No.209803

真・恋姫†無双 ~死んでも俺は叫び続ける~ EPISODE 05『関羽』

futureさん

早苗と別れ、旅を続ける一刀たち。
彼らの終着点は一体何処にあるのだろうか・・・・。


相変わらずのgdgdクオリティ。その癖、異常な文字量。

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2011-04-03 21:11:10 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:3907   閲覧ユーザー数:3206

本日晴天なり。

 

関羽「しかし・・・よかったのか?」

 

趙雲「ん? 何がだ」

 

関羽「我々はまだ仕官するつもりは無かったが、星はあのまま公孫瓚殿に仕えれば一方の将として、兵を任されたであろうに・・・」

 

趙雲「公孫瓚殿は決して悪い人物ではない。だが、ただそれだけだ」

 

一刀「この乱世を治めるだけの器ではないし、影も薄い・・・・そんな所だな」

 

趙雲「よくお分かりで」

 

関羽「な、中々に手厳しいな・・・お二人とも」

 

空を見上げ、趙雲は呟く。

 

趙雲「この蒼天の下。真に仕える主はきっと他にいるはず・・・・それに何より。お主たちといた方が、この先楽しそうだ。そうであろう? 北郷殿」

 

一刀「そう・・・だな。ハハッ」

 

鈴々「にゃはー。鈴々も、けんぴのお兄ちゃんとまた会えて嬉しいのだー!」

 

一刀「おわっ。抱きつくなって・・・・・ったく」

 

そう言いながらも、顔のニヤけは隠しきれていない一刀である。

 

関羽「ふふっ。では、参ろうか」

 

趙雲「あぁ」

 

一刀「了解」

 

張飛「分かったのだー!」

 

 

蒼天の下。

四人の男女は笑い合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

EPISODE 05

 

「関羽」

 

 

 

 

 

 

 

某所某日。

その少女はそこに居た。

 

??「・・・・・・・・・・・・・」

 

少女は墓の前で礼を組み、しばらくした後、その瞳を開いた。

 

??「・・・・ん。それじゃ、行って来るよ父上」

 

その少女もまた、決意を秘めらせた瞳を持っていた。

 

 

 

 

場所は移る。

 

人で賑わっているこの街。だが、そんな街には似つかわしくない二人がそこには居た。

 

??「華琳様。袁紹殿は如何でしたか?」

 

黒髪の少女の問いに答えるのは、金髪ロールの少女。

 

華琳?「相変わらずよ。名門の出であることにあぐらを掻いて、己の無能さに気づきもしない。あんな愚物が領主として踏ん反り返っていると思うと・・・・虫唾が走るわ」

 

・・・・大した毒舌である。

 

華琳?「春蘭。兵たちはどうしていて?」

 

春蘭?「はっ。既に門外にて待機しております。合流し次第、直ぐに出発できます」

 

華琳?「そう」

 

毒舌少女は部下の対応に満足したのか、軽く息を吐いた。

 

??「うわーっ!」

 

華琳?「・・・ん?」

 

??「あの人、頭すっごいグルグルなのだー!」

 

毒舌少女の髪型の事を言ったのであろう。ともかく相手が誰であろうと失礼な事に変わりは無い。

 

??「っ!! し、失礼した! この者は髪の事を言ったのであって、その、別に頭の中がどうとかいう事ではなく・・・」

 

姉らしき人物がフォロー(笑)を入れるが、どちらにしろ毒舌少女の表情は厳しくなるばかりであった。

 

張飛「ん~~~~!! ん~~~~」

 

関羽「は、ははははは・・・・」

 

毒舌少女の視線の先には、先程の姉妹?・・・だろうか。その二人に加えて、白い服の少女と薄汚れた外套を羽織った男が居た。

 

華琳?「ふっ・・・子供の戯言。咎めるつもりは無い」

 

関羽「ふぅ・・・(汗)」

 

張飛「むぅ・・子供って・・・・」

 

ほっと安堵する姉と、子供と言われた事にむくれる妹。

 

華琳?「髪といえば」

 

関羽「え?」

 

華琳?「あなたも中々美しいものを持っているわね・・・」

 

関羽「え、いや、これは他人に褒められるほどの物では・・・」

 

華琳?「下の方も、さぞかし美しいのでしょうね」

 

まさかのセクハラである。

 

張飛「そうなのだ! 愛紗は下の方もしっとり艶々なのだ!!」

 

愛紗?「こ、こら! 何を!!」

 

一刀「嘘は言っていない」

 

愛紗?「だから違っ――――――って北郷殿に見せた事はありません!!」

 

趙雲「義妹にはあるのだな」

 

関羽「いやだからその・・・!!!」

 

まさに四面楚歌。しかもセクハラによる物である。

 

華琳?「ふぅん・・・それは是非とも拝んでみたいものね」

 

関羽「い、いや、その、だから、あの」

 

顔を真っ赤にして否定をする。ここまで来ると流石にキレていいレベルだろう。

 

華琳?「けど、今は野暮用があって残念だ。我が名は曹操。縁があったらまた何れ」

 

そのまま曹操は行ってしまう。しかし趙雲と一刀だけは、その背中を目で追っていた。

 

趙雲(あれが最近噂の曹操か・・・・侮れん奴)

 

一刀(こんな所で出会えるとはな・・・一見ふざけている様にも見えるが、その覇気は隠しきれず・・・か)

 

 

 

 

同日。某店。

 

 

関・張・趙「「「お帰りなさいませ♪ ご主人様♪」」」

 

野郎共「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」

 

一刀「お帰りなさいませ。お嬢様」

 

女子共「「「「キャ――――――――――――――――――――ッ!!!!」」」」

 

そんなこんなで今日のお仕事。

メイド服に身を包んだ三人娘と、執事服を着た一刀が働く事になった。

 

基本的には接客業なので、一刀にとって苦は無いのだが・・・・・・

 

関羽「・・・どうして私がこんな事を」

 

生粋の武人たる関羽にはとても苦痛だったようで。

舞台裏に下がるなり、いきなり壁に手を当てて反省のポーズを取っていた。

 

趙雲「今日の宿代にも事欠く有様なのだから止むを得まい。探した仕事の中では、この仕事が一番給金が良かったのだ」

 

関羽「しかし・・・主でも無い者にご主人様などと呼ぶのは「お帰りなさいませ♪ ご主人様♪」だ・・・な」

 

趙雲「どうぞこちらへ♪ さぁ、ご主人様♪」

 

関羽「・・・・・・」

 

落ち込む関羽を尻目に、上手く仕事をこなして行く趙雲。

それにしてもこの趙雲、ノリノリである。

 

関羽「むぅ・・星。お主、少し上手くやり過ぎではないか?」

 

趙雲「何を言うか。ほれ、北郷殿の方を見てみろ」

 

関羽「む・・・・・?」

 

視点変更。その先には・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「お帰りなさいませお嬢様。今日はいかが致しますか」

 

女性客「えっと・・・それじゃぁ・・・・その・・・・最近・・・・肩が凝ってる・・・かな?・・・だからその・・・・」

 

一刀「承知いたしました。では、失礼」

 

女性客「ふぇ・・・んぁっ!!」

 

一刀「中々に凝っていますね。お疲れの様で」

 

女性客「あっ、やぁぁ・・・そんな・・・気持ち良すぎて・・・・ひぁっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

趙雲「・・・・・・な?」

 

関羽「すまない。何も分からなかった」

 

趙雲「まぁ良い。兎に角、腹が減っては戦は出来ぬという事だ」

 

関羽「むぅぅ・・・しかし・・・」

 

趙雲「お帰りなさいませ♪ ご主人様♪」

 

関羽「・・・・・・・・」

 

置いてけぼり(?)をくらう関羽。そんな関羽の所へ次は一刀がやってくる。

 

一刀「お疲れさん」

 

関羽「む・・・・北郷殿。北郷殿はこういった経験がお有りなのか? やたら上手いようだが・・・・」

 

何が、とは言わない。

 

一刀「ん? そりゃまあ、執事として、とある令嬢の家に潜入する仕事とかやったからかな? そしたらいつの間にか身に付いてた」

 

関羽「すまない。何も参考にならなかった」

 

そして、一刀の言っている事の一割さえも理解できていない関羽である。

 

一刀「それよりさ。アレ、いいのか?」

 

関羽「む?」

 

一刀が指差したのは張飛。

その張飛は、今まさにラーメンを客に浴びせている所だった。

 

その後もしばらく眺めていたが、面白いようにミスを重ねていく張飛。

最初は小さな被害で済んでいたのだが、その被害は止むどころか増していくだけ。

 

関羽「・・・・鈴々。ちょっと来い」

 

張飛「んにゃ? あ、愛紗? な、何か怖いのだ・・・・」

 

一刀「程々になー」

 

数分後。

張飛は宿に帰っているように命じられたとさ。めでたしめでたし。

 

 

 

 

数時間後。

仕事を終えた一刀たちは宿へと帰ったのだが・・・・・

 

関羽「・・・鈴々はまだ帰ってきてない?」

 

宿主「えぇ。お客様の部屋には、まだ誰も帰ってきていませんね。何か心当たりでも?」

 

関羽「いや、何も」

 

ギィー・・・・バタン

 

趙雲「どうだった?」

 

関羽「まだ帰っていないそうだ・・・・」

 

趙雲「そうか・・・ふむ」

 

立ち上がり、部屋から出て行こうとする趙雲。

 

一刀「何処へ?」

 

趙雲「いや。待っているのも退屈なのでな。しばらく街をうろついてみようと思う」

 

一刀「そうか・・・・」

 

趙雲はそのまま出て行き、部屋には俺と関羽が取り残される。

 

一刀「・・・・・・・・・」

 

関羽「・・・・・・・・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

関羽「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

うん。何でだろう。気まずいや。

よく考えたら、関羽とはまともな会話をした事が無いんだよな。

 

一刀(かと言って、このままずっと黙っているのもな・・・・)

 

関羽「あ、あの」

 

一刀「ん?」

 

先に口を開いたのは意外にも関羽の方だった。

いや別に意外でも何でもないのだが、さっきからずっと俯いていたので。

 

関羽「その、鈴々から聞いたのですが、北郷殿は、その、昔、両親を失われたとかどうとか・・・」

 

どうしよう。あまりにもヘビーな話が飛んできたよ。

 

関羽「あ、いや! 気を悪くしたのであればすまない!!」

 

一刀「いや。別にそういう訳じゃないんだけどさ。あんまりにも重い話が来たもんだから驚いて・・・」

 

関羽「あ、す、すまない・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・」

 

関羽「・・・・・・・・・・・・・・」

 

会話終了のお知らせ。どうやら俺たちは相性が悪いらしい。

 

一刀「・・・確かに俺は両親を失った」

 

何でだろう。終わったと思った会話を繋ぎはじめたのは、俺だった。

 

一刀「と言うよりも、家族と呼べるものを失ったと言った方がいいかな?」

 

関羽「は? それはどういう・・・?」

 

一刀「母親を殺したのは父親だ」

 

関羽「――――――――――――――ッ!?」

 

関羽が息を呑むのを分かる。こんな話、他人にするものでは無い筈なのだが、俺の口からは言葉がこぼれ続けた。

 

一刀「その父親は責任から逃れる為に姿をくらました。俺たち兄妹を置いて」

 

関羽「・・・北郷殿は追わなかったのか? その父親を」

 

・・・あぁ。そうだな。俺もそうしたかったのかもな。

 

一刀「出来なかったんだよ。次に死んだのは俺だからな」

 

関羽「・・・・・・・・・・・・・は?」

 

俺が何を言っているのか分からないような表情をする関羽。そりゃそうだ。目の前で話をしている人間が、自分は死人だと言ったんだからな。

 

一刀「母親が死んだ後、俺は妹の為に死に物狂いで働いた。妹だけにでもマトモな人間生活を送って貰いたかったからな。そうして数年後、生活も整って来た時に――――――俺は死んだ」

 

関羽「・・・・・・・・・・・・・・」

 

一刀「原因は事故。運命を呪ったね。何故自分が死んで、母親を殺した父親みたいな人間がのうのうと行き続けるのだろうって」

 

関羽「・・・・それは」

 

一刀「憎かった。殺したかった。だけどそれは叶わない想い。そして次に目が覚めたとき――――――――」

 

 

 

 

 

 

―――――――――俺はこの大陸に居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

関羽「・・・・・・・・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・」

 

二人の間に気まずい空気が漂う。最初の気まずい空気とはまた違う、別の空気だ。

それでも尚、俺は言葉を発し続ける。

 

一刀「初めて会ったのは趙雲だった。そこで俺は天の御使いとして呼ばれ、幾多の賊を殺してきた」

 

関羽「・・・・・・・・・」

 

一刀「自分が何者なのかも分からないまま。何で死んだはずの自分が生きているのか。気づいたら此処に居て。生き残る為に命を殺して。俺は・・・俺は・・・・」

 

関羽「・・・もういいです」

 

 

気づいたら俺は関羽の胸に抱かれていた。

伝わってくるのは、関羽の心臓の鼓動。

 

 

関羽「もういいんです。涙を流してまで、自分の事を語らずとも」

 

言われて初めて気づく。自分が無意識のうちに涙を流していた事に。

 

関羽「あなたが何者なのか。何故あなたが此処に居るのか。それは私には分かりません。ですが、少なくともあなたは此処にいます。私が今抱いているのは北郷 一刀。あなたなんです。あなたの心臓の鼓動は、しっかりと伝わってきています」

 

トクン・・・・トクン・・・・・

 

関羽「今分からずとも、いずれ分かる時が来るはずです。ですから今はどうか落ち着きくださいませ・・・」

 

一刀「あ・・・・・・・・」

 

そこでようやく落ち着く。

何故俺はこんな事を話していたのだろう。運命がどうであろうと、それは関羽には関係のないこと。なのに・・・・・

 

一刀「・・・・・・すまない関羽」

 

関羽「愛紗です」

 

一刀「え・・? でもそれは真名だろ? どうして・・・・」

 

関羽「良いんです。初めてあなたに触れて・・・あなたの事が分かった気がします。星や鈴々には、同じ事を話したのですか?」

 

一刀「いや・・・関羽が初めてだ」

 

関羽「そうですか・・・なら尚の事です」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

関羽「・・・・・・・・・・」

 

三度流れる沈黙。しかし今度はそう長くは続かなかった。

 

一刀「・・・ありがとう、愛紗」

 

愛紗「ふふっ、どう致しまして。一刀殿」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「こおおおおおおおおおおおおおらああああああああああああああっ!!!」

 

 

 

 

一刀「・・・・・何だ五月蝿い」

 

まさか目覚ましが怒鳴り声とはな。お陰でバッチリ目が覚めたよ。

 

趙雲「お、北郷殿。今お目覚めか」

 

一刀「まぁな。んで何だ?」

 

趙雲「何、見ての通りだ。一晩帰って来なかった義妹が今帰ってきたのでな。それを義姉が叱っているところだ」

 

一刀「あぁ・・・」

 

見ると確かに、愛紗が張飛を叱っている途中だった。そりゃ一晩中帰ってこなかったんだもんな・・・・義姉としては心配だったんだろう。

 

しかし説教が終わる気配が一向に無いので、仲裁に入ろうとする―――――のだが。

 

??「あ、あの~」

 

一刀「ん?」

 

張飛に続いて出てきたのは、完全なる絶対領域を保っている茶髪のポニーテール少女。

というか、この子も含めて俺の出会う女の子はやたらとレベルが高い気がしてならない。

 

愛紗「お主は?」

 

??「えと、あの、どうも。私・・馬超って言うんだけれど」

 

は? 馬超? あの錦馬超か? どうしてこんな所に・・・・・

 

 

 

張飛「馬超はねー。鈴々の新しいお友達なのだ!!」

 

 

 

愛紗「へ?」

 

趙雲「ふむ?」

 

一刀「は?」

 

コイツはまた・・・面倒臭い事になりそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                     TO BE CONTINUED

 

 

 

あとがき。

 

東方人形劇 ver.1.8をクリアー。E魔理沙鬼畜すぎるよE魔理沙。

 

さて、世間は春真っ盛り。お花見が楽しい時期ですねー。

 

そして私の心にも春が来ないものですかねー? 世の中のリア充なんてb(ry

 

はい。本当に書くことが無いんでこの辺りにしておきます。

 

このシリーズを呼んでくださっているTINAMIユーザーの皆様、本当に有難う御座います!! 感謝の気持ちでいっぱいです!!

 

ではまた。次の作品で会いましょう。

 

 


 
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