桔梗√ 全てを射抜く者達 第8射
視点:桔梗
相変わらず、紫苑は北郷を垂らしこもうと様々な色仕掛けをしてくる。
露出の激しい服を着たり、偶然を装って北郷に胸を押しあてたり、夜這いをしようとしてきたりする。
朝は焔耶達と昼間は真桜達や杏里と一緒に仕事をさせ、夜は儂の抱き枕によって北郷の貞操を紫苑の魔の手からは守れているが、そのせいで、北郷は休めておらず、フラフラだ。まるで何日も放置したシナシナのニラだ。
ふと気になったのじゃが、何故儂をあのような目で見た北郷を儂は嫌いにはなれなかったのじゃろう?
いや、そればかりか、むしろ嬉しいと感じてしまった。
……そうじゃ!紫苑より女として魅力的だと言われたのだ。嬉しいという感情が有ってもおかしくは無い。
だが、嬉しかったのはそれだけではなく、北郷に魅力的だと言われたから嬉しかったというのもあった。
お!噂をすれば影。北郷の後ろ姿を見つけた。北郷は壁に両手を当てながら、廊下を歩いている。
まるで、歩く練習をしている赤子だ。相当疲れておるのじゃろう。
儂は息を潜め、足音を消すために靴を脱ぎ、ゆっくりと北郷の背後へと近づいて行く。
「北郷!」
儂は北郷の背中を叩き、声を掛ける。北郷はビクッと背筋を伸ばして硬直する。
はっはっはっは、北郷は相変わらず、面白いのう。……うん?北郷は固まったまま動かない。
気になった儂は北郷の右肩に左手を置き揺すりながら、声を掛けてみる。
「おい、北郷どうしt……。」
北郷が後ろに倒れてきた。儂は咄嗟に北郷の背中に左腕を回して抱きとめる。
抱きとめられた北郷はまるで糸の切れた操り人形のように首と腕がダラーンとなっている。
「おい!北郷!しかっりしろ!北郷!」
「………zzz。」
なんだ。寝ているだけか、驚かせおって!心配したではないか。
おそらく、先ほど儂が驚かした事によって心的疲労が限界を超えたのじゃろう。
このまま休ませてやらんとな。部下に休息を与えるのも上司としての役割じゃからな。
毎晩儂の抱き枕の刑は少し北郷には酷だったか?数日すれば慣れると思っていたのだが……。
儂の目の届く範囲で昼寝をする権利与えてやれていたら、こんなことにはならなかったのだろうと反省。
儂は北郷を抱えると、執務室へと向かった。あそこなら長椅子がある。
自室に連れて行ってしまうと、儂は仕事が出来なくなってしまう。
自室に北郷を置いて執務室に行くと儂が目を放している間に寝ている北郷が紫苑に襲われるやもしれん。
北郷を紫苑から守りながら、仕事をするなら、これしか方法がないな。
執務室には誰もおらんではないか。気になった儂は執務室にある皆の予定表を見てみる。
杏里と一刀は先日出来たばかりのサウナの試験、焔耶は兵の訓練、真桜と凪と沙和は警邏になっておる。
で、此処に一刀が居るということはサウナの試験は終わったのか。杏里のこの後の予定は無い。
執務室には儂がおるので、一刀を垂らしこむのは困難だとわかっているのか、紫苑は此処にまず来ない。
ということは、誰にも邪魔されず、儂と北郷の二人っきりか……。
落ち着け!たかが北郷ではないか!何を意識しておる!毎晩抱きついて寝ておるではないか!
今は明るいから無防備な北郷の寝顔が良く見えるだけで、いつもと変わらんではないか!
えーい!五月蠅いぞ!静かに大人しくするということを知らんのか!儂の心臓は!
そうじゃ!深呼吸じゃ!こういう時は深呼吸に限る!心の乱れは息の乱れ!息が整えば問題ない!
儂は北郷に教えてもらったラジオ体操の深呼吸をしてみることに。
鼻から息を吸いながら両手を上にあげ、手を横へと広げながら口から息を吐いていく。
む!落ち着かん!冷たい水を飲んで体を冷ませば、心臓も落ち着くじゃろう。
儂は厨房に行き、一気に水を飲む。ほう、やっと落ち着いた。儂は執務室に戻る。
さて、政務をするか。儂は椅子に座り、竹簡を読んでいく。これで最期じゃな。間諜の報告書だった。
どうやら、他国でも黄巾の賊が暴れているらしい。賊の規模から考えるに儂の所は比較的大人しめのようだ。
これも天の御使いと言う名声のおかげじゃろう。北郷が居なければ、ここ一帯から賊が逃げて行くことも無かっただろうし、杏里が軍師になることも無かったし、真桜達が儂の臣下になることも無かった。
あと、儂の安眠も確保できなかったじゃろう。
儂は北郷の方へ近づいてみる。北郷は不規則な寝息を立て少し眉間に皺が寄っていた。
儂は北郷の頭を少し持ち上げて、頭の在った所に座り、膝の上に北郷の頭を乗せる。
北郷の表情が和らぎ、寝息が規則正しいモノとなった。
北郷にとって長椅子は堅くて寝心地が悪かったが、儂の膝で楽になったと儂は勝手な推測をする。
どうやら、儂の膝は北郷の枕として気に入られたようだ。
いくら北郷に罰として毎晩儂の枕になっていたとしても、たまには儂が北郷の枕をせんと罰が当たる。
今はゆっくり寝かしてやらんとな。
視点:一刀
俺はどうやら寝てしまっていたようだ。疲れが少し取れたのか頭はクリアーだが、寝起きで視界が悪い。
俺は不思議な感覚を感じている。背中の下は固いが、頭の下は柔らかい。
地面で横になっているなら頭の下も固い筈で、ベッドで横になっているなら背中の下も柔らかい筈だ。
頭と背中の感触が違うとはおかしなものだ。一体俺は何処で寝ているんだ?
右手の人差指の甲で両眼を擦り、あくびをする。ようやく、見えてきた。
「き、桔梗様!」
「おう、起きたか。北郷。」
俺は状況を把握した。どうやら、俺は桔梗さんに膝枕をしてもらっていたようだ。
俺は慌てて起き上がろうとするが、桔梗さんは俺の額を指で押して阻止してくる。それでも俺は起き上がろうとするが、やはり起き上がれないので、傍から見ると脚をジタバタさせているようにしか見えない。
桔梗さんはそんな俺を見て、笑っている。
「そう、慌てるな、北郷。少し横になっておれ。」
「ですが…」
「これは命令だ。休め。」
「サ―…イエッサー………。」
俺は桔梗さんの命令に従い、起き上がることを諦め脱力すると、桔梗さんは俺の額から指を放してくれた。
それから、沈黙の時間が続いた。桔梗さんは俺を休ませるために膝枕をし、話しかけて来ない。俺は桔梗さんの膝枕が気になってしまい、何か話をしないと気がまぎれないのだが、何を話したら良いのか悩んでしまう。
俺は桔梗さんの好意を無駄にしないためにも必死に目を閉じて寝るように努める。
それに目を開けていたら、桔梗さんと目が合ってしまって恥ずかしい//////
だが、寝るように頑張るというのも難しい話で、俺は桔梗さんの膝の感触が気になって仕方がない。
目を瞑って静かだと、視覚と聴覚に対する刺激が無いので、余計に桔梗さんの膝の感触が鮮明に感じられる。
なんだよ。この感触。柔らかすぎるんだよ//////。畜生//////。
そして、頭の中で第2次脳内戦争が勃発した。
ひたすら、煩悩という勢力が理性の本拠地に空襲をしてくる。理性は防空壕に隠れ、防衛しているが、空襲に対して何の反撃もできないでいる。睡魔で頭が正常に働かない為か、理性は反撃できず、煩悩の成すがままになりそうだ。ヤバイ。このままだと……。
「桔梗様。夕食の準備が出来m……。」
「桔梗様、俺腹が減りました!早く夕食に行きましょう!」
俺は目を開け、勢いよく起き上がると桔梗さんにそう言って、走って厨房へと向かった。
よかった。『杏里の夕食』という第三勢力の介入で第2次脳内戦争は終結した。
いやぁー、マジ助かった。理性勢力が壊滅していたら、俺が暴走するところだった。
煩悩が暴走すれば、俺自身何をしでかすか分からない……。
……もし…もしもだ!俺が桔梗さんに何をしても嫌われないし怒られない状況で、煩悩に逆らわずに何をしても良いならば、俺は何をしたいんだろう?
ハッキリ言って、俺は桔梗さんにベタ惚れだ//////。ずっと一緒に居たいし、恋人の関係になりたい//////。
つまり、おそらく、恋人の関係にならないと出来ない様な事を俺はしたいんだろうな//////。
恋人の関係……。こ…い…び…と…//////。恋人の関係じゃないと出来ない事//////
ま!まず!手を繋ぐ!そうだ!何とも恋人の関係じゃないと出来ない様なことではないか!
桔梗さんと手を繋いでみたい!しかも、指をからませるっていうあの繋ぎ方でだ//////
桔梗さんの指。あの細くて綺麗な指と……//////。む、無理だ!恥ずかしくてとてもじゃないが出来ない。
考えただけで、心臓がバックンバックン言っている。俺は深呼吸をする。
他に恋人の関係らしいことは無いのか!手を繋ぐなんてハードルが高過ぎる!
……デート。そうだ!デートだ!すごく恋人の関係らしいイベントではないか!
一緒に町を歩いて、桔梗さんの好きなお店に行って、買い物して、桔梗さんと一緒にご飯食べて……。
?うん?これがデートなら、俺と桔梗さんはもうデートしたよな?桔梗さんの町に来た初日に……。
酒屋に行って、家具屋に行って、服屋に行って、最後は一緒に夕御飯を食べた……。
だが、ちょっと待てよ。あれはデートって言って良いのか?別に俺達恋人の関係じゃないよな?
あれ?あれれれれれれ?えーっと俺達は単なる上司と部下の関係だけど?デートをしたのか?
違うよな?そうだ!あれは町案内だ!単に町を案内して貰っただけで、デートではない!
え?でも、俺と桔梗さんは二人で町を歩いた訳で……。ああ!分からん!デートしたかどうかは保留だ!
他に!他に恋人の関係らしい事は…。そうだ!アーンだ!
桔梗さんにアーンをしてあげたい!ほら、喫茶店でパフェをスプーンで突いて、恋人に食べさせる。あれだ!
桔梗さんにアレをしてみたい!想像しただけで、滅茶苦茶恥ずかしい//////でも、やってみたい!
そう、俺がレンゲで料理を掬って、桔梗さんの方に差し出す!で!俺は『ほら、桔梗さん。アーン』って言う。
で!桔梗さんは『アーン』って言って、口を開けて近づいてくる!で!桔梗さんはそれを食べて『美味しいな。北郷』って言…違う!違う!恋人同士の関係なんだから俺の事は『一刀』と呼んでほしい。
桔梗さんは『美味しいな。一刀』って言って、今度は桔梗さんが俺にレンゲを差し出してきて、俺が食べ…、
無理//////無理だ!とてもじゃないが…いや!とても無理だ!
やるとしたら、桔梗さんと二人っきりで桔梗さんがねぼけていr…。
待てよ。俺って桔梗さんにアーンしなかったか?そうだ!二日酔いした桔梗さんにしたことあるぞ!
冷静に考えたら、俺ってあの時すごい事をしたんだな//////
だが、桔梗さんからのアーンはまだ無い。されたいが、恥ずかしい//////
他!恋人らしい他のイベントは無いのか!
そうだ!き…き……きしゅ!キスでしゅ!頬にキスではなく、唇と唇を合わせる、アレだ!
…って、無理じゃボケ//////んなことできるか!そんなことできないのは、ヘタレだって!
ああ、ヘタレですよ!どうせ、私はヘタレですよ!
でもね、冷静に考えて下さいよ//////あの桔梗さんと……キきkiキキききき…キス//////
そりゃ、キス出来たら、嬉しいですよ!嬉しいですとも!
抱きしめられてキスなんかされた日には、昇天してしまいますよ!天に帰ってしまいますよ!
ああ、もう考えただけで…顔が熱く……サウナが涼しく感じるほどだ。
他!他には何か無いのか?
そうだ!エ…ええっえっええエえエッエエッ……♡♡♡だ!
恋人の♡♡♡ってどんなことするんだろう?AVみたいなことするんだろうか?
だとすれば…………//////。♡♡♡が分からない!?察しやがれ!コンチクショー!
口に出して言うなんて正直無理//////
つまり俺の中では、
手を繋ぐ<デート<アーン<キス<抱きしめ(られ)てキス<♡♡♡という結論に辿り着いた。
レベルが高ければ高いほど、やっては見たいが、恥ずかしくて出来ない//////
これがハリネズミのジレンマって奴か…。
あれ?なんか地面が揺れているぞ?違う。どうやら、俺がフラフラならしい。
さっきから、鼻から垂れて来ている液体が原因なのだろうか?
俺は液体で濡れているところを触ってみる。その液体は赤かった。
ああ、血だ。鼻から出ているから鼻血なのだろう。それで俺の鼻からでているのだから、俺の鼻血だな。
結構な量だ。3分出しっ放しだとコップからこぼれそうな勢いだ。つまり、貧けt………
「おい、北郷!しっかりしろ!血まみれではないか!刺客にでも襲われたのか?」
「落ち着いて下さい。桔梗様!一刀さんは鼻血による貧血です。刺客ではありません。過労もあるので、医者を呼んできますね。」
「頼んだ。」
そこまで、辛うじて桔梗さんと杏里の会話を聞き取れたが、その先俺はどうなったかは知らない。
気が付いたら、俺が倒れた日の3日後の朝だった。
爆睡したおかげで、睡眠不足は解消され、クマも少し薄くなり、体の倦怠感も無くなり、体が軽くなった。
視点:?
「は!私だけの個性の危機の予感!……気のせいですよね。」
視点:桔梗
北郷には重罰を与えてしまった。そのせいで北郷が昨日倒れてしまった。
償いの為にも恩赦として、儂が北郷に何かをしてやろうと考えたが、儂には酒と戦しかない。
となると、北郷のために酒宴をするか?だが、紫苑がいる以上、前と同じようになる可能性が十分ある。
それに酒宴はいつもやっているので、北郷が嬉しがるかどうか微妙な所だ。
うーむ。何をしてやろうかのう?そうじゃ!以前北郷の言っていたあれを作って送ってやろう。
幸い、どういうものか聞いておったから服屋に頼めばすぐにできるだろう。
沙和の話によると東町の服屋は種類が豊富で、生地が良く、特注してもすぐできるらしい。
政務が終わった儂は沙和と早速東町の服屋へと行った。沙和に店長を紹介して貰い、早速制作を頼んだ。
天の国のモノということもあって、店長は嬉しそうな顔をしていた。
早速作ってみるとのことだ。構造は簡単だと言っていたので、2日で出来ると言っていた。
あの模様は儂が考えた。折角北郷に送るのだから、それぐらいはしたいという儂の要望だ。
服屋の特注用の絵柄参考書を見ながら、紙に絵柄の構図を描いて行く。
儂から北郷へと意を込めて、柄は桔梗模様で中央に狼の絵柄を入れてみた。
こういったモノを考えるのは苦手で絵柄の構図的にあまり合っていなさそうな気がしたが、沙和が大丈夫だというのだから、大丈夫だろう。花と狼のぎゃっぷが良いと褒めてくれた。
「桔梗様、嬉しそうなの。」
「うん?そうか?」
「そうなの。桔梗様。鼻歌を歌っていたの。」
「なんと!儂はそんな恥ずかしい事をしておったのか!」
「大丈夫。沙和しか居ないの。」
「そ、そうか。」
「で、桔梗様。それ隊長にあげるの?」
「な、何故分かった!?」
「狼の絵柄で思いつくのなんて、射撃狼って言われている隊長しか居ないの。」
「そ…それもそうじゃな。」
「で、どうして隊長にあげるの?」
「お前に教える必要はない。」
「沙和はここのお店を紹介したんだから、教えてくれても良いと思うの。」
「駄目なもんは駄目じゃ!」
「ええー!桔梗様ズルイの!」
「飯を奢ってやるから勘弁しろ。嫌なら凪に先日警邏をサボって雑誌を読んでいた事を言うぞ?」
「脅迫はズルイの…。」
その後、沙和と二人で屋台に行き、夕食を取った。やはり、仕事終わりの酒は上手いな。
そして、この棒々鶏が美味い。後このピリ辛の高菜も酒に合う。
儂が来たという事で酒場は盛り上がり、ドンチャンワイワイお祭り状態じゃ。いつものことなのだがな。
北郷と焔耶が居ないから、率先してドンチャンワイワイ出来ないので、少しおとなしめで酒を飲む。
それに、沙和は酒にあまり強くない。沙和と儂が酔いつぶれるまで飲んだら、誰が儂と沙和の面倒をみるという話じゃ。酒も程々にし、腹が膨れた儂と沙和は店を出る。
「やっぱり、この町の人は良い人達ばかりなの。」
「急にどうした?」
「沙和達は籠の行商だったのは知っているよね?
色んな町に行ったけど、住むなら此処が一番。もし叶うなら、大陸中の人がこの町の人のような人だったらなって思ったの。」
「そうか。」
それから、沙和とこの大陸が平和になったらの話をする。
儂は酒池に入ってみたいと言うと儂らしいと言われ、笑われた。
沙和は大陸中の服を集めて全部着てみたいと言っていた。オシャレに気を使う沙和らしい願いだった。
城の衛兵にも平和になったらの願いを聞いてみたが、子供と海に行ってみたいと言っていた。
確かに北郷と海に行ってみたいな。…ちょっと待たぬか!何故北郷の名前が出てきた?
そうだ!海の話は北郷から聞いていたから、北郷の名前が出てきたのだろう。
決して、北郷と二人で行ってみたいからではない!そうじゃ!そうに決まっておる!
北郷が倒れたことを紫苑に伝えると、紫苑は北郷を腹上死させるつもりはないと言って、手を引いてくれた。儂は北郷の負担にならない様に自室で一人で寝ることにしたが、寝つきが悪く。
寝台の上で寝返りを打ち続けていたら、朝になっていた。
視点:一刀
「北郷、お前に贈り物がある。」
マジで!桔梗さんが俺にプレゼント!何?また糒?いや、状況が違いすぎるから糒と言うのはまず無いだろう。
なんだろう?必死に考えるが、思いつかない。
そもそも何で俺にプレゼント?その理由も考えるが、まるで分からなかった。
だが、桔梗さんの話を聞いていると、どうやら俺への膝枕の刑が重罰過ぎたと思ったらしく、謝罪の意を込めてプレゼントを贈りたいと言うのだ。つまり俺の事を労わってくれたと言う事だ。
嬉しい!嬉しいぞ!嬉し過ぎて死にそうだ!ヒャッホーーーーーー!
で、桔梗さんに目隠しをさせられて、手を引いて何処かに連れて行かれる。
桔梗さんに目隠しをされた場所と歩いた方向と歩数で何処に連れていかれているのか推測をする。
この方向と歩数からして中庭?中庭に置いてあると言うことはプレゼントは大きいのか?それとも、人でも集まっているのか?だが、中庭は静かだ。人は居ないように感じられる。と言うことは前者だな。
うん?このまま歩いていると中庭の木がたくさん植えられている所についてしまいますよ?桔梗さん?
「北郷そのまま後ろに倒れろ。」
「はい。」
「違う。そのまま後ろに倒れろと言ったのだ。その場で寝転がれとは言ってない。」
「す、すみません。…では、行きますよ。」
俺は後ろに倒れる。後ろに何があるのか知らないため、目隠しをしたまま後ろに倒れるのに躊躇する。
だが、俺は桔梗さんを信じて後ろに倒れてみる。すると、俺の背中に何かが当たった。さらに膝の裏に同じような何かが通る。その二つの何かによって俺は持ち上げられた。この感触は腕か。でも誰の?
…ちょっと待てよ。さっき、誰の気配も感じられないと言ったよな。ってことはこの場に居るのは俺と桔梗さんだけ。と言うことはこの腕は桔梗さんの腕!?と言うことはですよ。俺は桔梗さんにお姫様だっこされてるの?
桔梗さんの桔梗さんによる俺のためのお姫様だっこ//////最高だぁ―//////!
で、桔梗さんに抱っこされた俺は少し運ばれて、あるモノの上に寝かされた。何だこれ?
知っている!俺はこの感触を知っている。これは……。
「目隠し取って良いぞ。」
「はい!」
やっぱり、これは……。
ハンモックだ!
まだ俺が社員として戦場で戦う前、同じ研修生だったメキシコ人の友人から以前1つ貰った事があって、密林のサバイバル演習で使った事があった。懐かしいな。
「喜んでもらえたようじゃな。」
「はい!ありがとうございます!桔梗様」
「そんなに良い物なのか?儂も乗せろ。
ああ、降りんで良い。店主の話によると、大の大人が二人乗っても破けない代物らしいからな。」
そう言って、桔梗さんは俺の横で寝転がる。
だから、俺がハンモックから降りようとしたのは、そういうことでは無くてですね。
わかりますか?ハンモックって確かに大の大人が二人乗って破けませんが、大の大人が二人乗るとですね。狭い訳ですよ。狭いということはどういうことか分かりますよね。そうですよ。密着状態になりそうになるわけですよ。俺は端の方によって桔梗さんがゆったりできるようにする。それでも狭い訳で…。
桔梗様って良い匂いがする。俺は静かに大きく息を吸い。肺を桔梗さんの匂いで満たす。
これでは、まるで匂いフェチの変態ではないか!違う!そんな疚しい気持ちでは無くてだな。
普通に良い匂いしたからもっと嗅いでいたいと思っただけだ。
ほら!良い匂いのする花とかでよくやるだろう!だから、俺は普通だ!変態では無い!
「はは、確かにこれ良いものだな。北郷が気に入るのも分かると言うモノじゃ。」
「そ、それは良かったです。」
「あと、これで酒が飲めたら、もう言うことは無いのだがな。」
「ははは、何とも桔梗さんらしいですね。……あれ、何処かに行かれるんですか?」
「ああ、まだ政務が残っているのでな。北郷はもう少し休んでおれ。
ここは儂の執務室から見えるから、紫苑に襲われそうになったら、儂が守ってやる。」
「はい//////」
そういうと桔梗さんは去って行った。……守ってやるか。桔梗さんに守ってやるって言われた//////
女の人、それも惚れた女にこんなことを言われるのは正直男としてアレだけど、滅茶苦茶嬉しかった//////。
嬉し過ぎて顔がにやけてしまっているのは自分でも分かる。
は!俺も兵士なのに守ってやると言われるのはどうなのだろう?俺も桔梗さんを守りたい。
まあ、良いか。俺は自分の為に桔梗さんを守る!それで良いか。
俺は桔梗さんに言われた通りにハンモックで寝ることにした。
優しい風が吹いている。その風は俺の体の全身を包み込むように撫でるように流れている。それだけでは無い。ハンモックを固定する木の葉が俺を熱く照りつける日光から守ってくれる。おかげで程良く涼しい。鳥が泣いているのか、仰向けで寝ている俺の前の方から鳥の鳴き声が聞こえてきた。
今日はそんな穏やかで静かな休日だった。
その後、桔梗さんは俺への抱き枕の刑を軽減してくれた。まあ、簡単に言うと抱き枕の刑の回数を減らしてくれた。それに抱き枕の刑をする時は桔梗さんが俺の部屋に来て、勝手に俺の布団にもぐりこんで抱きついている。
だから、眠れない日々が続く事は無くなり、毎朝最初に桔梗さんの顔を拝めるという特権を貰った。
それから、俺の安眠の妨げにならない様にと、紫苑さんに襲われない様に俺の部屋の扉に鍵をつけてもらった。
メェー( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。
梅雨と言うこともあって片頭痛で悩まされています。頭が痛い。+不眠症
ということで今回のお話はどうだったでしょうか?
まぁ、拠点ですね。戦ってばかりでは話がすぐ終わってしまいそうなので、フラグが立つか立たないか微妙なお話を乗せてみました。一刀の不眠症と言う伏線?回収をしただけという話になったのですが、まあ、おかげで一刀が過労死せずに済みそうですww
ってか今回出演者少ねぇーー!一刀、桔梗、杏里、沙和の4人だけって言うね。
後、一瞬だけ、何処かの誰かさんが出て来ましたねww
それから、第2回同人恋姫祭りの開催について今度の日曜日の夕方に会議をすることが決定しています。
会議参加条件はありませんが、開催希望日時とテーマについて考えておいて下さい。
祭りで作品出店希望者や読む専の人は楽しみにしていて下さい。後日開催日程とテーマについて発表します。
さあ、今からラーメン食いに行ってきます。
それでは最後になりますが、いつもので閉めたいと思います。
御唱和下さい。
へぅ( ゚∀゚)o彡°
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薬の副作用で眠くなって生活リズムが崩れて不眠症に陥った黒山羊です。
体がだるすぎる…。
それでも分かることは1つ。酒は美味い。
もちろん、薬を飲んだ日は酒飲んでませんよ。
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