに今更だけどさ」

「ムードは夜に頑張るって事で宜しく」

「だっから!もうちょっとオブラートに包んだ表現できないの?!」

「誠心誠意努力し、改善させる次第であります」

「・・・そう言いながら胸に這わせてる手は何?」

「お前の身体って何で俺にジャストフィットすんだろな?」

 

一刀もげろ。ホントマジでもげろ。

ふにふにと自分の身体のそこやかしに手を出す旦那に聞こえる様に溜息を零すと、もう好きにして・・・と呟いて思春は抵抗を放棄した。

 

 

*再度のお知らせですが内容が省略されました。ホント一刀は痛い目みればいいと思うんだぜ。

 

 

結局湯船から上がって服を着たのは一時間ほど経ってからだった。一刀もげろ。

 

「だっと疲れた・・・」

「なー、飯は?」

「塩の塊ぶち込まれたくなかったら大人しく待ってなさい」

「それは料理にだよな?」

「あれ、口の中以外に選択肢なんてあんの?」

 

くわばらくわばらと一刀は撤退する事に決めたのかスゴスゴと茶の間件リビングに引っ込み、思春は全く!と息を吐きながら途中で終わっていた朝食作りに戻る。

思春宅の朝食は御母堂様の御意向により朝はトーストとコーヒーor牛乳だったのだが、それが全国共通の物では無い事ぐらいは思春とて理解している。

幼馴染として長年付き合ってきた間柄ではあるが聞いてみないと意外と分からない事も当然多く、一刀の所の朝御飯事情がどうなっているかもそのウチの一つだった。

二人きりで過ごすようになった次の日にトーストを二人分用意すると、一刀から帰ってきた返事は「いらねーんだけど」で、その返事に思春は目を涙で潤ませる事で対応した。

 

*りぷれい

 

「一刀ー、御飯できたよー」

「・・・・・・いらね」

「え・・・・・・」

「だからいらね」

「ご、ごめん・・・もっとちゃんとしたの作る・・・」

 

もうこの時点で一刀の負けは確定したのだが、思春さんの追い討ちコンボは凄かった。

一刀が慌てて否定しようとする前に鼻をグスッと鳴らすと同時にトーストを乗せた皿を下げて台所に慌てて駆け、生ゴミを入れる袋にトーストをぶち込む所で何とか一刀さん間に合った。

 

「ごめん!言い方悪かった!俺朝は食わないの、そんな習慣出来てないの」

「ほ、ホントに?怒ってるんじゃないの?」

「ホントだって。俺が一々朝起きて飯の用意してたと思うか?」

「・・・でも」

「マジだって。そりゃ実家いた頃は食ってたよ?だからねーさんとかに確認されると困るんだけどさ・・・」

 

数年朝食を取らずに過ごす生活スタイルを取り続けていれば、自ずとそれに身体が慣れる。

元々寝起きが良い方ではない一刀にそのスタイルは見事合っていたので、喧しく説教する人間が偶に様子を見に来る秋蘭しかいない状態で更に拍車が掛かったという訳である。りぷれい終わり。

尽くしたいタイプだった思春に取っては一刀の生活スタイルは歓迎できる物では無かった。

『手を抜けるぜヒャッホウ!!』とのたまえるのは精々ネットゲームの友人達に言う時だけで、実際今もこうして朝食作りに精を出している訳である。

折衷案としては、一刀:食べない。思春:洋食。が現状なので、朝は和食にするという事で落ち着いた。

一刀は別にパンでもいいぞと言ったのだが、それだと色々と被ってしまう。主に愛人の座を見事掠め取った秋蘭とかに。

 

「おいしい?」

「多分」

「んーだって?」

「寝起きで薄味の味噌汁とか味わかんねーだろjk」

「起きてから何分経ってるのよ・・・」

「俺は大体「起きてから二時間ぐらいからが本調子でしょ。もう覚えたわよ」

 

はぁ。と溜息零して自作の味噌汁をずずーっと啜ると、半眼で向かいに座った一刀を睨む思春。

 

(そりゃもう長い付き合いだし、新鮮味がないのは分かるけどさ・・・もうちょっとウキウキしてくれてもいいじゃんか・・・)

 

ゴリゴリと漬物を齧りながら米を食べる一刀をついつい睨んでしまうと、このトウヘンボクは何を思ったのか漬物を箸で挟んでほれ。と思春の前に突き出した。

色気も何もあったもんじゃない。普通こういうのってクッキーとかのちょっと洒落た食べ物の時にやるんじゃねぇのか。

 

「この漬物美味いぞ?」

「知ってるわよ・・・」

 

あむっと口を開けてポリポリ音を立てながら咀嚼し、アドバンテージであった【腐れ縁】の意外な弊害を今更ながらに感じる思春だった。

 

 

 

「同窓会今日だっけ?」

「夕方からね。おいおい急所さむいわー」

「厨パ使いのお前にいわれたかねーわマジで」

 

御飯も食べ終わって食後の一時、一刀はそうでもないが思春がインドア派なのでお部屋でマッタリポ○モン勝負なんぞやっている。

賭けの景品は皿洗いという事もあって、微妙に盛り上がらないテンションの中、もう何十回目かになる一刀VS思春のこの一戦。

 

「今の勝負絶対アタシが勝ってたから。ウチのシマじゃノーカンだからコレ」

「同じシマ出身だろうが幼馴染」

「あーあーもー!」

 

悪態吐きながらも駄々は捏ねずに台所へと向かう思春。D○の電源を両方落としてから一刀もよいしょと腰を上げた。

ぶっちゃけ勝った方は食器を拭いて棚に仕舞う仕事を割り当てられるので、勝っても負けても大差ないのが現実であるのだが、そこは言わぬが華である。

 

「服って普通でいいのか?」

「着飾ってもしょうがないでしょ。半数以上はまだ学生やってんだから」

「結婚したのって俺らぐらいか?」

「秒読み段階のはいるかもねー」

 

なんて会話を交わしながら、阿吽の呼吸で後片付けを終わらせるお二人さん。幸せそうですねコンチクショウ。

 

「どれぐらいで引き上げるよ?」

「アタシ隅っこでロックマ○のTAS動画見てるから、終わったら帰ろ?」

「お前どんだけ行きたくねーんだよ。名目上は同窓会だけど、実質俺らのお祝いなんだぞ?」

「わかってるしー言ってみただけだしー」

「桂花とうきっちゃんが来てからもそのテンション継続してみて」

「OK、ちょっと口にボンド塗ってくるわ」

そう、バラバラになってから大して時間も経っていないこの時期に同窓会が行われる理由の大半がそれだった。

ドラマにありそうな、クラス全員一丸となって―――のような結束の強さではなかったものの、クラスの殆どがまだ幼い時期からの付き合い。

当然祝いなんて皆渡せなかったし、一刀と思春も全く望んでいなかったけれど、何かしたい、祝ってやりたいというのが無くしてはならぬ人情というものだろう。

 

「まぁいいや諦めてるし。時間まで何するよ」

「アタシネトゲやってるわ。今日なんか激レア拾えそうな予感がすんのよ」

「それ『今日なんか出そうな気がする!』っつって毎週パチンコ行く人と大差ねーからね?」

 

アーアーキコエナーイと行ってノートパソコンの電源を入れる嫁さんを呆れ顔で見送ると、さて自分はどうしたものか。と悩む一刀。

思春と結婚して分かった事が一つある。分かった事というより、新たに発見したポイントなのだが。

 

(じゃあ俺はゲーセン行くっつったら不機嫌になんだろなぁ・・・)

 

この幼馴染は異常に寂しがりだった。加えて尽くし系で、くっ付きたがりの甘えたがりでもあった。

昔はそんな事なかったのになぁ。と告白する前の記憶を辿って、それが間違ってない事を再確認するとベッドに腰掛ける。

 

(なーんか籍入れてから恥ずかしがらなくなったなぁ。朝のはノーカンだけど)

「一刀ー」

「んー?」

「抱っこ」

(これだよ。まぁ良いけどさ、気持ちいいし)

 

はいはい。と降ろした腰をまた上げて思春に近づくと朝の恥じらいはどこへやら。腕をぐいっと引かれて後ろから抱き抱えられる格好になりました。

そのまま思春は(*´ω`)な顔でカチカチとやって目的のゲームを起動する。

思春に誘われるがままに一刀も同じネトゲを始めてみたが、ぶっちゃけ全然やってない。

 

「あれ?お前って男のキャラ使ってなかったっけ?」

「気分の問題。それにリアル女だってバレてからネナベってうるさいのよウチの連中」

 

本当は一刀のキャラとゲーム内カップルにしたくて急遽廃人プレイで一から作り直したのだが、其処は付かずにニヤニヤしながら見守るのが正しい作法だろう。

 

「あ、一人でまた別ポケ孵化してやがるコイツ」

「お前ネトゲやんだろー」

「抜け駆けとかマジせこくない?」

「ほれ、声かけられてんぞ」

 

むー。と唸りながらも凄まじいスピードでしかもタイプミスする事無く一刀には意味不明な言語で友人達と会話していく思春。

 

「今何孵化してんの?」

「達磨」

「さむいわーマジで」

「イッ○ュ縛りでスーパーダブル突破目指してんだよ。もう四の五の言ってらんないんだよ」

「『ウチの旦那がマジ寒いんだが・・・』と」

「お前マジしばくかんな」

「うっはww 一刀超叩かれてやんのwww ざまぁwww」

「もういい、ゲーセン行って来る」

「ごめんまって今のなしー!」

 

するっと抱擁を外して玄関に向かおうとすると、腰に抱きつかれてビターンと床に衝突しそうになる一刀。慌てて受身を取ったから良かったものの、一歩間違えれば大惨事である。

 

「おっまえなあ・・・」

「ごめん、すぐ調子乗るから・・・」

「・・・俺も大人気なかったよ。ほれ、仲直り」

「ん♪」

 

ホッペに手を当ててチュッと唇に口付けすると、思春もようやく安心したのかニッコリ笑う。

ネトゲ上では急に反応の無くなった思春のキャラに疑問が浮かんでいたが、とあるプレイヤーの「幼馴染なんだしいちゃついてんじゃねwww氏ねばいいのにwwww」という発言に全員が納得していた。

新婚さんin同窓会会場

 

「なー一刀」

「んー?」

「ぶっちゃけさ、嫁さんできたらエロ本とか全部捨てるの?」

「むしろアイツが仕入れてくる」

 

スコーンと一刀の額にお猪口がぶち当たる。出所は勿論涙目で投球ポーズを取る思春だった。

 

「おーいって」

「尻にしかれてんなぁお前」

「いや俺が押し倒すからアイツが上になるのってあんま」

 

今度は小鍋が飛んできた。無論グツグツと煮えたぎった中身と共に。

 

 

 

「なにやってんのあいつ等・・・」

「ホント成長ないねー」

「思春さんもカズ相手じゃ大変でしょ?」

「・・・大事に、してくれてるのは本当だし」

 

ギャーギャーと騒ぐ男子を尻目に、綺麗に着飾った女子チームは思春を囲んでいた。

かなりの美少女だったし、引っ込み思案なその姿が保護欲をそそる!という思いは昔からあったのだが、昔の思春は一刀にベッタリくっ付いて離れなかったので中々皆絡む機会がなかったのだ。

 

「桂花さー、何時知ったの?」

「え? 籍入れる何日か前に連絡来たわよ」

「えー何で桂花だけー?」

「か、一刀に任せてたから知らない!」

「ま、男子だって知ってたの干吉ぐらいじゃない? アタシと干吉で説得してこの場を設けたんだから、寧ろ感謝してほしいわよ」

 

思春としてはまだ隣に居易いのが桂花なのだが、桂花は空気を読んでか読まずにか、思春からは離れた所でビール飲んでた。

 

「カズさー、ホントそういうトコ秘密主義だよねー」

「思春さんも、大事な所はちゃんと問い詰めなきゃだめだよー?」

「そーそー。ちょっと会わなかっただけで直ぐに合コンとか行くし、浮気するしー」

「か、一刀は平気、だもん」

「ま、それもそうだよねー」「あのカズにそんな度胸あるわけないしねー」

「私、相手ちゃんと知ってるし」

「「「「ちょっと待て」」」」

 

? という表情でチビチビと烏龍茶を飲んでいた思春だったが、あっという間に取り囲まれて壁際まで追い詰められる。

 

「な、何?」

「え?カズ浮気してんのに黙認してんの?新婚なのに?」

「ま、まぁ・・・そうなる・・・かな」

「いやおかしいっしょ」

「な、なんで・・・」

「いやいやありえないから!!そんなの分かった瞬間ビンタで三行半!これ常識!」

「で、でも、そういう約束だったし・・・」

「あー、何言っても無駄無駄。説明ならアタシがしたげるから、思春さん追い詰めないの」

 

ほれ、開放開放。と手をパンパンと叩きながら桂花は思春を助け起こすと、思春は慌てて一刀の隣まで避難した。

 

「何、何で桂花が知ってんの?」

「ま、職業柄ねー。 一刀の浮気相手は秋蘭さんよ。まぁアレは浮気っていうよりお妾さんね」

「いやだって思春さんと結婚したんでしょ?」

「最初っからそういう約束だったらしいわよ? 一刀が秋蘭さんと結婚してれば、思春さんがお妾さんになってたらしいし」

「ちょっとまってなにそれわかんないです」

「一刀のトコと、思春さんのトコと秋蘭さんのトコのご両親が決めてたらしいわよ? 思春さんと秋蘭さんの所は跡継ぎいないしね、春蘭さんはアレだし」

「え、じゃあなに?カズってばそれ知ってて思春さんと?」

「あーそれは無い無い。どうにかその約束破棄出来ないかってアタシの所に泣きついてきたもん。

まぁ結局良い様に言い負かされて納得しちゃったんだけどね」

 

はいおしまい。と言って桂花は別のビールの蓋を栓抜きでシュポッと開ける。

女子チームの面々は突如突きつけられた異文化に眉を潜めてアレヤコレヤと会話を始めるのだが、一刀の隣に座った思春の幸せそうな姿にもうアホらしくなって自棄呑みにシフトする事にした。

ネトゲin思春

 

鈴「おいすー」

A『おいすー』

B『よっす』

雛『(=゚ω゚)ノ』

鈴「やーもーホント主婦大変・・・」

B『リア充なんて・・・(*´・ω・)(・ω・`*)ネー』

A『市ねばいいのに(*´・ω・)(・ω・`*)ネー』

雛『おい喪前らマスターいじめんなよ。念願叶ったんだからお祝いしてやれって』

鈴「これでガキンチョできたらわりとマジで死ねるわ・・・」

A『メデタイ。しかしむかつくwwww』

B『禿同wwww』

鈴「雛ちゃんマジ天使」

雛『そいやマスター赤ちゃんまだなのん?』

鈴「んー・・・旦那があんま乗り気じゃないっぽい」

B『新婚さんなのにwwww倦怠期wwww』

鈴「というか子供に対してビビってる」

A『メシウマ期待www』

雛『あー、そいや旦那さんってアレだっけ?』

鈴「うん・・・まぁ先にアタシと作るって約束だし」

A『なんで雛ちゃんだけ詳しい事知ってるのか説明求む』

B『雛ちゃん優遇・・・これが格差社会科・・・・』

雛『漏れとマスターは持たざる者なんだよ』

鈴「むしろアタシラが冷遇されてっわよ」

雛『マスターの旦那さんってきょぬー歯だっけ?』

雛『きょぬー派』

A『きょぬーも感じにかえろしwwww』

鈴「多分巨乳派。お前乳内ってよく言ってる」

A『旦那さん一発なぐらせてください!』

B『旦那さん一発蹴らせてくだしあ!』

雛『喪前らやめろって、旦那さん良い人だぞ。漏れ生まれて初めて容姿褒められたわ』

B『あれ、雛タソ旦那さんに会った事あんの?』

雛『うい』

鈴「なんだかんだちょくちょく会うわよね?」

B『えーウチラも旦那さんみたいー』

A『写眼щ(゚д゚щ)カモーン』

雛『別に構わんけど、今度はおまいらが樹海ツアーだぞ?』

鈴「ちょいまち、なんで雛ちゃん写メ盛ってんの?」

雛『なんでって・・・こういう時の溜?wwww』

A『щ(゚д゚щ)カモーン』

B『щ(゚д゚щ)カモーン』

鈴「ざけんな、おいやめろ」

雛『おまいら見たら速攻消せよ。マスター長嫉妬深いからな』

鈴「おいばかやめろおねがいやめて」

雛『てへぺろ(・ω<)』

B『旦那把握、ちょっち樹海逝ってくるわノシ』

A『マスター。 視ねノシ』

鈴「やめろよぉぉぉぉ!!!」

雛『やっちまったんだぜ?www」

 

 

ネトゲoff思春

 

C『マスターケコーンか・・・』

雛『めでたいジャマイカ』

D『しかし旦那勇者だよなwwwあの腐ヲタとwwww』

C『うちのマスターは猛者中の猛者だからな・・・』

雛『あー、お前らリアルでマスターと会った事ないっけ?』

D『雛タン会った事あんのー?』

雛『あんよ。正直見るのはお勧めしない』

E『ピザかwwwwwwピザなのかwwww』

F『ちょwwww写メ寄越せwwww』

C『漏れも!!』

G『じゃあ私は公務員!!』

雛『本気でやめといたほうがいいぞ? めっちゃ美女だから心へし折られるぞ?』

C『そんな釣り針に釣られクマー!!』

D『マジでやめといた方がいいって』

F『大丈夫だ、問題ない(キリッ』

E『お化け屋敷的な意味でスルーできない』

G『ジェットコースター的な意味で(ry』

D『押すなって張り紙のあるボタンをスルーなんて出来ないだろ?そういう事だ』

雛『公開しないならいいけど・・・一応言っとくけど個人情報なんだからちゃんと消せよ。じゃないと漏れが消される』

F『ばら撒けって事ですね、わかりますwww』

E『凸しろって事ですねwww』

雛『やっぱ渡さない』

E『嘘!嘘だから!』

G『俺なんも言ってないから俺には頂戴!』

雛『漏れのサイトに隠しアドレスのっけたからそれみれ』

G『URLキボン』

雛『~~~~~~~~~~~』

『wktk』『wktk』『wktk』

F『なぁ雛タソ これマスターじゃないよな?どっかのマイナーグラドルだよな?』

C『え、女優とかだよな?』

G『馬鹿だなお前ら、このスタイルはモデルだっつの』

雛『いやコレガチでマスターだから。人妻だから』

G『ざっけんなよぉぉおおおおおお!!!!』

D『え?コレがあのマスターなの?半ズボン最高!!とか叫んでた人なの?』

G『ちょっちいみわかんないです』

雛『このツラでコスプレえっちおkなんだぞ?www』

F『やめてぇぇぇぇl!!!!』

E『もうやめて!俺のHPはとっくにゼロよ!』

G『10マンまでなら払う、いや100マンでも払うぞ俺』

雛『さぁ、お仕置きの時間だよベイベー』

D『雛ちゃんまじ外道』

G『やめて、もうこれ以上俺達を追い詰めないで』

雛『このツラにこのスタイルでオタ趣味完備した女が人妻なんだぞ?』

G『奥さああああああああん!!』

C『いやあああああああぁぁぁぁ!!』

E『旦那超勝ち組じゃねぇかよおおおおお!!!』

雛『しかも色んな意味で旦那が初めてらしい』

F『なぁ皆、俺樹海ツアー計画したけどどうする?』

E『練炭持ってくわ』

D『ロープしかないんだけどダメかな』

C『おやつはいくらまでおkなの?』

F『俺近くのうまい○買い占めてくる』

G『じゃあ俺キャベツ○郎狩ってくる』

雛『しかも親公認の愛人までいるらしいしなぁ。そっちはボンキュッボンのクールビューティー』

D『もうやだ 堕ちる』

F『ちょっと悟り開いてくる』

E『ガルナの塔って日本だと何処にあったっけ?』

G『ドンキに行けば打ってるんじゃね?』

雛『むしろ虎の穴だろう、悟り的な意味で』

C『だれうまwww』

雛『だからやめとけっつったのにwwww』

「はい、あーん」

「・・・・・・あーん」

 

もっきゅもっきゅと御飯を咀嚼しながら、膝の上に座ったメイドさんの顔をチラッと見てみる。

子供の頃からよく見知った相手ではあるが、ここまでご機嫌なのは何時以来だったろうか。

 

「どうした? 顔に何かついてるか?」

「美人だなぁと思ってさ」

「なんだ、もうお腹一杯か。わかった、ベッドに行こう」

 

褒め殺しは失敗に終わったらしい。

両手を後ろに回されて手錠を掛けられたばかりか、腕と身体、飛んで両足をそれぞれ椅子に縄で括り付けられた今の状況から、解かれたのは縄の呪縛だけ。

 

「あのさ、自分で歩けるし秋蘭抱っこしたいから手錠外してくんない?」

「一刀、私が獲物を前に舌なめずりする馬鹿に見えるのか?」

 

説得も失敗に終わったらしい。どう抗っても力で敵わない事は一日目で痛いほどわかった。

 

「少しの我慢だからなー」

「首輪だけはマジ勘弁してもらいたいんですけど」

 

聞く耳持たず。首にがっちりと縄つけられてから足の縄を解く徹底っぷり。

精神的にも物理的にも大事な物を色々目の前のメイドさんに奪われた一刀は、だんだんと抗う気力を蝕まれていった。

 

 

事の始まりは数日前、秋蘭に呼び出された一刀がほいほいと呼び出しに応じたのが原因だった。

気付ける要因、というほど明確な不自然さが出ていた訳ではない。あんなので気付けたら神読スキル認定して貰えるという話だ。

ただ、少しずつ秋蘭の一刀に対する要求はおかしかった。

ケータイちゃんと持ってこいとか。待ち合わせの場所が秋蘭の住むマンションだった事とか。ケータイに学校の電話番号入ってるかとか。近々誰かと遊びに行く予定はあるのかとか。

全部が全部にキチンと答えてしまったのが運のつき。現在監禁生活は絶賛三日目に突入している。

 

 

「おじゃまー」

「よくきた。まぁ入りなさい」

 

玄関口で一刀を出迎えた秋蘭は、一刀の顔をチラッと確認するとすぐに奥へ引っ込んでしまった。

おや?と思いはしたものの、玄関で押し問答する訳にもいかないと素直に靴を脱いで部屋に上がる一刀。

お菓子とか持ってきた方が良かったかなぁとか思いながら茶の間に入ると、ジロリと自分を睨みつける秋蘭が椅子に座っていた。

 

「ま、座りなさい」

「おう・・・・・・失礼しやす」

 

そう何度も頻繁に訪れた訳ではないのだが、前に来た時は寝室のドアってしまってたっけ?と以前の記憶との些細な違いを気にする一刀。

が、そんな事を口に出せる余裕はない。なぜなら、向かいに座った女性の目つきが尋常じゃなく悪かったからだ。

 

「唐突だが、私は最近非常に機嫌が悪い」

「うん、それは見れば分かるけど・・・」

「原因が何か分かるか? 当然、お前が絡んでいるんだがな」

 

エーと思いはしたものの、ついに来たかこの修羅場。とも思わずにいられない。

昔から数えて、何度秋蘭に自分の下手の後始末をさせたかわからない。

手助けしてもらう度に言葉や行動で感謝と謝罪を伝えはしたものの、秋蘭だって人間。鬱憤だってそりゃたまるだろう。

 

「あの、ヒント欲しいんだけど・・・」

「答えはNoだ」

(あ、これ死んだ)

 

秋蘭ってもしかして俺に気があったりして。とか思っちゃう程度には甘やかしてくれるお姉さん。そのお姉さんが頼みを拒否するなどただ事ではない。

エ○ァの司令のあのポーズでじーっと目を見てくる秋蘭から目を逸らしつつ、過去の自分が行った過ちを全力で検索する一刀。

口に出す事などとんでもない、忘れてしまいたい黒歴史や墓穴に直行コースな悪行もあるが、四の五の言っていらんないんですよ。

「えーっと・・・・・・当然、俺が何かやらかして、んで怒ってるんだよね・・・?」

「Exactly(そのとおりでございます)」

 

ノリは悪くない。しかし空気は最悪だ。

 

「俺のアパート遊びに来た時に、秋蘭ミニスカで来た事あったじゃん?」

「あぁ、というか毎回そうだったと記憶しているが」

「そんとき、座ったりした時にパンツ見えてたけど黙ってたの、実は気が付いてて、その事、とか?」

「見られたくないならズボンを履けという話だな。ちなみに外れだ」

 

一つ目の地雷を踏んだらしい。というか、気付かれていた事に一刀は頭を抱える。だって男の子だもん!と一応脳内で反論したが、怖いので口には出さない。

 

「えーっと・・・秋蘭と遊びに行くとき、大体どっかで何かしら奢ってもらってるの、実はムカついてた?」

「あの程度安いもんだ。言っておくが、的外れもいいトコだぞ」

「じゃあ金借りまくってる事?」

「もうちょっと計画を持って使ってもらいたい所ではあるが、それは要望であって原因ではない」

 

カウンターでお小言を貰ってしまった。地雷という程のものではないが、外れに違いは無い。

 

「・・・昔秋蘭のトコ泊まってた時に、着替え除いてたのバレてたとか?」

「知ってなきゃあんな風にサービスポーズとらんだろ」

「oh」

「私のヌードはどうだった?ん?」

 

ニヤニヤとこちらを突いてくるが、目だけはしっかり笑ってない所をみると溜飲は下がってないらしい。二つ目の地雷爆発。

 

「・・・もうこれしかない。違ってたらもうわかんない」

「ふむ、聞こう」

「昔のも併せて―――寝てる秋蘭のおっぱい偶に触ってたの、こないだ気付いた」

「昔のも併せて、昔から知っていた。それに嘘は頂けないな。触るじゃなくて揉みしだくというのが的確だろアレは」

「そっか、残念。 ちょっと窓から飛んでみるわ、今なら樹海ぐらいまで行けそうな気がするから」

「ちょっと待て。お前目がマジだぞ」

 

ギリギリ窓際で一刀を捕まえて、暴れる両腕を巧みに取り押さえて座っていた椅子にもう一度着席させる。

ふぅ。と額の汗を拭うフリをする秋蘭だったが、そんなもの一刀が見ているわけが無い。そんな余裕あるわけが無い。

 

「出来心だったんだ・・・秋蘭が巨乳なのが悪いんだ・・・」

「責任を被害者に押し付けるんじゃない戯け者」

「すんませんっした・・・」

 

さめざめと泣く一刀を見下ろし、さてどうしたものかと考える秋蘭。

まだ手錠を掛けられた事に気が付いていないらしいし、まずは気を取り直させるのが先決だなと考えを纏めると、とりあえず一刀に現実を教える事にした。

結論として、秋蘭はまだ怒っているのだ。この男の許しがたい悪行に。

 

「凹んでいる所悪いんだが」

「何。俺今なら舌ぐらい平気で噛めるぞ」

「結論から言うとその事に関して私は怒っていない」

「ゑ」

「私が怒っているのは別の理由だ」

「・・・俺アレ以上の悪行なんてした覚えないぞ。しかも秋蘭にとか」

 

桃香や思春なら兎も角。と顔を上げて言う一刀は、二人の名前を出した瞬間秋蘭の眉がピクリと動いたのを見た。

「ヒントだ。お前が上げた人物の内、後者が間接的に係わっている」

「・・・思春が?」

「お前、思春の学校の文化祭に行ったな?」

「え、うん。 え?待って? まさかそれに誘わなかったとかいうオチじゃないよな?」

「違う。まぁ何で誘わなかったのか聞きたい所ではあるが。

本題に入るぞ。

お前、思春にメイド服着せていちゃついていたらしいな?」

 

現在一刀の頭は真っ白だった。

ばれてた。とかじゃなく、それが何処をどう繋げれば秋蘭の怒りを買う事に繋がるのか一ミリも理解できない。

 

「いやいちゃついていたっつーか・・・フツーに過ごしてたけど・・・」

「メイド服の思春に鼻の下伸ばしてた事は事実として受け止める訳だな」

「まぁ可愛かったとは思うけど・・・それをなんで秋蘭が怒るの?」

 

言ってしまった。一刀言っちゃった。関係なくね?とか言っちゃった。

プッツーンと秋蘭の堪忍袋と理性の鎖、そして年上としての矜持が音を立てて崩壊した。

 

「思春ばっかりずるいだろ!!」

「   」

「私だってそこそこ見れた外見はしてるはずだ!メイド服だって多分似合うと思うぞ!」

「あー・・・えっと」

「キツい顔立ちがいけないのか?!それともお前より背が高いのが気に食わんのか!?そんなの一番私が気にしてるんだよ!!」

「いや、とりあえず落ち着け」

「思春と星はまだ許容出来る!どっちもお前とそう背丈は変わらんし顔立ちだって幼いからな!

私が一番気に食わないのはな!!!! なんでウチの姉が良くて私がダメなんだ!!!!!」

「うん、ごめん。俺が悪かった、だからそろそろ日本語喋ろうや、な?」

「いろはにほへとちりぬるを!!」

「秋蘭マジ戻ってこい。頼むから」

 

立ち上がろうとして、秋蘭を宥めようとして其処で一刀は自分の置かれている状況を漸く把握した。

ガチン。と鉄が互いに当たって響く音と手首に食い込む無骨な塊。

 

「なん・・・だと・・・」

「言っておくが、チャチな玩具などではないぞ。下手すりゃ手首がイカレるから大人しくしろ」

(めっちゃ目付き座ってるぅぅぅぅ??????)

 

一刀が秋蘭の忠告を無視して暴れるのは本能だった。

酔っ払いに正論が通じない様に、今の秋蘭に自分の声が届くとは思えなかった。

 

「ごめんマジごめん秋蘭ごめんホントごめん許してください!」

「とりあえず謝っとけ精神は気に食わんな。今日の私は非常に沸点が低いぞ」

「だって他に何言っていいかわかんねーんだもん!」

「偉い人は言いました。所詮世の中ヤったもん勝ちである」

「それ言ったの何処のどいつだよ!!」

「あーあーきこえなーい!!」

 

何とか距離を取ろう、否、この場から逃げようとして一刀は必死に足に力を込めて床を蹴って椅子を滑らす。

しかし靴下を履いている上に床はフローリング、しかもピッカピカに輝いていた。

思うように距離が離れるわけも無く、音も無く接近する秋蘭との距離は逆に縮まって、そのまま膝の上に跨られた。

 

「んーーーーっ???!!!」

「むふっ♪」

 

そのまま両手で顔をガッチリとロックされて溜める事無く唇を奪われた。ニュッチュニュッチュと口内を蹂躙されて、しかも離れる様子は全くない。

頬を押さえ込んでいた秋蘭の手はスルリと滑り、恋人同士がやるように背中に後頭部に忙しなく動く。

 

(私はアホだなぁ。こんなに簡単な事を何の役にもたたんプライドなんかの為に何年も何年も先延ばしにするとは)

 

顔の前には(酸欠で)顔を真っ赤にする一刀がいて、触れ合う所かベロチューしている。

 

(この世は素晴らしい所だ。戦う価値がある)

 

とりあえず秋蘭はかの文豪に謝らなければならないと思うんだ。

「シャワーでも浴びるか」

「秋蘭ってタバコ吸ってんだな・・・」

 

ベッドの背凭れに身体を預けて左腕を柵に付き、右手でタバコを吹かす秋蘭。おとなのじかんが過ぎ去った結果である。

ちなみに一刀はシーツに包まって両手で顔を覆っている。

 

「アホ、コンパの景品で当たったんだ」

「そっか、ならいい「子供に影響出ても困るし、なぁお父さん?」

「何でお腹に手当ててんの。何で俺を見て言うの」

「ヤればデキる。いい言葉だな」

 

ばふん。と二つのやーらかいふくらみを顔に押し付けられ、秋蘭による圧迫祭りを独占しているというのに一刀は暗い顔のままである。

 

「流石にこのままってのは不味いと思うんだけど・・・」

「大丈夫だ、問題ない(キリッ」

「いやんな事言ってる場合じゃなくてさ」

「お前の学校には風邪を拗らせたと連絡してあるし、お義姉さん達への連絡も怠っていない。干吉には私から直々に連絡を入れておいた」

「・・・俺は何時まで此処に閉じ込められてなきゃいけないの?」

「まぁ流石に私も何時までもこのまま過ごせるとは思っちゃいないさ」

 

そう言うとタバコの火を消して、一刀に覆いかぶさると思う存分唇を貪る秋蘭。

もう抵抗するのもアホらしい。と一刀は諦めた目でそれを受け入れる。

 

「はぁ、幸せだ」

「そりゃ良かったね・・・」

「なーんだつれない返事だなぁ。念願の彼女&年上の嫁ゲットしたんだぞ?もう少し嬉しそうにしてもいいだろ」

「いやまぁ言葉にするとそうなんだろうけどさ・・・」

「まだ怒ってるのか? 自分で言うのも何だが中々良い女だと思うんだが」

「否定はしねーけどさ・・・実は昔から好きだったし」

「・・・パードゥン?」

「いやその・・・・・・最初に『女』って意識したのが秋蘭だったっつーか・・・言わせんな恥ずかしい」

 

心の底から恥ずかしかったのか、一刀は組み伏されたままで顔を横にプイッと向ける。

が、薄暗い明かりの中でも簡単に見て取れるぐらいに頬は赤く染まって、その熱を一刀は感じていた。

 

「だっせぇ・・・つーかかっこわりぃ」

「・・・・・・」

「・・・秋蘭?」

 

一刀としては正直な所、テンションMAXになった秋蘭に貪られるものだと思っていた。というかこの状況ならそうして欲しかった。

感情のまま突っ走らないと恥ずかしさで死んでしまう。

なのに秋蘭はジッと固まったままで、神経を集中していないと呼吸しているのかすらも危うかった。

 

「一刀」

「何?」

「先に謝っておく。すまん」

「へ?」

「もう無理。我慢しない、というか出来ん」

 

手を取られ、頭に添えされられた。

その行動が何を意味するのか分からなかったが、とりあえず秋蘭の髪を梳いて見た一刀だったが、その手を包み込む様に秋蘭は手を添え―――思い切り握り締めた。

 

「いってぇ!!」

「これぐらい、強くにぎって」

「ア、アホか!」

「お願い。髪の毛掴んで」

 

千切れるぐらい強く。と艶かしく唇を動かすと、それから暫く、秋蘭は一刀としか喋らなかった。

此処最近ちょっと肌寒いなぁと感じる温度だったので、今日はフード付きのパーカーを着てみた。

外に出る事があまりない桂花は機能性重視のフリースを愛用しているのだが、お出かけとなればそうは言っていられない。一応女の子だし。

 

「でもどーせ一刀はオシャレなんてしてこないわよねー一刀だし」

 

あれほど時間にルーズになるなと顔を合わせる度に口酸っぱく説教しているのに、今日も待ち合わせの時間ギリギリになってもこない。

腕時計で時間を確認すると残り五分を切っていた。

 

「こっちは態々三十分前に来てやってんのに全く」

 

ならギリギリで到着するように自分も出ればいいのだが、そういう時に限って一刀は早く到着したりするから困るのだ。

まぁ口から出た悪態も本心で思ってる訳じゃなく通過儀礼のようなものだし、桂花自身誰かを待つ時間というのは案外好きだったりする。

氷が溶けて味の薄くなったアイスティーと、冷めて渋くなってしまったホットティーは果たしてどちらが不味いのやらと考えながらストローを使ってアイスティーをプクプクさせて遊んでいると喫茶店に偶に付いてるカランカランいうアレが鳴った。

 

「わりぃ、待たせた」

「ぶくぶくぶくぶく」

「ごめん、そんな怒んなって」

「一刀、セウトー」

「どっちだよ」

「ケツバッドほどじゃないから、シッペで許したげる」

 

こんな口論も何時もの事。桂花の顔はしっかり笑顔だし、一刀もそれを見て薄く笑う。

ソファー型の多人数様テーブルをちゃっかり確保している桂花の向かいに座ると、程なくしてウエイターさんがお冷を持ってやってきた。

 

「いらっしゃいませー、ご注文は?」

「水一杯で何分粘っていいんすか?」

 

本気と書いてマジと読む目つきで、しっかりウエイターさんの目を見て尋ねた一刀の脛を思いっきり蹴りつけると、桂花は笑顔でコーヒーにしこたま氷ぶち込んで薄めて下さい♪と注文した。

 

「お前・・・・・・超痛いって・・・・・・」

「アンタまさか行く先々であんな事言ってるんじゃないでしょうね?」

「脛蹴りが完全に入った・・・これマジやばい・・・七英雄余裕で秒殺だって・・・」

「もう一発入れられないだけありがたく思いなさい」

 

あー痛いと涙目で脛をさする一刀を、コイツほんとに馬鹿のままだなぁと思いながら頬杖付いて薄くなったアイスティーを飲む桂花。

 

「何、お金また使っちゃったの?」

「んな訳ねーだろ、監査厳しいんだから」

「ごちー」

「お前本気でぶっとばすよ?」

「冗談よ。 そういや干吉は?」

「女だってよ。けっ!リア充が!」

「干吉もアンタには言われたかないでしょうよ」

 

情報屋であって探偵ではない桂花は一刀の身辺調査なんて頻繁に行えない。

プライバシーの侵害だし、もし発覚したら一刀は本気で怒るかもしれないし。

しかし予期せぬ事態は起こるもので、予期せぬ事態だからこそ一歩踏み込まなければならない時がある。

桂花にとっての予期せぬ事態は、一刀がよりにもよって孫家の跡取りと友人関係を築いているという事だった。

 

「ねぇ」

「なに?」

「雪蓮さんとヤッたの?」

「脳みそ沸いてんのかお前」

 

ふむ、互いに手は出してないらしい。

長女の雪蓮はかなりの直情型だと聞いてはいたが、恋愛に関しては奥手になるのだろうかなどと考えていると、少々苛立った目つきになった一刀がいた。

 

「別に今更下ネタどうこうって仲じゃねーけど、知り合い使うのはNGだろ」

「ごめん、悪かったわ。別に雪蓮さんを悪く言ったんじゃなくて、ちょっと確認しときたかっただけ。煙に巻かれるの嫌いでしょ?アンタ」

 

一刀が中学の時、姉の霞に対する、眉を潜めたくなる陰口を聞いてその場で相手を五人ほど病院送りにしたのを思い出して素直に謝る。

あの時は大変だったなーと過去を振り返って、いかんいかんと頭を振って話を戻す事にした。

 

「なんで急にんな事言い出すんだよ」

「だから確認だって。悪かったわよ、そんな怒んないで。反省してます」

「・・・お前の事だからなんか考えてるんだろうけどさ」

「ぶっちゃけ用件二つあってね。 一つは雪蓮さんとお付き合いしてるのかどうか確かめたかったって訳」

「俺なんざ相手にされる訳ねーだろ、泣くぞコラ」

(気のない男の部屋で女が夜にシャワー浴びるわけねーだろスカタン)「はいはい、よーっく分かったわ」

 

もし遊びで付き合ってるなら別れろと言う心算だった。

本気で互いに惚れてるなら応援の一つや二つするし秘密は墓まで持っていく心算だったが、軽い気持ちで付き合ってるんならあくどい手を使ってでも別れさせた。

まぁ眼前の男がそんな軽い気持ちで女を捕まえられるタイプで無い事は分かってるし、雪蓮の人柄を調査してみるとガードは堅い上に男を見る目は厳しいみたいなのだが。

 

「何、今日は俺イジメる為に呼びつけたの?」

「んな訳ないでしょ。 コレよコレ」

 

そういって桂花はデカデカと『大売出し!!』と見出しの書かれたチラシを取り出して笑う。

本当にしこたま氷をぶち込まれて、すっかり冷たくなったホットコーヒーを飲みながら一刀は桂花を睨む。

 

「超不味いんだけど」

「天罰ってヤツよ、甘んじて受け止めなさいな」

「ギリギリ間に合わなかっただけだろうがよ」

「あぁ?んーだって?」

「すんません」

「へたれ。 それより御飯どーする?」

「買い物行くんだろ?ついでに食えばいいんじゃね?」

 

冷めたホットコーヒーをチビチビ飲みながら、桂花が取り出したチラシをしげしげと眺める一刀。

 

「ちゃんと朝ごはん食べたの?」

「何ソレ何処の文化?」

「OK、予定はハンティングに変更ね。獲物はアンタで、猟師役はアンタのお姉さんとかどうよ?」

「待ってごめん嘘今の無し」

「ちゃんと三食取れって話する度に説教してんでしょうが」

「寝起きは物食えない性質なんだよ」

「ならその分早起きしなさいっての。 んで、お腹空いてないの?奢ったげるわよ?」

「すんませーん!注文いいっすかー!?」

 

備え付けの呼び出しボタンがあるにも係わらず、手をあげて大声でウエイターさんを呼びつける一刀。

その光景を頭痛い・・・と呟きながら額を押さえる桂花。なんだこのカップル爆発しろ。

 

「ちょっと、お昼もあるんだから食べ過ぎないでよ?」

「わーってるって。 えっと、コレとコレ下さい。あとコーヒーちゃんとしたホットで」

「微妙なクレームやめろっての。 すいません、あとアイスティーお代わりください」

 

かしこまりましたーとウエイターさんが去っていくのを見送ってから、一刀は持っていたチラシを桂花に返す。

 

「何、家電買うの?」

「え?いや買わないけど」

「ならなんで家電のチラシ持ってんだよ」

「何となくよ。ウィンドウショッピングがメインなんだから、しっかり相手しなさいよ?」

「おう、服選びより百倍マシだわ」

 

今まで何度桃香と喧嘩したか分からない。稟とも喧嘩した。それぐらい服選びは男にとって拷問だ。

『コレとコレ、どっちが似合うー?』と聞かれてコッチと即答すると『真面目に考えて』どっちも似合うだと『ちゃんと考えて』どっちも似合わないだと『真剣に答えて』

どないせっちゅうねんと頭を抱えた人は多いだろう。リア充爆発しろ。

 

「そういやうきっちゃんから聞いたんだけど・・・・・」

 

 

 

 

「なにあれ。ねぇ風なにあれ」

「なんですかねー、お馬鹿な風には皆目検討もつきませんねー」

「泳ぎたい?」

「口の動きと表情から察するに昔話に華を咲かせているのではないかと推察いたします、マム」

 

リムジンの中から双眼鏡を使って一刀と桂花を睨みつける様に眺める月。風としては足を踏むのを止めて是非ともそれに集中して貰いたい所ではあるのだが、口に出せないのが舎弟の悲しさよ。

 

「なんであの雌狸と一刀さんがいちゃついてやがるんですか」

「レポートは犠牲になったのだ・・・八つ当たりの犠牲にな・・・」

「デコに定規の痕つけられたくねーならさっさと喋りやがりなさい」

「イエスマム。 なんでも一刀さん「え?なに?」旦那様!とは昔から友人関係にあるそうで、そこそこ深く交流を持たれてるそうですよ」

「は?一刀さんが?あの性悪と?」

「まぁ桂花さんも自分の家業が限りなく黒い事は自覚されてるようで、ホンの触りの部分しかお話になってないみたいですけど」

「・・・まぁあの性悪にも最低限の分別はあったって事ですかね」

 

風は心中で地中深く空けた穴に向かって『お前が言うな!!』と絶叫しているのだが、それを悟らせない風は長年に渡って月の世話をしてきただけの事はある。流石の一言。

「で、今日はなんでまた二人で会ってるんですか」

「デートなんじゃ?」

「もう一回だけ言葉で聞いてあげる」

「い、いやですね?当人同士がただのお出かけだと思っていましてもですね?歳の近い男女があんな風に仲良くしてたらそりゃあカップルだと思われても仕方ありませんって!」

「なんか全力で人が落ちぶれる様を見てみたくなってきちゃったなー」

「いやー風ちゃん大失敗しちゃったなーただ昔の友人が会ってるだけですよねー」

 

と、何時も通り自分の望む答えを風の口から聞き出した月だったが、自分の溜飲が少し下がるだけで根本的に何も解決していないという事は流石に理解していた。

再度双眼鏡を持ち上げてファミレスの中を覗いてみると―――双眼鏡が余りの握力に悲鳴を上げて崩れ落ちた。

やっべぇ。と風は思ったが、同時に身動きが取れなくなる。何が癇に障って月のD4Cが発動するか分かったもんじゃない。

 

「ねぇ、風」

「ナンデショウカ」

「ちっと覗いてみ?」

 

つ、とボロボロになった双眼鏡を受け取ると、言われた通りにファミレスの中を覗いてみる。

 

(あー今日が私の命日なのかー)

「なんであの雌狸は一刀さんの横に座ってるのかしら」

「さ、さぁ・・・お二人の立ち居地的にアレが普通なんじゃ・・・」

「なーんかやるせなくなっちゃうなー 爆撃「乱入しましょうか!ね!それがいいですって絶対!押して押すべきですよお嬢様!」でもそんなのはしたないしー」

「私を出汁にしましょうよ!ね?!私にせがまれて偶々入った喫茶店で偶々会ったとかもう運命の赤い糸で結ばれてるかのようなシチュエーション!」

「もうひとつインパクトに欠けるかなー」

「ほら、どこぞの団長さんも言ってたじゃないですか!今はもう果報は寝て待つ時代じゃないんですって!!だからホント穏便に!!友達に振り回されつつも受け入れちゃう優しいお嬢様に一刀さんもイチコロですって!!!」

 

風ちゃん、神は言っている・・・全てを救えと・・・

「では続いてのお便りでーす」

「まともな質問かもぉ~ん!!」

『wwww』

 

「ペンネーム・・・お、凄いですねコレwww」

「なになに?どんなの?」

「『末っ子長男姉五人』さんから頂きました~♪www」

「おぉ!お父さんお母さんがんばった!!」

『www』

「やだー華琳ちゃんエロいー!!ww」

「ちょ!育児の事だからね?!」

「はいはい、もうムッツリさんだなぁww」

「ちょっとやめて?アタシ清純派なんだから!ww」

『www』

 

「えー、『華琳さん流琉さんこんにちわ、初めてメールします』」

「ありがと~♪」

「ありがとございます♪『早速ですが、相談に乗ってください。

僕には何時もアレコレと世話を焼いてくれる人がいるんですが、どうも正面から感謝の言葉を伝えるのが苦手です』」

「ほうほうそれで?」

「『食事を作ってくれたり、洗濯してくれたり、掃除してくれるのを見る度に【ありがとう】と思うのですが、上手く口に出せません。

それどころか、何かにつけてからかったり文句を言ったりしてしまいます。愛想をつかされないか心配してます。

華琳さんは日ごろのお礼としてプレゼントされるならどんな物が欲しいですか?やっぱり恥ずかしくてもちゃんとお礼を言った方がいいでんしょうか?』との事です・・・」

「あのさー、とりあえずさー、言っていい?」

「どうぞ?」

「リア充爆発しろし!!」

『wwwwwww』

「まぁとりあえずは相談に乗ってあげましょうよwww」

「呪詛はその後でいいかww」

「うんwww」

「えー、そーだなー・・・・・・相手さんが同性か異性かにもよるよね?」

「同性だったらアタシ達の手に負えないんじゃ・・・wwww」

「うほ!」

『いーおとこー!!』

「せんきゅーwww」

「飼いならしてるなぁwww まぁ多分異性だと思いますよ?」

「聞いた感じだと完全に旦那さんが奥さんへのプレゼントで悩んでるよね?ww」

「そう・・・だねwww」

「ちょいみせてー♪」

「んー・・・そうだなぁ・・・ きっとさ、相手の人も末っ子長男さんが感謝してるって分かってるよきっと。

ホントに嫌になったら態々行かないと思うし」

「そうですよねー」

「うん。ホントに嫌だったら『漬物買って来い』とか『コーヒー切れてる』とかコッチに投げられてもシカトするって」

(・・・なんかヤケに具体的な指示になったような)

「口に出すのが恥ずかしいのは分かってるからさ?後ろからギュッとしてくれるとか、ほっぺにチュッてしてくれるとかでもいいよ全然。第一見返り求めて世話しないし」

「か、華琳さん?!」

「ほぇ?」

「なんか・・・メール見てからやけに積極的な指示になりましたね?」

「へ?そうかにゃ?」

「いやだってコーヒーとか漬物とか・・・」

「うぇ?!なんで知ってんの!?」

「いやだから・・・ってまさかまさかだったりするんですかぁ?www」

「ち、違う違う!アタシじゃないからね?コレ!!」

「えー、あーやーしーうぃー♪」

『あーやーしーうぃー!!!』

「謀ったな!!」

「いや完全に自分からブレイクダンス踊りましたよ貴女www」

『吐けーwww』『ぶっちゃけろーwww』『華琳ちゃんマジ天使ー!!!』『流琉ースカートめくれー!!!』

「今さ、なんか女の人の声で凄い無茶振りが聞こえなかった?www」

「あ、スルーしてください。私の友達ですんでwww」

「アタシもだけど流琉ちゃんも大概ね?www」

「まま、そこは置いといてww もーこの際ぶっちゃけちゃいましょうよー 公開録音で公衆の面前に向かってアイドル声優生命断つ一言を放っちゃいましょうよー」

「なんという無茶振り!!まさにそとみち!!」

「みなさーん!!真剣狩る華雄のGan-Ryu-役は三期目から変更になりまーすwww」

「待って!!皆署名活動して!!」

『www』

「ところで華琳さん、昨日は彼に何作ってあげたんですか?」

「ハヤシライスー。カレー食べられないのよ、めずら・・・」

「ふぃーーーーーーーーっしゅ!!!!」

『でfgtじょkjhgghrdfghんk!!!!!』

「さ あ 盛 り 上 が っ て ま い り ま し た !!!!」

「ちょ!おま!」

「さっさとぶっちゃければ楽になれますってホントwww」

「まってマジヤバいから!!事務所的にもNGだって!!!」

「向こうで華琳さんのマネージャーさん親指立ててますよ?www」

『マネージャーGJ!!!!!!!』

「マネージャー仕事しろし!!!」

「え?あ、はい・・・・・・」

「なんで席立つの?なんでマネージャーの方に向かってくの?」

 

「wwwwwお腹痛いwwwwww」

「なに?ねぇ、なに?」

「えー、皆さんにとてもいいお知らせがありま~す♪

なんとですね、華琳さんのマネージャーさんが事務所の社長さんに確認取った所・・・」

「ちょ、溜めんな」

「『ノーカットでDJCDだそうぜ!!!』とのお返事を戴けたそうです!!www」

『キャー社長ステキー!!!』『抱イテー!!!』

「タレント守れよぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

『wwwwwwwwww』

「やーアタシ華琳さんの事務所じゃなくて良かったー♪」

「待って!え、マジ?マジなの?」

「マジですよwww早くぶっちゃけてくださいwww」

「もーやだよーアタシー・・・祖国に帰りたい・・・」

「・・・あ、もしもしー?」

「(華琳さん、絶対名前出しちゃだめですよ!?)」

「(わかってるって!!) え?いやダイジョブだよん。 今何してたのー?」

「(やだー華琳さんかーわーうぃーうぃー)」

『(かーわーうぃーうぃー!!)」

「うん、アタシ収録終わった。 今日何食べたいー?」

「(やーん通い妻ぁー♪)」

「(うっさい!!) え?あーうん、今同僚の子といる。いやいや平気だって、だいじょぶ」

「(華琳さんけなげー♪)」

「へ?Tシャツ? 二段目に入ってない?うっそだーアタシ昨日ちゃんと仕舞ったもん!もっかい探して!」

「(華琳さん、いちゃついてるとこ悪いんですが、そろそろ本題に行っちゃってください)」

「(わかってるっての!) あ、そだそだ。 もしかしてさー、番組宛にメール送ってくれたりした?末っ子長男って名前でwww」

「(wktk!!!!)」

『(wktk!!!!)』

「あ、やっぱりそうだったんだwww おもっくそ読んだよん♪ そっかーお姉さんにプレゼントしたいかー♪」

「ktkr!!!」

『kじhvvじおぶvgyftxdrctyぶうjんhygっヴy!!!!!』

「ちょ!!  いやいや何でもないって、うん、スタッフさんがはしゃいでるだけ(お前ら自重しろ!!)」

「『サーセン』」

「(全くもう)・・・それでー?一刀くんはお姉さんになぁにプレゼントしてくれるのかにゃー? おねーさん偶には自分以外が作った手料理が食べたいにゃー♪」

「ちょ!華琳さん!? っていうか一刀さん?!」

『fxcdcwx、塩wんふぇうw、あsjないまmぁ!!!!!』

「うぇ?!やっべ!! あーごめん呼ばれてるから切る!!んじゃね!」

 

「絶対P音いれろよ!!絶対だかんな!!」

「当たり前ですよ・・・ていうか電話の件完全にカットかもしれませんよコレ・・・」

「皆もチクったら怖いかんなー!!!」

『チクリマセーン!!!!』『リア充爆発シローーー!!!』『流琉!!てめぇあqswでrfgtyふじこlp;@!!!!!』

「まったくもう・・・疲れましたよアタシは・・・」

「そうですねー・・・疲れちゃいましたねー・・・」

「ん? なんか流琉ちゃんテンションだだ下がりじゃね?」

「ソンナコツォナイヨ?」

「・・・なんかさ、こういうの言っていいのかわかんないんだけどさ。 警備の人に連行されてる人達が見えるんだけど」

「ガクガクブルブル」

「皆はちゃんとルールを守るように!!華琳ちゃんとの約束だい!」

『マモリマース!!!』『華琳チャンマジ天使ー!!!』『HANASE!!!ゴルァァァァァァァァァ!!!!』

「つかれたー・・・おや、留守電入ってる」

『メッセージハ 125件DEATH』

「・・・へ?」

『華琳ちゃーん?お疲れ様ー♪月でーす♪  おめーのマンション更地にかえっから覚悟しとけや』

『華琳か、私だ、わかるな?   ごめん・・・・・・ごめんな、頼りがいのない友で・・・』

『かーりーんーちゃーーーーーーーん?おっひさー桃香でーす☆  月夜ばかりと思うなよ?』

『もしもし華琳ー?雪蓮でーっす!おっつかれさまー♪  でさ、ものは相談なんだけど北極海で蟹漁とか興味ない?生存率絶望的らしいけど』

『華琳さん逃げてください!!!お嬢様があばばばばばばばばばばば』

『華琳さんっすか?!マジ即効家から逃げてください!!極悪非道の魔王コンビが命をあばばばばばばばばば』

『かりんちゃーん、ごめんねーウチの舎弟共が変なメッセージいれちゃってー♪ あ、雪蓮から聞いたと思いますけど、蟹漁に申し込んでおきましたよー♪』

『華琳、まだ生きてるか?冥琳だ。 諦めたらそこで人生終了だぞ?とりあえず戸籍抹消する所から始めよう、な?私のケータイに連絡しろ、スラム○ンク読み終わったらすぐに迎えに行くから』

『華琳ですか、お久しぶりです、一刀のお姉ちゃんの稟です。 先に絶望を与えてあげます、どうしようもない絶望を・・・・・・』

『凪です。殴ります』

『・・・・・・てめーにあさひはおがませねぇ   あ、恋は恋』

『あー華琳か、冥琳だ。D○2の復活の呪文も○もと以外でなんかしらんか』

『冥琳だ、回転ノコギリって何時何分何秒だったかな』

『華琳か、冥琳だ。  クィン・○ンサとノイエ・○ールならクィン・マ○サの圧勝だよな?』

『あー、華琳か?久しぶりやね、ウチは霞です。  ちょっち話あるさかいそっち行くで、時間空けてまっとき』

『オ預カリシタメッセージハ 異常DEATH』

「え?     え?」

扉→|ドンドンドンドン!!!!

「え?     え?」

 

華琳逃げて!!!!!!もうどうしようもないけど一刀と逃げて!!!!!!

 

私は野生の○葉ことバギ○船長を応援しています。変態紳士こと○ルさんも応援しています。

 

以前はもう少し楽しみながら書けてたのになぁとか思いながら筆が進まない毎日、気付いたらもう四ヶ月経ってました。びっくり。

 

でも華琳逃げて!!を書いてみるとスルっと書けた辺り、私にとって此処の華琳様は無くてはならない存在になってしまったという事ですかね、書きやすい。

 

一旦書き出すと乗ってきたので、次回はもうちょっと早くお披露目しないとまずいですね、待ってくださってる皆様のためにも。

 

やっぱり誰かをいじめる作風が性にあってるんだと再認識。思春あふたーはイマイチな出来栄えだとわかってますんで触れないでくだしあ。

 

華琳逃げて!!はサイトでのラジオの紹介風を目指して敢えてセリフのみにしてみました。非常に読みにくいですね、反省。

 

こっそり出てきた雛里タソ、今度は一刀と絡ませてあげたいです。例によって何時になるかわかりませんが。

 

 

以前のアンケート紛いなアレにコメントくだすってありがとうございます。

個人的に熟女組の票を必死に数えるというエコヒイキをしてましたが、どうにも伸び悩んで畜生!!とか思ってました。

まぁ熟女組はどう転んでもエロ+ドロドロの展開にしかならないので、票集まらなくてよかったのかもしれません。

 

最後になりましたが、各方面のSSや動画製作者様から一方的に力をいただきました。

ISのSSとか書きたいなぁ。書いてみたけど「なにか」のばったもんにしかならなかったんですがね。

 

次回こそ、次回こそ早く上げてみせます。半挿しのネタ回とか是非お披露目したいんで。

 

では、読んでくださった皆様ありがとうございます。私は生きています。戦○大戦楽しんでます。

 

次ページからはお礼返信です。色々すいませんでした。

七夜様  出ました。看板に偽りありまくりですが。

 

tomato様  1番ブツ切りでサーセン 2番かすりもしてなくてさらにサーセン 

 

ちきゅさん様  定期的な更新してない作者に咎がある!!

 

叢 剣様   やっべぇ一番楽しそうなの書いてなかった。至急とりかかりやす。

 

as様    華琳イジメが楽しすぎて忘れてました。すんません。次回必ず。

 

マスカット様  ありがたや!ありがたや!

 

tukasa様  宜しい、ならば18禁だ

 

ジンマル様  7番はね、ホント忘れてたの。

 

萌香様   今日でした。 いやぁ桃香ねえさんは何時もふつくしい・・・

 

asf様   何時も何時も遅筆ですいませんの一言です。

 

やくもけい様  もっと他にやらなきゃならん事があるでしょwww

        とか言いつつ頬はにやけてます。ありがとうございます。

 

りゅうじ様   夫婦生活といいつつ何時も通りの二人でした。風呂敷広げすぎました。

 

ヒロアキ様   7番はガチで頑張ります。

 

アンタレス様  熟女!熟女! その一票を待っていた!

 

kurei様   愛紗はどうしてこうなった・・・いやマジで・・・

 

風籟様   どっちの狙いもピンポイント。日本語間違ってるなんて、分かってます。

 

武中様   3番か!3番がいいのか!このいやしんぼめ!

 

ゲイボルグ様  違う、違うんや・・・どうしてもエロが入ってまうんや・・・

 

jackry様  もう躊躇しない、外道と罵られようが知ったことか。そんな気負いで書きました。

 

藍那聖様   意外に票が集まらなかった2番。雪蓮は雪蓮様のがいいんでしょうかね。

 

水上桜花様  さぁ、咆哮のときだ!

 

sai様    7番だけは何としても早く書き上げねば。そんな使命感に突き動かされます。

 

BellCross様  突いて欲しかった所いじって貰えて大満足です。

 

ちゃあ様    詠ちゃんマジネゴシエーター

 

付和雷同様  すいません、もうこれからは徹底的にイジメ抜きます。でないとテンション上がらない。

 

無双様   蟹漁の手配しときますねー

 

シズナ様  でやしたぜ。

 

320i様  このコメントを見返すまで裸エプロンを忘れてました。 いや、うん・・・ごめん・・・

 

FALANDIA様  なんでこんなに思春人気なんだ。そして相変わらずですんません。

 

dai様     だから何故思春がこんなに(ry

 

Ocean様   あのね、だから(ry  秋蘭は一刀さえ絡まなければ・・・

 

イリヤ・エスナ様  すげぇ、60KBの煩悩をたった数十文字で言い切られた・・・

 

森羅様     2ストライク、2ボール

 

景様     ほめられたぜーいえー

 

よしお。様   こんなのばっかですんませんホント。

 

信号様    全く、どSなんだからww

 

happy envrem様  7番だけは速やかに妄想再開いたします、動け、俺の両手っ!!

 

シン様    熟女はぶられて俺涙目wwww

 

リチャード様  7番は必ず、4番は適当に削除して付け足します。

 

黄昏時の文鳥様  あぁもうなんで7番忘れたかな俺は!!

 

zero様   神は言っている・・・まだ死ぬべきではないと・・・

 

絢風 悠様  雪蓮先輩は流石に此処までぶっとんじゃいないですよ?流石にコレはねーわwww

 

nameneko様  あじゃじゃじゃっす

 

性露丸ティマイ鳥様  すげぇ、いつの間にか一部で本家超えてるぞ俺・・・

 

七夜様    お客様の中に七夜の里を滅ぼした方はいらっしゃいませんかぁ!?

 

カズト様   一刀はジプシーですんで流行デッキ見かけたらフルボッコしたげてくだしあ

 

samidare様  いぐざくとりー

 

ポセン様   愛紗はちょろいなぁwww

 

tyoromoko様  一時の気晴らしにでもなれば、こんなに嬉しいことはございません。

 

悠なるかな様  今回も【ズッギューーーン!!】ってなる事を星に願います。

 

かもくん様   ホント7番書くんでもう許してくだしあ

 

ロンギヌス様  数少ない熟女票ありがとうございます。私は褒められて伸びる子(キリッ。

 

t-chan様   もうね、嘘でも「全部見たい!」とか一つの到達点だと思います。嬉しいです。

 

azu様    しばかれ続ける華琳様が見られるのはここでだけ!!

 

山県阿波守景勝様  荒獅子さんもうホント画面に出てこないで・・・あれ、違う・・・

 

akieco様   え、えすぱー現るっ!

 

リョウ様   一から読み直しとか何と言う時間の不法投棄・・・いや、にやけてます。嬉しい。

 

2828様    はい。展開的には先に雪蓮に会ってますので。

 

護衛様    それは雪蓮のびふぉーあふたーの時にかきまーす。

 

dorie様   思えば遠くへきたもんだ。 一回言ってみたかった。嬉しい。

 

黒部様    秋蘭は二年生。一刀は一年で愛紗と蓮華は中等部三年生。詠は二人の一個下です。

 

アリス様   きっちりと数えてないですけど、やっぱり思春が多いなぁと思いました まる

 

KU-様   熟女だって綺麗なんだぞ!!エロいんだぞ!!

 

リッチー様   一刀△です

 

ヴィヴィオ様  華琳「私をフォローできる者はあるか!」

         詠「ここにいるぞ!!」

 

よーぜふ様   ・・・え?

 

 


 
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