No.213672

真・恋姫†無双 あなたと共に 12(前編)

highstaさん

気合の投稿です!!

と言っても前編なんですけど・・・

まずは勘違いさせてしまった方がおりましたら、申し訳ないです!!今回、前編・後編には愛紗は登場しません・・・

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2011-04-27 03:15:00 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:12669   閲覧ユーザー数:9034

~祭り4日目~

 

「いたっ!ちょッ!?もっと優しく」

 

「ふふっ・・・情けないぞ、一刀」

 

「気合が足りん!!」

 

朝から一刀の部屋では大騒ぎ

 

その原因は・・・

 

「くそぉぉ!!鍛えてたはずなのに・・んぎゃっ!?」

 

「自業自得だ」

 

昨日行われた天下一品武道大会でなかなかの傷を負った一刀

 

そして、その一刀の世話をしている春蘭と秋蘭・・・

 

「だ、だいたいだな!安静にしてろと言われたくせに・・・その・・・なんだ昨晩はあんなに・・・・・・」

 

「い、いや・・・でもね?その・・・男の子は疲れてる時に逆に元気になるというか・・・」

 

「し、知るか!!」

 

「ほら、姉者も一刀もあまり騒ぐな・・・一刀、腕少しだけ上げるぞ?」

 

「んっ」

 

まさに今の一刀は秋蘭にされるがまま・・・

 

ちょうど着替えを手伝ってもらっているところだ

 

そして、その間に春蘭に足のマッサージを受けている

 

まさに至れり尽くせりなのだが・・・

 

「ッッッッ!!!!し、しし春蘭!!つよ、強すぎ!!」

 

「こら、一刀!」

 

「ま、待て!暴れるな!!加減が分からん!!」

 

春蘭のテンションとマッサージの強弱が比例しているため、一刀はだいぶグッタリしていた・・・

 

「・・・っと・・・・・・よし、一刀もういいぞ」

 

「・・・・・・うん・・・ありがとう秋蘭」

 

「ふふっ、気にするな」

 

「むっ!・・・・・・か、一刀!これくらいならどうだ?」

 

「!?・・・おっおぉぉ!うん、それくらいがちょうど良いかも。ありがとう春蘭」

 

「う、うむ////」

 

ちょうど、秋蘭が一刀にいつもの制服の代わり(武道大会でボロボロになったため)を着せ終え、春蘭も加減が分かり始めた頃・・・

 

 

コン、コン

 

 

「どうぞ~~」

 

「失礼します、兄様」

 

ガチャ

 

「兄ちゃん、元気~?」

 

「おっ、流琉に季衣、おはよう」

 

お盆に料理をのせた流琉と、その後に続いて季衣が部屋に入ってきた

 

「兄様・・・もうお昼ですよ?」

 

「・・・・・・マジで?」

 

流琉の返事に驚き、思わず季衣の方を見る

 

「ホントだよ。ボク、さっきお昼ご飯食べたもん」

 

昨日とは違い、いつもの元気を取り戻した季衣が元気よく答える

 

「うわぁ・・・・・・そんなに寝てたのか・・・・・・って、春蘭と秋蘭は食べたの?」

 

「いや、これからだ」

 

そう言って、腰を上げる秋蘭

 

「姉者はどうする?」

 

「むっ・・・確かに腹は減ったが・・・・・・」

 

チラッと一刀の方を見る

 

「うん、俺ならもう大丈夫だから。食べてきなよ」

 

「そ、そうか・・・ならば」

 

一刀にそう言われ、春蘭も少し名残惜しげに腰を上げた

 

「では、季衣、流琉。一刀のことは頼んだぞ?」

 

「はい、秋蘭様」

 

「は~い」

 

「2人とも、ありがとうね」

 

笑顔で、気にするなといった風に、ヒラヒラと手を振り秋蘭が

 

そして、続いて春蘭が部屋を出て行った・・・・・・

 

 

「兄様、まだ痛みますか?」

 

2人が出て行ってすぐに、流琉と季衣が一刀の容態を気遣って近寄ってくる

 

「あんまり体は動かせないけど大丈夫だよ。心配してくれてありがとうな、流琉(なでなで)」

 

「い、いえ当然ですから////」

 

流琉の気遣いが嬉しくて頭を撫でてあげると・・・

 

「むーー!!流琉ばっかりずるいよ、兄ちゃん!ボクだって心配してたんだから!」

 

隣にいた季衣が興奮して、グイッと体を乗り出してきたが

 

「ごめん、ごめん。うん、季衣もありがとうな(なでなで)」

 

「うん!・・・えへへ」

 

流琉と同じように撫でてあげると、大人しくなって甘えるように擦り寄ってきた

 

「それでさ、流琉・・・・・・その手に持ってる料理って、もしかして・・・」

 

季衣と一緒に一刀から頭を撫でられ、すっかり顔を赤くして俯いていた流琉だったが、

 

「はっ!?そ、そうでした!これ、兄様に・・・」

 

自分が部屋に来た目的を思い出し、手に持っていたお盆ごと、一刀に差し出した

 

「そっか、良かった!実は気になってしょうがなかったんだよ」

 

「うっ!・・・す、すみません。・・・もう冷めてるかもしれません」

 

お盆の上にのせられた料理は、山菜がたくさん入った”おじや”・・・

 

確かに、料理からは湯気が消えていて、少し冷めているようだった・・・

 

「あ、あの!兄様!やっぱり、温めなおして・・・」

 

「いや、いいよ。十分、十分!いただきま~す!」

 

余程お腹が減っていたのか、腕の痛みも気にせずかき込んで行く

 

「あはははは、兄ちゃん慌てすぎだよ」

 

「そうですよ、兄様。ほら、こぼれちゃってます」

 

「美味い!!そして、流琉ありがとう!」

 

「わ、分かりましたから。とりあえず食べ終わってから喋って下さいね?行儀が悪いですよ」

 

「モグモグ(コク)」

 

子供のように表情豊かに食べながら頷いて答えた

 

 

 

 

 

 

しばらくして・・・

 

「ぷはーーー。ご馳走様!!」

 

「はい、お粗末さまです」

 

「兄ちゃん、おいしかった?」

 

一刀は結構な量の”おじや”を平らげた

 

「あぁ、美味かった!特にあの山菜はおいしかったな!」

 

「ホント?えへへ」

 

「兄様」

 

「ん?何?」

 

「あの山菜、今朝、季衣が早起きして取ってきてくれたんですよ」

 

「えっ!マジで?」

 

えへへ~、と照れ笑いを浮かべる季衣を見る

 

「そっか・・・。季衣、改めてありがとうな」

 

「ううん、いいよ。兄ちゃんがおいしかったって言ってくれたから」

 

少し大人っぽくなったものの、笑顔は変わらない

 

一刀の大好きな笑顔

 

「流琉も腕があがったのかな?3年前よりもおいしく感じた気がするよ」

 

「ほ、本当ですか、兄様!?」

 

こちらも嬉しそうな笑顔

 

「嘘なんか言わないよ。・・・そうだ!今度暇ができたら、天の国の料理を教えるよ。またいくつか覚えてきたからさ」

 

「本当ですか?楽しみです!!」

 

「じゃあ、ボクが味見してあげる」

 

「季衣はダメ」

 

「な、何でさ?」

 

「だって、季衣は味見って言いながら全部食べちゃうじゃない」

 

「そ、そんなことないよ。流琉のケチ!」

 

「な!?き、季衣!!」

 

「はい、二人ともそこまでな」

 

もう少しで武器が出てきそうだったため、慌てて一刀が止めに入る

 

「流琉、いいじゃないか。季衣が味見をしても・・・。春蘭よりマシだよ」

 

「そ、それは・・・」

 

少しおどけた一刀の言葉に何も言えなくなる流琉

 

「季衣も。ちゃんと我慢できるよな?」

 

「う、うん。もちろんだよ」

 

季衣も納得したようなので、改めて二人の頭を撫でてあげる

 

「///」

 

「えへへ」

 

 

 

3年経っても・・・

 

どんなに大人に近づいても・・・

 

一刀は二人の”兄”なのだから・・・

 

 

 

コン、コン

 

「はい?」

 

流琉と季衣のケンカを未遂で済ませ、3人で話していると再びノックの音が響いた

 

「一刀殿?入ってよろしいですか?」

 

「稟?いいよ。どうぞ~」

 

ガチャ

 

「失礼します」

 

「お兄さ~ん、生きてますか~?」

 

「・・・・・・チッ」

 

「おっ!稟、風も・・・それと、桂花!今、お前舌打ちしただろ?」

 

「ふん!そんなの私の勝手でしょ!それに・・・なんで、あんた生きてんのよ!」

 

「うぉ!!こ、こいつは・・・「お兄さ~ん」っとと・・・風」

 

風が一刀の寝台の右側・・・流琉の隣に腰をおろす

 

「桂花ちゃんだけではないのですよ~。分かっているんですか~?」

 

「わ、分かってるよ・・・それで、3人ともどうしたの?」

 

「もちろん一刀殿のお見舞いですよ。体の方は大丈夫ですか?」

 

「まぁ、なんとか。あんまり動かせないけど、痛みはそこまでないよ」

 

「そうですか・・・なら、大丈夫みたいですね」

 

「?・・・何が?」

 

稟が廊下の方を見ながら、意味深な言葉を吐く

 

「あの~~郭嘉様、これはどうすれば・・・」

 

そして、その廊下から兵士が顔を出した

 

「中に運び込んでください・・・場所は、そうですね・・・」

 

部屋の中を何かを確認するように見回す

 

 

「無難に机で良いでしょう。乗らなくなったら、机の周りにでも置いておいて下さい」

 

「はっ!」

 

兵士のハキハキとした返事とともに、とんでもない量の書簡や竹簡が部屋に運び込まれた

 

「・・・うわぁ」

 

「・・・凄いね」

 

流琉と季衣も唖然としている

 

「・・・これ・・・何?」

 

隣にいる風に話しかける

 

「・・・・・・ぐぅ」

 

「寝るな!」

 

ペシッ

 

「おぉ!お兄さんからは久しぶりですね~」

 

「そうだね。俺も何か懐かしかった・・・って、それはいいんだけど・・・これは何?」

 

風との懐かしいやり取りも終わり、改めて目の前で行われていることの説明を求める

 

「それはですね~お兄さんがいない間に風たちがやってきた記録ですよ~」

 

「・・・記録」

 

「そうですよ。一刀殿が託してくれたものを私たちなりに考えてきた結果です」

 

「あんたのせいでね、私たちがどんだけ大変だったと思ってるの?」

 

三軍師それぞれの答え・・・

 

そしてそれは・・・

 

自分の”想い”に応えようとしてくれた”想い”・・・

 

「・・・分かった。・・・全部に目を通せばいいの?」

 

その答えに稟が頷く

 

「察しが良いですね。えぇ、その通り。私たちなりの解釈が多いですから、出来れば一刀殿本人の意見も聞いておきたいので」

 

「分かった。なるべく早くするよ」

 

「お願いします」

 

「頑張ってくださいね~」

 

「さっさとしなさいよ!」

 

 

 

3人の声を聞き、頷く

 

その一刀の顔には・・・

 

3人の想いに応えようとする・・・

 

深い決意が込められていた・・・

 

 

 

コン、コン

 

「は~い」

 

稟たちを加え、皆で話していると、再び誰かがやってきた

 

「一刀?入るわよ」

 

ガチャ

 

「どうぞ~・・・って言う前からかよ・・・」

 

「あら?何か問題があったかしら?」

 

「いいや、別に。おはよう、華琳」

 

「おはよう・・・という時間でもないのだけれど」

 

「そこは勘弁してくれって」

 

「ふふ、思ったより元気そうね」

 

「まぁね」

 

一刀の周りに皆が集まってる様子を見ながら、華琳も安心したように笑った

 

「華琳様!」

 

「あら、桂花?こんなところにいたの?さっき文官たちが探し回ってたわよ」

 

「・・・ッ!!」

 

何かを思い出したのか、顔には焦りが浮かぶ

 

「早く行ってあげなさい・・・。風、稟もお願いできるかしら?」

 

「はい」

 

「了解なのですよ~」

 

3人そろって部屋を出て行こうとしたが

 

「3人とも頑張れよ~」

 

一刀はその背中に激励の言葉を掛けた

 

「一刀殿もお大事に・・・」

 

「お兄さんこそ安静にしてなきゃダメですよ~」

 

「あ、あんたなんかに言われなくてもちゃんとやるわよ!」

 

3人それぞれの言葉を残し、今度こそ出て行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

「・・・で、華琳は何か用?」

 

「用がないと来てはいけないのかしら?」

 

少し意地の悪い笑みを浮かべて華琳が答える

 

「まさか。大歓迎」

 

「ふふ、そう・・・」

 

一刀もおどけた調子で答える

 

「でも、今回は用があるのよ・・・まぁ、厳密に言うと私じゃないんだけど・・・」

 

「へ~、誰なの?」

 

「蓮華・・・呉の孫権よ。あなたと話がしたい、って言ってきたの」

 

「・・・・・・はい?」

 

一刀自身、全く予想していなかった人物

 

もちろん話したことなんてない

 

初対面である

 

「今、来てるの?」

 

「えぇ」

 

「あ・・・・・・そ、そっか」

 

「どうするの?」

 

少しの戸惑いはあるが・・・

 

「・・・・・・うん、会うよ」

 

結局、いつものように笑顔で答えた・・・


 
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