No.204585

真・恋姫無双 夜の王 第45話

yuukiさん

真恋姫無双夜の王、最終決戦編。突入

2011-03-02 21:51:35 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:7912   閲覧ユーザー数:6190

この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。

 

また、一部キャラを否定する場面もございます。

 

ご理解をお願いいたします。

 

まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、

 

こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

 

 ”大切なモノを守る為に、何か犠牲にするのは間違っているのか”

 

 

結局、劉備はその問いに答えることは出来なかった。

 

そうして、俺は劉備を従え城壁の上に立つ。

 

生贄と兵、民の前で手を上げ、下げれば

 

 

     ザシュ

 

   ボトッ ボトボト

 

 

それだけで二百を超える命があっさりと消えた。

 

城壁の上から落ちる無残な首を見ながらも、心にさして波は無い。

当然だろう、彼らは誰かの愛すべき隣人で在っただろうが、

俺にはただの数万人いる裏切り者の一握りなのだから。

 

そんな中、群衆の群れより小さな呟きが耳に聞こえた。

 

 

 

、、、、、、、、、『魔王』と、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

 

 

処刑から数日、もうすぐ暁という時刻。

ようやく後始末も終わる頃、俺は一室にみんなを集め、

さしあたってのこれからの対応と、桃香達のことについての軍議を開いていた。、、、のだが

 

一刀「恋、その、もう少し緊張感を出せないか?一応、秘密裏の会議なんだが、、」

 

恋 「んっんん、、、ふわぁ、、、ねむぃ」

 

鼻提灯を膨らませて船を漕ぐ恋が居ると場がなごみ過ぎる。凪や沙和は既に堕ちてしまっているし

 

音々「無茶を言うなです!恋殿は一日4,5刻(9時間)は寝ないといけないのですぞ!」

 

うん、ものすごく健康的だな。

 

麗羽「まあ、恋さんのことは良いじゃないですの。とても可愛らしいですし、、はあ、はあ」

 

、、、、忘れてたが、麗羽も華琳と同類だったな。

 

麗羽に警戒心をむき出しにする音々にため息をつきながら、本題に入る。

 

一刀「まずはみんな、今回に件、良く動いてくれた。おかげで、さしたる問題も無く一旦は決着がついた。ありがとう」

 

斗詩「いえ、当然のことをしただけですし。ねえ、文ちゃん」

猪々子「おう!そのとおりだぜ」

 

小蓮「シャオも一刀の”妻”として当然のことよ」

明命「はぅわ!そのようなこと、何時の間に決まったんですか!」

 

俺の言葉に各々が反応を示す中、桃香の左側に居た黄忠(左に趙雲、後ろに鳳統が居る)が手を上げた。

 

黄忠「あの、鳳薦さん、よろしいですか?」

 

ちなみに、桃香が真名を俺に預けたことで趙雲、黄忠、鳳統の真名も貰い、俺も預けた。

まあ、相手に本名で呼ばれない限り、俺も呼ぶ気は無いんだが。

 

一刀「なんだ?黄忠」

 

黄忠「先の言葉、問題無く決着したとは高定殿や馬超さん、愛紗ちゃんを取り逃がしたのも、問題は無いと?」

 

俺を図るためのだろう言葉と、真剣な眼差しに苦笑いを浮かべながら答える。

 

一刀「ああ、さしたる問題は無かった。捕えて居れば、”彼ら”と同じようにしなければならなかったからな」

 

黄忠「、、それはつまり、処「どうでもいいだろ、んなことはよー」、、そう、ですね」

 

一刀「、、随分と、機嫌が悪そうだな」

 

黄忠の言葉を、機嫌が悪そうに舌打ちしながら遮ったのは、獅堂だった。

 

獅堂「ああ、そりゃ、なんだかとても楽しそうなことやってんなって、テメーのとこ来たら全部終わってやがるし。裏切った糞共も大して傷めつけもしねえであっさり殺すしよ。そりゃ、機嫌も悪くなるだろーが」

 

一刀「そうか、悪かったな。”たまたま”時間がなかったんだ」

 

たまたま、の部分を強調して言えば、獅堂は感づいたのだろう、睨みつけてくる。

 

獅堂「ちっ、まあいい。それがテメーの判断ならな。けどよ、これはどういうことだ?んで、こいつらが此処に居る」

 

無論、獅堂が差すこいつらは桃香達だ。

 

獅堂「ああ、そういやこいつの部下の関羽は高定の奴に続いたんだったなあ、ただ殺すだけじゃ甘めえから凌辱でもした後で殺すのか?それなら趣味じゃねえが手伝ってやるよ」

 

嘲笑を浮かべた獅堂が四人を見れば、黄忠と趙雲は睨み返し、桃香と鳳統は若干震えていた。

 

一蝶「獅堂、いくら気が立って居るとは言えいささか悪趣味ですよ。一刀様がそのようなことをする筈がないでしょう。劉備達が此処に居るということはそう言うことなのでしょう」

 

獅堂「けっ、随分悟ってんなあ、、おい。まあいい、わかってんだよ、んなこと」

 

一蝶「不機嫌ですね、別段降将が珍しい訳ではないでしょう。翆や蒲公英の前例もあります」

 

獅堂「馬女共とこいつらは違げーだろ。悪りいが、俺は信用なんかできねーぞ「でも、」、、、んだよ、赤髪」

 

侮蔑の目線で四人を見ていた獅堂に、何時起きたかは分からない恋が喋りかける。

 

恋 「でも、桃香も紫苑も雛里も、、悪い人じゃない、、良い人」

 

おそらく、蜀に居た頃のことを思い出しているのだろう、恋は寝ぼけ眼でそう言った。

その言葉に獅堂は舌打ちしながら顔を背けるしか出来ない、

恋が嘘など言っていないと分かっているから。

 

恋 「獅堂も、ほんとうは良い人」

 

 

恋の言葉をしきりに、俺は次の話を始めた。

 

 

 

一刀「じゃあ、軍議を続けるぞ。実の所、先の反乱で問題は無かったが、俺の大陸平定が佳境に陥った。、、、風、説明を」

 

いまいち理解をしていない麗羽や猪々子、獅堂や桃香を見て風に説明を促す。

 

風 「ぐぅぐぅ、、はっ!。はいー。実の所、今の天は結構まずいのです。お兄さんが風の睡眠時間を削らせるくらいにー」

 

気が抜けたような口調だが、場が引き締まる。

 

風 「まず翆ちゃんと蒲公英ちゃんが抜けたのが痛かったのです。これではもう涼州は反旗を翻してくるでしょう、、二人の意思とは関係なく。、、長い間お兄さんの傍、洛陽に居たのがまずかったのです」

 

長い間涼州に地から離れていた二人では、残念ながら民をコントロールするのは無理だろう。

それには俺も同感だっだ。

 

風 「次に高定さん。あの人は一応越雟郡では英雄ですし、天の小さな村や諸侯達の纏め役だった人なのです。ですから越雟郡に近い地の諸侯や民はもう味方とは言えませんねー」

 

獅堂は舌打ちをしながら凪達三人を睨みつけていた、

『どうして殺しておかなかった』と言わんばかりに。

三人はその視線に委縮するだけだ。

 

前に三人の修行をした後も、何度か獅堂はそれに付き合っていた、

なんだかんだで三人を高く評価していたんだろう。

あとで俺が逃がすように言ったことを伝えておかないとな、、、

 

風 「そして、関羽さん達の追随」

 

風がそう言った瞬間、劉備の肩が少し震えていた。

 

風 「まあ劉備さんが此方に残ってくれたおかげで蜀が取られることはないでしょうがー、一騎当千の関羽さんや張飛さん、厳顔さんの三人に軍師の諸葛亮さん。あと魏延さんも無視できない大きな問題なのです」

 

風の言葉が終わると、場に静寂が訪れる。

 

何も問題は無い、問題は無いが今の天は窮地に陥っていた。

 

風 「これらを踏まえて、今の天に残っているのは司州、幷州、蕹州、それから交州の一部、む~、大変ですね~」

 

ふざけたように語尾を伸ばす風の喋り方はこの場にはあっていなかったが、、

 

風 「かつて栄華を極め、大陸大強と謳われた栄国天が今やその地力を半分近く失ってしまいましたー。、、、、、本当に、大変なのです」

 

徐々に小さくなる声に誰もが黙りこむ。

 

小蓮「そして、この機会をお姉様達が黙って見てる訳がない、ってことだよね」

 

真剣な眼差しで見てくる小蓮に頷きを返しながら肯定する。

 

一刀「ああ、そうだ。天の窮地を見逃すほど、雪蓮や華琳は馬鹿でも無ければ甘くも無い。すぐに攻めてくるだろう。俺がしようとしていたように大軍をもってな。この状況じゃ、有能な戦略家なら十人が十人共負け戦だというだろうな」

 

俺の言葉で、場がさらに沈む。

 

一刀「だが、俺は負けるとは思っていない。だって、そうだろ、」

 

俺の言葉で、全員の顔が上をむく。

 

 

 

  「此処に居る全員が、敵となる三国より引き抜いて来た英傑だ。

               勝つ理はあれど、負ける理などある筈がない

                     恐れるな、勝利は俺達の上にしか輝かない」

  

 

 

嘘でもいいと思った。

気休めにでもなればと思った。

 

だから、”俺は笑う”何時もの様に、笑い続ける。

 

昔から、笑うのだけは得意だったから。

その笑顔が好きだと、何度も彼女達に言われたから、、

 

 

  「くっくく、」

 

  「ふっふふふ」

 

  「あっふふは」

 

俺の言葉から数秒、静寂を保った部屋に

 

獅堂「くくくっくか、はははははははははは!!!」

 

麗羽「ふふふ、おーっほっほっ、おーほっほ!!!」

 

小蓮「あっははははは、あはははははははっは!!」

 

三つの笑い声は木霊する。

 

 

獅堂「はあ、はあ、ああ、そうだよなあ、おい!やっぱテメーは最高だぜ、一刀!」

 

麗羽「まったく、何を当然のことを言っていますの一刀さん!勝利がこの私、袁家当主たる袁本初の上に輝かずに一体どこに輝くというのです!」

 

小蓮「うんうん!一刀がお姉様達に負ける訳ないもんね!当然だよ!一刀はシャオの夫なんだから!」

 

 

最初にその三人が笑い始め、

 

 

恋 「うん、、、恋の家族は、絶対恋がまもる」

音々「まったく、此処まで馬鹿だとは思っていませんでしたぞ!」

風 「ふふ、そう言いながら赤くなる音々ちゃんも可愛いですね~お兄さんに英傑だって言われて嬉しかったのですかー「風殿~!」まあ、そう言う風も嬉しくてたまらないのです」

 

凪 「一刀様、、なんて大きな方なんだ。やはり私は一生一刀様について行きます!」

沙和「あー!凪ちゃんだけ点数稼ぎずるいの!沙和も、沙和も一生ついて行くの!」

真桜「あ、あかん、惚れ直してまう」

 

猪々子「うう、思わず惚れちまうよ、アニキ~」

斗詩「か、一刀さん(ポッ)」

明命「か、一刀様~、はぅわ~」

 

月 「へ、へう~ 」

詠 「なっなにかっこつけてんのよ、あの馬鹿は!」

哀 「一刀様、、流石です」

一蝶「やはり貴方は稀有の存在!ああ、あいもかわらず美しい!」

 

全員が笑い出す。

 

 

 

その中で、趙雲もまた笑みを浮かべる。

 

趙雲「ふふ、三国ということは私達も入っているということだな?」

 

黄忠「そうみたいね、、、なんだが毒気を抜かれた感じがするわ。さっきまで彼を測ろうとしていた自分が馬鹿らしいわね」

 

鳳統「あわわ、あわわ」

 

桃香「か、一刀さん。かっこいい、、よ」

 

趙雲「、、、天国君主の人望は魔性、妖術の如く人を捕えると聞いていたが、、」

 

少しため息をつき、また笑い始める。

 

趙雲「なんてことはない、、懐が深く、人より愛情が強いだけではないか」

 

 

そうして、交戦への意欲は増し、敗北の恐怖は薄れた。

 

風と音々、そして時折小さい声で喋る鳳統が次々に軍議を進めていく。

 

正確な兵数、兵糧、部隊の再編、兵法、軍略

 

飛び交う重要な情報を少しでも読み取ろうと将達は食いつくようにそれを見ていた。

 

麗羽、猪々子、獅堂に恋は早々に脱落していたが、、(沙和と真桜は聞いていたが理解していたかは怪しい)

 

既に日も昇りきり、そろそろお開きという時、桃香が手を上げて発言した。

それを聞いた俺は思わず笑みを零す。

桃香は桃香の歩むべき道を歩んでいるようだ。

 

麗羽「劉備さん、あなた本気ですの?魏と呉、それに高定さんの所に自分を使者として送ってほしいなんて」

 

桃香「はい、本気です」

 

獅堂「はっ、んなことしてどーなんだよ。戦う相手と何を話し合うってんだ」

 

桃香「戦わない為に話し合うんです!戦えば人が死にます。血を流さない方法があるなら、それを探すべきです」

 

獅堂「ちっ、随分と強気じゃねえか「獅堂、もういい、お前の負けだ」、、ああ、わーってる」

 

素直に退いた獅堂に感心しながら、俺は劉備を見る。

その眼に、迷いは無かった。

 

一刀「本当に行くのか?敵国の使者なんて、華琳も雪蓮も迷わず殺すと思うが」

 

桃香「はい、行きます」

 

一刀「大陸の支配、俺は一歩も譲らない。なら華琳達には戦わずに全面降伏を進めることに「行きます」、、、はぁ、わかった。認める」

 

桃香「本当ですか!「ただし」、なんですか?」

 

喜び飛び上がろうする桃香に釘を刺す。

 

一刀「何度も言うが時間がない。行くならすぐに立ってくれ、それにお前が使者に出ている間に天は戦の準備を整える。時間稼ぎだと思われるがいいな?」

 

桃香「はい」

 

一刀「それと、連れは趙雲と鳳統、後一蝶に付いて貰う。無論、兵は天兵のみだ。元蜀兵は入れないが、それでいいか?」

 

桃香「はい、、、大丈夫です」

 

遠くの地に行くのに気心が知れたのは二人だけ、その上かつて自分を嫌っていると言い放った男を付ける。少し脅したつもりだったんだが、無駄だったみたいだ。

 

一刀「なら、早く行け。そしてとっとと帰ってこい、戦が始まるまでにな」

 

桃香「ありがとうございます。けど、私は戦を止めます。行こう、星ちゃん、雛里ちゃん」

 

趙雲「御意、では失礼します。”主”」

 

鳳統「あわわ、、いってきましゅ。ご、”ご主人様”」

 

二人の言葉に慟哭しながら、そんな自分に苦笑する。

 

一刀「ああ、いってらっしゃい。一蝶、頼んだぞ」

 

一蝶「ええ、御心のままに。お任せを」

 

 

そうして出て行った四人を見送った後、

 

一刀「今日はこんな時間に悪かったな。みんな仕事は副官に任せて午前中は休んでくれ」

 

   「「「「はい」」」」

 

乱世最後の戦いまで、時間はそうない。

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
65
11

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択