------その時代は荒れるに荒れていた。

大陸を治めるはずの朝廷は賄賂が飛び交い、宦官の牛耳るのは日常茶判事

民を守るはずの官軍は盗賊の出現に恐れをなし、街や村が襲われるのは当たり前であった。

強い者が弱い者を搾取し、その弱い者が更に弱い者を搾取する。-----普通のことだ。

魔法？妖術？占い？何が正しいのか分からない。

平和のために戦う？頭がおかしいじゃないのか？

人を殺してはいけない？なんで？

私腹を肥やしてはいけない？なぜ？

そんな世の中であった。

民を救うはずの朝廷は悪徳宦官により、搾取し、少しでも反抗すれば待つのは死罪。

民達は毎日、生きるか死ぬか。

作物も実らず、凶作続き。

雨は大河を氾濫させ、山は怒りを噴出す。

しかしそんな世の中は変わりつつあった。

この時代に現れるのは天下を目指す群雄達。

東西南北それぞれ別れ、ある者は民のため、覇のため、義のためそれぞれが戦った。

天の御遣い？そんな非現実的なことなどありえない。

雨の如く飛び交うのは弓矢。

交差するのは矛や槍。

ぶつかり合うのは剣、刀。

聞こえるのは、馬の嘶きや怒号、悲鳴、断末魔の叫び。

ただ、現実的に軍師が策を立て、勇将達が戦場を走り回った。

今、始まろうとしていた。

様々な物語が混ざり合い、交差し、壊れ、合わさる。

外史、パラレルワールドというかもしれない。

確かにそれは正史でもないかもしれない。

ただの・・・語られることのなかった物語。