No.223932

真・恋姫無双 花天に響く想奏譚 私的解釈 他

華狼さん

少しばかり私の解釈を。それとサブストーリーも。
あと気になってることを。詳しくはあとがきで。

2011-06-21 07:27:50 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2292   閲覧ユーザー数:1878

 まえがき

 

 初めまして、もしくは毎度目を通していただき感謝のきわみ。華狼です。

 

 今回は説明の通り、自分の呂布(恋)に関する考察・解釈、あと本編とは直接関らない話がいくつか、です。

 前者は、本編での「気」の扱いはこんなかんじです、というものを少しばかり。

 後者は、しばらく戦闘描写が無さそうなのでここで書きたいから書きました、というもの。

 

 それと書き始めて気になり始めたことがあります。詳しくはあとがきで。

 反応・応答してくれれば安心できます。

 

 では。

 <呂布(恋)に関しての解釈と考察>

 

 では恋に関しての自分なりの考えを言っていきます。

 

 人体、もしくは生物の体、には経絡と呼ばれる「氣」の通り道があり、本編ではそれを「氣路(きろ)」と呼称するとします。

 

 氣路の走り方は人間全般通して微細な差を除けば同じ形になっています。

 

 しかし恋の場合、通常の氣路走行に、人間には本来存在しない氣路がいくつも加わって走っています。丁度  「氣路バイパス」とでもすべき形で。

 先天的に生まれ持った特異な氣路と、氣の絶対量の多さによって、高効率で氣が体内を満たし、巡り、物理的な筋力量以上の膂力を発揮します。

 

 そもそも武将達は筋肉量以上の怪力を発揮してますが。あれも氣によって筋肉量以上の出力が出ている結果、 です。

 外史は正史、つまり現世とは違うので、この世界の人間には扱えない氣というやつが細々と、しかしその筋では確かに認識されている、というところです。…もしかしたら今も昔も氣というのは実在して扱われているのかもしれませんが。

例えば大昔は普通に使われていたけど、人類の遺伝子が受け継がれていき、且つ人類がより理性的・科学的に傾倒していくにつれて自然的な力の氣が扱えなくなっていってる、とか。これが正しかったら、もしかしたら正史の武将達も今の人類とは根本的な膂力が違うのかもしれません。

 

 話が与太にそれましたので修正。 で、特異氣路によって高出力な恋ですが、それにより弊害も出てきます。

 

 まず。本来人間には存在しない氣路の存在によって、その氣路と生体との間に抵抗が出ます。その抵抗の摩擦が生体表面に色という形のバグとして表出したのが、あの青紫色の模様です。全身に出ているあの模様、よく見ると刺青のような作られた幾何学模様でなく、動物の毛皮の模様のような自然形成的模様、になってます。

 氣路によって出た模様なので、戦闘時など氣が活性化している場合においてはより濃い青紫色になり、さらに 感情が激昂した際には一時的に模様の線が増えてより複雑で鮮明な色の模様になります。模様がうっすら光ったり顔とかにも出たり、 する、のかなぁ。(訊くな) だれかイラスト化してください。

 

 ほかにも。高出力の代償というか氣路の弊害というか、によって「感情の起伏が薄い」「理知・理性的な部分の発達の遅滞」などの精神面での欠如が見られる。

 と言ったら聞こえは悪いですが。要は「本能的」だったり「あんまり考えない」とか「純粋」ということです。恋の恋たる部分ですよね。…合ってます?私ゲームとか一切やってないのです。

 

 あと大喰い。高出力の反動としては当然ですね。…効率が良いのか悪いのか。

 

 こんなところです。こうしてみると以前書いた詳細解説に出た「次元差異発生性劇的急進行型筋ジストロフィー」になんか似てる。人体と氣の摩擦による弊害、っていうところとか。

 そんなわけで(どんなわけだ)恋の体質にも名前を付けましょう。

 「特異氣路走行症(とくいきろそうこうしょう)」

 と、模様は「氣路‐生体間抵抗性特殊色素発生症(きろ‐せいたいかんていこうせいとくしゅしきそはっせいしょう)」

 ですね。 うん、長い。(これ本当に即席でパッと思いつきました。こんなスキル無駄のきわみというのは自覚してます。)

 

 これでとりあえずは説明的なのはおしまいです。恋が出るのはまだまだ先ですね。多分。

 これまでで察してるかたもいるかと思いますが、私はどこか変なところで理屈っぽいところがあるようです。思いっきり文系なのに。数学苦手なのに。そのくせ医学っぽい描写もあったりでもうほんとなんなんでしょう私は。

 

 まぁとにかく愚痴は千里の彼方に放り投げて。

 

 次からはサブストーリーになります。あの彼女が出てきたりあの人があんなことになってたりはたまた彼にそんなことがあったりと、字面だけだとなんだかアレなかんじですが。残念そんなことにはなりません(どんなのだ)多分。

 

 ではどうぞ。

 

 <不動 如耶>

 

 ・斬撃の中の逢引・

 

 不動 如耶(ふどう きさや)は聖フランチェスカ学園二年生で剣道部の主将も任されている。

 とある財閥の令嬢で美人なうえスタイルも抜群、というのに公式戦では無敗を誇る文武両道、才色兼備な完璧超人であった。

 

 そんな彼女は今。剣道部の合宿で泊り込んでいる学園の、剣道部が修練で使っている道場に立っている。

 時期は夏休み。時刻は夜。たったいま十二時を、昨日から今日を迎えた時。皆はとうに眠っていて、今、如耶がここにいることは誰も知らない。 目の前の男子生徒以外は。

 

 「…ゆくぞ、北郷。」

 「どうぞ。」

 

 如耶が対峙する北郷 一刀は、如耶の和装に対して、全体的にピッタリした黒ずくめの服の上下だった。そして如耶は木刀を持ち青眼に構えて、一刀は素手にバンテージを巻いて左の半身、左手を内に軽くひねって前に出しただけで構える。

 

 「…、フッ!」

 火蓋は如耶の鋭い呼気で切られた。床を蹴り、剣道部員達ではまともに反応できない速度で間を詰めて一刀の顔の目を狙って右手で突きを放つ。

 これを一刀、そのままの構えのまま、いっそのこと緩慢にさえ思える動作で顔をわずかに左に動かして避ける。

 ただこの突き、新撰組で用いられた「平突き」というもので、刃を寝かしているから外しても即横薙ぎに移れる技。如耶は避けられることをみこしていて、刃の先の一刀の頭を間髪いれずに薙ぎにかかる。

 そこらの不良なんぞは最初の一突きで倒れているようなものだが、切っ先が目の先十センチというギリギリの最小限の動作で、一刀は半歩下がってあっさりかわした。

 

 「ッ、ハァッ!!」

 更に如耶は流れを殺さず一歩踏み込んで、目の前、在って無い距離の先の一刀に両手持ちの木刀で突きにかかる。 結果、

 

 「…少し振りが大きかったよ、先輩。」

 

 突きを放った体勢で如耶は止まっていた。 左下あたりから一刀の声。 

 一刀は突きを横に回転してかわしつつ沈むように踏み込んで、回転で出来た勢いを利用した肘打ちを如耶の左わき腹に打っていた。 寸止めで。

 

 「…クッ、次っ!」

 如耶の声で二人は各々後ろに飛び退り、再び先程と同じ構えを取る。

 

 その後、またもや攻防が繰り広げられる。如耶の剣術はもう高校生のレベルではない。どころか、巷の道場の師範程度では相手にならないほどの実力を持っていて、そもそも自身が籍を置く剣術流派の後継者の話も挙がるぐらいだった。

 

 だが。 その如耶でも一刀には一太刀も入れられない。効かないのでなく、当たらない。

 

 斬撃に手を添えて逸らし、流すのすら時たまで、神速のフェイントも織り交ぜた一連の剣技は全て最小限の動きでかわされていた。在って無い距離の先の一刀に、触れることすらできていない。

 

 「ムンッ!!」

 今度は袈裟に、一刀の左肩口に切り込む。左からの斬撃の軌道、その下に入るように避けた一刀に、如耶は続いて逆袈裟で再び切り下ろすがこれも後ろに下がってかわされた。

 「ッ、おぉォッ!!」

 そして逆袈裟斬りの勢いを殺さず利用して、如耶は先の一刀と同じように横に回転しつつ沈むような大きな踏み込みで肉薄、足を払うような「足薙斬り(あしなぎぎり)」で一刀の足を狙った。

 

 それをかわすべく、一刀は上に跳んだ。一メートルほど。軽くいける高さではないが、如耶はかわされて歯がゆい表情ではあっても驚きのそぶりではなかった。

 寧ろ好機とばかりに上空の一刀を鋭い目で見据えてしゃがんだ状態から木刀を即座に構え、

 「はぁァァァアァッっ!!!」

 全身のバネを使っての全力の突きを、滞空する一刀に向かって放った。いやちょっとは躊躇しろよ、とでも言いたくなるような、一切迷いの無い突きだった。

 

 が。 それすらも一刀には届かなかった。

 

 迫る切っ先に腕の甲側を沿えて逸らし、落ち始めながら空中で横に回転して姿勢制御。切っ先を逸らした手を手刀に変え、回転の勢いを持った朱刀で如耶の首を着地と同時に一閃した。

 

 もとい、首の数センチ手前を、だった。 この技、対地技の「墜弧月(おちこげつ)」と言う。

 

 「…ッ、はぁっ、はぁっ、 …かなわないな、北郷には。」

 「当てはしないけど手は抜かないよ。俺は。」

 「ならあの爆足も使ってほしいものだが。」

 「そしたら組み手にならないよ。」

 「っ、はは。それもそうか。」

 

 がくっ、っと糸が切れたように座った如耶に、息が全く乱れていない一刀が声をかけた。

 

 

 ・へたれに男女の別は無し・

 

 「北郷。…師匠からおおまかだが、話を聞いた。」

 「…そっか。」

 

 夜の校舎、月の下。夜風の中、二人は花壇に腰掛けて涼んでいた。

 

 「某はそちらの世界に足を踏み入れることは無いだろうが。…これからも、頼めるか?」

 「あぁ。…お爺さんの孫、ってだけじゃなくね。俺も先輩の力になりたいんだよ。」

 言って優しく微笑んだ。 わずかに如耶の頬に朱が差して、それを自覚して顔を背ける。

 

 「?」

 どうしたんだろ、と思ったが、ふと思い出して柱の上の時計を見上げる。

 

 「…じゃあ先輩。そろそろ行くよ。」

 如耶が意を決して言おうとしたとき、先に一刀が話しかけた。

 「ぅえっ? あぁ…、そうか。 では、また今度、だな。…ありがとう。」

 「ここ何日かは俺も楽しかったから。お互い様、だよ。」

 「合宿の小間使いだぞ?」

 「それが、だよ。」

 

 一刀は如耶の申し出で、合宿の雑用の手伝いをここ何日かしていた。 普通の生活、が楽しい一刀だった。

 

 「それでは。 …また、な。」

 「あぁ。 死にはしないよ。」

 

 そう言うと一刀は腰をあげて、軽く手を振って走っていった。

 

 「帰ってこいよ、北郷…。」

 

 で、少しあと。

 

 

 「うぅ~、何故私は肝心なことが言えんのだ全くほんとにあぁもうぅぅ…」

 

 布団に潜って、もだえる如耶がそこに居た。

 

 こと恋愛に関しては、彼女もまたへたれ、なのであった。

 <北郷 不二>

 

 ・人の業・

 

 不二は対峙していた。何と、と問われれば、

 

 「グオォォォォァァァァァッッッ!!!!」

 

 こんな声の主、と答えようか。 答えになってないか。名前はプロトα(プロトアルファ)である。

 

 場所は某研究施設。その地下深くの最深部。広い実験空間だった。

 バイオテクノロジーの施設で、いざという時のために閉鎖出来るように地下深くはで作られたものだった。

 そしてそのいざというときが来てしまった。

 

 とあるサンプルが暴走して、施設は即座に閉鎖した。

 しかし重要なデータが残っていて、回収すべく部隊を出したが一人も帰ってこない。定時連絡の何倍もの時間が過ぎても、あ、の一言も来なかった。

 

 そこで、不二が出ることになった。

 

 で、なんやかんやで最深部。対峙しているのはそう、 化け物、だった。

 

 おそらくだが、なんとなーく虎が元になっていたのだろうというのは見て取れた。その証拠とすれば、

 「ェギュォオオオオオオアァァァッッッ!!」

 「ムゥッ!」

 猫科の動物の俊敏な動きで不二に襲い掛かって来たところとか。横への爆足で一瞬で十メートル横へと移動していなければ、その爪牙で肉塊になっていただろう。

 

 そう、ベースは虎だろう。ただその大きさが体高だけでも二メートル、頭から尻までだと五メートルというふざけっぷり。体色も黒地に金の縞のありえなさ。

 牙はサーベルタイガーの長い二本を更に極太、絶鋭にしたようなので天然のナイフ、額からは金属に似た質感の太い一本の角、ときた。

 しかも目が計四つ。側頭に普通は無い、もとい有ってたまるか、な目が更に二つ追加されていた。ただその目は濁って白濁している。それでも正確に不二の場所を突いてこれたのは、

 「…全有知覚細胞、か。」

 そのせいだった。その名の通り、五感全ての知覚を有する細胞である。

 人体に用いることで失った知覚器官を代替する、という目的で研究されたものだが。一部のマッドでバカな一派が軍事用のブーステッドビーストを作ってしまい、

 出来た結果がこのキメラ。満遍なく渡った全有知覚細胞によって全身目玉も同然、頭には角、体重は一トンを軽く超え、その体躯を高速で操れる筋肉を持っている。 因みにそのおバカな輩は、一番にそのキメラに喰い千切られました。めでたしめでたし。

 とはいかないこの渡世。

 断砕の牙、絶斬の爪が襲い来るなか、爆足の極み「無間(むげん)」で移動、時に急停止を繰り返す擬似的な分身「霞身一片の法(かすみひとひらのほう)」で撹乱しつつ、隅にあったケースを確認した。

 

 「…流石に獣を強化しただけはある。しかも全身感覚器、死角は無し、ときたか。」

 

 そうつぶやく不二の顔は、ただただ哀れみの表情だった。

 

 「…これが、人の業というやつよの。」

 

 すると不二は、

 

 「…せめて、わしが終わらせてやる。」

 

 

 スッ、と半身に構えて、

 

 「ゴアァァァァァォォォォォォッッッ!!!」

 

 飛び掛かってきたプロトαの爪を、当たる直前に無間での一瞬のバックステップで避け、

 

 「眠れ。」

 

 プロトαの爪が床の素材に突き刺さったと同時に、バックステップの反動からの双掌を、眼前の哀れな生き物の顔面に叩き込んだ。

 

 刹那、床が揺れた。踏み込みは攻撃のカウンターウエイトだが、その踏み込み自体と発せられた衝撃があまりにも強烈だったことによる。

 一拍遅れてプロトαにも変化が。 端的に言おう。 爆発した。

 鼻面にめり込んだ双掌からの衝撃は鼻を潰して脳の組織を破壊する。脳に伝わる途中にも、衝撃は眼球や耳の中の組織を次々に破壊、血管なんか連鎖的に弾けて首から上の穴という穴から血が飛び散る。四つの目玉もシャンパンのコルクの如くポンポンと。

 衝撃だけが脳組織を破壊するのではなく。鼻面を中心として頭蓋骨全体がひしゃげていて、歪みによって脳が押しつぶされた。

 

 「オ゛ア゛アアァァァ!!」

 

 一際大きく、遥か地上の更に上の空に向かって、上体をそらして吼えた。

 

 そして、

 

 「オ オォォ ァァァァ ァ …」

 

 ゴボッ、と口から血を盛大に吐き出して、プロトαは動かなくなった。

 

 「…人の業とは、かくも醜いものよ。」

 

 動かなくなった人の業の象徴とでもすべきそれに不二は目をやって、

 

 「一刀、…おまえは「人」と …どう向き合う?」

 

 今は居ない孫にむかって、届かない言葉をつぶやいた。

 <不動 如耶 2>

 

 ・去って、のち・

 

 「北郷 一刀が亡くなった」

 

 その知らせはあっという間に翌日の学園に広まった。

 

 「…かずぴーが、死…、は?」

 

 そんな声の後一刀のクラスが軽い混乱状態になったが、そのあとの学校中の混乱はその比じゃなかった。

 一刀というのはそもそも有名だった。どこか達観したような、大人びているような、しかし気取ったりしていない優しい雰囲気で、かなりの数の女子生徒が大なり小なり意識していたことが原因だが、それ以上に有名な話が、

 

 不動 如耶が北郷 一刀を好いている 

 それか、

 二人は付き合ってる

 

 というのがもっとも大きかった。

 剣道部所属でも無し、上流家庭同士でも無し。なのに如耶はなにかと一刀を頭の隅においているふしが見られた。そのうえ如耶を「お姉様」と慕うちょっとアレな生徒達曰く、

 

 「北郷 一刀と話している時のお姉様はどこか雰囲気が違うのですわ。 私は別に北郷 一刀などはどうとも、それはもう別になんとも思っていませんわえぇそうですともなぜ私があのような軟弱な笑い顔のしかも男を好きになるはずが」

 あの、文法おかしいっていうか好きかどうかなんて聞いてませんよ?

 「~~!!でででですから私は好きなどということはありません!ま、まぁたしかに優しいというのは聞いてますがそれだけの人間などつまらないだけですわ第一あの人は優しいだけで強く出ることを知らなくていつも御友人らしき人に振り回されて少し困ってる人を見たらすぐ手伝ってといった具合でもっと強く出てもいいのに本当にあの人はあのときも」

 はいはい。長くなったので割愛。

 

 とまぁそんな感じなのだが。 

 

 それから後、如耶がしばらく学園を休んだ。

 

 

 「っ…ほく、ごうっ…」

 如耶は、自分の部屋に閉じこもっていた。

 

 一刀の知らせを聞いた翌日。如耶は昨晩から泣き通していた。

 

 両親や周囲の人も、今回ばかりは何も言わずにそっとしておいている。

 如耶の祖父が生前に実の孫のように交流していて、如耶も幼い頃は時たま遊んだりしていた男の子。しかし祖父が亡くなったあとは疎遠になって、忘れかけたころに学園で再会して、親の目にも好きなのだなと分かる、でも お父さんは結婚なんて認めません、なかんじだった北郷 一刀。

 その彼が亡くなったという今。寧ろなにもしてやれない、というのが正直だった。

 如耶は、一刀の背景は大体どんなものかは分かっていた。でも毎回帰ってきていた。だからどこかで北郷は死なない、と根拠も無しに思っていて、

 だから、いつまでも先延ばしにしていた。

 言いたかったこと、幼い頃からずっと思っていたこと。でも言えなかったこと。

 

 そして、今は二度と言えないこと。

 

 「…、ずと…、」

 

 好きだった。 ずっと好きだった。 自分が好かれるとは一切思ってない、そんな鈍感さが歯がゆいこともあったけど。そんなところも含めて、全部好きだった。

 

 でも今は、全部過去のこと。 もう、取り返しがつかないこと。

 

 「…っ、かずとっ…」

 

 零れた水は、もう元には戻らないものだった。

 <左慈>

 

 ・勘違いするなよっ、オレはやつが憎いんだ!・

 

 オレ、こと左慈は北郷 一刀が憎い。やつのせいで外史が生まれ、正史が変わってしまうんだからな。

 …断じて私情はないぞ。やつはいつも女に囲まれていてオレは白装束だの眼鏡だの筋肉だのしか周りに居ないから、とかそんな恨みごとは無いんだからな!

 

 ぉほん。とにかく。今回の外史を見逃すのはやつがどうとかではなく。管輅にある弱みを握られたからだ。

 …あれはいくつか前の外史での一件だったな。あのときのやつは片足を失っていた。だがやつはあのバカみたいな優しさで、片足を失っていたにも関らずたった一人の女を愛し、戦おうとしていた。それを見ているうちに、 …まぁ、魔が差したというやつだな。そうだ魔が差したんだぞあれは!

 あいつが将来的に死ぬであろう可能性の芽を摘んだ。当然、肯定派、否定派の両方に知られないようにな。

 …だがばれた。最初に管輅、あとそれを隠そうとした于吉に、だった。

 管輅はそれと、他のあまり知られたく無い色々をオレに突きつけて、否定派の面々に知られたくなかったらこの外史を見逃せ、と言ってきやがった。どうにもこの外史のあいつの祖父に惚れているらしい。

 

 で、今に至る。于吉曰く、「別にいいんですよ。私はそんな情に流される左慈も好きですから。ね?」  とか言ってやがった。…気色悪いんだよバカが。

 

 兎に角。オレが見逃すのはこれっきりだし、この外史のあいつに手助けなんざしたりしない。

 オレが助け、じゃなくて!真が差したのはあの外史のあいつだけだからなっ。

 

 …第一、この外史の北郷はオレよりも強い。手助けなんかしなくても大丈夫だろ。

 

 

 …なに、呼び方が「やつ」から「北郷」になっててしかも心配してるみたい、だとっ!?

 

 ち、違うぞオレが助けようと思ったのはあの北郷であってこの北郷じゃない!あんな甘い考えのやつなんか一度死んで考え直したほうがいいにきまってるからな!

 

 

 分かったなっ、オレは北郷が憎いんだ!勘違いするなよっ!

 <あとがき>

 

 なんだか左慈と不動先輩がかなり好きになってきたような気がしてる華狼です。

 この先二人が何らかのかたちで出てきたらいいのに。って書くのは私ですね。

 

 さて、まえがきで書いていた気になり始めたことですが。

 まず、お気に入り登録してくれている方々、支援してくれている方々、本当にありがとうございます。見てくれている人が居る、というのは救われる気分です。

 しかし。見てくれている人は居るのに、コメントが全然無いのが気になってます。

 私は自作品関して、

 1・良くも悪くも無く、特に言うこと無し

 2・そもそもコメントするだけの価値がない

 の二つの解釈をしています。

 「良い意味での言うこと無し」は基本的にありえないこととして考えてます。そこまでうぬぼれる馬鹿ではないですよ?

 

 それで、どうなんでしょう。流れが本格的でないから、魅力に欠けるのでしょうか。生の意見を是非下さい。

 所詮こういうのは自己満足なのでしょうが、やっぱり人に見せてる立場なので。見せるに値するものにしたいので。

 

 意見、お願いします。

 

 

 PS ツンデレ、というのが書いててなんだか楽しかったです。特に不動先輩を慕うあのキャラ。

 「待てオレは北郷のことなんか」

 はいはい。

 

 

 更にPS 全有知覚細胞、なんてのは在りません。…多分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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